塗炭の拳鍔
父さんは一生懸命働いている。こんな荒廃した環境になる前は、一端の技術屋だったんだ。そんな口癖を漏らしながら、今日も使えそうな廃品を探したりしている。僕はいつも腹が減っていて、腕は骨に皮がへばりついているみたいに細い。
今日は、父さんの機嫌が良い。すごく大きな仕事が舞い込んだ、と言っていた。「この仕事が上手くいけば、何だって手に入る」そう言った父さんの表情はいきいきしていて、それを見ていると何だか僕も希望が湧いてくるような気がした。
黒くてピカピカの見たこともない機械が、僕の目の前に並んでいる。父さんは自信に満ちた表情をしていた。これを偉い人達が回収にくるらしい。そうしたら、僕の欲しい物を何でも買ってやる、と父さんは言った。僕は夢みたいなことを想像してうきうきした。
目の前の血だまりが、僕の夢を黒々と塗りつぶしていった。やってきた偉い人達は、機械を回収すると、それを生み出した父さんを殺し、全てを壊していった。僕は、涙と血でひりひりと乾いた喉を潤した。そして、この乾きは一生消えることのないものだと知った。
| 武器種 | 格闘 | レアリティ | ★★★★ |
| 属性 | 風 | シリーズ | 塗炭 |
| EN | Wretched Knuckles | ||
悪魔の穢牙
私がまだ子供の頃の話です。とても大きな力と黒い翼を持った、世にも恐ろしい悪魔がいました。悪魔は私たちの村に降り立つと、悪事を働いては人々に恐怖を振り撒きました。
私たちは生まれ育った村から離れることを余儀なくされました。しかし同時に、自分たちの故郷を取り返そうと、悪魔を打ち払おうとする者たちが現れたのです。
やがて悪魔は勇敢な人々によって捕らえられ処刑されました。悪魔の脅威に怯えることがなくなり安堵した私たちは、また村へ戻ることにしたのです。
数日後、村は天災に見舞われ多くの人が亡くなりました。人々は悪魔の怨念だと騒ぎ立てましたが、私には悪魔が、あの地から私たちを遠ざけてくれていたのではないかと、そう思えて仕方ないのです。
| 武器種 | 格闘 | レアリティ | ★★★★ |
| 属性 | 風 | シリーズ | |
| 追加日 | 2021年6月22日 | ||
| EN | Demon's Cry | ||
| NieR:Automata | |||
| + | NieR:Automata |
艶々の柔玉
私は今、単身調査中の洞穴の最奥で、ある物体を発見した。
それは艶々とした、不思議な「玉」だった。
材質が何なのかもよくわからないが、とにかく丸い「玉」だ。
それは艶々とした、不思議な「玉」だった。
材質が何なのかもよくわからないが、とにかく丸い「玉」だ。
この玉には弾力性があり、手で叩くとぼよんぼよんと跳ねまわる。
なんと愉快なことだろうか。
私は一心不乱に、その玉を壁に打ちつけて遊んでしまった。
なんと愉快なことだろうか。
私は一心不乱に、その玉を壁に打ちつけて遊んでしまった。
ひとしきり遊んだあと、私はその玉を隅々まで調べてみた。
玉の中には、空気がパンパンに詰まっているようだ。
私は興味本位で、玉の空気を抜いてみることにした。
玉の中には、空気がパンパンに詰まっているようだ。
私は興味本位で、玉の空気を抜いてみることにした。
玉から放たれたのは、まるで高貴な貴婦人のような、芳しい香り。
明かりを灯す燃料も、帰路の食料も尽きた私は、
この香りに包まれながら、深い暗闇の中で眠ることにする……
明かりを灯す燃料も、帰路の食料も尽きた私は、
この香りに包まれながら、深い暗闇の中で眠ることにする……
| 武器種 | 格闘 | レアリティ | ★★★★ |
| 属性 | 風 | シリーズ | |
| 追加日 | 2021年6月30日 | ||
| EN | Glossy Spheres | ||
| 解放: フィオ(少女の夏) | |||
絡繰ノ基幹
とある時代の工業が盛んな街。そこで暮らす一人の少年。彼は妹が大好きで、いつも一緒にいた。片時も離れず。他人に馬鹿にされても、常に妹のそばにいた。
ある日、少年は妹の様子がおかしいことに気がついた。咄嗟に妹の額に手を当てる。……冷たい。これはいけない、と少年は妹を連れていつも世話になっている医者の元へと向かった。
妹を医者に診せると、すぐに直してもらえた。しばらくすると妹が体温を取り戻した。ホッと一息つくと少年は妹を抱き抱え、安心した様子で帰路につく。
機械仕掛けの鉄の塊。それが少年の妹「だったもの」である。他の機械と違って人肌のように熱を発し、心臓の様に脈打つそれを少年は大事に大事に抱えていた。
| 武器種 | 格闘 | レアリティ | ★★★★ |
| 属性 | 風 | シリーズ | 絡繰 |
| 追加日 | 2021年8月9日 | ||
| EN | Mechanical Heart | ||