大爆笑!!人生劇場 ~大江戸日記~

【だいばくしょうじんせいげきじょう おおえどにっき】

ジャンル ボードゲーム
対応機種 スーパーファミコン
発売元 タイトー
開発元 アクトジャパン
発売日 1994年11月25日
定価 9,900円
プレイ人数 1~5人
判定 良作
爆笑!!人生劇場シリーズ


概要

  • ドキドキ青春編』に続いて発売されたシリーズ6作目、SFCでは3作目に当たる作品。
  • 江戸時代を舞台に人生を歩み、お金持ちを目指す。

特徴・システム

  • 最初にプレイ人数を決めるが、本作ではシリーズでも珍しく5人までプレイできる。
    • コントローラーが足りなくても使うコントローラーが指示されるので、受け渡しでプレイできる。
  • キャラメイクは名前を入力し、性別、顔型、目、口、色を選んだあと、神様から4つ質問をされる。これに答えることによって初期パラメータが決定される。
    • 名前は江戸時代らしくひらがなのみで入力する。
  • パラメータは学問、力、魅力の3種類で、イベントや着替えによって上下する。
    • 数値に極端な差がついてしまうとバッドコンディションを引き起こし、給料日ごとに支出が発生するようになってしまう。
    • 学問
      • 主に学業系イベントで上がる。医者などに必要になる。
      • 学問が高いのに力が弱すぎると病気になってしまう。
    • 運動や力仕事などで上がっていく。関取や農業など力関係の職業に必要になる。
    • 力が高いのに魅力が足りなすぎると野生化してしまう。
  • 魅力
    • おしゃれや歌などで上がっていく。役者・芸者などの職業に必要。
    • 魅力が高いのに学問を疎かにすると顔に歌舞伎の隈取を入れてしまう。
  • CPUキャラは5人(男3人、女2人)いて、それぞれ強・中・弱の設定と志望する職業と初期パラメータが違っており、動き方も違っている。誰を相手にするかはこちらが選べる。
  • スタート前に順番がシャッフルされ、全員に呼び方が決められる。
    • 男なら(名前)の助、(名前)え門など、女なら(名前)ひめ、(名前)小町というように入力した名前の後ろに付けられる。これは後から設定で変更できる。
  • マップではサイコロを振って進み、イベントをこなしていく。
    • マップでサイコロを使うのはFCの人生劇場2以来久しぶりの事である。
    • サイコロを振るほかに巻物を使う、着替え、ステータスの確認、呼び方の変更なども行える。
  • 本作では子供時代、大人時代1、大人時代2、最後の町の4種類のマップがあり、これを順番に進んでいく。
    • ターンが経過すると夜になったり昼になったりする。
    • 大人時代1と2の間には化物屋敷という3Dダンジョンを探検することになる。
  • マップには様々なマスが存在する。
    + マスの種類
  • 赤いマス
    • 子供時代にのみあるマスで、日常生活や喧嘩、落とし物などのイベントが発生する。
    • 寺子屋マス
      • これも子供時代にのみ存在するマスで、寺子屋で勉強したり、盆休みの場合お手伝いをしたりする。
      • 3つの選択肢がそれぞれ学問、力、魅力に対応しており力以外は下がることはない。
    • 巻物マス
      • 巻物が手に入るマスで、止まると4本の巻物が表示され、一つを選ぶと手に入った巻物の名前が表示される。
      • 巻物を使うと一定期間2割引きで買い物できたり、サイコロの目にプラスして進めたり、自分と相手の位置を入れ替えたりなどさまざまな効果を発揮する。
    • 店マス
      • 店に入って買い物ができる。何の店なのかは背景や看板に書かれている。
        + 店の内容
      • 呉服屋
        • 服を買える店で、着替えることでステータスをアップできたり、妻(夫)に着せることでハートが上がったり下がったりする。
        • 着替えは服と頭用のかんざしや頭巾などを一つずつ身に付けられる。
        • 本作では男物と女物の差異がなくなっており、どんな服を着ようとペナルティはない。
        • 万屋
          • 資産を買える店で、資産を持っていると給料日に収入が増えるほかイベントで値上がりまたは値下がりしたりする。
          • 資産によっては3つ一組でボーナスが発生するものがあり、売り物の中にある場合は店主が教えてくれる。具体的にどれなのかは教えてくれない。
        • ぜいたく屋
          • 怪しげな店主(酔っ払い)が入ったキャラの性別によって違う服の購入を薦めてくる。買うと8回払いのローンを組むことになる。
          • 薦められる服はマップによって固定で、普通に買うより早いタイミングで手に入るものもある。
          • 値段そのものは普通に買うときと同じなので、全く問題のある店ではなかったりする。
        • 国屋
          • 国を買える。国を買うことで税金収入が入るようになり、特産品や災害などのイベントが起こる。
          • 買った時に税率を決めるのだが、力の10の位(例えは現在の力が36なら30%)より高い税率にすると一揆が起こり大きな損害を受ける可能性がある。
          • 同じ国で2回一揆が起きてしまうとその国を神様に没収されてしまう。
          • 所有者の学問が低すぎるとその国の住民達が逃げ去り、人手不足に陥ってしまう(勿論、損害を受ける)。逆に学問が高くなれば、その国の住民達が戻って来て人手不足が解消される。
    • 小判マス
      • 大人編で登場するマスで、日常イベントや職業イベントが発生する。
      • 転職イベントや呪い・お祓いなどもある。
      • 同じターンに同じマスに止まっても違うイベントが発生することもある。
    • ハートマス
      • 恋愛イベントが発生する。マップの一部に大量に配置されている所がある。
    • ゴール
      • マップの最後にあるマスで、1着でゴールするとボーナスがもらえる。この時にゴールから最も遠い位置にいる人はペナルティとしてお金を取られる。
      • 誰かが1着でゴールした時点でマップは終了となる。
  • 職業
    • 本作の職業は子供時代が終了した後、神様によって決められる。
    • 決定にはゴール時点でのステータスが反映されており、それによってなりやすい職業がある。
    • ステータスが低いと盗人になってしまったり、どの職業の条件も満たしていないと坊さんになるなどの設定もある。なるのが難しいレアな職業もある。
    • 職業にはいろいろあり、高給取りなかわりに出世しにくい医者、給料は最低なかわりに最後のマップで大きな役得がある*1火消しなど10種類が存在する。
    • 各職業は4つのランクがあり、それぞれ1段から10段までの段位*2があり、10段から出世すると1つ上のランクに上がる*3ようになっている。
      • 各職業には出世に必要なステータスが設定されており、ステータスがアップすると出世し、ダウンすると降格する。出世すると給料が上がっていき、ランクアップすると一気に上がる。
  • 恋愛と子供
    • 恋人は男女8人ずついて、デートをするとハートが上がり、20を超えると結婚でき相手の資産をもらえる。
      • デートイベントは昼と夜とで異なっており、夜の方がハートの上昇量が多め。
    • 結婚した後に浮気をすることもできる。浮気をすると妻(夫)のハートが下がる。浮気相手のハートが20を超えると愛人にすることができ愛人の資産をもらえる。
    • 相手によっては働いて稼いでくれたり、無駄遣いをしたりする。無駄遣いのみ愛人でも行う。
    • 結婚又は愛人にした後ハートが10以下になると別れることになり、慰謝料として資産を返すことになる。
  • 結婚した後に奥さん(旦那)や愛人のハートを上げると子供が産まれることがある。産まれると奉公に出すかどうかを選べる。
  • 子宝の巻物を使うと独身でも子供を授かれる。人生劇場3のような隠し子のペナルティはないので安心。
    • 奉公に出すと手付金がもらえ、給料日に仕送りをしてくれるようになる。子供が奉公先で出世することがあり、その場合は仕送りの額が増える。
    • 奉公に出さない場合は里帰りしてきて土産をくれたり、縁談を持ちかけられたりする。奉公の巻物で後から奉公に出すこともできる。
    • 江戸時代ということもあり子供が生まれやすく、6人以上産まれることもよくある。産みすぎても人生劇場2のような子沢山エンドに固定化されたりはしない。
  • 呪い
    • 小判マスの中には「悪霊の怨念が憑りついている」マスが存在し、止まると憑りつかれてしまい、服装が緋色の袴と丑三つ鉢巻に固定され着替えができなくなる。
    • 呪いは他の人と重なる(追い越す又は追い越される)と擦り付けられるほか、特定のマスで小夜ちゃんにお祓いしてもらうことができる。次のマップに進めば自動的に消える。
    • 呪われたままマップが終了すると呪いの力でお金を減らされてしまう。
  • ぷっつん
    • 本作ではイベントや巻物で攻撃され続けたキャラが仕打ちに対してぷっつんすることがある。
      • ぷっつんすると相手の誰に仕返しするか、どのステータスを下げるかを選択し、選んだステータスを15下げられる。
      • 仕返しが終わるとぷっつんしたキャラは髪型が幽霊髪になってしまい、治るまでの間は着替えで頭を変更できなくなる。
  • 化物屋敷
    • 大人編1が終わった後、ちょっと一息として化物屋敷に入る。
    • 基本は同じでサイコロを振って進み、ゴールを目指す。1歩につき100万両入る。ターン制限あり。
    • 十字路の形をしたフロアが2つあり、分岐に来ると進む方向を選ぶ。進んだ先には宝箱か階段があり、階段を下りて2つ目のフロアに進むとまた分岐がある。分岐の先には宝箱と青鬼、そしてゴールがある。
      • 宝箱は2つのどちらかを選ぶ形で、当たりならお金か、なぜか捕まっている恋人が出てくる。外れならお金が減ってしまう。
      • 青鬼は小判取りで対決することになり、勝つとお金がもらえ、負けるとお金が減る。
      • ゴールは4本の紐のうち1本を引くもので当たりならゴール。外れでも1回だけ小判が降ってくる場合もあるが、基本的にお金が減る。

評価点

  • 画面それぞれに江戸時代の雰囲気が感じられる。
    • マップに書かれている建物や人々を見てるだけでも楽しく、場所によっては関所や長屋があったりとバラエティに富んでいる。昼と夜でも違った雰囲気になる。
  • 短い時間でプレイできる。
    • 前作に比べるとかなり短い時間でゴールでき、サクッと楽しめる。
  • いきなり出てくる大きな顔が面白い。
    • イベント中にいきなり驚きのSEとともにシリアス調で大口を開けた顔が表示されることがある(男女で異なる)。
    • いきなり出るのでびっくりさせられるが、何が起こったのかと思えば「笑いすぎて顎が外れた」だの「買ってきた異国のエッチ本の中身が違う」だのギャグ全開なのが面白い。
      • 唯一、職業が侍の時に「天井裏の曲者を逃がした」だけはリアルな失態で浪人になってしまうが、それさえもギャグに感じさせてしまう。
  • 秀逸なBGM
    • 今作でもBGMは健在で、要所で流れる神様のテーマはスローテンポな和風アレンジになっている。マップの曲も子供時代のわんぱくな雰囲気の曲から大人編1の少し不安を感じさせる曲などバラエティに富んだ曲が揃っている。
    • 結果発表の後のその後の人生で流れる大河ドラマのような壮大な雰囲気の曲も素晴らしい。
  • 脇を固めるキャラクターたちも豊富で、しっかりキャラが立っている。
    • お馴染みの酔っ払いや小夜ちゃんをはじめ、魚屋のせいきちさん、オランダ人の貿易商ふれでりっく&えりざべーと兄妹といったキャラが華を添えている。
  • 豊富なミニゲーム
    • 今作にもミニゲームが多数あり、行く先々で挑むことになる。
    • 枯れ木に花を咲かせた数を競う『はなさか じいさん』や転がってくる岩を避けながら小判を拾う『こばんとり』、お殿様と女の子で帯を引っ張り合う『よいではないか よいではないか』という少し危ない物までいろいろ揃っている。
    • 前作のとれとれテレフォンのような『すず虫取り』もあるが、前作のとれとれテレフォンが稼ぎやすすぎた反動か、プレイできる機会が少なく報酬も安くなっている。
  • 恋愛イベントが面白い。
    • 恋愛イベントでは買い物に行ったときに買ったものが積みあがっていく様子や、城やお屋敷などぶっ飛んだプレゼントをあげたりとバラエティに富んでいる。
    • マスに止まって相手を選ぶとき、すでにほかのプレイヤーと結婚している人は名前がグレー表示になって選択できなくなっているように見えるが実は選択可能で、こちらから浮気を仕掛けて相手のハートを減らしに行けるのが面白い。
      うまくいけば離婚に追い込めるし、こちらが独身ならそのまま寝取ってしまえる。こちらが既婚の場合愛人として囲ってしまうことにはなるが、最後の精算でのペナルティは離婚よりもかなり軽いので安心。
  • 最終的な順位が現金で決まるのではなく、資産も加味される。
    • 店でアイテムを気軽に買えるようになり、プレイヤーキャラが勝手に高額品を買ってもガッカリしなくてすむ。
  • その後の人生が面白い。
    • 結果発表で優勝者が決まった後、各プレイヤーのその後の人生が表示されるのだが、これがよくできている。
  • 基本的には妻との夫婦仲、生活関係、自分と伴侶が何歳まで生きたかが下からせり上がる文章とグラフィックで濃密に表示される。
  • 夫婦仲は仲睦まじかったかどうか、場合によってはプレイヤーが愛人と駆け落ちしてしまったりする。この場合最後に表示される伴侶も駆け落ちした相手となる。
    • 異性のプレイヤー同士が結婚するという、シリーズでも異例の展開が起こることもある。この場合最後の画面にお互いの伴侶は表示されない。
  • 生活関係は職業とステータスによって変わり、職業固有の物や、同じ展開でもステータスによって分岐があったり、職業固有の分岐もあったりする。
    • 中には破産してしまったり、将軍が崩御した後、後釜に収まってしまったりというかなりぶっ飛んだ展開の物もある。
  • 最後に○○歳にてこの世を去る…と表示され年寄りの姿になる。力が高いと長生きしやすいが、展開によっては没年齢が決まっていたり没年齢不詳になることもある。

問題点

  • コンピューターの強弱の設定がほぼ無意味なうえ、個性が弱い。
    • コンピューターには強、中、弱の設定がされているが、ほとんど強さに差が感じられない。
    • 唯一ミニゲームの、はなさか じいさん だけははっきり差が現れる*4もののそれ以外はほぼ無意味な設定になっている。
    • 初期ステータスはそれぞれ違い、重視する能力も違うが学問に偏っているし、結婚相手の選び方も違うものの一人(たけひこ)以外は浮気を繰り返して愛人作りまくり、離婚しまくりで何ら変わりがない。
    • ルート選びも下手で、悪霊の怨念が憑りついているマスに自ら飛び込んだりする。
  • 化物屋敷の存在意義が薄い。
    • なかには財宝がいっぱいあるとい神様は言っているが、急いでゴールしても1000万両しか入らず、下手をすると赤字になってしまう。
    • 宝箱や青鬼もいるので、全然一息つくどころではなく、無駄にプレイ時間を延ばすだけのものとなってしまっている。
  • ちょうじゃの巻物が理不尽。
    • プレイヤーの現金以外の資産を入れ替えてしまう効果がある。対象は選べず、交換に失敗することもあるが大きくリードをしていても1発でひっくり返され負けてしまうのは理不尽。

総評

  • 前作の青春編に続いて完成度が高く、みんなで楽しめる作品であるといえる。
  • その青春編とは違ったアプローチでシリーズを盛り上げることに成功した。
最終更新:2024年11月25日 01:45

*1 火事のイベントで服が燃えてステータスが大幅に下がってしまうのを防げる

*2 最高ランクのみ99段まで

*3 ステータスの上昇量や着替えによっては一気に10段以上上がることもある

*4 弱のでんないは最高でも15点なのに対し強のたけひこ&おぎんは最低でも16点取ってくる。