Are You Ready?
「変身!」
鋼のムーンサルト!!ラビットタンク!イェーイ!
変身アイテムは 例によって黙ると死ぬベルトの ビルドドライバー及びネビュラガスをボトルに封入した フルボトル。
ビルドはこのフルボトルを有機物(生物・職業)と無機物(人工物・鉱物)のボトルをそれぞれ1本ずつ、 ベルトに2本装填して変身し、
その姿は右腕と左足、顔面左半分が有機物のボトル、左腕と右足、顔面右半分が無機物のボトルに対応した、2つの成分の要素が混ざった姿になる。
また複眼もそれぞれの成分にちなんだ中々ユニークな形状となる。
その中で 相性のよいボトルの組み合わせは「ベストマッチ」と呼ばれ高い能力を発揮するのだが、
基本にして最初のベストマッチである 「ラビット」と「タンク」を代表として、
その組み合わせは一見まるっきり関係ないもの同士ばかりとなっている。
似た性質の組合せ(墨で目潰しする タコ+閃光で目潰しする ライト= オクトパス ライトなど)や、
逆に長所が被らない組み合せ
(腕力の強い ゴリラ+ 硬度の高いダイヤモンド= ゴリラモンド、空を自在に飛ぶ タカ+連射の利く飛び道具の ガトリング= ホークガトリングなど)、
正反対の性質の組み合せ
(力はないが俊敏な ウサギ+鈍重だがパワフルな 戦車= ラビットタンク、永遠の命を持つ 不死鳥+命を持たない ロボット= フェニックスロボなど)は、
まだ感覚的に納得できるが、 忍者+ 漫画= ニンニンコミック*2あたりからどこがどうマッチしているのか理解し難くなり、
ハリネズミ+ 消防車= ファイヤーヘッジホッグやら バラ+ ヘリコプター= ローズコプターになってくるともはやシュールレアリズムの領域である。
これは実はベストマッチが決定された要因が成分自体の相性とは本質的には関係がないためなのだが、この理由は後々になり判明する。 *3。
またベストマッチ形態では、変身完了時にビルドドライバーから各成分をイメージしたキャッチフレーズが流れる。
ラビットタンクは上記のものだが、それ以外にも 「封印のファンタジスタ」キードラゴンのような素直に格好いいものから、
「定刻の反逆者」海賊レッシャーや 「繋がる一匹狼」スマホウルフなどツッコミ所満載のものまでバリエーション豊か。
フルボトルは3つに分断された日本の東都・西都・北都に各20本ずつ、合計60本が存在し、すべてにベストマッチとなる組み合わせがある。
そのため理屈上は30種類のベストマッチ形態があるのだが、本編で登場したのはそのうち16種類、他媒体の映像作品を合わせても18種類に留まる。 *4。
また平成二期ライダーでは形態を表す単語が作品ごとに独自のものになっていたが、本作では久々に各形態名が「フォーム」となっている。
恐らく英単語の「Form」に「姿」だけでなく「構成、形成する」という意味合いがあるため、「成分から形作られたもの」という含意があると思われる。
ベストマッチとならない組み合わせのボトルでの変身も可能。これらは トライアルフォームと呼ばれるが、ベストマッチと比べると出力は劣るようである。
そのためトライアルフォームの目立った活躍は序盤に限られ、多数のベストマッチや後述の強化形態が次々と登場した中盤以降は散発的な出番に留まる。 *5
むしろ真価を発揮するのは半身を自由に組み合わせられる食玩アクションフィギュア『創動』シリーズでは
レジェンドライダーに変身できる組み合わせも存在しており、ドライバーと武器以外本物同様というカメンライドと同じ方式になる。
法則性がまるでないためベストマッチとなる組み合わせはドライバーかパンドラパネルに2本セットで差し込んでみるまで分からず、
色々な組み合わせを「実験して」探すしかない。
なお、ビルドドライバーのベストマッチ検知機能はこのために戦兎が改造して仕込んだものである。
ボトルのキャップに書いてあるだろとか言ってはいけない。多分劇中の方にはそんなもんねーから!
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ネビュラガスとハザードレベル |
ネビュラガスとはスカイウォールから発生している謎の黄色いガスである。
ファウストはこれを採取して人間に注入する人体実験を行っており、その産物がスマッシュである。
人体が持つこのネビュラガスへの耐性の強度をハザードレベルといい、これが低すぎるとガスに耐えきれず死亡してしまう。
逆にハザードレベルが2.0以上だとネビュラガスを注入されてもスマッシュ化せず、3.0以上あればライダーシステムでの変身が可能になる。
つまり記憶を失う前の戦兎はネビュラガスを注入されたことがあるということになるが…?
本作のライダーやスマッシュの強さは基本的にハザードレベルの高さに比例し、高ければ高いほど能力がカタログスペックから上乗せされるため、
一種の 戦闘力の指標となっている。
ライダーシステムには闘いを重ねるほどに変身者のハザードレベルが上昇するという性質があり、また 個人の強い感情によっても上昇する。
ライダーシステムに特定の装置を使用したりネビュラガスを体に再注入することでもハザードレベルを急激に上げて強くなることは可能だが、
前者は暴走や自爆の危険性があり、後者は以降一度でも 大ダメージで変身の強制解除に至れば肉体が消滅して死亡するというリスクを負うことになる。
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変身時にはビルドドライバーのハンドルを回すことで スナップライドビルダーという型のような装置が前後に展開される。
そこにボトルの成分がパイプを通じ注ぎ込まれてプラモデルのランナーのように各ボディを形成し、
最後に戦兎を前後から挟み込むように装着され変身完了、という中々大掛かりなシステムとなっている。
まあこれは序の口で、他のライダーやパワーアップ形態になると更に大規模で派手な装置がベルトから展開されるようになる。
ちなみに戦兎は挟み込まれる直前に両腕を構えるようなポーズをとるのだが、
これは演者である犬飼氏が得意とする シュートボクシングのファイティングポーズがモデルだとか。
ビルドドライバーにはフルボトルそのものだけでなく、ボトルの成分を取り出し加工したものを注入する別アイテムも装填でき、
戦兎が作り出したした新アイテムを使うことで次々とパワーアップ形態が開発されていった。
またビルド用のみならず、開発した専用アイテムを装填さえすれば、あとは各人用の調整すら無しに、
クローズやグリス、ローグといった本来他のドライバーを使う全く別の姿のライダー達用の強化形態への変身用にも使えるなど、
ビルドドライバーは高い汎用性を誇る。 *6
シュワッと弾ける!ラビットタンクスパークリング!イェイイェーイ!
偶然採取したパンドラボックスの成分を使い、ラビットとタンクの成分を強化した形態。
各成分を封入したラビットタンクスパークリングという缶型のアイテムを装填し変身する。
全身にラビットタンクの意匠に加え白いギザギザのラインや丸の模様が入る。複眼のタンクは発砲(発泡だけに)、ウサギは痺れた顔になる。
能力はラビットタンクの1.5倍に向上しており、攻撃に入る発泡のエフェクトにより威力が強化されるのが特徴。
武器も全て扱える。
スーパーベストマッチ!
アンコントロールスイッチ!ブラックハザード!ヤベーイ!
ビルドドライバー上部に ハザードトリガーを接続し、ベストマッチのフルボトルで変身した形態 *7。
どのボトルで変身しても目以外の造形は同じで、
目とベルト周り以外の 全身が差し色無しで黒一色(実際は部位ごとに色味や光沢の違う黒が重なっている)という異様な外見。
戦闘力はスパークリングをさらに上回り通常形態の2倍相当、
しかもハザードトリガーから流し込まれる強化剤が肉体に浸透することにより徐々にハザードレベルが上昇していく(=戦闘力が上がり続ける)。
トリガー上部のスイッチを押しオーバーフローモードを発動することで、さらに戦闘力の底上げが可能。
おまけに敵の装甲を消滅させ防御無視で必殺技を叩き込む能力まである。
ただし強化剤の副作用により使用中は脳に非常に大きな負担をかけ、比較的短時間で自我が消失してしまう。
こうなると暴走状態に陥り、敵味方関係なく攻撃を加えるようになる。
といっても見境なく暴れまわるのではなく、一番近くの目標に対して最小の動きで効率的な急所狙いを叩き込むという行動を、
終始無言かつノーガードで延々と続けるという、機械じみた別の意味で恐ろしい状態である。
しかも普通にボトルチェンジもしてくるのだから手に負えない。
このためか、ハザードフォームの技は公式サイトに記載されたフルボトルの必殺技で唯一名前に「!」が付いておらず無機質さを感じさせる。
意識が全く無い状態なので、解除するには他の人間が猛攻を掻い潜って外部からハザードトリガーを取り外すか変身解除させるしかない。
攻撃しか考えておらず防御行動を取らない点は幸いである。
初使用時には戦兎がもっとも忌避していた殺人を犯してしまい、悲しみと罪悪感で精神がズタズタにされるなど、
ピンチを切り抜けようとして使用するも味方に被害を出して本末転倒な事態に陥ってしまうことが多い正に天災なフォームだが、
ヒロインに「強制停止装置」のリモコンを託してでもこの力に頼らざるを得ない程に戦兎達を巡る戦況が苦しかったということでもある。
そして、ハザードフォーム中に起こったエラーの最中に意識を取り戻したことが鍵となり、
出力を高めたままハザードフォームをコントロールする術を獲得する事となる。
オーバーフロー!
紅のスピーディジャンパー!ラビットラビット!!ヤベーイ!ハエーイ!
スパークリングにも相性のよかったラビットタンクの成分のうち、ふたつの同じ成分を使うことでハザードの安定制御を図った形態。
ハザードトリガーを接続したビルドドライバーにラビットタンクフルフルボトルでラビットを選択し装填して変身。
ハザードフォームにウサギ型の赤い鎧を纏わせた姿となり、両目がラビットになる。
常にオーバーフローモード並みの出力を出しながら、フルフルボトルからの調整剤によって暴走は抑制されており、自我を保ったまま戦闘を行える。
特に素早さに特化しており、次元伸縮バネで足を伸ばしてキックするなどの技が使える他、
同時開発した大剣・大砲型の武器フルボトルバスターに各種フルボトルを装填して放つ斬撃も得意技。
高出力の上にリスクも低くフルボトルもいらないので、後半は実質的に基本形態のような扱いとなった。
単体の必殺技は右脚を長く伸ばしつつ伸縮で元に戻る勢いを利用してライダーキックを放つ「ラビットラビットフィニッシュ」。
オーバーフロー!
鋼鉄のブルーウォリアー!タンクタンク!!ヤベーイ!ツエーイ!
ラビットラビットと同じ要領で、ラビットタンクフルフルボトルでタンクを選択し装填して変身。
ハザードを素体に戦車型の青い鎧を纏った姿となり、両目がタンクになる。
装着時に鎧が小型戦車として走行しながら砲撃を行い敵を蹴散らしてくれる。
瞬発力以外のスペックがラビットラビットをさらに上回り、力強い戦闘が可能。フルボトルバスターでの砲撃を得意とする。
全身の履帯(キャタピラ)が駆動して組み付いた敵を削り取る武器となる他、正座すると 下半身が戦車型に変形し、そのまま走行して集中砲火を浴びせる。
肩部の装備「BLDタンクタンクショルダー」は砲撃機能を備えており、更には自立戦闘機能もあるため分離して攻撃できる。
「瞬発力以外」とは 走力(スピード)も含むため、実質欠点無しの上位互換である。
必殺技は戦車形態と化しつつタンクタンクショルダーとフルボトルバスターを用いて砲撃したり、
巨大なエネルギー弾を発射する「フルフルマッチブレイク」。
設定上はバスターを使わない単体の必殺技に「タンクタンクフィニッシュ」という技もあるが劇中では未使用。
グレート!オールイェィ!
ジーニアス!
完全無欠のボトルヤロー!ビルドジーニアス!!スゲーイ!モノスゲーイ!
パンドラパネルから作り出されたハザードレベル上昇装置である小パンドラボックスにさらに手を加え、
内部にこれまでの全種類のフルボトルの成分やパワーアップ形態の粒子を保管して作り出した大型のジーニアスフルボトルを装填して変身した姿。
ジーニアス(天才)なのにキャッチフレーズが馬鹿っぽいとか言ってやるな
これまでとは一転して白を基調としたボディに、目や腕を始め全身の各部に色とりどりのボトルが装填されている気持ち悪カラフルな外見
(このボトルは変身時に生成されるもので、集めたフルボトルそのものではない)。
60本のフルボトルの能力すべてを使用可能で、作中では超スピードでの戦闘を主に使用している。
他にも防壁の展開や分身、浮遊、各属性を纏ったパンチなど多彩な技があるが、作中ではあまり強調されていない。
必殺技は有機物系フルボトルの力を全乗せしてライダーパンチを放つ「ジーニアスアタック」、
無機物系フルボトルの力を全乗せしてライダーキックを放つ「ジーニアスブレイク」、
そして全フルボトルの力を開放してパンチやキックを放つ「ジーニアスフィニッシュ」。
また敵に必殺技を叩き込む際に体内のネビュラガスを中和し浄化する能力を持っており、
これにより大量のネビュラガスを注入されてしまった相手を消滅させることなく救うことが可能。
これは装備したリアクターでフルボトルの成分を混ぜ合わせて新たな成分を作り出す機能をもって中和粒子を作ることで実現しており、
感情を乗せた一撃で相手に新たな感情を芽生えさせることもできる。
「何だよ、巻き込まれてんぞ!どうなってんだよ!?」
Are You Ready?
「ダメです!」
「変身!」
ラビット!ドラゴン!ビーザワン!!
クローズビルド!!イエーイ!イエーーイ!
劇場版『Be The One』に登場。
ハザードレベル7.0に達し、フルボトルを変化させられるようになった戦兎と万丈。
それにより通常のボトルを変化させたゴールドラビット、シルバードラゴンのフルボトルを、
火星の王妃ベルナージュがジーニアスフルボトルと融合させることで誕生したクローズビルド缶を使い変身した姿。
ラビットラビットと仮面ライダークローズの特徴を併せ持った姿をしており、腰布が装備されている。
変身の際に万丈がスナップライドビルダーに巻き込まれてしまい、戦兎と万丈が肉体的に融合している。
そのため戦闘中は二人の意識が同時に体を動かす形となる。
ウサギ型の鎧や龍型のエネルギー体を呼び出して操ったり、必殺技「ラブ&ピースフィニッシュ」のサポートに用いる。
元がジーニアスフルボトルなので当然その力も全て使うことが出来る最強形態だが、戦闘後にクローズビルド缶は元のボトルに戻り、
この姿は使用不可能になった。
『 仮面ライダー鎧武』以降恒例となったレジェンドライダー形態。
歴代ライダーに関係した成分が入ったフルボトルを2つ使って変身する。
ベルト以外は元のライダーの姿そのままなので、見た目は ディケイドのカメンライドに近い。
映画『平成ジェネレーションズFINAL』でエグゼイドフォーム( ドクター×ゲーム)が登場。
ゲーム『ガンバライジング』でWフォーム(探偵×USBメモリ)、オーズフォーム(タカ×メダル)、フォーゼフォーム(友情×ロケット)、
ウィザードフォーム(魔法使い×ダイヤモンド)、鎧武フォーム(オレンジ×ロック)、ゴーストフォーム(オバケ×パーカ)、
電王フォーム(モモタロス× 電車)、ディケイドフォーム(ライダーカード×カメラ)が登場している。
カッコ内はフルボトル名。一部を除き本編の60本とは別の成分である。
なお完全に余談だが、同じく2017年に放送開始した『 ウルトラマンジード』も、
「何らかの力を持つ筒状のアイテムを2つ使用する」という変身方法であることからビルドとの類似性が指摘されており、
「ビルっとしてても、ドーにもならねぇ!」なるネタが生まれた(ちなみに劇伴は両作共に川井憲次氏が担当している)。
前作の『エグゼイド』に登場する 仮面ライダーパラドクスが 青と 赤の力を組み合わせて マザルアップしたり、
『プリキュアアラモード』の変身台詞が レッツ・ラ・まぜまぜだったりと、
同時期のニチアサ・特撮の各所でベストマッチしていたのは蛇足の域。
ちょうどフルボトルに「ラビット」「ケーキ」もあるのでキュアホイップに変身できるとネタにされたり(もちろんベストマッチ判定にはならない)。
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