4人はライバル ファミリークイズ
【よにんはらいばる ふぁみりーくいず】
ジャンル
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クイズ
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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発売元
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アテナ
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開発元
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トーセ
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発売日
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1988年11月16日
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定価
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5,800円
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プレイ人数
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1~4人
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判定
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良作
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ポイント
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テレビ番組感覚の対戦クイズ 問題の内容も非常に幅広いジャンルを網羅
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概要
1988年11月にアテナから発売されたクイズゲームでプレイヤー対戦に特化したゲーム性。
まるでテレビのクイズ番組をゲーム化したような作り。
4人対戦に対応しており『アスキースティック』や『ジョイペア』などが利用できる。
発売元からもわかる通り『ファミリー』と冠しているが『プロ野球ファミリースタジアム(ファミスタ)』をはじめとするナムコの『ファミリーシリーズ』とは無関係。
内容
クイズの方式
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その名の通りクイズのゲームで最大4人までプレイヤー同士の対戦ができる。
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後述のモードのうち「ハイマスターパーク」のみ1人プレイが可能(COMP3人を相手にプレイする)。
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他のモードはプレイヤー同士の対戦のみ。「ハイマスターパーク」もプレイヤーが2人以上ならCOMPプレイヤーは参加しない。
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クイズの解答は4択の早押し方式で、最も早く押した者が解答権を得られる。
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問題が出され選択肢が1番から順に表示される。
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問題や選択肢表示途中で押すことも可能だが、それ以上は表示されないので、まさにクイズ番組で出題者が口頭で読んでいるそのままの感覚。
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間違うとペナルティが発生。また解答権獲得後に一定時間が経過すると誤答と同じ不正解扱いとなる。
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誰も押さずに一定時間が経過した場合、全員がパスするような格好になる。
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ランダムで「ダブルクイズ」「デビルクイズ」が発生する。
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「ダブルクイズ」は正解の特典が倍得られるチャンス。
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「デビルクイズ」は正解すると相手に妨害ができる。
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妨害は誰に仕掛けるか選択できる。これを自分にする自損行為もできる。
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プレイヤーキャラには「いちろう」「じろう」「さぶろう」「しろう」と安直な名前が付けられているが変更可能。
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クイズのレベルは2段階あり1なら子供向け、2なら大人向けの問題が重視して出される。
ゲームモード
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下記4種類のモードがある。
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どのモードでも、途中途中で司会者の女の子が時折状況を伝えるカットが入る。
ハイマスターパーク
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上記番組同様に、正解するとゴンドラが上がっていき最上段到達で勝利となる。
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不正解ならばその時どれだけ上がっている状態でも一番下まで落とされる。
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上記番組は11段式だったが、このモードでは6段式で基本的に2問正解で1段上がる方式。
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1問正解=0.5段にあたるのが最上段の上にある風船。これが点灯している時に正解することで1段上がる(例・5問正解=3段目+風船点灯 6問正解=4段目+風船消灯 10問正解=6段目=最上段)。
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ダブルクイズの効果
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2問分の正解とみなされる。つまり必ず1段上がり、風船が点灯していればそれが維持される。
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デビルクイズの効果
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対象の相手のゴンドラを1段下げ、風船が点灯していればそれも消灯になる。つまり風船が点灯している相手なら3問分のマイナス効果になる。
パネルマランド
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8×8パネルが並んだ盤面があり、正解すると空いているパネルを自分の色に染めることができ、既に自分の色のパネルがあれば、それと挟むことで中間のパネルも自分の色に変わるオセロゲームのような方式。
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もし自分の色が1枚もない場合は、現状染まっているパネルにくっつける形で1枚配置できる。
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不正解時は1回休みとなる。
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最後にパネルの枚数で勝敗を決める。1位が同点ならば決勝問題を行う。
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デビルクイズの効果
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誰かのパネルを1枚横取りできる。
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ただし、この場合は既にある自分の色のパネルと挟む形になってもその間のパネルは変わらない。
ルーレットキャッスル
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クイズをしながらスゴロクをするようなゲームで、正解する度にサイコロにあたるルーレットを回し、その数字(0~5)分だけ進める。
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上記「パネルマランド」と同じく8×8の盤面があり、その外周を進んでいく形となる。
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他プレイヤーのコマのいるマスに乗り上げた場合、もう1マス前に出られる。
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四隅に、それぞれの色がある斜め矢印マスがありスタート地点はその5マス手前。
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一度自分の色の四隅マスを一旦通過して一周した後、斜め矢印マスから3マス先にある中央の自分の色のマスに辿り着ければゴール。
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ピッタリでないとゴールできず、オーバーした分はゴールマスと斜矢印マス間の斜めゾーン往復を繰り返すことになる。
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不正解時は1回休みとなる。
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基本的には先にゴールに着いた者の勝利だが残念なバグがある。
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デビルクイズの効果
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誰かを5マス戻す。
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なお、この時ゴール前の斜めマスにいる状態だった場合外周に戻ることになるのだが、もう1周させられる。
セレクターワールド
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クイズをしながら神経衰弱をするようなゲームで、正解する度に20枚のカードをめくり絵柄が揃えて取っていく。
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絵柄は麻雀牌で、マンズ9種類とイーピンで10種類。
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正解するとカードを2枚めくって、揃えばポイントになり続けてもう2枚めくれる。揃えられないと次の問題に。
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クイズに不正解時は1回休みとなる。
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最後にポイント(獲得したカードの枚数)で勝敗を決める。1位が同点ならば決勝問題を行う。
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デビルクイズの効果
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誰かが既に取ったカードを2枚(1組)無効として場に戻せる。
評価点
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シンプルで非常に取っつきやすいゲーム性。
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クイズの正解でゲームを進める権利が得られるのはテレビのクイズ番組の王道な形式なので、普段から見慣れていることもあってルールも飲み込みやすい。
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チャンス問題などテレビのクイズ番組で盛り上げる要素もしっかり網羅されている。
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ゲームに疎い当時の大人でも操作は簡単なのですぐ馴染めるだろう。
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非常に豊富な問題。
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一般常識から学校で習う政治経済、芸能関係、アニメ、ゲームなど幅広い。
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しかもレベルも調整可能で子供向けのレベル1にすれば大人との知識の格差も吸収できるので家族でワイワイ楽しむにも向いている。
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ゲームを通して知識を深めたりもできるのもおトク。特に子供にとっては、こういったゲームから断片的な知識を得て、後々学校で習うことでより鮮明に覚えられるというのはよくある話だった。
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バラエティ豊かなゲームモード。
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人気クイズ番組を模した2つの他に、残る2つもそれぞれ個性があって、それでいてシンプルで対戦が盛り上がりやすい。
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後述の通り、他のプレイヤーがいないとできない難点はあれども2人や3人での対戦でも充分盛り上がる対戦ができる。
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既存番組を模していない「ルーレットキャッスル」「セレクターワールド」も、まるで前例があるかのような完成度。
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デビルクイズのバランスの良さ。
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妨害できるのはいいが自分への特典が一切ないのはちょっと不満に感じるかもしれないが、いずれもその効果は安定したもので、しっかり「チャンス問題」と名乗れるだけのリターンはある。
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特に「セレクターワールド」では、戻った場所のカードは必然的に必ず取れるので、次の問題の価値も高めている。
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プレイ時間もお手頃。
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1プレイにかかる時間は10~15分程度と時間がかからないので、短時間に何度も盛り上がる対戦ができる。
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女の子のグラフィックがどれもカワイイ。
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コンパチではあるが非常に大きなグラフィックで描かれており、全員がカワイイ。
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2つのコントローラで4人まで対戦できる。
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早押しの回答権を得るボタンが1Pが1コンのA、2Pが2コンのA、3Pが1コンのB、4Pが2コンのBに振り分けられており、ジョイスティック等の追加コントローラなしでも4人まで対戦ができる。
賛否両論点
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得点表示の方式。
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一応、数字で明確に表示されている方がわかりやすいのではあるがムダな二重表現にもなっている。
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常に画面左のウィンドウに得点が表示されているのだが「セレクターワールド」のように取ったカードの枚数がグラフィック等で見られないならまだしも、それ以外ならば普通に視覚で判断できるので蛇足とも取れるし、実際その方がクイズ番組らしい気分も出やすい。
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また、後述のバグにも繋がっている。
問題点
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「ハイマスターパーク」以外CPUとの対戦ができない。
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そのため、他に誰かプレイヤーがいないとクイズを交えた多彩なゲーム性と言う持ち味が発揮できない。
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ルーレットキャッスルのデビルクイズの妨害効果でバグが発生することがある。
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このチャンスをモノにすると誰かを5マス戻せるのだが、ゴール手前の斜め矢印マスにいるプレイヤーに対して行うと、なんと盤面の外に出てしまう。
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これだけなら視覚的なものだけなので、そこまで致命的ではないのだが斜め矢印とゴールの間にいる場合、外周部に戻される。視覚的には上記より自然ではあるが、なんとこのままゴールへ向かおうとすると斜め矢印マスを通過してまた外周を一周しないとゴール前の斜めゾーンに戻れない。
しかも、その外周を再度一周する間も、1マスごとに得点が加算されるため、その間に順当にゴールしたプレイヤーよりも得点が高くなってしまってゴールしていないのに勝った扱いになるというおかしなことになる。
総評
テレビのクイズ番組のエッセンスをうまく取り込んでおり、問題もクイズゲームの名に恥じないほど幅広いジャンルから豊富に用意されている。
1人用ゲームとしては幅が狭く感じられ派手さには欠けるものの対戦は盛り上がるものであり、文句なしに存分にテレビのクイズ番組感覚な白熱した対戦をたっぷり堪能できる。
どちらかといえばシンプルなゲーム性の部類ではあるものの、年齢による知識差やゲーム慣れの差などプレイヤー間でハンデがあってもそれを感じさせず、友達や家族間でワイワイ楽しみやすい作品。
移植
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2015年7月14日にプロジェクトEGGにて550円で配信されている。
余談
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問題の1つに「22才の別れを歌っていたシンガーは?」というものがあり答えは「風」なのだが、間違いの選択肢に「かぐや姫」がある。
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実はこれはまんざら間違いでもなく、風のメンバー伊勢正三は、かぐや姫時代に既にこの曲を完成させており1984年にはかぐや姫版もリリースしている。
最終更新:2025年03月04日 00:26