Sonic the Hedgehog Genesis
【そにっく ざ へっじほっぐ じぇねしす】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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発売元
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セガ
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開発元
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ソニックチーム
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発売日
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2006年11月14日
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判定
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クソゲー
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劣化ゲー
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備考
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日本では未発売
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ポイント
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シリーズ生誕15周年記念作品 ソニックなのに常時処理落ち BGM大幅改悪 不可解なバグ、挙動多数
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ソニックシリーズ
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概要
ソニックシリーズ生誕15周年記念として、メガドライブ用ソフト『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』をゲームボーイアドバンスに移植した作品。
北米で発売されたが、日本やヨーロッパでは未発売。
同ハードのソニックアドバンスシリーズの好評もあり、携帯機で手軽にメガドライブのソニックが遊べると期待されていたが…。
問題点
画面表示の縮小
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画面に表示されている範囲が非常に狭く、ステージの先が見づらい。
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これのせいで画面外からいきなり敵弾が飛んできたり、ステージギミックが突然出てきたりする事がよく起きる。
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GBAに移植されたゲームによくある問題だが、本作の場合は
ソニックが必要以上に大きく見える
ほど縮小されているので、それら以上に見づらい。
大量のバグ、不可解な挙動
真面目にテストプレイしたのか?と思うくらい不具合が多い。
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例えば、ステージ5のスターライトゾーンの変形ブロックの上に乗ると
謎のダメージ判定が発生して突然ソニックが死ぬ
など不可解なバグが多い。
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他にも画面に表示されていないギミックや敵が突然表示されたり、真上に設置されているトゲに刺さっても一切ダメージを受けずに引っかかってしまったりなどキリがない。
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重力が全体的にかなり小さくなっている。
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ステージ1のボス、エッグマンの上にジャンプしてもソニックが地面に落ちず、延々とエッグマンの上でジャンプ攻撃を続けるだけで倒せてしまうハメ技が簡単にできてしまう。
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ステージ5のエッグマン戦でもシーソーを使わずともジャンプするだけで余裕でエッグマンに届いてしまうので、シーソーを使う意味がなくなってしまっている。
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ソニックの挙動・慣性もおかしい
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本来なら走り始めると助走をつけてダッシュができるのだが、本作だと助走をつける途中で
急に大きな加速が付いて、一瞬で最高速になる。
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しかも
十字キーを離しても一切減速しない
ので、非常に制御が効きにくくなっている。
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スペシャルステージも不具合だらけ。
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迷路の回転が逆になるリバースに引っかかったり、カオスエメラルドの周りのブロックが一瞬で消せたりできるなど、動作が滅茶苦茶。
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しかもソニックの慣性がほとんど効かず、真上にしかジャンプできなくなったりと操作性も悪化しているため、原作よりも余計に難易度が高くなっている。
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なお、これらの不具合は
メガドライブ版には存在しない。
本編全てにわたって発生する処理落ち
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ステージが始まる前のステージ名紹介の時点で既に処理落ちが起きている。
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ゲーム内の時間経過も
現実の4秒後に1秒経つ
くらい処理落ちが酷い。
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画面の敵やアイテムが大して混雑していないのに処理落ちが発生する。
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度々起きる処理落ちのせいでゲームスピードがかなり下がり、ソニックならではのスピード感がまるで感じられない。
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ステージ4のラビリンスゾーンが特にこれの被害が大きく、水中での速度低下と合わせると恐ろしいレベルの処理落ちを味わう事になる。
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ステージ6のスクラップブレインゾーンも相当酷く、足場に乗り移るだけの箇所でも酷い処理落ちが発生する。
BGMの大幅改悪
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GBA音源というのを考慮しても酷い出来。
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ソニックシリーズの持ち味の一つであるBGMの格好良さも本作では微塵にも感じられない。
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とにかく音が非常に軽く、音色選択も滅茶苦茶だったり、音が低いパートも高いままとキリがない。
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特にステージ3のスプリングヤードゾーンのアレンジは酷く、なんというかワクワク感というのがなさすぎてもはや雑音。
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しかも1回ゲームをクリアすると
サウンドテストことJUKE BOX
が解禁される。
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本作のBGMがご覧の有様なので、やっとクリアして解禁されるのが
最も誰得なモードという絶望を味わう事になる。
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効果音の数も大幅に減少しており、モニターを破壊したり壁のブロックを砕いたりするなど効果音も「
ポンッ
」という安っぽい効果音に統一されており、爽快感を感じられない。
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原作の時点でもそれぞれ別々の効果音が用意されていたにもかかわらずである。
その他
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ゲーム本編を遊ぶことができる二つのモードに
ORIGINAL MODE
と
ANNIVERSARY MODE
の二つがあるが、主な違いはスピンダッシュの有無
のみ
。
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オプションでも設定できるくらい些細な違いでしかないので、モードを分ける意味がない。
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本作のオプションでできる事は
BGMとSEのオンオフ機能のみ。
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本作でもカオスエメラルドを全て集めた状態でクリアするとグッドエンディングになるのだが、表示の不具合のせいかソニックの周りに花が咲かず、何も変化が起きていない場所でただソニックがキョロキョロ見渡すだけの意味不明な演出になってしまっている。
評価点
総評
シリーズ生誕15周年を記念して出された本作だが、幕を開けると、
多数の不具合やバグ
、
常時発生する処理落ち
、
BGM大幅改悪
などまさにどうしてこうなったとしか言いようがない出来。
ゲーム本編も非常に遊びにくく、まともに遊ぶだけでも苦痛である。
同ハードに発売されたソニックアドバンスシリーズは良作だったのに、何故メガドライブの移植でここまで出来が酷くなるのか。
結局、本作が日本で発売されることは無かった。
余談
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日本やヨーロッパでは未発売に終わったが、GBAにはリージョン制限が存在しないため輸入版を国内の本体で動作可能。
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……だが、上記の出来からして本作をわざわざGBAでプレイする意義は存在しないと言っても良い。
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シリーズ生誕15周年という事で本作と同年に発売された『ソニック・ザ・ヘッジホッグ (2006)』(こちらは日本でも発売)も不出来だったため、シリーズファンからは「
2006年以降はソニック暗黒期
」とも言われていた時期があった。
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本作の発売から2年後にニンテンドーDSでメガドラ版ソニック4作が収録された『Sonic Classic Collection』が発売された。
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本作とは違い、メガドライブ版をそのまま移植されたものであり携帯機で気軽に遊べるという点で
本作の存在価値は完全に消滅した。
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ただし、少し特殊な仕様のソフトとなっておりDS及びDS Liteでプレイする場合はリージョンコードの影響を受けないため日本版の本体でも問題なく遊べるが、DSi及び3(2)DSの互換機能で起動させた場合リージョンコードのプロテクトチェックが発動し日本版本体では起動不可となっている。
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また、日本でもiOS版が配信、ニンテンドー3DSの『セガ3D復刻アーカイブ』、ニンテンドースイッチの『SEGA AGES』でもメガドラ版ソニック1が移植された。
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因みに、本作の発売からわずか数ヶ月後に、「Stealth」氏というファンの1人が作成した、GBA実機で遊べるファンメイドリメイク、『
Sonic the Hedgehog GBA
』なるものが公開された。
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こちらは公式が作った上記ものとは比べ物にならないほどクオリティが高く、サウンドの再現性もバッチリである。
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ファンメイドである為、ステージはほんの一部しか遊べないが、代わりに、テイルスとナックルズがプレイアブルキャラクターとして使える。
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ちなみにStealth氏は、後に、もう1人のファンである「Christian Whitehead」氏と共に、iOSで過去作のリメイクを作ってセガ公式に売り込んだり、『ソニックマニア』の開発に参加したりもしている。
最終更新:2023年12月09日 23:09