人名由来の言葉

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人名由来の言葉 - (2022/07/28 (木) 01:32:20) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2020/01/14 (火) 23:53:17
更新日:2024/04/07 Sun 22:12:53
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あなたは「 たくあん 」という漬物を知っているだろう。これは江戸時代初期の高僧、沢庵(1573~1645)の名に由来する。*1
サンクトペテルブルク 」という街を知っているだろう。和訳すると「聖ペテロの街」だ。
W(ワット) 」という単位を知っているだろう。蒸気機関を実用化した発明家、ジェームズ・ワットに由来する。

このように、世界には「人名を語源とする言葉」が沢山あり、専門用語ではエポニム(eponym)と言う*2
この記事ではエポニムを太字で表し、【】で名前の由来となった人物を示す。
実在の人物の他、神話等の創作物に由来する名前も取り扱う。


《エポニムと由来となる人の関係》

〔本人が名付ける〕

発明者・発案者本人がつけるパターン。
どうしても自己顕示的になるので自然科学の分野ではまずないが、発明家には自己顕示的な人物が多いのかよく見られる。
また、小さなコミュニティでエポニムが作られる場合も大体このパターン。傲慢かもしれないが自分の名前を用いずにはいられなかった
前者の例:ドクター中松エンジン【中松義郎:発明家 1928~】
後者の例:ラヨ数【アグスティン・ラヨ:数学者 1973~】

〔本人の功績によって名付けられる〕

こっちは自然科学法則の発見者に多い。
ただ、主流の学問機関に発表して認められる必要がある自然科学の都合上、第一発見者の名前がつかない場合は多い。
また、スポーツにおいてはルールの不備により不利益を被ったり抜け穴を利用されてしまうことがある。
そういった負の功績によりそれを埋める形で新たなルールが設けられた場合、その新たなルールには関連する事象や当人の名前が付けられる。
前者の例:フィボナッチ数は【レオナルド・フィボナッチ:数学者 1170頃~1250頃】に由来するが、フィボナッチ以前にもインド人が書き記している
後者の例:シュウゾウ・マツオカルール【松岡修造:プロテニスプレイヤー 1967~】

〔関連する人が名付ける〕

所謂、「献名」。
親族・友人・恩人などにプレゼントとして与える場合が多いが、雑草に嫌いな学者の名前を付ける嫌がらせは結構多いらしい。

〔逸話から名付けられる〕

アキレス腱【アキレウス:ギリシャ神話の英雄】など、神話からのパターンはほとんどこれ。
コロンブスの卵【クリストファー・コロンブス:冒険家 1451?~1506】のように、実在の人物にも逸話によるエポニムがある。
これは「『西に航海していけば誰でも新大陸は発見できた』と言う人々にコロンブスが『タマゴを立てられるか』と訊き、人々はできないと言う。コロンブスはタマゴの尻をつぶして立て、『方法さえ分かれば容易なことも、最初に行うのは難しい』と説いた」という話に由来する。
有名な話だが作り話である。エポニムの成立には事実性は必要とされないことが分かるだろう。

〔無関係〕

発見・作成人物及び団体が贔屓にしている偉人を冠するもの。
天体につく名前はほとんどこれ。



《エポニムになりがちなもの》

〔単位〕

関連する物理法則を発見した人の名前をそのまま使うほか、"数""度"をつけて使われる場合もある。
例:アンペア【アンドレ=マリ・アンペール:物理学者 1775~1836】
マッハ数【エルンスト・マッハ:物理学者 1838~1916】
ファーレンハイト度【ガブリエル・ファーレンハイト:物理学者 1686~1736】

ちなみに、国際単位系では「人名に由来する単位しか頭文字を大文字にできない」とされている。
ただし超有名な「ある単位」が1つだけ例外とされており、人名由来でないのに大文字で書いて良いことになっている。
みなさんも生活の中で当然のように使用している単位だが…一体どれが例外なのか考えてみよう。

〔元素〕

超ウラン元素、特に96番以降の元素は人名や地名がほとんど。
その前にも間接的に人名由来となる【アメリゴ・ベスプッチ:探検家 1454~1512】→アメリカ→95番アメリシウム Amや、石の名前(サマルスキー石、ガドリン石)を介しての命名など間接的ながらも人名由来はあったが、
おそらく「一度候補に挙がったものは永久に使用不可」という規定から、神話由来の有名な名詞があらかた尽きてしまったこと、また超ウラン元素は生成できても微量ですぐ崩壊してしまうため物性を調べられないために、物質の特性を表すようなラテン語も使えなくなった結果、科学界に多大な貢献した人を元素名にすることにしたようである。
例:96番 キュリウム Cm【マリー・キュリー&ピエールピエール・キュリー夫妻:化学者、物理学者 1867〜1934、1859〜1906】
99番 アインスタニウム Es【アルバート・アインシュタイン:物理学者 1879~1955】
102番 ノーベリウム No【アルフレッド・ノーベル:化学者 1879~1955】

ノーベリウムを除けば、直接人名由来の元素はそのほとんどが核物理学ないし原子力工学、量子論に貢献した人の名前になっている。

〔地名・国名〕

欧米では偉人や時の権力者を顕彰して地名を命名・改称する例が多い。
特に大航海時代にヨーロッパによって「発見」された地域に顕著である。

例:エベレスト【ジョージ・エベレスト:インド測量局長官 1790~1866】
アメリカ【アメリゴ・ベスプッチ:探検家 1454~1512】アメリカを新大陸と証明した人物。
コロンビア【クリストファー・コロンブス】
フィリピン【フェリペ二世:スペイン王 1527~1598】発見者がスペイン人だったため。

キリスト教圏には聖人の名前を持つ街も多い。
これも新大陸に多いが、先述のサンクトペテルブルクなどヨーロッパ圏にも珍しくない。

サンフランシスコ【聖フランシスコ:修道士 1182~1226】
セントルイス【聖ルイ(ルイ9世):フランス王 1214~1270】

この「地名に偉人や時の権力者の名前をつける」風習が悪い意味で大爆発したのが共産圏である。
ソビエトでは毎年のように街・山・街路・産業施設などの名前が指導者を讃えたそれに改称され、西側では「ソビエトの地名ゲーム」と呼ばれていた。
特に元の地名が聖人や王族のエポニムだった場合は率先して改名の対象となった。
なお名前の由来となった人物が粛清されると再改名を余儀なくされる事も改名合戦に拍車をかけた模様。
ソビエト崩壊後はそのかなりのものが旧称に復すか、全く別の名前となっている。

サンクトペテルブルクペトログラードレニングラード【ウラジーミル・レーニン:ソ連初代最高指導者 1870~1924】→サンクトペテルブルク
ツァリーツィン→スターリングラード【ヨシフ・スターリン:ソ連第2代最高指導者 1878~1953】→ヴォルゴグラード

日本では人名を由来とする地名は比較的少ない。
むしろ武士たちは自分の支配地域を明らかにすべく地名を自分の名字として名乗る事を好んだので、地元出身者と同名の地名があった場合「【地名】→名字」のパターンが多い。
人名由来の土地は武家屋敷があったりなど、新興の町にあることが多い。

  • 【地名】→名字の例
【下野国足利荘】(栃木県足利氏)→足利氏
【遠江国井伊谷】(静岡県浜松市北区引佐町)→井伊氏

  • 【人名】→地名の例
半蔵門【服部半蔵正成、服部半蔵正就:武将・大名・忍者の頭目 1542~1597、1576~1615】
青山【青山忠成:武将・大名 1551~1613】
神保町【神保氏】
蜂須賀村【蜂須賀小六 1526~1586】

〔惑星・小惑星とその地形〕

惑星のヨーロッパでの名前はローマ神話からきている(ギリシャ語のみギリシャ神話)。

初期は小惑星にはローマ神話の登場人物が名づけられていたが(ケレスなど)、20世紀初頭に名前の枯渇を防ぐため命名基準が改定され、小惑星は発見されると一旦仮符号がつけられ今までになかったことが確認されると命名権が与えられる。
命名規則にさえ合致していればジャンルは自由で、神話や科学者はもちろんのこと、Sutoku【崇徳天皇】などの為政者、奈須きのこなどの小説家、アンパンマンなどの創作物までもが小惑星の名前として登録されている。
命名規則は以下の通り。

+ ...
  • 他の天体に類似しないこと
  • 16文字以内の単語
  • 公序良俗に反しない単語
  • ペット禁止(1971年より)
  • 軍事・政事関連は100年以上経過したもののみ
  • 商業的な命名禁止
  • 10年以内に決めること

なお、木星のラグランジュ点にある小惑星の分類として「トロヤ群」が存在する。
トロヤは「トロイの木馬」のエピソードで知られる通りギリシアと戦争して滅んだ国家だが、いくつかの小惑星は分類前に名付けられていた。
この結果、ギリシア群にトロイアの英雄ヘクトール、トロヤ群にギリシアの英雄パトロクロスが所属する羽目になってしまった。

惑星の地形も人名・地名由来が大半を占める。
命名法則は以下の通り。
+ ...
水星 アルベド地形 ギリシア神話、ローマ神話
クレーター 各国の芸術家
金星 クレーター 女性
月や森の女神
モザイク状の地形 運命の女神
断崖 炉の女神
円錐丘、溶岩流、尾根 女神
地域 女巨人
高原、大陸 愛の女神
平原、溶岩流 女神、女精霊
線紋、地溝帯 戦争の女神
火口 女性偉人
山脈 地母神
海の女神
クレーター、岬 科学者
人名
尾根 地理学者
イオ 火山 火や鍛冶の神
火口 雷神、太陽神
溶岩流 雷神、火神
円錐丘 イーオー関連人物
卓状台地 火神
エウロパ クレーター、線紋 ケルト神話
ガニメデ クレーター エジプト神話、中東神話
カリスト クレーター 北欧神話
ミマス クレーター アーサー王伝説(ただし同衛星の特徴でもある巨大クレーターのみ、発見者に因み「ハーシェル」と命名)
テティス クレーター イーリアス、オデュッセイア
ディオネ クレーター ギリシア神話、ローマ神話
タイタン クレーター 知恵の神
黒斑 幸福の神
溶融物質が流れている地域 美人
指輪物語
砂丘 ギリシア神話の風の神
海峡 ファウンデーションシリーズ
平原 デューンシリーズ
地域 喜びの神
色線 雨の神
イアペトゥス クレーター ローランの歌
レア クレーター 欧州以外の神
エンケラドゥス クレーター 千夜一夜物語
アリエル クレーター、谷 妖精
ミランダ クレーター テンペスト
トリトン 不規則な凹地 水の怪物
クレーター、黒斑 水の神、妖精、怪物
ケレス クレーター 豊穣神
エロス 地域、尾根 天文学者
クレーター 恋愛小説
イトカワ 地域、クレーター 宇宙開発に関連する施設やその所在地など(ただしはやぶさが着陸した場所は、はやぶさの仮称にちなみ「ムーセス-C地域」と命名
リュウグウ 尾根、岩塊 浦島太郎
地溝帯
クレーター 童話

〔船〕

かつて、日本の船は大半が「○○丸」という名前だったが、その由来は神道の海神阿曇磯良丸(あづみのいそらまる)とする説がある。
この説によれば、日本の船の大半はエポニムであると言えよう。

だがアニヲタ的には軍艦の方が思い浮かぶと思う。
特に西洋に多く、軍人や政治家、君主などが船名になりやすい。
半面、東洋では人物を船名にした例は韓国くらいしかない。
特に日本では明治天皇が人名を採用することに同意しなかったため、直接は使用しないこととなった。
明治天皇のこの決断がなければ、艦娘KAN-SENのみなさんは「西郷隆盛デース!」とか名乗っていた事だろう。危ういところだった。
あと海外艦だと人名由来もちらほらいるけどね。ビスマルクとかキングジョージとか
ロシアではソ連崩壊とともに指導者由来の名前は変更となった。

〔学術的な図形〕

形や性質、生成方法から名づけられることも多いが、それでは限界があるので人名を添えての命名が主流。
例:メンガーのスポンジ【カール・メンガー:数学者 1902~1985】
クラインの壺【フェリックス・クライン:数学者 1849~1925】
ミュラー・リヤーの矢【フランツ・カール・ミュラー・リヤー:心理学者 1857~1916】

学術分野にエポニムが溢れる一方、一般的な図形にはエポニムは少なく、有名なのは市松模様【初代佐野川市松:歌舞伎役者 1722~1762】くらいである。

〔生物の種名〕

発見者及び同定者、あるいはそれらと関わりの深い人物の名前が献名されることも多い。
例えば標準和名だと「ミツクリザメ」は発見者が度々標本の提供を行い懇意にしていた東京大学三崎臨海実験所の初代所長だった【箕作佳吉 1857~1909】に由来する。

〔数学的・科学的な法則、定理、予想〕

提唱者の名前に由来する事が多い。

フェルマーの最終定理ピエール・ド・フェルマー:数学者 1607~1665】
ラプラス変換、ラプラス方程式、ラプラスの悪魔【ピエール=シモン・ラプラス:数学者、物理学者、天門学者 1740〜1827】
リーマン予想【ベルンハルト・リーマン:数学者 1826~1866】



【主な人名由来の言葉:一覧】(読み五十音順)

  • 赤の女王仮説【赤の女王:「鏡の国のアリス」の登場人物】
対立する生物は進化し続けない方が絶滅するという仮説。
生物が機会は減るが進化の可能性が高まる有性生殖を選ぶ理由になっている。
鏡の国のアリスに出てくる赤の女王の国が言った「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない」に由来する。

  • 赤星式盗塁【赤星憲広:野球選手 1976~】
盗塁数が盗塁死の倍以下であれば盗塁数に価値がないという主張に基づき、なんJで算定されるようになった単位。
野球界における足のスペシャリストたちはたびたび盗塁死の重要性を訴えてきたが、赤星選手がその損益分岐点に具体的に踏み込んだ形。
成功率が3分の2を切れば価値がないとするのだが、セイバーメトリクスにおける損益分岐点は成功率7割とされるので大体合っている。

  • アダム・ダン率【アダム・ダン:野球選手 1979~】
一打席辺りの本塁打・四球・三振の割合を指す単位で、なんJ由来。
アダム・ダン選手が毎年2割前半ほどの打率でありながら持ち前の長打力と選球眼で一発狙いで打席に立っているため、本塁打が多いが三振も四球もリーグトップになるほど多いという特徴的過ぎる成績だった。
これがなんJの前身となる野球chで注目され、守備をしなかった・関係ない率、アダム・ダンにどれだけ近づいたかというジョーク指標として誕生した。
ちなみにアダム・ダン選手は14年もメジャーで活躍し最終年まで二桁本塁打と三桁三振を記録するなど間違いなく一流のメジャーリーガーなのだが、三振が多いことは不名誉に思っているそうである。
なお、アメリカでは運に影響されにくい成績としてこちらが生まれるより先にTTOという指標が生まれ現在も使われている。だがその発端もやはりジョークであった。

  • Atlas(アトラス)【アトラス:ギリシャ神話の巨人】
地図帳を表す単語。
一般的にはゲラルドゥス・メルカトルが編纂した初期の地図帳に、天を背負う巨人アトラスの絵をあしらったものが由来とされている。
ただ、最初期には天球儀を発明したモーレタニア王アトラスの絵が描かれていたのでそっちとも言われる。
もっとも歴史家ディオドロスはモーレタニア王が巨人の伝承につながったと記しているので根は同じ可能性がある。
また、ゲラルドゥス・メルカトルがアトラスに使った投影法である正角円筒図法は今ではメルカトル図法と呼ばれている。

  • ARAKAKI【新垣渚:プロ野球選手 1980~】
プロ野球において暴投(ワイルドピッチ)を指すネットスラング。
新垣選手は3度のシーズン10勝を記録するなど2000年代のホークス先発陣を支えた投手の一人だったのだが、
キレの良い変化球と荒れ球から暴投の多さでも知られ、シーズン25暴投、1試合5暴投、1イニング3暴投といった不名誉な記録も打ち立ててしまった。
実況パワフルプロ野球2014でのコントロールの数値は100段階評価で僅か5と前代未聞の数値となっている。
このことから、暴投のことを「ARAKAKI」と呼称するスラングが誕生することとなった。
同様に特定のプレーに選手名を付けることが一時期流行したが、定着したのはこれとGG(落球)くらいのもの。

  • アルゴリズム【アル=フワーリズミー:数学者 9世紀】
アル=フワーリズミーはイスラム世界で代数学を成立させた数学者。
その著作「インドの数の計算法」がラテン語に翻訳されたとき「インドの数 byアル=フワーリズミー」的なな名前が付けられ、アル=フワーリズミーのラテン語読みであるアルゴリトミが計算法・解決法の意味を持つこととなった。

  • 晏嬰狐裘【晏嬰 政治家 紀元前5世紀ごろ】
身分が高くとも倹約に努め職務に励む、役人としての心得を説く言葉。
中国春秋時代の斉(姜斉)の国の名宰相である晏嬰は狐裘と呼ばれる衣を着て職務に励んだが、30年間ずっと同じものを着ていたことから。

  • 晏子之御【晏嬰の御者 紀元前5世紀ごろ】
虎の威を借る狐のような、他人の威光にすがって威張っている人物のこと。
晏嬰の御者の妻はひっそりと夫の様子を見ており、夫が得意げにしているのを見て「斉の宰相である晏嬰様は140センチにも満たない小さな体でありながら謙虚にしているのに、でかい図体しているお前は人に使われるような低い身分で得意げにしてて情けない」と離縁まで申し出た。
思いっきり怒られた御者は、自らも謙虚に努めるようになったという。

余談だが、史記を著した司馬遷はその中で晏嬰の御者ででも仕えたいとまで言っている。
晏嬰とはそれほどまでの名臣なのだが、同時に御者の身分は低かったと言える。

  • 按針通り、安針塚駅【ウィリアム・アダムス 航海士 1564~1620】-八重洲【ヤン・ヨーステン・ファン・ローデンステイン 航海士 1556?~1623】
按針通りは東京の日本橋にある通りで、駅は横須賀市にある塚山公園からほど近い場所にある。
二人とも日本に漂着した航海士で徳川家康から気に入られ仕事をしていた。
特にアダムスは家康に気に入られ三浦按針の名を貰っていたが、あまりに気に入られすぎたため母国に妻子を持っていたにも関わらずなかなか帰国の許可が下りなかった。
漸く許可が下りた後は船で帰国しようとするも、日本での清潔な暮らしに慣らされたアダムスとヨーロッパの不潔な連中は全く反りが合わず帰国を断念し、日本で没した。
後に開国後にやってきたイギリス人の実業家によって按針の墓が横須賀市にあることが突き止められ、国交正常化の折に再整備が為されて安針塚が作られ周辺は塚山公園となった。
また、按針の屋敷のあった場所は按針町と呼ばれ、後に町が無くなる際に通りの名前として残された。
一方でヤン・ヨーステン・ステファンは耶楊子と呼ばれており、それが八重洲の語源となった。

  • 特急アントニン・ドヴォルザーク【アントニン・レオポルド・ドヴォルザーク 音楽家 1841~1904】
日本では下記の「いざぶろう」「しんぺい」に加え、蝦夷の族長「アテルイ」や小野小町が由来の「こまち」、元大関の魁皇が由来の「かいおう」など少数派である「実在人物が由来の列車愛称」だが、
海外では「モーツァルト」「バッハ」「ピカソ」「エリザベザン(←エリザベス女王)」などごく当たり前のように定着しており、
「交響曲第9番『新世界より』」や「ユモレスク」で知られる音楽家・「アントニン・ドヴォルザーク」も、出身地のチェコ・プラハから音楽の都ことオーストリア・ウィーンを経由し、同国のグラーツまでを結ぶオーストリア国鉄の国際特急列車の名前に用いられている。

だが、実は彼には音楽家以外に別の顔がある。
なんと、アントニン・ドヴォルザークは少年時代からの鉄道オタクだったのだ。
それも「時刻表の暗記は当たり前」「アメリカに住んでいた頃は毎日駅に行って列車観察をするのが日課」「本物の蒸気機関車を欲しがる」「列車が遅れた時に何故か車掌と一緒に謝る」「弟子に機関車の製造番号記録を頼んだところ間違いが発覚しブチ切れる」などエピソードに事欠きない筋金ぶりである。

世界広しと言えども、列車の名前、それも国際特急に自分の名前が使われている鉄道オタクは彼ぐらいかもしれない。

  • アンモニアアンモナイトアメン:太陽神 古代エジプト】
どちらもエジプトの太陽神アモン(アメン)にちなむ。
アンモニアはアメン神殿周辺でアンモニウム塩が大量にとれたことからきている。
アモンはギリシャに渡った時羊角をもつ神アンモーンになって、アンモナイトは殻が羊角に似ているのでそう名付けられた。

  • 特急いさぶろう・しんぺい【山縣伊三郎:政治家 1858~1927】【後藤新平:政治家 1857~1929】
「いさぶろう」「しんぺい」は、JR九州の肥薩線で運行されている観光列車。
同じ区間を走るが、下りが「いさぶろう」、上りが「しんぺい」である。

地元のゆるキャラの名前か何かかと思いきや、「いさぶろう」は肥薩線が人吉から吉松まで開通した時の逓信大臣山縣伊三郎(やまがた いさぶろう)。
「しんぺい」はその頃の鉄道院総裁・後藤新平(ごとう しんぺい)というガチに歴史的な由来を持つ。
同線の矢岳第一トンネルの出入口にはこの2人の揮毫による扁額が掲げられていることから、列車名となった。

  • イナバウアー【イナ・バウアー=ツェーネス:フィギュアスケーター 1941~2014】
足を前後に開き、つま先を180度開いて真横に滑る技。上体をそらすことは関係ない。
フィギュアスケートで最初に達成したイナ・バウアーの名が冠された。
稲葉さんがうわーってやってるわけじゃねえんだよ

  • ヴァルター機関【ヘルムート・ヴァルター:技術者 1900~1980】
日本語では「ワルター機関」とも。
過酸化水素を利用したエンジン。タービンエンジンの他、ロケットエンジンとして利用することもできる。
世界初の弾道ミサイルV2ロケットや、現状世界唯一のロケット戦闘機Me163のエンジンに使用された他、
「燃焼に酸素が必要無い」という利点から潜水艦の動力としても利用されていた。

  • ウラシマ効果浦島太郎:漁師 むかしむかし】
  • リップ・ヴァン・ウィンクル・エフェクト【リップ・ヴァン・ウィンクル:狩人 18世紀】
特殊相対性理論で計算されGPSなどで観測された、超加速の環境下では時間の進みが非常に遅くなる現象。
日本では浦島太郎に例えられるが、アメリカでは山奥で酒盛りしたら20年たっていた狩人リップ・ヴァン・ウィンクルに例えられる。
ちなみに浦島太郎は悲劇だが、リップは20年の間にアメリカは独立し鬼嫁は死んでいたというハッピーなお話である。意外や意外。

  • エアーズロック【ヘンリー・エアーズ:1821~1897】
エアーズロックもといウルルは原住民から信仰を集めていたが、イギリスの植民地時代にウィリアム・ゴスによって発見され、スポンサーのヘンリー・エアーズ植民地首相から名づけられた。
当然原住民からの反発は大きく、1985年に返還されたときにはウルルと公式に改名した。
よく「空気の固定」的な技のフリガナにされることもあるが、違います。

2020年7月中国四川省で発見され、2021年7月に命名された新種の肉食恐竜。命名者の邢立達中国地質大学准教授は子供の頃からのドラえもんファンであり、映画『のび太の恐竜』でのび太が恐竜に名前を付けるシーンに感銘を受け、彼の夢を叶えたいと思ったという。

  • エース【エイサ・ブレイナード:プロ野球選手 1839~1888】
野球においてチーム内で最も優秀な投手、特に先発投手を指す言葉。
由来はトランプのA(エース)ではなく、19世紀末に実在したエイサ・ブレイナード(Asahel "Asa"Brainard)という投手のニックネーム"Ace"である。
ちなみにこの元祖エースことブレイナード投手、1869年に発足した第1次シンシナティ・レッドストッキングス*4において、非公式ながら65勝(諸説あり)を挙げている。
先発ローテの概念がなかった時代ゆえの数値だが、まさに原点にして頂点といった怪物ぶりである。

  • Echo【エコー:ギリシャ神話のニンフ】
エコーは、神の怒りによって誰かの声を繰り返すことしかできなくなったニンフだが、そのいきさつについては
  • 牧神パーンの告白を断り、配下に肉体を破壊された
  • 浮気したゼウスを匿うために妻ヘラを長話で足止めしたため、ヘラに呪われた
という2つの話がある。どっちもとばっちりじゃねえか
なおパーンはパニックの語源になっている。

  • オダギリ効果【オダギリジョー:俳優 1976~】
仮面ライダークウガ』の主演俳優を語源とする
イケメン俳優をキャスティングすることによりメインターゲット以外の層にも人気を得ることができるという当然の効果。
いかにもアニヲタの俗語っぽいが、 Wikipediaにも記事ができている。
途中からちょっと違うジャンルの話になったり「イケメンを3人に増やした『仮面ライダーアギト』は従来の視聴者に不人気だった」というどこ情報か疑問な記述が為されたりしているが

  • オナニーオナン:旧約聖書の人物】
旧約聖書に登場する、性交時に外出ししたら神の怒りを買って死んでしまったという理不尽極まる人物。
背景をちょっと説明すると、オナンは兄が死んでしまった(これも天罰。神のワガママさがヤバい)ので、その未亡人を妻とした。
しかし、この妻が産んだ子は当時の風習上兄の子とされるため、兄の遺産を継承する権利を得てしまう。
遺産独り占めを目論んだオナンは避妊のため中出ししなかった…というのがその経緯である。
転じて子孫繁栄に関係ない射精代表の自慰の意味となった。
オナン氏もこんなヒワイな形で名前が後世に残るとは思いもよらなかっただろう。

  • 隗より始めよ【郭隗:政治家 紀元前3世紀頃】
…ではありません
この時の中国春秋時代における燕の国は斉の国に半ば滅亡させられ、従属国という扱いで再興することになった。
燕の王は下剋上を誓い人材を求めるが、その方策を聞かれた郭隗は「大したことない自分を優遇すれば良い」と進言した。
実際にそうしたところ燕には楽毅を始めとした多くの人材が集まり見事に復興し、強国である斉を滅亡寸前まで追い込んで国力を大幅に削ぎ落とすことに成功する。
これにより「身の回りから始める」という意味の故事成語となった。

  • カウパー【ウィリアム・カウパー:解剖学者 1666~1709】
英国の解剖学者ウィリアム・カウパーが尿道球腺の解剖図を初めて描いたため、
尿道球腺がカウパー腺、そこで作られる液をカウパー液と呼ぶようになった。
カウパー氏もこんなにヒワイな文脈でばかり名前が呼ばれることになろうとは思いもよらなかったであろう。

  • 川崎病【川崎富作:医学博士 1925~2020】
1961年に小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群を発見した川崎富作博士にちなんで名付けられた。
神奈川県川崎市が最初の発見地だからというわけではなく、岡山県倉敷市にある川崎医科大学*5で発見されたからというわけでもない。
ちなみに川崎博士は2013年まで現役の小児外科医として活躍していた。

  • 頑固一徹【稲葉良通(法名:一鉄):武士・大名 1515~1589】
稲葉良道は強直で頑固な一面があり、そこから人々はそういった面がある人のことを一鉄と呼ぶようになったという。

  • 干将莫邪【干将:刀鍛冶、莫邪:妻 紀元前5~6世紀頃】
名剣のこと。
春秋時代に干将が呉の王である闔閭に刀を作るように言われたのだが、思うようにいかなかった。
だが妻である莫邪が爪と髪を切り炉の中に入れると、鉄がよく溶けて素晴らしい剣が出来たという。
燃料が悪かったり炉に不具合があったのでは?

  • 管鮑の交わり【管仲:政治家 ?~前645、鮑叔:政治家 不明、同年代】
中国春秋時代の覇者の一人である斉の桓公の宰相となった管仲と、若い頃から不義理があっても彼を助け続けた鮑叔の、無私の心で繋がった厚い友情を評して生まれた故事成語。
しかしインパクトに欠けるためか使われることが少ない。

  • 喜撰【喜撰法師:歌人・僧侶 9世紀後半】
宇治茶のブランド名で、広義にはお茶の隠語を指す言葉。日本史の教科書でペリー来航を詠った狂歌「泰平の眠りを覚ます上喜撰 たつた四杯で夜も寝られず」を見た人も多いだろう。
その名前は「わが庵は都のたつみしかぞすむ世をうぢ山と人はいふなり」を詠った六歌仙の一人、喜撰法師から来ている。

  • ギロチン【ジョゼフ・ギヨタン:医者・政治家 1738~1814】
フランスにて”人道的な処刑法”として死刑の方法を「斬首刑」に統一することを提言した医師。
彼の働きかけによって断頭台による処刑が一般的となり、その断頭台が彼の名前にちなんだ「ギロチン」という名称で広まった   それは紛れもない事実なのだが、
  1. ギヨタンは”残虐な処刑方法の廃止”を提言し、スピーチの中で”首を切り離す機械”の導入に触れる
  2. 議論の末、国会は「すべての死刑を斬首刑とする」と決定(ここで機械の導入には触れられなかった)
  3. 死刑執行人アンリ・サンソンが「無茶言うな(要約)」と訴える*6
  4. 国会が外科アカデミーのアントワーヌ・ルイ博士に”首を切り離す機械”の研究を依頼
  5. ルイ博士のまとめた基礎設計を元に製造業者が図面におこす
…このように主たる設計者はルイ博士であり、実際ルイ博士の名前をとって「ルイゼット」等と呼ばれた事もあったという。
ギヨタンは言い出しっぺであり開発にも関与はしたものの設計はしておらず、ギヨタン自身の最期もギロチンとは全く関係ないものであった。にもかかわらず「ギロチンの開発者ギヨタンはフランス革命のさなか自分もギロチンで死刑になった」という都市伝説が未だに語られる*7、難儀な人物である。ファラリスの雄牛じゃあるまいし…*8
ちなみにギヨタン氏は自分にちなんだ名称で断頭台が呼ばわれることを嫌がっており、親族もその名称を使わないように政府に陳情したが、既に定着していたために諦め、改姓を余儀なくされたという。

  • 久太郎町【堀久太郎秀政:武将・大名 1553~1590】
大阪の御堂筋沿い船場近辺にある町名で、秀政の武家屋敷があったことに由来する。
元々は渡辺町という街区もあったのだが、昭和の頃に久太郎町などに編入され、平成になって遂に消えることになった。
しかしこれを由来とする渡辺氏の末裔がこれに反発、その結果番地に残されることとなり、久太郎町四丁目渡辺番地が誕生した。

  • 巨無覇【巨無覇:中国の巨人 1世紀】
中国において超巨大を表す形容詞。ビッグマックもこの名前で売り出されている。
王莽(新の王 在位期間8~23年)の時代に実在したとされる身長3m級の巨人、巨無覇に由来する。

  • 金蘭の契り【蘭相如:政治家 前4~3世紀頃】
刎頚之友とも言う。中国春秋時代の趙を支える両輪である政治家・藺相如と軍人・廉頗の固い契りから生まれた熱い友情を示す故事成語。
二人の友情を「二人が力を合わせれば金をも断ち、二人の友情は香り高い蘭のようだ」と例えた言葉による。
管鮑の交わりとの違いは、あちらが周りが評したのに対して契りという言葉の通り当人同士の誓いということ。
熱さ故に管鮑を食ってしまったが当人同士の誓いでしかないので、後にそう呼ばれる関係を築いた者達の中にはお互いが違う方向を向いて関係が壊れてしまったこともある。
なお、この故事の名前は金蘭(らん)の契り、当事者の名前は藺(りん)相如なのでお間違いなく。

  • クジベローサ・テルユキイ【香川照之:俳優 1965~】
ベローサマギアのモチーフとなったカマキリモドキの絶滅昆虫。
博物館長佐々木和久が2006年に発見し、2018年に新種と分かったことで、昆虫の好感度に貢献した俳優香川照之の了承を得て命名した。
偶然にも香川照之は「香川照之の昆虫すごいぜ!」で2016年からカマキリの着ぐるみを着ている。

  • 虞美人草【虞美人:項羽の愛人 ?~前202】
ひなげしの異名。虞美人の墓にひなげしが咲き誇ったことから。

  • クレメンス【ロジャー・クレメンス:野球選手 1962~】
  • ンゴ【ドミンゴ・グスマン:野球選手 1975~】
どちらもなんJ由来のネットスラング的語尾。
クレメンスは~してくれの意味だが、クレメンスはラテン語で慈悲深いを表す'clemens'からきているので「許してクレメンス」だと地味に意味が合う。
ンゴは楽天の投手ドミンゴ・グスマンが2008年の開幕戦にたった7球で大逆転敗北という凄まじい負け方をしたことから、大失点した投手の名前に「ンゴ」をつけて「○○ンゴwww」と揶揄するのが流行り、
いつのまにか失敗、やらかしなど全般につけられる語尾に変わり、
次第に「〜したいンゴねぇ」等人物に全く関係ない語尾としても用いられるようになり、
その後どういう訳か2017年に女子高生の間で流行するころにはただの語尾になった。

  • ゲリマンダー【エルブリッジ・ゲリー:政治家 1744~1814】
エルブリッジ・ゲリーは1812年に選挙区を自党に有利になるよういじくったが、落選した。
この時、選挙区がトカゲのように細長くなったのでゲリーとサラマンダーを組み合わせてゲリマンダーと呼ばれるようになった。
選挙が実施されてる限り発生しうるので、日本でもマスコミが派生の名称*9を作ってたりする。

  • 玄能(げんのう)源翁心昭(げんのうしんしょう):僧侶 1329~1400】
両方が平らな金槌を指す。
源翁心昭がこれで九尾の狐が化けた殺生石を破壊したとの逸話からきている。

  • 洪水【共工:水神 中国神話】
共工は民話上では治水工事を失敗した程度の存在だが、
神話では祝融との勝負で天を支える柱を破壊し、大水をおこして最終的には天地を破壊した。
洪の字のつくりは神話の共工からきているといわれる。

  • 小町算【小野小町:歌人 9世紀ごろ】
123456789の順番を崩さず100か99を作るパズル。
小野小町は百人一首にも歌が残る平安時代の美女である。
彼女に恋した深草少将に対して小野小町は100夜通ったら付き合う約束をしたが、深草少将は99夜目にして雪の中息絶えた…という伝説に由来する。
もっとも、小野小町の生涯は残した歌以外ほとんど何も分かっておらず、上記の話も能の演目として作られた創作である。
小野小町は正体不明な事で却って扱いやすいのか、米のあきたこまちや秋田新幹線こまちなど、やたらエポニムになりやすい人物である。

  • ゴルディロックスの原理【ゴルディロックス:19世紀ごろ?】
イギリスの民話「3匹の熊」に出てくる少女ゴルディロックスはクマの家に潜り込んで
熱すぎないスープを飲み、硬すぎない椅子に座り、デカすぎない枕で寝た。
そこから、赤ん坊は中程度の複雑さを好み、うな重の松竹梅では竹が買われ 、生物は中程度の軌道にある星で生まれることをひっくるめてゴルディロックスの原理という。

  • 是政【井田是政:武士 ?~1600年代?】
府中市に残る地名。元は横山という地名であったが、北条家滅亡後に帰農した井田是政が開拓したことから是政という名がついた。
墓所は府中競馬場第3コーナーの大けやきにあり、東京競馬場でのテレビ中継の際には必ず映り込むことから日本一放映回数の多い墓所として知られる。
競馬場を開く際にこれらは潰されそうになったが、墓所は子孫の強硬な抗議で、大けやきは木の一本を切った人を祟り殺したとして、それぞれ残されることとなった。
なお、大けやきは通称であり実際はえのきの木である。

警報音等を出す装置のこと。
その語源はギリシャ神話に登場する半人半鳥の怪物セイレーンからであり、
その英語発音から転じて警報音を出す装置の名前になったという。

大阪大学教授の松野健治はショウジョウバエを使った研究で内臓逆位を引き起こす遺伝子を発見し、内臓逆位である北斗の拳のサウザーにちなんでサウザー遺伝子と名付けた。
ALGERNON【アルジャーノン】、ピカチュリンピカチュウ】、ソニック・ヘッジホッグソニック・ザ・ヘッジホッグ】など現代の作品のキャラクターを冠した生物学の物質は多いが、作品内での描写から名付けられたものはこれくらいしかない。

  • 薩摩守(さつまのかみ)平忠度(たいらのただのり):武将 1144~1184】
近年はほとんど言われなくなったが、かつては電車などに不正にタダ乗りする事を俗に「薩摩守」と言った。
その由来は、源平合戦で討ち死にした平家の武将・平忠度の官職が薩摩守だったから。忠度とタダ乗りを掛けたダジャレである。
元ネタは、旅の僧侶がダジャレ好きな船頭を上記のネタで笑わせて船にタダ乗りしようとする狂言「薩摩守」で、僧侶は肝心の名前を「青のり」と間違え大恥をかいて終わる。

由来を知らずに名前を呼ばれているオナンやカウパーも酷い風評被害だが、
こちらは「薩摩守=平忠度」ということを知っていながら使われていたという点で風評被害レベルは負けず劣らず高い。

大坂冬の陣において敵の攻撃を集中させるため、大坂城の弱点の一つに設けた出丸。当然激戦区となったが、見事に守り切り戦果を挙げた。
実際は信繁が守っていたのは半分だけでもう半分は長宗我部盛親が守っていたのだが、長宗我部が長い、呼びにくい、そもそも当時からみんな長宗我部が読めないといった理由があってか真田だけのものになってしまった。盛親…

  • サディズム【マルキ・ド・サド:フランス王国の貴族・小説家 1740~1814】
  • マゾヒズム【レーオポルト・フォン・ザッハー=マゾッホ:オーストリア帝国の貴族・小説家 1836~1895】
サディズムは他者に害を加えることに性的快感を覚え、
マゾヒズムは他者に害を加えられることに性的快感を覚える性癖を意味する。
サド・マゾとも略され、更に縮めてS・Mとも(そこまできつくない性癖の場合は後者で呼ばれることも)
両者ともにそれらのジャンルの小説を主に執筆していた小説家であった。

  • サンドイッチ【第4代サンドウィッチ伯爵ジョン・モンタギュー イングランド貴族の伯爵 1718~1792】
パンにおかずを挟んだ食べ物。昔からこの地で行われていた食べ方だが、
食事の時間も惜しんでトランプに熱中した4代伯ジョン・モンタギューが好んだと言われている。
ただ、この4代目サンドウィッチ伯爵は七年戦争&アメリカ独立運動&本人の交友関係というトリプルパンチや
ハワイを発見した探検を支援*10したりと仕事が多かったため、
食事の時間も惜しんだというよりむしろ食事の時間しか息抜きがなかったのではと言う説や、
そもそも前述のトリプルパンチで海軍卿としての評判が悪かったことから広まったネガキャンとか
イギリス料理は貴族の食卓でもパンしか食えたもんじゃない」というジョークの類ではないのかとも。
…が、 「元祖サンドイッチ」を名乗って商売をした子孫がいたりする。

  • シーザー・サラダ【シーザー・カルディーニ:料理人 1896~1956】
よく勘違いされるが由来はジュリアス・シーザー(ユリウス・カエサル)ではない。
イタリア系アメリカ人のシェフ、シーザー・カルディーニがありあわせの食材で作ったサラダが起源である。

  • 事後諸葛亮諸葛亮:蜀の軍師 181~234】
中国におけるネットスラング。物事が全て済んだあと、いかにも知ってたかのように振る舞うこと。
何でもお見通しの諸葛孔明を気取ってるかのような様子からこう呼ばれる。
日本でも「後出し孔明」と言われたりしている。

  • シュヴァルツシルト半径【カール・シュヴァルツシルト:天文学者 1873~1916】
ドイツの天体物理学者カール・シュヴァルツシルトが導き出したブラックホールの半径。
シュヴァルツはドイツ語で黒なので名は体を表すエポニムである。

  • ショタコン【金田正太郎(太陽の使者版):探偵、ロボット操縦士】
小中学生の男子を愛の対象としてみる言葉であるショタコンはサブカル雑誌『ファンロード』の読者投稿コーナーで誕生した言葉である。
その語源は、アニメ太陽の使者 鉄人28号の主人公・金田正太郎。
最初は自分で考えておいてなんとなく語呂が悪いとしていたものの、後に「ショタコン」特集を表紙に打つなど内外を問わず定着した。
少年探偵団説、ショートアイズ説も囁かれていたものの、今では完全に否定されている。

  • シライ【白井健三:体操選手 1996~】
器械体操では、新たな技にはその技を初めて主要な国際大会で成功させた選手の名前をつけるのが慣例である。
この結果、白井健三に由来する「シライ」の名を持つ技はゆかと跳馬にそれぞれ3つずつ、合計6種類も存在する。
自身の名を冠する技を6種類も持つ選手は他におらず、世界最多である。

  • 砕氷船しらせ【白瀬(のぶ):南極探検家 1861~1946】
日本では船名に人名を使用しないと前述したが、「じゃあ砕氷船しらせはどうなんだ」と思われた方も居るかも知れない。
海上自衛隊は砕氷船に日本初の南極探検家白瀬矗の名前をつけようとしたが、当時防衛庁の自衛艦には「名所旧跡のうち主として山の名」をつけるとされていた。
そこでまず上記の通達を「名所旧跡のうち主として山または氷河の名」と改定し、白瀬矗本人ではなく白瀬矗を由来とする白瀬氷河が由来なのでセーフ!セーフです!と言い張り無事この名前となった。

このほか、間接的に人名由来となった船名としては、
摩耶山【麻耶夫人:釈迦の母 前6世紀】を由来とする砲艦・重巡・護衛艦摩耶
間宮海峡【間宮林蔵:樺太探検家 1780~1844】を由来とする給糧艦間宮()がある。
日系人が船名になった例なら米海軍の駆逐艦ダニエル・イノウエ【ダニエル・ケン・イノウエ:上院議員 1924~2012】が存在する。

  • シルエット【エティエンヌ・ド・シルエット:仏ブルボン朝の貴族 1709~1767】
18世紀、ルイ14世の浪費により財政が傾いたフランス王国ブルボン朝の財務大臣を務めた人物。
彼はぶっちゃけ無能であり、節約を説く以外に何ら有効な政策を持たなかったが、緊縮財政の一環として輪郭だけの肖像画を推奨し、これが「シルエット」の語源となった。
大臣としては影が薄いが、結果的に影が濃くなったと言える。

  • 島津山【島津忠義:大名・公爵 1840~1897】
品川区の城南地区にある高級住宅街の一角。
廃藩置県後に島津忠義が伊達家の藩邸に住むようになり、地名となった。
伊達「は?」
池田山、花房山もそれぞれ大名の池田氏の藩邸と明治~大正期の外交官である花房義質の邸宅に因む。

日本陸軍史上最悪の作戦として悪名高いインパール作戦中に実行された作戦。
チンギス・ハン(ジンギスカン)率いるモンゴル軍が複数の馬を引き連れて行軍し、疲労等で使えなくなった馬は食料にしてしまうことで驚異的な進軍速度を誇ったという故事にちなみ、牛や水牛に荷物を積むことで物資の運搬と食糧補給を同時に解決しようと試みた。
このインパール作戦そのものが滞りなく進行していればこの補給作戦も問題ではなかったが、その結果は……

  • 杜撰(ずさん)杜黙(ともく):中国宋代の詩人】
杜撰はもともと杜黙詩撰(ともくしせん)(撰は詩を作るの意)の略であり、杜黙が漢詩のルールである「律」を破った詩ばかり作っていたことに由来する。
そこから誤りの多い文章を杜撰と呼ぶようになり、現在の中国ではでっち上げ、日本ではでたらめという意味を持つようになった。

小説『白鯨』に出てくる副船長スターバックからとられている。
元々は船名のピークォドになる予定だったが、ピーはオシッコの意味を持つので取りやめになった。

  • ストライサンド効果【バーブラ・ストライサンド:歌手・女優 1942~】
ある特定の情報を隠蔽しようと行動すると、逆にその情報を世間に広めてしまうという現象。
2003年、バーブラ・ストライサンドが無許可で自身の邸宅の航空写真を撮影・ネット上で公開されたとして、画像の削除と5000万ドルの損害賠償を求める訴訟を起こしたことによる。
この裁判は結局却下されたものの、かえってストライサンドの邸宅の写真にアクセスが集まることとなり、1か月で42万アクセスを記録した。

2ちゃんねるにおいて特定行為・非合法な潜入行為を指す言葉。
ステルスアクションの金字塔METAL GEARの主人公に例えてこういわれているが、
5ちゃんねる時代にはなにとは言わんが「けんま」にとってかわられている。

  • スライ(MtG)【ポール=スライ:カードゲームプレイヤー】
カードゲーム「マジック・ザ・ギャザリング」の戦術の1つで、赤のカードを用いた軽量速攻アーキタイプを指す。
ポール=スライが使用し、プロツアー予選を突破した事でこの名が定着した。
このデッキの本来の開発者はジェイ=シュナイダーだが、後に黒のコントロールデッキシュナイダーポックス(MtG)に名を残している。
他にはヤソコン【八十岡翔太:プレイヤー】、ルビンZoo【ベン・ルビン:プレイヤー】辺りは有名だが、近年は【色名+キーカード】でデッキ名が付く場合がほとんどで、人名由来のデッキ名は見られなくなっている。

  • セントジョーンズウォート【聖ヨハネ:キリスト教の聖人 1世紀】
セイヨウオトギリの英名。
薬草として有用な一面、小さな斑点が至る所にあることで血なまぐさい伝承が各地にあるオトギリソウ。
日本では無名の弟が切られた血飛沫だが、キリスト圏では聖ヨハネ*11の血とされている。

  • 宋襄の仁【襄公:公爵 ?~前637年】
身の程に合わない、無用の情けをかけること。
春秋時代の小国の一つ宋の君主である襄公は礼節を重んじる理想主義者で、理想を手にしようと奮闘する中で強国である楚と対峙することになる。
その決戦において襄公は「君子たるもの人が困ってる時に付け込んだりはしない!(キリッ」と上陸中にも陣を整えている最中にも攻撃せず真正面からぶつかり、当然のように完敗し後に負傷が元で亡くなった。
しかし敗戦後も襄公は礼節を失わず後の覇者となる重耳を助けるなどしているため、一貫したその姿勢については司馬遷などから評価されている。

  • 太公望太公望:殷周時代の軍師、前1021年頃?~前1000年頃?】
周の武王に仕え、殷王朝の打倒に功績のあった軍師。
本名は呂尚、姜尚、字は子牙とされ、太公望とは「太公が待ち望んでいた人材」という意味のあだ名。
釣りをしていたところに文王(武王の父)のスカウトを受けたという逸話から、釣り人の意で使われる。

台風は英語の「タイフーン」に当て字したものだが、そのタイフーンはテュポンから直接来たか、広東語の大風(たいふん)とテュポンを合わせた説がある。

  • ダウン症【ジョン・ラングドン・ダウン:医師 1828~1896】
胎児の染色体の異常で発生する病気。
発見者ダウンは「優れた白人が劣った黄色人種の特徴を持つ病気」というなんともアレな考えでMongolism(蒙古症)と名付けたが、
1960年代から差別的として学者やモンゴル政府が抗議、ダウンの名前をとってダウン症という呼称に変更された経歴がある。
ちなみに幼児のお尻によく出る蒙古班は、文字通りモンゴロイドに特に多く起きており、同じく蒙古とつき、目頭に存在する蒙古襞は実際にモンゴロイドに多い形質であることからそこまで言われてはいない。

  • 高橋メソッド【高橋征義:WEBエンジニア 1970~】

デカい文字で

中央揃えの

プレゼン手法

高橋征義の

まにあわせ由来

  • 高安動脈炎【高安右人:医学者 1860~1938】
脈なし病とも言われる大動脈に炎症が発生する自己免疫疾患。K2で取り上げられたこともあり、それで知った人も多いだろう。
2012年に国際的な正式名として高安動脈炎が定められた。

  • 田代砲【田代まさし:元タレント 1956~】
投票サイトへの大量投票を行うツール。DoS攻撃にも転用された。
アメリカのニュース雑誌であるタイム誌の2001年パーソン・オブ・ザ・イヤーに、
男湯覗きと覚醒剤で逮捕されて話題となっていたタレントの田代まさしを選出しようというイタズラで使用された。
田代砲の活躍もあり、一時は田代まさしが2位以下に大差を付けての1位となったが、当然ながら投票は中止された。
田代まさし本人も出所後に田代砲に対してコメントを残している。
なお、現在では完全に死語と化しているが、最初の逮捕から数年間は覗きや盗撮を「タシーロ」と呼称するネットスラングも存在していた。

  • 伊達市(北海道)【伊達邦成:仙台藩重臣・男爵 1841~1904】
伊達氏と言えば福島県伊達市をルーツとし江戸時代は仙台藩を領していたのだが、仙台藩は明治維新の折に新政府軍に敗れ降伏することとなる。
伊達邦成は伊達政宗に仕えた一門の伊達成実を祖とする仙台藩一の名門で2万4000石にもなる最大の知行を有する重臣だったが、藩が無くなれば有名無実。
知行を500分の1にされ家臣団を養えなくなった伊達邦成は、家老の意見で家臣たちの生活のため遥々北海道有珠郡の領主となり家臣団と共に移住、開拓することを決めた。
苦労の甲斐あって開拓に成功し、後に伊達村として発足。順調に発展して合併で市にまでなった。ルーツである宮城県亘理郡の町村と姉妹都市提携もしている。

  • 伊達伊達政宗:戦国武将・仙台藩初代藩主 1567~1636】
豪華な衣装や粋なものなどを示す言葉。ド派手・あるいはかっこいい男のことを「伊達男」と呼んだりもする。
戦国武将の伊達政宗が豪華絢爛な戦装束をまとっていたことからこの名がつけられた。

  • ディーゼルエンジン【ルドルフ・ディーゼル:発明家 1853~1913】
燃料の霧を圧縮することで着火させるエンジン。
ルドルフ・ディーゼルが蒸気機関の欠点である熱効率を改善するために開発したもの。

  • テディベア【セオドア・ルーズベルト:アメリカ大統領 1858~1919】
狩りで成果の出なかったルーズベルトは付き人コリアーがボコボコにした熊を撃つよう勧められたが拒否した。最終的にはナイフでとどめを刺したので撃ってはいない。
この話を大統領の好感度を上げるために手負いの熊から子熊、ナイフでとどめから生け捕りに変えた話が評判となった。
これに乗じてお菓子屋モリス・ミッチタムがセオドアの愛称テディをつけたクマのぬいぐるみを売り出した。

  • 出歯亀【池田亀太郎:植木職人 1874~?】
女湯などへののぞき行為。
これを趣味にしていた池田は出っ歯だったことから出歯の亀吉、出歯亀というあだ名が付いており、警察に逮捕された際にマスコミもこのあだ名を使った。
ただ、池田が問われた罪はのぞき行為ではなく妊婦に対する強姦殺人だった。この衝撃的な事件が「出歯亀事件」として報道されたばかりに「出歯亀」というあだ名はのぞき行為のみならず、
  • 婦女暴行
  • 変態行為
  • 挙動不審
などといった様々な意味を含む流行語となってしまった。
ちなみに池田は仮釈放の後に植木職へ戻ったが、罪に問われたのが強姦殺人でその容疑も否認していた*12ため自分ののぞき趣味については全く懲りていなかったらしく、60歳のときに出歯亀を行って逮捕されている。

上半身を∞の軌道で振り、反動で左右のフックをたたきこむラッシュ。
デンプシーがこの技でジャイアントキリングしたところから広まり、日本に伝わったころにデンプシー・ロールの名が定着した。

  • 鄧城葉氏猪蹄鄧艾:武将 ?~264】
豚足の煮付けだが、砂糖と醤油のほかに様々なスパイスが加わって絡み合い複雑な味がするという料理。
鄧艾が豚足を好んでいたため、毎日食べても飽きないようにと生み出された。
出生地である義陽郡があった河南省の無形文化遺産にもなっている。

  • 道頓堀【安井道頓:商人 1533~1615】
言わずとしれた大阪の地名。
道頓は大阪城の外堀を掘削するなどした褒美として、城の南側の地を拝領した。
開墾するに当たって運河が必要だと考えた道頓は、私財を投じ開墾に着手する。
その後の大坂の陣で豊臣方に味方し討ち死にしたが、従兄弟らが事業を引き継いだことで事業は完成した。

  • ドーベルマン【フリードリッヒ・ルイス・ドーベルマン:収税人 1834~1891】
ドイツの収税人ドーベルマン氏は仕事柄多くの金を持ち歩くことから、優秀な警備犬を求め新たな品種を生み出した。
この犬は20世紀には警備などに広く採用され、1948年にドーベルマンの名がつけられた。

  • 土左衛門【成瀬川土左衛門:力士 ?~1748】
江戸時代に活躍した成瀬川土左衛門という力士は色白で締まりのない体型で、水を吸ってブヨブヨになり体内に溜まった腐敗ガスによって膨れ上がった水死体にそっくりなことから、
彼にとっては不名誉ながら、水死体に土左衛門という俗称がついてしまった。
そのせいもあってか、土左衛門という四股名は現在に至るまで誰も名乗っていない。

  • Dvorak配列【オーガスト・ドヴォラック:教育心理学者 1894~1975】
  • Colemak配列【シャイ・コールマン】
キーボード配列を人間工学的に改良したもの。
一番有名なDvorak配列はオーガスト・ドヴォラックが開発したもので、左手に母音を固めたもの。
Colemak配列はホームポジションによく使う字が来るようにシャイ・コールマンがQwerty配列から改良したもの。

  • トマソン【ゲーリー・トマソン:野球選手 1951~】
使用不能または不要でありながら有用なものと同じ扱いを受ける建造物を芸術的なものとしてみる言葉。
巨人の助っ人に呼ばれ4番打者となったものの、大型扇風機とも呼ばれるほどに三振し続けたゲーリー・トマソンの扱いになぞらえてライターの赤瀬川原平が命名した。

  • 泣いて馬謖を斬る馬謖:武将 190~228】
法や規律を守るため私情を捨てること。
馬謖は白眉の故事で知られる馬良の弟で、馬氏の五常と呼ばれる才児の末っ子。そして馬良は諸葛亮の義兄弟であり、五常のうち蜀に残された最後の一人であるということもあって諸葛亮から大きな期待を受けていた。
しかし馬謖は戦で防衛線の一つを守るよう指示されていたのに、功に逸って手薄な箇所を作ってしまいそれを突かれて蜀は大敗する。
命令違反でこのような惨事を招いた馬謖を許すことは出来ず、諸葛亮は涙を流しながら断腸の思いで馬謖を処刑した。
最期については生かそうと思って投獄したが獄中死したとかそこから逃げ出そうとしたせいで処刑に繋がったといったものもあって若干バラバラではあるが、切られているのは間違いない。

  • ノムリッシュ野村哲也:デザイナー 1970~】
FFの世界設定や言い回し。またはその言い回しを模した「ノムリッシュ翻訳」を通した文章に付けられる接頭辞。
だが野村哲也はあくまでデザイナーでありシナリオには多くは関わっていない。

  • バーニア【ピエール・ヴェルニエ:数学者 1580~1637】
アナログノギス等に付随している、より細かい値を測るための副尺のこと。
そこから転じて機械工学方面では補助装置の事をバーニアと呼ぶようになり、ロケットや宇宙船の姿勢制御用の補助エンジンはバーニアエンジン、バーニアスラスターと呼ばれる。
…なので、ロケットエンジンの噴射口の事をバーニアと呼ぶことは間違い
この間違った認識はガンダム等のリアルロボット界隈を中心に修正不可能なまでに広まってしまい、挙げ句の果てに「メインバーニア」というメインなのかサブなのかはっきりしない呼称もある始末。

  • 破壊的素潜り【破壊的風来人:シレンジャー 21世紀ごろ】
風来のシレンシリーズにおいて、持ち込み前提で高難易度に設定されているダンジョンに倉庫からの持ち込みなしで挑むやり込みプレイの総称。
「破壊的風来人」というハンドルネームで活動していた人物が攻略サイトで提唱したスタイルに由来する。

もともとは、不思議のダンジョン 風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!において、倉庫のアイテムを持ち込まずにシュテン山を登り、道中で拾ったアイテムだけを頼りにあかずの間に突入することを指していた。
なので厳密に言えば「ストーリーダンジョンの途中に入口がある追加ダンジョンに道すがら手に入れたアイテムだけで挑むこと」を指すのだが、単に「持ち込み可能なダンジョンに何も持ち込まずに挑戦すること」を意味することもある。
ちなみに、シレン4のシレンへの道、シレン5の迷いの井戸などでもシレン2と同様の破壊的素潜りが可能。

  • ハリケーン【フラカン:マヤ神話の創造神】
南北アメリカ大陸付近で発生した強い熱帯低気圧。
マヤ神話の創造神の一柱で、最初に木から創造された人類の態度の悪さに怒って大洪水で滅ぼしたフラカンが語源。スペイン語読みのウラカンとも。

  • ハンセン病【アルマウェル・ハンセン:医師 1841~1912】
感染症の一つ。かつては(らい)病と呼ばれ、国による強制隔離政策が取られるなど、極めて差別的な扱いを受けていた。
旧称には差別的な意味合いが定着し拭えないことから、原因となる菌の発見者であるアルマウェル・ハンセンの名前からハンセン病という呼称へ変更された。

パンドラはギリシャ神話に登場する人類最初の女性。「パンドラの箱」を開けて世界に災厄を振りまいてしまった。
いわゆる「巨大核質DNAウイルス」の一種で、その巨大さもさることながら既存の生物科学の常識が崩壊しかねないような新事実がパンドラの箱を開いてしまったかのごとく続々発見されたことからこの名が付いた。


  • biimシステム【biim:動画投稿者 2012~】
プレイ画面を縮小し、空いた下枠に字幕、右枠に進捗やネタを入れる動画の構成法。
氏はこの構成でわかりやすくしたRTA動画で有名になり、テンプレにしやすいネタもあってリスペクトする投稿者が続出しクソアニメの杉田回やパチンコ版機動戦士ガンダム 逆襲のシャアなど企業でもリスペクトされている。
そして動画編集ソフトAHS Recotte Studioではbiim監修でbiimシステムのテンプレートが用意されている。

  • ピタゴラ装置【ピタゴラス:数学者 BC582~BC496】
  • ルーブ・ゴールドバーグ・マシン【ルーブ・ゴールドバーグ:風刺画家 1883 ~1970】
どちらも力学的作用*13を通して仕掛けを連鎖させ、回りくどく目的を達成するもの。
ルーブ・ゴールドバーグは自動化する産業社会をこの装置で皮肉った。
ピタゴラ装置はご存じピタゴラスイッチの一コーナーで、もちろんピタゴラスからきている。

  • 比羅夫(ひらふ)阿倍比羅夫(あべのひらふ):武将 7世紀】
北海道倶知安町の地名。隣接するニセコ地区とともに北海道有数のリゾート地として有名。
日本書紀によれば、東北の蝦夷征伐を行った飛鳥時代の武将・阿倍比羅夫が北海道に渡った際に「後志羊蹄(しりべし)」という所に政庁を置いたという。
この後志羊蹄の場所はよくわかっていないが、明治時代に入ってまあこの辺ではないかという割とふわっとした理由で命名された。

  • フタバスズキリュウ【鈴木直:古生物学者 1951~】
福島県いわき市の「双葉層群」で、1968年に当時高校生だった鈴木氏によって化石が発見された首長竜。日本で初めて見つかった中生代の大型爬虫類(首長竜は恐竜ではない)である。
発見から38年後の2006年にようやく新種と確認され、学名「フタバサウルス・スズキイ」として記載された。

  • ブッダブロブッダ:宗教家 前5世紀】+【ブノワ・マンデルブロ:数学者 1924~2010】
マンデルブロ集合はブノワ・マンデルブロがコンピューターで書き出したフラクタル図形で、エイドリアン・ドゥアディによって名付けられた。
簡単な定義から生まれる神秘的な形から多くの派生が作られていて、
発散すると確定したときまでの点をすべてプロットしたものは瞑想するブッダに見えたことからブッダブロと名付けられている。
2人の名前からなる合成語という珍しい例。

  • ブラウン管【カール・フェルディナント・ブラウン:物理学者 1850~1918】
荷電粒子砲から出た電子の軌道を磁力で曲げ、蛍光するガラスに当てることで発光させるモニター。古いテレビに使われてるイメージが強いが、オシロスコープなどでは今でも現役。
クルックス管【ウィリアム・クルックス:物理学者 1832~1919】にブラウンが改良しビームの収束などで詳細な造影を可能にした。

  • ブルマ【アメリア・ジェンクス・ブルーマー:女性解放運動家 1818~1894】
ご存知女性用の体操服。
女権活動家アメリア・ジェンクス・ブルーマーが服装による女性の解放を目指して作ったスタイルに由来する。
身体を制限する"女性らしい"服装に抵抗するためブルーマーはゆったりとしたズボンを着て自身の新聞で発表した。

なおブルーマーが提唱したのはもんぺのようなズボンであり、現代の我々が考えるアレとは全く異なる。
現代のブルマは90年代に露出度が高すぎるとの批判を受け絶滅してしまったが、
ブルーマーも女性の解放を目指して作り、自身の名前を冠する衣服が女性の敵のような扱いを受けるのはさぞ不本意だったであろう。

  • ヘリウム【ヘリオス:太陽神 ギリシャ神話】
水素の次に軽い元素。吸い込んで甲高い声を出したり風船を浮かべたりするのに使用するガスとしてお馴染み。
太陽光のスペクトルの中から発見された事から、ギリシャ語の「太陽」に因んで名付けられた。

  • ベンフォードの法則【フランク・ベンフォード:物理学者 1883~1948】
市区町村の人口や公共料金の請求額など、人間が考えずに決まった数値は最初の桁が1になる確率が最も高く、9になる確率が最も低いという法則。
このような法則は1881年に天文学者で応用数学者のサイモン・ニューカムによって既に提示されていたが、フランク・ベンフォード氏が改めて発表したことでこの名前がつけられた。

  • ボイコット【チャールズ・ボイコット:軍人・地主 1832~1897】
「特定企業の商品を買わない」「投票に参加しない」など、何らかの行為を「しない」ことで抗議を行う運動。
英国の軍人チャールズ・ボイコット大尉はアイルランドに土地を持っていたが、
小作人からの小作料25%引き下げ要求を突っぱねたため、「非暴力だがインフラの供給を断つ」という新手の抗議活動を受けた。
農民が仕事を放棄したためボイコットは年貢を手に入れられないどころか、食べ物や郵便なども入ってこなくなってしまりイギリスへ逃げ帰ることとなった。

  • 包丁【庖丁:料理人 古代中国】
紀元前3世紀の書物「荘子」の「庖丁解牛(ほうていかいぎゅう)」というエピソードに登場する料理人に由来する。
牛の身体構造を心眼で把握し、生きた牛を死んだことにも気づかせず捌いたという伝説の料理人。
牛刀を一切骨に当てないため、19年使いこんでも刃こぼれ一つなかったと言われており、転じて牛刀が庖丁と呼ばれ、やがて包丁となった。
ちなみに「庖」は料理人という意味なので、人名は「丁」だけである。つまり包丁とは「料理人の丁さん」の意。

  • ポンジ・スキーム【チャールズ・ポンジ 詐欺師 1882~1949】
「あなたのお金を○○に投資して○倍にして返します!」と言って投資を募り、
実際には何の投資もせず新たな出資者からの出資金を前の出資者の配当として右から左に流すだけという、要は自転車操業状態の単純な詐欺。
ポンジはこの手法で数百万ドルを集めたが、新たな配当を返すため新たな出資者を得……ということを繰り返していくと無限の出資者が必要になるため、当然の帰結として破綻し逮捕された。
今日でも世界中(日本含む)でポンジ・スキームは元気に行われており、名を冠したボードゲームでは正にチャールズ・ポンジの立場を体験できる。

  • マカダミアナッツ【ジョン・マカダム:化学者 1827~1865 オーストラリア】
ハワイ土産の定番のチョコレートや、或いはおつまみでおなじみのアレ。
本種を「発見」した、ジョン・マカダムが名の由来である。

  • 孫の手麻姑(まこ):中国神話の仙女】
仙女麻姑は鳥のような爪を持っていて、背中を掻かれるとかなり気持ちいいとされる。
その機能を持った道具を麻姑手と呼ぶようになり麻姑の名が訛って孫となった。

タングステン電球と自動車メーカーの両方に存在する。
タングステン電球の方はシルビーエレクトリック社のブランドだったが、ゼネラルエレクトリックに買収され、各国の会合にて最上品質のものに付けることとなった。日本では東芝が名乗っていた。
自動車メーカーの方は創業者松田重次郎とのダブルミーニングになっている。

  • マリガン【デイビッド・マリガン:ホテル経営者? 20世紀前半】
アニヲタ的には「カードゲームで初手が極端に悪い場合に引き直しができる制度」としての印象が強いが、元々はゴルフの非公式ルール。
ティーショットが上手く行かなかった際に打ち直すことができる事を指す。
由来には諸説あるが、ホテル経営者だか医師だかのマリガンさんがティーショットをミスることは共通している。

三原というハンドルネームの人物が使用したライブラリアウトデッキ。「さんげんしき」ではなく「みはらしき」。
驚異的な山札掘削・手札増強効果を持つサイバーポッドを、魔法・罠カードで延々と使い回す。
王家の神殿全盛期だった頃は、異常な高回転力を見せて先攻1キルすら可能なほどだった。
しかしあちらの禁止カード化で見る影もないほどに回転力が落ち、またサイバーポッド自身も禁止カードになったため現在は組むことができない。
カードプールの増強により現在は王家の神殿なしでやってのけそうな気もするので、おそらく二度と復活できないと思われる。

  • ミマツダイヤグラム【三松正夫:郵便局長 1888~1977】
北海道の有珠山が1943年から45年にかけて噴火した際、山麓の畑だった場所が隆起して新しい山(昭和新山)になっていく様子を定点観測したもの。火山活動の貴重な記録として世界的に評価された。
三松氏は後に私財を投じて昭和新山の土地を買い取り(自然保護のため、または農地を失った住民の支援のため)、現在でも彼の子孫が所有している。

  • ミンククジラ【マインケ:ノルウェーの捕鯨船員 19世紀】
哺乳類最大のシロナガスクジラの仲間で、ナガスクジラ属最小の種。
捕鯨船の銛手であったマインケ(Meincke)が、シロナガスクジラだと言って銛を撃ったところ、揚がったのはとても小さなクジラ。
仲間たちから「お前のシロナガスクジラはやけに小さいな」とからかわれ、それ以来このクジラを「マインケのクジラ」と呼ぶようになり、やがてミンククジラ(minke whale)の名が定まった。
なので、イタチ科のミンク(mink)とは全く関係がない。

  • mesmerize【フランツ・アントン・メスメル:医者 1734~1815】
「催眠術にかける」という意味の動詞。
メスメルは動物は磁気でコントロールできると考え、患者を夢遊状態にしてから磁気を帯びた物体でメスメリズムと呼ばれる"治療"をしていた。
やがて磁気が必要ないとわかり、暗示による夢遊状態の方が重要だったので内科医のリエボーはこちらを発展させ、現在の催眠療法につながるものを作った。

  • 孟宗竹【孟宗:呉の政治家 ?~271年】
日本最大の大きさになる外来種の竹。
孟宗はよき母を持ち、また孟宗もよく母に尽くし、後に二十四考に挙げられるほどの人物。
だが母は老いて認知症にかかったのか食べ物をよく欲するようになり、ある大雪の日にたけのこを食べたいと言い出した。
孟宗は必死になって探したが見つからず諦めかけていたところ、孟宗の周囲が突然春になって雪が解けたけのこが生えてきたのでこれを持ち帰って母に食べさせることができたという故事が由来。

  • 孟母三遷【孟子の母親:織子 紀元前4世紀ごろ】
  • 孟母断機【同上】
性善説を唱えた孟子の、教育熱心な母親の逸話から生まれた故事成語。
幼い孟子が周りの真似をしてごっこ遊びしてしまうため、これではいかんと思った母親はその度引っ越しを行った。
三度目に学校の近くへ引っ越したところ学問を志すようになったため、そこで安堵し腰を落ち着けた。

そうして孟子は毎日勉学をするようになったが、ある日勉強終わりに母親と雑談していた。
すると突然母親は包丁で織物を断ち切り、「お前が勉強を止める事と私が仕事を辞める事は同じです!!男も女も今を頑張らなかったら下僕か泥棒にしかなれません!!」と説教されたため、孟子は休まず勉学に励むようになったという。

  • 元の木阿弥【木阿弥:僧侶 16世紀】
良くなっていたものが元通りになってしまうことを意味することわざ。
戦国武将筒井順昭が死んだことを隠すために建てた影武者木阿弥に由来する。
3年後に跡継ぎが十分成長して死も公開されたため木阿弥は一般人に戻ってしまった。

  • ラッセル車【ジェームズ・H・ラッセル&ジェームズ・W・ラッセル:技術者・実業家 19世紀後半~20世紀前半】
楔形の鋤で雪をかき分けるタイプの除雪車の通称。海外では「ウェッジプラウ」「スノープラウ」などと呼ばれる。
日本では1910年代にこのタイプの除雪車の特許を保有していた「ラッセル・カー&スノープラウ・カンパニー」から鉄道用除雪車を購入し、その後この手の方式の除雪車が全てラッセル車と呼ばれるようになった。

  • ラッダイト運動【ネッド・ラッド:活動家 18世紀後半】
「産業革命とやらで工場が機械化されたらオレ達労働者は食いっぱぐれだ! なので機械をぶっ壊して産業革命を中止に追い込むぜ!」という運動。
嚆矢となったネッド・ラッドによる自動織機の破壊活動が由来とされる。

  • リーマン予想【ベルンハルト・リーマン:数学者 1826~1866】
リーマンゼータ関数 ζ(s) の非自明な零点 s は全て、実部が 1/2 の直線上に存在する。
という数学上の予想。
ドイツの数学者ベルンハルト・リーマンが1859年に自身の著書に発表した予想で、160年経った現在でも証明に至っていない超難問。
アメリカのクレイ数学研究所によって証明に100万ドルもの懸賞金が掛けられた「ミレニアム懸賞問題」と呼ばれる未解決問題の一つである。
ちなみにミレニアム懸賞問題はP≠NP予想以外すべて人名由来である。

  • リンチ【ウィリアム・リンチ 治安判事 1742~1820】
法によらない私的な制裁のこと。私刑。
よく言われる語源は南北戦争時代の治安判事ウイリアム・リンチだが、
他にもチャールズ・リンチ大佐、炭鉱経営者トーマス・リンチといった説もある。
そもそもリンチがよくある姓なので散発したとしてもおかしくない。

  • 名伯楽【伯楽:春秋時代、秦の調教師】
名馬を見抜く眼力が優れており、軍馬の育成に功労があったことから、育成手腕に長けた人物を指す言葉として使われる。
なお、本名は孫陽といい、伯楽は字。もとは馬の神様の名前であり、その功績を称えて伯楽の字を賜った。
「伯楽の一顧」「世に伯楽ありて、しかる後に千里の馬あり」など、多くのことわざの元になっている。

  • 老黄忠黄忠:蜀の将軍 ?~220】
年老いてなお元気な老人を示す中国の言葉。
小説「三国志演義」における黄忠が老人でありながら非常に活発で多くの戦果を上げた人物として描写されていたため、このような言葉が誕生した。
なお黄忠は実在の人物だが、上記の通り生年不詳でありどの程度老人だったのかは定かではない。

  • Linux【リーナス・トーバルズ:大学生(当時)】
当時Unixとその互換OSがどれも色々と面倒なことになっていたことに不満を覚えたフィンランドの学生がUnixのソフトが動くよう作ったOS。
最低限の機能を備えた状態で発表してからは全世界からの協力を得て本格的なOSへと成長していった。
自分の名をつけることは本人も考えてはみたものの躊躇ったらしく当初は「Freex」として発表したが、開発者たちからも推奨され「Linux」で定着した。


〔現実→架空での例〕


ユンゲラーはポケットモンスターシリーズに登場する「ねんりきポケモン」であり、その名前とスプーンを持った外見は明らかに1970~80年代に一斉を風靡した超能力者ユリ・ゲラーを元にしている。
ところがユリ・ゲラーはなにぶん存命の人物だったため、2000年にユリ・ゲラー本人から「イメージを勝手に使われた」として約100億円の損害賠償を起こされてしまった。
幸いこの訴訟は英名がKadabraだったため取り下げられたが*14、以降「ポケモン」シリーズには特定の人物を名前の由来とするポケモンは1匹も登場していない。
またユンゲラー自体もカードに登場しない。かわらずのいしを無効化するなど妙な扱いを受けていたが、現在はユリゲラー氏と事実上の和解をしている。
逆に言えば初代には存在してたということであり、ユンゲラーの進化前ケーシィ【エドガー・ケイシー:預言者 1877~1945】と進化後フーディン【ハリー・フーディーニ:奇術師 1874~1924】が人名由来。
他にもサワムラー【沢村忠:キックボクサー 1943~】エビワラー【海老原博幸:プロボクサー 1940~1991】もエポニムである。

  • マリオ【マリオ・セガール NOAの倉庫の大家 1934~2018】
こちらも任天堂。
アーケードゲームのドンキーコングがブームになり始めたころ、主人公のひげ男は「ジャンプマン」と呼ばれており明確な名前が無かった。
そんな折任天堂と倉庫の持主セガール氏の間で家賃を巡って口論となるが、なんとか保留してもらえることとなった。
任天堂側は彼の人柄に敬意を称し、ジャンプマンに「マリオ」と名付け、名前を残すことにしたのである。セガール氏が単に似ていたからという説もあるが、どちらにせよ本人はその事に対しては冗談を言えるくらいには受け入れていた様子であった。
ちなみにルイージに関しては「イタリア人に多い名前」としてつけられた、決して類似品だからルイージではない。

  • Euclid【エウクリデス:数学者 前3世紀】
SCP Foundationの基本となるオブジェクトクラス。おそらくエウクリデスが公理を定めたことに由来する。
そのほか独自のクラスではTiamat【ティアマト】などの神性、アノマリー分類システムではAmida【阿弥陀如来】、
現実改変関係ではヒューム値【デイヴィッド・ヒューム】などの哲学者*15がエポニムである。

餓狼伝説2』が初出の格闘家。
当初SNKが設定した名前「キム・ハイフォン」が韓国人名として不自然だったため、当時SNK作品の韓国での流通等を担っていたビッコム社の社長の名前を借りて命名された。
肖像権が絡むためか自主的な配慮からか、後年の作品では下の名前を伏せられている。
なお、韓国語での発音は「ガプァン」のようになるらしい。

  • Slifer the Sky Dragon【ロジャー・スライファー:アメリカでの放送局「4Kids」のプロデューサー】
遊戯王のカードの1枚。
…え?そんなカードあったかって?日本ではオシリスの天空竜と呼ばれているカードである。
劇中の重要キャラクターにスタッフの名前を付けるというのはアメリカにおいては割と行われているらしく、おかげでオシリスもその文化の被害にあった。スライファーという名前が割とかっこいいのが救いか。
原作漫画では《SAINT DRAGON -THE GOD OF OSIRIS-》とちゃんとした英訳が存在している。



〔エポニムである事が架空である例〕

  • ゴルフ【呉竜府:格闘家?】
ゴルフはかつて英国発祥とされていたが、後の研究で辵(チャク)家棍法術奥義「纏劾狙振弾(てんがいそしんだん)」が起源と判明。
名前もこの技の創始者「呉竜府(ご りゅうふ)」から取られているという説が支配的である。(民明書房刊「スポーツ起源異聞」より)

……といった感じで、漫画魁!!男塾にはこの手のトンデモ起源説が頻発する。
ヘンテコな技を使う新たな敵が登場すると、毎回のように
「○○の起源は実は中国(またはモンゴル)拳法の技■■であり、○○という言葉は■■の達人△△(適当な当て字)の名に由来する(民明書房刊「○○の意外な歴史」より)」
といったいかにもそれらしい解説が挿入されて信憑性を与えるのがお約束であり、当時の小学生達に広く信じられた。
ルックス呂空雛(るうくうすう)】だのホッピング宝浜具(ほうぴんぐ)】だの、男塾のトンデモエポニムには枚挙に暇がない。

かつて人々から神として崇められていたが、とある少年の他愛ない一言で対立を深めたために、
裁きの神ジャスティスの判決により互いに首を落とす相討ちとなってのマスクを残して世を去った古代の超人。
二人が後進を指導するために建てた道場、ゴールデンキャッスルシルバーキャッスルの跡地に建てられたのが金閣寺銀閣寺である。
このため銀閣寺の下からリングがせり上がってきた。
「ほーなんだそのオモシロ起源説は?」
「誰が知るか!そんな突拍子もない仕掛けなど」

  • (リットル)【クロード・リットル:科学者 1716~1778】
先述の通り、国際単位系では人名に由来する単位しか頭文字を大文字にできないとされているが、1つだけ例外がある。大文字「L」で表すリットルだ。
リットルの語源はフランスの単位「リトロン」で、人名ではない。
これは小文字のl(エル)I(アイ)と紛らわしいための措置である(かつて筆記体で小文字の「l」を表現していたのもある意味このため)。

これに目をつけた科学者ケネス・ウールナーは1978年、「リットルの語源は科学者クロード・リットル(1716~1778)である」とのエイプリルフール記事をそれらしい来歴とともに教師向けのニュースレターに掲載。
ところが1980年、国際純正・応用化学連合*16という化合物の命名法を世界的に統一するなどの功績を持つガチすぎる学会の雑誌が「リットルの語源はクロード・リットルである」との記事を本気で載せてしまうという事態に発展してしまった。


名祖になった人に追記修正をお願いします。


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