登録日:2021/04/29 Thu 23:27:52
更新日:2025/04/26 Sat 16:34:54
所要時間:約 10 分で読めます
「ブースターSP-フュージョン・エンフォーサーズ-」で登場した、【
召喚獣】の1種。
召喚獣は属性に対応した融合モンスターを召喚するテーマで、コキュートスは水属性を担当する。
融合・効果モンスター
星6/
水属性/
ドラゴン族/攻1800/守2900
「召喚師アレイスター」+水属性モンスター
(1):このカードは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。
(2):このカードは表側守備表示のままで攻撃できる。
その場合、攻撃力の数値を適用してダメージ計算を行う。
壁として機能しながら相手に攻撃もできる器用な存在ではあるものの、
その攻撃力は下級モンスター級なので突破力が乏しいし、《召喚獣メルカバー》や《召喚獣ライディーン》のように直接的に相手を妨害する力を持たない。
召喚獣が登場した
第9期の高速化を極めた遊戯王では、「耐性が強いモンスターで様子を見る」などというのは悠長の極みである。
マジェスペクター耐性も強固なものには違いないが、除去能力のインフレした現代遊戯王ではそこまで場持ちに期待できないだろう。
明確な特徴は持っているため決して何かの劣化ではないのだが、
水属性の素材確保が難しいことや、EXデッキ枠が厳しい時勢なのもあり、純【召喚獣】で環境を見つつ《
超融合》要員として採用するのがせいぜいで、召喚獣の中でも採用されにくいカードであるといえる。
ちなみに、コキュートスとは
ギリシャ神話で地獄の最下層に流れる「嘆きの川」を意味する言葉。
ダンテの『神曲』においては裏切り者が永遠に氷漬けとなっているとされる。
追記・修正をお願いします。
このカード、OCGプレイヤーからすると意外かもしれないが、
遊戯王デュエルリンクスのプレイヤーにとっては脅威でしかない1枚であり、
なんと禁止カードにまで規制されてしまった。
理由は単純で、「デュエルリンクスはOCGほどインフレしていない」ことに尽きる。
マジェスペクター耐性を破れるような効果が手軽に使えないため、戦闘破壊以外の手段を取ることが難しい。
だが守備力は2900と非常に高く、《
青眼の白龍》に代表される3000ラインが必要。
しかも他のカードを組み合わせるまでもなく《召喚師アレイスター》の手札効果で1000強化が可能なので、
スキルでなんとか3000を上回った程度では簡単に防がれてしまう。
その性質上、常に守備表示で出すことになるため、
リンクス環境で有用性の高い防御カードである、《クリボール》《分断の壁》《波紋のバリア-ウェーブフォース》などが通用しないのも特徴。
《クリボール/Sphere Kuriboh》
効果モンスター
星1/
闇属性/
悪魔族/攻 300/守 200
(1):相手モンスターの攻撃宣言時、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。
その攻撃モンスターを守備表示にする。
《分断の壁/Wall of Disruption》
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールドの全ての攻撃表示モンスターの攻撃力は、相手フィールドのモンスターの数×800ダウンする。
《波紋のバリア -ウェーブ・フォース-/Drowning Mirror Force》
通常罠
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て持ち主のデッキに戻す。
戦闘以外で《召喚獣コキュートス》を突破しようとすると、《召喚獣コキュートス》実装時点では主に以下のようなカードが挙げられる。
若干パワーが低いカードも目立つが、
全体的にリンクス環境では、OCG環境で見られる《
スキルドレイン》《マクロコスモス》などの広範囲メタカードがほぼ実装されておらず、
高打点モンスターを出すのもそう容易ではないため、《召喚獣コキュートス》の壁はかなり厚かったのである。
また、《召喚獣コキュートス》登場以降に実装されたカードには、レアリティが高くとも「《召喚獣コキュートス》を戦闘破壊できないし、《召喚獣コキュートス》を突破できる除去効果ではない」ものも少なくなく、
「ハピで止まります」がごとく、「コキュで止まります」という事態に陥っていった。
以下に《召喚獣コキュートス》の登場から禁止となるまでの歴史を記載する。
2019/9/26
第23弾メインBOX「DARK DIMENSION」登場
その中に登場したのが【召喚獣】である。
地属性の《召喚獣メガラニカ》、闇属性の《召喚獣カリギュラ》と共に《召喚獣コキュートス》は実装された。
OCGでも名を馳せた《召喚獣メルカバー》でもなく、それに匹敵する妨害力を持つ《召喚獣ライディーン》でもない、言ってしまえば召喚獣の下半分という感じのチョイスであったが、
同時に実装された【エレメントセイバー】と組んだ【ES召喚獣】がリンクス環境に深い爪痕を残していくことになる。
【エレメントセイバー】は切り札の《エレメントセイバー・ウィラード》だけが実装されなかったが、
墓地にいる場合に属性を変更できる特性上、【召喚獣】との相性が非常に良い。
しかも、
- 《エレメントセイバー・モーレフ》によるフリーチェーン月の書
- 《エレメントセイバー・ラパウィラ》のパーミッション能力
- 《霊神の聖殿》によるサーチ・墓地肥やし・全体強化
によって戦線維持が非常に楽だった。
《霊神の聖殿/Palace of the Elemental Lords》
フィールド魔法
(1):自分フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、自分の墓地のモンスターの属性の種類×200アップする。
(2):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
デッキから「エレメントセイバー」モンスター1体を手札に加える。
その後、次の自分ターンのバトルフェイズをスキップする。
(3):1ターンに1度、自分の手札・フィールドの「エレメントセイバー」モンスターが効果を発動するために手札を墓地へ送る場合、代わりにデッキの「エレメントセイバー」モンスターを墓地へ送る事ができる。
《霊神の聖殿》の(2)のバトルフェイズを行えないデメリットも、
《召喚獣コキュートス》を出し、手札に《召喚師アレイスター》を握っておけば相手の攻撃を1ターン凌ぐことなど簡単だったのであまり苦にならず、非常に相性のいい組み合わせだったと言えるだろう。
前述の通り、《召喚獣コキュートス》の耐性を突破することは非常に困難であり、
なんとか引いた除去魔法・罠で処理できたとしても、その《召喚獣コキュートス》を融合素材に新しい《召喚獣コキュートス》が出てくるため、
デッキ単位で厚みのある対策ができないと最悪詰みかねなかった。
《召喚獣コキュートス》自体の打点は低いのがネックだったが、
《召喚師アレイスター》の効果や《霊神の聖殿》の全体強化のほか、高い守備力が《コンセントレイト》と好相性だったのもあり、困るようなシチュエーションは少なかった。
《
コンセントレイト/Concertrating Current》
速攻魔法
(1):自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時までその守備力分アップする。
このカードを発動するターン、対象のモンスター以外の自分のモンスターは攻撃できない。
ただ、《召喚獣コキュートス》では相手の《召喚獣コキュートス》を突破することが困難であり、
自分の《召喚獣コキュートス》が突破されてしまうと、それを素材に相手が《召喚獣コキュートス》を……という状況に陥ってしまうなど、
膠着状態を引き起こし、デッキ切れを狙わざるを得ない状況になることもあった。
デッキ枚数が20~30枚の
スピードデュエルのため、デッキ切れもそう珍しくなかったのである。
【
堕天使】【
サブテラー】【
水晶機巧】など、当時の環境デッキも負けず劣らずのパワーを有していたため、
必ずしも【召喚獣】の一強環境ではなかったのだが、
《召喚獣コキュートス》を突破できない《
デスペラード・リボルバー・ドラゴン》を主軸にした【デスペラード】など一部のデッキは《召喚獣コキュートス》対策が必須だった。
・2019/10/28
リミットレギュレーション適用
【召喚獣】は登場してから間もないためか、リミット入りしたカードはなかった。
むしろ、【堕天使】【
ネオス】などに規制が入って周りのカードパワーが落ち、相対的に強化を受けていたくらいである。
また、同時期に開催されていたRDGPイベントでは、
アニメ
5D'sのように
ライディングデュエルを行い、ターンごとに溜まるスピードカウンターでスキルを発動することができた。
このうち、
遊星号が持つスキルの中に、「スピードカウンターを10個消費し、相手フィールドのカードを1枚破壊する」というものがあったのだが、
なんと《召喚獣コキュートス》も破壊することができた。
リンクスでのスキルはカードの効果とは別枠として扱われるため、
それどころか、「破壊された時に発動する効果」「効果で破壊される時、代わりにこのカードが身代わりになる」などの効果を一切無視して撃てるし、《亜空間物質転送装置》で逃がすこともできない。
なので《合神竜ティマイオス》ですら破壊できるし、そこから伝説の三騎士を召喚することさえもできない。学芸会も台無しになる。
コストは重いものの、除去としての性能は遊戯王最強だろう。
《召喚獣コキュートス》を突破できないデッキにとっての活路だったが、
召喚獣デッキでこのスキルを使用すれば鬼に金棒だったため、以降は弱体化する方向で調整されていった。
・2019/11/12
第24弾メインBOX「AERIAL ASSAULT」登場
URカードの中には《
氷結界の龍 ブリューナク》や《ジェット・シンクロン》などOCGでも強力なカードが入っていたが、
その中に紛れ込んでいたのが《召喚獣プルガトリオ》である。
《召喚獣プルガトリオ/Invoked Purgatrio》
融合・効果モンスター
星7/
炎属性/悪魔族/攻2300/守2000
「召喚師アレイスター」+炎属性モンスター
(1):このカードの攻撃力は、相手フィールドのカードの数×200アップする。
(2):このカードは相手モンスター全てに1回ずつ攻撃でき、守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
OCGでは「召喚獣としてはまあまあだが現代遊戯王としては弱い」程度のこのカードだが、リンクス環境では普通に強いだけのカードであり、
ワンショットキルさえ狙えるそのアタッカー性能は召喚獣に更なる火力をもたらし、
耐久性能の高い《召喚獣コキュートス》で戦線を維持しつつ、隙を見て《召喚獣プルガトリオ》で消し飛ばす戦法が確立され、召喚獣のカードパワーを環境最上位にまで押し上げた。
水属性と炎属性を入れれば安定してその高いカードパワーを引き出せるため、
【
ビークロイド】と組んだり、【グッドスタッフ】寄りの召喚獣の構築もされていった。
【ビークロイド】では、特にビークロイドの大型融合モンスターを出すわけではないが、
《メガロイド都市》で水属性の《サブマリンロイド》、炎属性の《レスキューロイド》をサーチして融合に繋げられた他、
当時のリンクス環境ではぶっ壊れの《カイトロイド》をサーチし、2回まで相手の直接攻撃を防げたため、非常に堅牢なデッキだった。
《カイトロイド/Kiteroid》(アニメ・ゲームオリジナル)
効果モンスター
星1/
風属性/
機械族/攻200/守400
相手モンスターが直接攻撃した場合、そのダメージ計算時に、このカードを手札から捨てて発動できる。
その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージを0にする。
また、相手モンスターが直接攻撃した場合、そのダメージ計算時に、墓地のこのカードを除外して発動できる。
その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージを0にする。
また、【グッドスタッフ】寄りの場合、
水属性としてバウンス効果の《裏ガエル》、炎属性として強力除去の《溶岩魔神ラヴァ・
ゴーレム》など、相手の《召喚獣コキュートス》を除去できるカードを採用し、
自分は《召喚師アレイスター》1枚から一気に攻撃に転じることもできるなど、OCGと同じように召喚獣を用いた構築の柔軟さを証明していった。
ほか、【
マジシャン・ガール】とは、
魔法使い族サポートを共有しつつ、マジシャン・ガール側が高い防御性能とサーチ能力を有していたので好相性。
召喚獣関係と同じパックに収録されていたため、召喚獣を集めていれば同時に揃えられるのも利点のひとつだった。
同月に開催された、一大PVPイベントの「KCカップ 2019 Nov.」だったが、
2ndステージでは、メインデッキのモンスターカード採用率2位に《召喚師アレイスター》が入った。
(ちなみに1位は《カイトロイド》)
EXデッキにも1位《召喚獣メガラニカ》、2位《召喚獣コキュートス》、5位《召喚獣プルガトリオ》と、新参ながらそのパワーを裏付ける結果となっている。
以降のKCカップでも召喚獣関係は基本的に採用率トップ30以内に入っている。
誰でも参加できる1stステージではあまり採用率が高くなく、《召喚獣コキュートス》も20位近くにまで転落しがちではあるが、
1stを突破したプレイヤーのみが参加でき、安定した勝利が求められる2ndステージでは大きく順位を上昇させている傾向にある。
・2019/12/11
リミットレギュレーション適用
【召喚獣】からは《召喚獣コキュートス》がリミット1、《召喚獣メガラニカ》がリミット2に入った。
OCGとは異なり、リミット1のカードはデッキに1枚だけ、リミット2は2枚だけ……となるため、《召喚獣コキュートス》をデッキに入れられる枚数は1枚のみに。
リミット1に入るカードは、スピードデュエルでは驚異的なバーンの《革命》《リーフ・フェアリー》や、
対処が難しくオーバーパワーな《
アマゾネスの急襲》や《
空牙団の豪傑 ダイナ》などが挙げられ、《召喚獣コキュートス》については後者に分類されるだろう。
これによって、《召喚獣コキュートス》を素材に新しい《召喚獣コキュートス》を出すことができなくなり、
なんとかして処理できれば、そのデュエル中ではもう顔を見ることもなくなった。
また、《召喚獣メガラニカ》と同時に、《カイトロイド》《コンセントレイト》もリミット2に入ったため、
融合先・防御・攻撃のいずれかを捨てざるを得なかったが、
《召喚獣プルガトリオ》の存在によって火力面は安定していたので、環境内での地位は揺らがなかった。
とはいえ、《
エネミーコントローラー》など汎用的なリミット2のカードを組み込みにくくなった面では影響が大きい。
「召喚獣関係のカードを全部リミット2にすればよくない?」となる話だが、
リンクスは
DCGの
ソーシャルゲームという関係上、そうすることがどうしても難しくなっている。
+
|
... |
リンクスのガチャは、中身が完全に決まっているボックスガチャのタイプであり、同じ種類のSRカードは1箱に1~2枚、URカードは1箱に1枚しか入っていない。
同じURカードを3枚投入したい場合、運にも左右されるが同じパックを3周分剥く必要がある。
そうやって苦労してURカードを3枚入手した直後に規制されてしまえば、ユーザーの不満は一気に噴出しかねず、騒動も起こりかねない。
現物があるOCGのカードとは異なり、使用不可になったからとショップに売却して処分することもできず、
CPU戦でも使用不可となってしまうため、使用される場が極端に限られてしまう。
他のDCGと違い、要らないカードはアイテムにしか変換できない。
この関係で低レアカードは簡単にリミット入りするのに対し、高レアカードは見送られやすい。
また、デッキに1枚あればいい大型エースは低レアになりがちで、3枚必須な下級やサーチカードは高レアになりがちでもある。
《召喚獣コキュートス》のレアリティはR(1箱に6,7枚)、《召喚獣メガラニカ》はSR(1箱に2枚)なのだが、
《召喚師アレイスター》《召喚魔術》《エレメントセイバー・モーレフ》《召喚獣プルガトリオ》はすべてURであり、また《召喚獣プルガトリオ》のみが別のパックに入っている。
なので、【ES召喚獣】のためにこれら4種を3枚ずつ欲しければ6箱分を開封することになり、もっともかかる場合で54,000ジェムが必要。
(リンクスでのジェム保有の上限は9,999まで)
この3種については、言ってしまえば「必須カードなのでURに設定してしまったため、直接規制することができなくなった」というところだろう。
こうした運営の姿勢やゲームシステムは賛否をよく招くが、とりあえずURが《召喚獣コキュートス》ではなくて良かったと言うほかない。
|
・2020/3/24
リミットレギュレーション適用
《霊神の聖殿》と《コズミック・サイクロン》がリミット3に入った。
これまでリミット3のカードは存在しなかったため、今回のリミットが初となる。
《コズミック・サイクロン/Cosmic Cyclone》
速攻魔法
(1):1000LPを払い、フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。
《
サイクロン》の実装が21年3月となったリンクスでは信頼できる汎用除去で、そのライフコストによってスキルの発動条件も満たすことができた。
パック入手のURカードなのに規制されてしまったが、登場が17年11月と古かったのと、1回限りで1枚購入することができたのでそこまでの騒動とはならなかった。
元々は「LPが1000減った後、通常のドローの際にランダムで魔法使い族をドローできる」というスキルで、
《霊神の聖殿》でエレメントセイバーを駆使しつつ、
《コズミック・サイクロン》で魔法・罠を除去し、支払ったライフコストからスキルを発動して《召喚師アレイスター》を引いて一気に攻撃!
……というのが【ES召喚獣】の戦法のひとつだったが、
スキルの発動条件が「LPが1000減った後」→「LPが1500減った後」と変更されたために成立させにくくなり、若干安定性を損なうようになるなど、デッキ構築を考える必要が生まれてきた。
同時期に環境トップに躍り出た【
不知火】だったが、
打点の高さで《召喚獣コキュートス》があっさり突破されたり、逆に向こうが墓地に落としたモンスターを素材に《召喚獣プルガトリオ》を出す光景はよく見られた。
・2020/5/21
リミットレギュレーション適用
長期にわたって【ES召喚獣】が環境で活躍していたという理由で、《エレメントセイバー・マロー》がリミット1入りする。
マローは固有効果として墓地肥やしが可能で、素で炎属性のため、《霊神の聖殿》からサーチしてすぐに《召喚獣プルガトリオ》を融合召喚できた。
リミット1の枠を《召喚獣コキュートス》と食い合う形となったが、
「替えが効かないパワーカードの《召喚獣コキュートス》」と、「役には立つが、そこまで重要ではないマロー」は二者択一でもなんでもなく、
【ES召喚獣】においてのマローの採用率は急落というか、0%になった。
ただ、どうしても突破が困難なデッキも存在しており、
たとえば【
ブラック・マジシャン】は一度場に出た《召喚獣コキュートス》を基本の動きで突破することが不可能だったため、
《ティマイオスの眼》か《黒魔導強化》など、《召喚獣コキュートス》処理用のカードの搭載が必須だった。
とはいえ、【召喚獣】はメインデッキのモンスターが少なめでも動けるのが特徴なので、
空いたスペースにがっつり汎用罠を詰め込んで相手をいなすことは容易だったため、環境トップの座から大きく転落することはなかった。
今回の規制以降、召喚獣関係が新規にリミット入りすることも減っていき、環境で安定した地位を保ち続けるが、
その間にも、相方をエレメントセイバーやビークロイドに頼らず、様々な出張先を探していった。
「攻め手はないが回転力・防御力はある」「水属性と炎属性のモンスターが入っている」「メイン・EXデッキに少々空きがある」の条件を満たせば、
召喚獣はその高いポテンシャルを発揮することができたため、【
エーリアン召喚獣】【
E・HERO召喚獣】【
森羅召喚獣】、
さらには《鏡像のスワンプマン》《量子猫》が属性を自由に選べるのを活かした【
罠モンスター召喚獣】など一風変わった派生デッキも構築可能だった。
ほか、スキルを主軸に据えたリンクスならではの召喚獣派生デッキも登場。
【ボクモンキャバルリー】は初手にモンスターカードを引き込みやすくなる、
遊戯・
翔のスキル「ボクのモンスターカード」を用い、
《召喚獣コキュートス》や《超魔導騎士-ブラック・キャバルリー》を高速で展開するデッキ。
【バレットネオス】は、LPが1000減った後、手札を1枚デッキに戻してドローする
キースのスキル「スリカエ」を用い、
《ネオス・フュージョン》で《
ヴォルカニック・バレット》を墓地に落とし、それとスキルのシナジーで高い安定性を生み出すデッキ。
そこに《召喚師アレイスター》を差し込んでおけば、そこから《召喚獣プルガトリオ》などに繋げることもできた。
頑張って召喚獣関係を集めておけば、多数のデッキを使用することができるため、プレイの幅を広げる利点もあった。
・2020/9/29
第30弾メインBOX「SHINING HOPE」
初のエクシーズモンスターということで、カードパワーは若干抑えめであったが、
それゆえに高い守備力と堅い耐性を持つ《召喚獣コキュートス》の突破がかなり困難だった。
単体で突破できるスペックを持つのは《ズババジェネラル》《
覚醒の勇士 ガガギゴ》くらいのもの。
以降のパックでも《
No.50 ブラック・コーン号》《恐牙狼 ダイヤウルフ》など除去効果を持つエクシーズモンスターは実装されるものの、
《召喚獣コキュートス》を突破できる除去はできないという傾向が続いていった。
また、同月に開催されたKCカップ Sep.の2ndステージでは、
メインデッキのモンスターでは《召喚師アレイスター》の採用率が1位、EXデッキでは《召喚獣プルガトリオ》が1位となっている。
・2020/10/14
リミットレギュレーション適用
ついに召喚獣関係からは《召喚師アレイスター》がリミット3入りした。
初登場から1年のため、いよいよと言ったところ。
デッキに《召喚師アレイスター》と《霊神の聖殿》を計3枚までしか入れられなくなったため、【ES召喚獣】は構築が困難になった。
とはいえ、他にも多くの環境デッキのカードがリミット入りして周りのデッキパワーも落ちてきていたため、組む相手を変えればまだまだ戦うことは可能だった。
また、リンクス初の禁止カードに《
隣の芝刈り》と《
デビル・フランケン》が入った。
2枚とも入手に金銭の絡む余地があるパック購入のカードではなく、ゲーム内通貨のみで入手可能な無料カードだったため、
「《召喚獣コキュートス》はパック産のカードなので、禁止カードにする予定はないのでは?」という憶測が生まれた。
その陰でひっそりと《エレメントセイバー・マロー》はリミット解除された。
《霊神の聖殿》はリミット3のままだったが、これによって純【エレメントセイバー】は構築しやすくなった。
・2020/12/15
リミットレギュレーション適用
今回のリミットレギュレーションにて《召喚獣コキュートス》は禁止カードとなり、使用することができなくなった。
その理由はずばり、
「このカードの攻略難易度の高さにより、デッキ選択の余地が狭くなっているため、禁止にします。」とのこと。
やはり今後
ZEXAL関係の展開が続いていくのにもかかわらず、肝心のXモンスターでは《召喚獣コキュートス》の突破が難しく、環境での活躍が厳しかったのが影響だと考えられる。
また、合わせて《召喚魔術》と、《召喚師アレイスター》のサーチとして用いられた《融合準備》がリミット3入りし、
長きにわたってしのぎを削っていた【不知火】も非常に重いリミットが課せられて構築困難になるなど、
DSODワールドで登場して長期間環境で活躍したこの2デッキは、今回の規制を境に大きく弱体化していった。
これにより、水属性と炎属性さえあればどこにでも出張できた《召喚師アレイスター》自体の採用率が大きく落ち、炎属性モンスターが入っているデッキのみにしか採用しにくくなった。
主な採用先は炎属性メインの【
炎王】【
陽炎獣】のほか、
《ヴォルカニック・バレット》を使う【バレットネオス】もスキルの「スリカエ」が弱体化してしまったが、まだ採用することができた。
とはいえ、先に挙げた【ビークロイド召喚獣】や【マジシャン・ガール召喚獣】などはかなり苦しい立場となってしまった。
仮に現在の環境(2021年4月)で《召喚獣コキュートス》が使用できた場合、
新規実装された《青眼の双爆裂龍》や、リミット緩和された《アマゾネスの急襲》などで何もできずに除去される可能性も高いのだが、
最新除去カードの《ライトニング・ボルテックス》も《
月の書》も通さず、現環境トップの【
オノマト】【
ハーピィ】の動きを止められるため、禁止カードに相応しい強さは保ち続けている。
また、《コンセントレイト》+《召喚獣コキュートス》や倒しても倒しても湧いてくる《召喚獣コキュートス》に涙を呑んだ決闘者も多く、
「なんでリンクスに召喚獣なんて実装したんだ」とはかなり指摘されてきたが、
少なくともこの《召喚獣コキュートス》というカードは、カードプールが狭いスピードデュエルという特殊な環境のために、OCGでの目立たなさから一躍脚光を浴びることができた最たる例の1つとして挙げられるだろう。
・2024/10/8
リミットレギュレーション適用
《召喚獣コキュートス》 制限復帰
禁止指定から4年、ついに《召喚獣コキュートス》は制限カードとして帰ってきた。
その際に波紋を呼んだのはその文面。
現在の決闘者なら(《召喚獣コキュートス》を)攻略できると確信していますので、制限を緩和します。
まさかのプレイヤースキルを信じての規制緩和という衝撃的な文面は話題となった。
実際問題、カードプールの増加とそれに伴う環境の速度は規制当時よりも高速化しており、さらには壁を無視して攻撃できる《
LL-アセンブリー・ナイチンゲール》の追加という向かい風もある。
それによって、以前ほど壁役だけのモンスターを採用するという行為がメリットのみではなくなっているというのもあるだろう。
しかし、やはり守備力2900という壁は、まだカードの十分集まっていないプレイヤーにとっては高い壁であり、文字通り決闘者の腕によってどう攻略するかを考えるのが対処法となるだろう。
そして…
・2025/3/7
リミットレギュレーション適用
《召喚獣コキュートス》 完全解除
2025年春のKCカップ終了後、リミットレギュレーションの更新が発表。
その「リミット解除」欄にとうとう《召喚獣コキュートス》の名前が載った。
今回の文面は以下の通り。
現在の決闘者なら(《召喚獣コキュートス》を)攻略できることを確認しましたので、制限を解除します。
カードパワーとプレイヤーのプレイスキル上昇に伴い、もはやコキュートスは高い壁ではなくなったと裏も取れ、釈放された。
禁止指定からおよそ4年半。
8年に及ぶデュエルリンクスの歴史の半分以上を禁止で過ごした彼を、今後の【召喚獣】使いはぜひ使ってあげて欲しい。
(1):この項目は相手の追記の対象にならず、相手の修正ではページ更新されない。
(2):この項目は表側守備表示のままで攻撃できる。
その場合、所要時間の数値を適用してダメージ計算を行う。
- インチキ効果もいい加減にしろ! -- BF使い (2021-04-29 23:52:51)
- こんなたくさんよく書いたなって感想だけど、OCGコキュートスには冒頭以外ほとんど触れてないし、リンクスの記述はコキュートスメインの項目とするには記述が広すぎるし、いっそ召喚獣(遊戯王デュエルリンクス)ってした方が良かったのでは -- 名無しさん (2021-04-30 00:22:24)
- 何にせよ遊戯王項目は末尾に(遊戯王OCG)と付けるのが慣例なのでこの記事もそれに従った方が無難かなと -- 名無しさん (2021-04-30 01:00:56)
- 裏ガエルで除去しても、裏ガエル素材に出てくるからなコイツ -- 名無しさん (2021-04-30 01:13:37)
- 深淵の宣告者はリリースではないのでは? -- 名無しさん (2021-04-30 01:19:19)
- マローがリミ1になった理由って墓地肥やしよりも、聖殿でサーチ後即プルガトリオ出せたことが原因だと思う。 -- 名無しさん (2021-04-30 01:29:53)
- OCGでも活躍できる召喚獣ギミックをリンクスに出したこと自体がおかしいと今でも思う -- 名無しさん (2021-04-30 02:32:47)
- メルカバー実装しなきゃ大丈夫でしょとでも思ったのかね -- 名無しさん (2021-04-30 09:04:59)
- アブソルートZERO「水属性の融合モンスターって陸な奴がいないな」、沼地の魔獣王「・・・」 -- 名無しさん (2021-04-30 10:44:30)
- ↑ノーデン「そんなことはない!」 -- 名無しさん (2021-04-30 11:14:18)
- OCGのコキュはそれなりに硬い程度で水属性が素材を自分で調達するにも相手の墓地から調達するにも微妙な立ち位置だったからあまり採用されない奴なんだけどあっちだとあれだけ硬いなら自分から出したくもなるか -- 名無しさん (2021-05-01 07:16:35)
- 相手のカード割るのって遊星号じゃなくてホイールオブフォーチュンじゃなかったっけ -- 名無しさん (2021-05-01 12:57:08)
- ↑6 これがリンクスで実装されたのって5D'sキャラが出始めた頃で大体ocgだと6,7期辺り カードプールに差はあれどそこに9期出身の現ocgでもバリバリ活躍してる召喚獣投入したらそりゃぶっ壊れるよなって -- 名無しさん (2021-05-10 12:04:54)
- まあトリシューラが実装されれば解決するんだけどね... -- カブトムシ (2021-08-17 15:24:55)
- OCGで召喚獣の中で一番微妙な存在なのに -- 名無しさん (2022-07-10 22:31:15)
- トリシューラ無事実装されましたね 尚リミ1 -- 名無しさん (2023-02-03 13:47:59)
- 実装から5年が経ち今なら攻略は可能と判断された模様 -- 名無しさん (2024-09-26 18:30:57)
- 「現在の決闘者なら攻略できると確信していますので緩和します。」これ定型文にしていいくらい好き。規制緩和の理由の8割くらいはこれでゴリ推せるでしょw -- 名無しさん (2024-10-07 20:49:51)
最終更新:2025年04月26日 16:34