マテリアクトル(遊戯王OCG)

登録日:2024/11/04 Mon 20:03:00
更新日:2025/04/30 Wed 20:20:55
所要時間:約 20 分で読めます






エクシーズ素材を変換し、「マテリアクトル」の永久機関を構築せよ!



マテリアクトル/Materiactorとは、『遊戯王OCG』に存在するカード群(カテゴリ/テーマ)の一つである。


【概要】

初登場は2021年発売の「WORLD PREMIERE PACK 2021」。一応の同期は戦闘民族のウォークライ、闇遊戯のしもべたる絵札、異形の実験生命体ミュートリア
俗に言う「海外先行」の一つで、TCG版の「BLAZING VORTEX」から逆輸入されたテーマとなっている。

モチーフは永久機関や原子炉のような「莫大なエネルギーを発生させる装置」。テーマ内モンスターは全てレベル3・ランク3エクシーズドラゴン族で統一されている。
名の意味は「素材(Material)」と「炉(Reactor)」のもじりで、そこに「竜や爬虫類に関連する言葉」と「ギガやエクサ等のSI接頭語」の単位を付与している。
どのモンスターも極彩色の表皮をしており、体中には発光する眼球がびっしりと付随。そして全身からはエネルギーの雷光が迸る。
その姿に神々しさを感じるか、あるいは不気味さ・禍々しさを感じてしまうかは見る人の感性に委ねられるだろう。
永久機関を意識している為か、どのモンスターも自身の尾を噛んでいる見た目をしているのもポイント。
設定によると「天上界」という世界より現れた竜で、凄まじい光と瘴気を帯びた危険な生命体。未だその生態に謎が多いらしい。*1




……が、このテーマ、出た当初はものすごい欠陥を抱えていた。
まず、向こうのBLVOで登場した際の収録枚数だが、その数は主力たるエクシーズとメインデッキモンスターで合計2枚。

もう一度言う。収録されたのはたったの2枚。
マテリアクトルというテーマは2枚しかカードが存在していない、テーマとして成立しているかすら怪しい状況であったのだ。

続く「DIMENSION FORCE」にて追加カードとして魔法が1枚増えた。
だが、件の2枚にそれらをサーチするカードはなく、依然として状況に変わりはなかった。
そしてその後は見事に放置。永久機関は稼働する事なく、静かに佇むだけであった。

時が流れて2024年。期間にして3年間の沈黙は長かった。
「マテリアクトルのテーマ化マダー?」「◯◯はマテリアクトルの新規が出るぐらいにはあり得ない」「環境トップは【マテリアクトル】です!」という感じに、様々な決闘者たちからネタ扱いもされ始めていた頃。突如としてその炉に火が灯る。
12期第7弾パック「SUPREME DARKNESS」にて、一気に5枚もの新規が追加されたのである。
それらはどれもマテリアクトルが求めていた「ちゃんとシナジーを持つ新規」にして、「しっかりとデッキの方向性を定めてくれるもの」ばかり。
まだまだ少数精鋭ではあるもののちゃんとデッキが組めるようになったマテリアクトルは、ようやくテーマとしての一歩を踏み出したのだった。



【テーマの特徴】

コンセプトは「素材の再利用」と「ランク3エクシーズ」、そして「レベル3通常モンスター」。
素材の数=効果使用回数が基本で、素材を使い切るとほぼバニラになるモンスターも多いエクシーズだが、マテリアクトルは逆に吐き出した素材を利用する効果がメイン。
手札の質を高めたり、自身を強化したり、再展開の布陣にしたりと、素材をとにかく消費して行くことを求められる。
同時に素材をXモンスターに詰める効果も多く、素材を溜め込んで効果を使い、消費したらまた補充して効果を発動、そしてまた補充したら…という感じで、とにかく手札と素材がグルグルと入れ替わる。
まさしく「永久機関」じみた動きと言えよう。

同時に、効果のトリガーとして通常モンスターを用いるものも存在しており、必然的にデッキへバニラモンスターが求められる。
炉を始動させるには、種火などのきっかけが必要という事だろうか。

兎にも角にも、ランク3の展開と手札・素材のサイクルにより場を維持し続け、堅実にアドを取っていくのがこのデッキの強み。
ドローやサーチが多く、手札の質を維持し続けられるという点が明確な利点で、ハンドから撃てるカードや次ターンでの展開起点を手札に引き込みやすい。
安定したエネルギー生産の為にも、機関を停止させないつもりで動かしていこう。



【所属カード】

メインデッキのモンスター

全てレベル3のドラゴン族で、お互いがサポートし合うデザインになっている。
1ターンの間に、これら3体すべてを場に並べる事も現在では容易。どんどんX召喚を目指していこう。

  • マテリアクトル・ギガドラ
効果モンスター
星3/闇属性/ドラゴン族/攻1000/守1000
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分はXモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
(2):手札を1枚捨てて発動できる。
手札・デッキからレベル3の通常モンスター1体を特殊召喚する。
通常モンスターを捨てて発動した場合、特殊召喚するモンスターを「マテリアクトル」モンスター1体にできる。
青い炎を纏う四足の竜。マテリアクトル初期組の片割れ。
莫大な数を示す単位としてもお馴染みな「ギガ(十億倍)」に、そのまま「ドラゴン」でギガドラ。
四足の竜かつマテリアルという名前から、《マテリアルドラゴン》のリメイクではないかという説もある。

マテリアクトルの起点の一つ。
場にいる間はエクシーズしかできなくなる代わりに、手札1枚と引き換えに通常モンスターを呼び出す効果を持つ。
捨てたカードが通常モンスターである場合は、代わりに「マテリアクトル」モンスターを出せるようになる。

この効果で通常モンスターor「マテリアクトル」を特殊召喚し、そのままエクシーズするのが主目的。
通常モンスターを捨てた場合の追加効果については後述の《マテリアクトル・ゼプトウィング》が最優先候補で、手札2枚消費に対して場を3体まで増やせる。
かつては2枚目、3枚目の《マテリアクトル・ギガドラ》が増えるだけの微妙効果だったが、テーマカードの追加によってかなり便利なものとなった。

デメリットは自身が場にいる間に発生するX召喚縛り。
素材として場から退かさない限り、リンクやシンクロなどが出来なくなる点にだけは気をつけておこう。

  • マテリアクトル・ゼプトウィング
効果モンスター
星3/炎属性/ドラゴン族/攻 0/守 0
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「マテリアクトル」カードが存在する場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードが召喚・特殊召喚・リバースした場合に発動できる。
デッキから「マテリアクトル・ゼプトウィング」以外の「マテリアクトル」カード1枚を手札に加える。
その後、自分の墓地からレベル3通常モンスター1体を手札に加えるか特殊召喚できる。
12期にて追加された新規。赤い炎を纏う翼竜。
名の意味は「ゼプト(十垓分の一)」とそのまま「翼」。

こちらもマテリアクトルの起点であり、同時に要。
場に何かしらの「マテリアクトル」カードがある場合は手札から特殊召喚できる為、横方向の展開を伸ばせる。
召喚・特殊・反転を問わず自身が場に出た場合は、マテリアクトル名称カードをサーチしつつ追加で墓地のレベル3通常モンスターを特殊召喚可能。
これによって手札と場を補充しつつ、X召喚する準備を整えていける。

また、(2)の効果は《マテリアクトル・ギガドラ》と強いシナジーを持ち、あちらの効果で特殊召喚すればすでに墓地にレベル3通常モンスターが落ちている事になる。
《マテリアクトル・ギガドラ》から出してもよし、それ以外のマテリアクトルがいてもよしと至れり尽くせりな効果。
このテーマで特に重要な1枚なので、相手からもは《灰流うらら》等の撃ちどころとして狙われやすい点に注意。

  • マテリアクトル・エクサレプト
効果モンスター
星3/水属性/ドラゴン族/攻1500/守1500
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札のこのカードを相手に見せ、手札から他のカード1枚を捨てて発動できる。
捨てたカード以外のレベル3通常モンスター1体を自分のデッキ・墓地から手札に加える。
その後、このカードを守備表示で特殊召喚できる。
(2):自分・相手ターンに、このカードを手札から捨て、自分フィールドのランク3のXモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで1500アップする。
こちらも12期より追加された新規。紫の炎を纏う鰐竜。
「エクサ(百京倍)」と「レプタイル(爬虫類)」でエクサレプトだろうか。見た目も名の由来も爬虫類なのに爬虫類族ではない。

手札からの展開と、場のエクシーズを補助する効果を併せ持つマテリアクトルの屋台骨。
ハンド1枚と引き換えに墓地のレベル3通常モンスターを回収しつつ、自身を特殊召喚できる。
一見は重いアド損に見えるが、デッキ・墓地から通常モンスターを回収した事によって実質的な消費は1枚で済むのがポイント。
そして手札に通常モンスターがいれば《マテリアクトル・ギガドラ》のコストにもできるし、そこから《マテリアクトル・ゼプトウィング》を出せば蘇生したバニラも込みで一気に4体も並ぶ。
ここからランク3Xを2体用意してもいいし、先に《マテリアクトル・ギガドラ》をエクシーズにした後残りのカードでL召喚等をしていく事も可能。
一気に展開を広げて、制圧や突破の足がかりにしていこう。

(2)の効果はランク3エクシーズ用の打点強化。
手札から切ることでターン終了時まで1500という破格の火力上昇をもたらす。
ハンドに乏しい場合は少々貧弱になる《マテリアクトル・ギガヴォロス》をこれで守ったり、相手の高打点モンスターを倒すための一押しにしたりと、色々使い勝手がいい。
しかもこの効果は「ランク3エクシーズ」なら何でもよく、マテリアクトル以外のランク3エクシーズにも使えるというのがミソ。
墓地や素材から手札に戻す事に秀でるマテリアクトルなので、常に《マテリアクトル・エクサレプト》をハンドに忍ばせておく事も不可能ではない。

  • プリマ・マテリアクトル
ペンデュラム・通常モンスター
星3/光属性/ドラゴン族/攻 0/守 0
【Pスケール:青1/赤1】
このカード名の(2)のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドのXモンスターの攻撃力は、フィールドのX素材の数×100アップする。
(2):自分フィールドの「マテリアクトル」Xモンスター1体を対象として発動できる。
このカードをそのモンスターのX素材とする。
その後、自分は1枚ドローする。
【モンスター情報】
遥か彼方の天上界より突如として飛来した外来生命体。
多くの研究者が正体の究明に努めたが、その放たれる光輝や立ち込める瘴気により永きにわたって存在が謎に包まれ、
全容を目にすることは困難を極めた。
しかしながら、近年、新進の研究者の働きによって新種が多数発見された。
その全容が明かされる日も近いだろう。

12期最後のパック「ALLIANCE INSIGHT」で登場した新規にしてまさかの「マテリアクトル」通常モンスターにしてペンデュラムモンスター。
名前の由来は錬金術において全ての物質の元とされる「プリマ・マテリア(第一質料)」か。プリマ・マテリアに「熱いor冷たい」+「湿っているor乾いている」の性質が加わる事で四元素になると言う考えのため、このモンスターになんらかの性質が加わる事で他の「マテリアクトル」モンスターに変性するという事だろう。
そしてフレーバーテキスト全然新規が出て来なかった事を盛大に自虐している。

Xモンスターの攻撃力アップと「マテリアクトル」XのX素材になりつつ1ドローするP効果を持つ。
攻撃力アップの倍率は微弱ながらも全体強化なのでXモンスターを並べる程強化されるため、打点不足に悩まされがちな「マテリアクトル」Xにとってはあって損はない。
X素材になりつつドローする効果も、後述する《原質の炉心溶融》などのトップ操作が出来るカードと組み合わせる事で事実上の《金満で謙虚な壺》の様な動きもできる。

また、これまで外部のカードに頼らざるを得なかったレベル3通常モンスターを遂に「マテリアクトル」で賄える様になったのは非常に大きく、素引きしてもP効果で打点補強やX素材になりつつ手札に回収して再度P効果を狙ったりできるため、安定してデッキを回転させられる様になった。
ただし、除去などでフィールドから墓地に送られるとEXデッキに行ってしまいそのままでは回収できなくなる点には注意。スケール4以上のレベル3P通常モンスターを採用してP召喚でEXから出せる様にしたいところだが、無理に採用すると手札事故になりかねないので構築には気をつけたい。



エクストラデッキのモンスター

こちらもドラゴン族オンリー。メインデッキが全てレベル3なので、当然ながらランク3エクシーズとなる。

  • マテリアクトル・ギガヴォロス
エクシーズ・効果モンスター
ランク3/闇属性/ドラゴン族/攻 500/守 500
レベル3モンスター×2体以上
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの攻撃力・守備力は自分の手札の数×500アップする。
(2):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
デッキから「マテリアクトル」モンスター1体を選び、このカードの下に重ねてX素材とする。
(3):相手のメインフェイズ及びバトルフェイズに発動できる。
このカードがX素材としているカード1枚を持ち主の手札に加える。
マテリアクトル初期組のもう片方。青い炎と紫電を纏った大蛇。
元ネタは無限の象徴である「ウロボロス」という大蛇。尾を噛む姿が∞という記号の由来になったとされる。

一見するととても低いステータスだが、それを補う永続効果によって自身を強化していくマテリアクトルのエース。
手札枚数が多ければ多いほど攻守を上昇する事ができ、これによって打点を確保して相手の大型を倒すというデザイン。

加えて注目する点は(2)と(3)の効果。
このモンスターは自ターンでX素材を溜め込みつつ、それをバトルフェイズや相手ターンにて直接手札に加えるという今までにない効果を持っている。
X素材を詰めることで強くなるのではなく、むしろ適度に素材を吐き出しつつ手札に加える事で強くなるという、少々特殊な挙動を見せるモンスターなのだ。
要するに自己強化と変則的なサーチを統合した効果なのだが、地味にこの「直接素材を手札に加える」という動きをする効果は《マテリアクトル・ギガヴォロス》が初だったりする。

初期にはデッキに入るのは《マテリアクトル・ギガドラ》が最高3枚のみという悲惨すぎる状況だったので、この効果もあまり強いとは言えないものだった。
とはいえ、《マテリアクトル・ギガドラ》が持つ展開効果を毎ターン安定して使える点は評価されていたので、カードプールが増えれば化けるだろうとも言われていた。
そして現在は手札から展開できる《マテリアクトル・ゼプトウィング》と《マテリアクトル・エクサレプト》がいるので、《マテリアクトル・ギガヴォロス》の効果もより活かしやすくなっている。
特に《マテリアクトル・エクサレプト》は手札枚数が少ないときでも最低2000の攻撃力を《マテリアクトル・ギガヴォロス》へ持たせられる為、場持ちの面もかなり改善された。


  • マテリアクトル・エクサガルド
エクシーズ・効果モンスター
ランク3/水属性/ドラゴン族/攻2000/守2000
レベル3モンスター×2体以上
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
デッキから、「マテリアクトル」モンスター1体を特殊召喚するか「マテリアクトル」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
(2):相手がモンスターを召喚・特殊召喚した場合に発動できる。
このカードがX素材としている、「マテリアクトル」カードを含むカードを2枚まで手札に加える。
自分の墓地に通常モンスターが存在する場合、さらにフィールドのカード1枚を手札に戻す事ができる。
12期にて追加されたもう一つのエクシーズ。紫の炎と蒼雷を纏った大蛇。
元ネタは北欧神話に登場する「ヨルムンガンド」という大蛇。ウロボロスと同じく無限の象徴であり、こちらも自らを尾を噛んでいる。

サーチ、リクルート、除去の三拍子揃ったマテリアクトルの主力
どの効果も優秀であり、マテリアクトルにおいてはこのモンスターが最優先で立てる対象と言っても過言ではない。

(1)は素材と引き換えにデッキからの「マテリアクトル」モンスターの特殊召喚か、魔法・罠のサーチ。
素材指定も存在しない為、適当なレベル3を2体並べてコイツさえ用意すればすぐにデッキ内の各種「マテリアクトル」モンスターや魔法・罠にアクセス出来る。
ただし、マテリアクトルを含んでいないと(2)が使えない点には注意。
バニラ+任意のレベル3モンスターでこれを立てた後にデッキから《マテリアクトル・ゼプトウィング》を出せば、任意の「マテリアクトル」魔法・罠を手札に加えつつもう一体のランク3エクシーズを作れる。

(2)は相手の展開に呼応して発動する効果。
素材に含まれる「マテリアクトル」カードを含む2枚までを手札に加え、墓地に通常モンスターが存在する場合は場のカードをバウンスする。
このバウンスはなんと対象を取らないので、耐性持ちも簡単に退かす事が可能。
相手が立てた主力をそのまま吹き飛ばしたり、面倒くさい破壊耐性持ちを排除出来るのはかなり強い。
素材に「マテリアクトル」が無いと使えないという点に気をつける必要はあるが、それを抜きにしてもかなり強力な効果となっている。
とはいえ後述の《原質の炉心溶融》にて大量にカードを食べさせておけるので、効果発動は容易だろう。



魔法カード

最初は1枚のみだったが後に追加。現在は3枚存在する。

  • 原質の円環炉(マテリアクトル・アニュラス)
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドのX素材を1つ取り除く。
取り除いたX素材が自分の墓地へ送られた場合、さらにそのカードを自分フィールドにセットできる。
《マテリアクトル・ギガヴォロス》の尾にある目玉より再び誕生する《マテリアクトル・ギガドラ》の姿。
「円環」の名の通り、マテリアクトルという生物は何度もこうやって生誕を繰り返しているのだろうか?

ワンテンポ遅れてやってきた「マテリアクトル」名称の魔法カード。
ただし、一切マテリアクトルに関連する効果はなく、モンスターにもこれをサーチするカードが存在しなかったのでシナジーも正直薄かったのがかつての状態。
現在は《マテリアクトル・エクサガルド》などで安定してサーチ出来るようになったお陰で、相応に使いやすくなっている。

効果は自分の場からX素材を取り除き、それをそのままセットするというもの。
基本的にはこれで素材内の「マテリアクトル」モンスターをセットするのが狙いになるが、裏守備であるためすぐにX素材化や効果発動が出来ない点がネック。
展開用のカードとして使うには正直微妙な一枚。

ただし、魔法・罠を素材にしていれば話は別。
その場合であれば相手ターンでは罠を置いて妨害準備をし、自分のターンでは素材化した魔法をそのまま再利用出来る。
このテーマは工夫次第で魔法や罠を素材に含ませる事も出来るため、そこを覚えておくと損はしない。

名前の由来は「アニュラス部」。シュラウド外周部とも。
原子力発電所にて、炉とそれを覆う建物の間に存在する完全真空の空間であり、これによって原子炉は魔法瓶のような造りとなっている。
事故発生時に真空の壁で放射性物質の漏洩を防ぐのがこの部分の目的。


  • 原質の炉心溶融(マテリアクトル・メルトダウン)
永続魔法
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
自分のデッキの上からカードを6枚めくり、その中から「マテリアクトル」カード1枚を選んで手札に加える事ができる。
残りを好きな順番でデッキの上に戻す。
その後、自分フィールドのランク3のXモンスターがX素材としているカード1枚を手札に加える事ができる。
(2):自分のXモンスターが効果を発動した場合に発動できる。
自分のデッキの一番上のカードを自分フィールドの「マテリアクトル」Xモンスター1体のX素材とする。
禍々しい色合いの雷光を口から放つ《マテリアクトル・ギガヴォロス》。
自らの肉体が抑え込める限界まで生産したエネルギーを、ここから一気に放出するものと思わしい。

12期追加の魔法カード。こちらはちゃんと「マテリアクトル」のサポート効果付き。
効果はどちらもデッキ操作・カード交換を重視したもので、《マテリアクトル・エクサガルド》に並ぶマテリアクトルの重要カード

(1)はデッキトップ6枚を確認した後、「マテリアクトル」カードを手札に加えるもの。
この手のデッキトップ確認効果としては破格の枚数を見ることができ、その上で1枚を加えられる点が強み。
確認後のカードはそのまま好きな順番で戻せるので、他のドロー効果やこのカードの(2)に繋げて好きなカードを加える事も出来る。
また、場のランク3エクシーズが含む素材を手札に加えるオマケも付随しており、うまく行けば2アドを得ることが可能。
永続なので毎ターン使える点も活かし、手札の質を向上させていこう。

(2)は場のエクシーズが効果発動時にチェーン発動する効果。なお、地味に1ターン制限がない
自身のデッキトップを場の「マテリアクトル」エクシーズの素材に追加する。
《マテリアクトル・ギガヴォロス》ならそれを手札に移動させられるし、《マテリアクトル・エクサガルド》なら特殊召喚・サーチ・バウンス効果のリソースを増やせる。
何よりもエクシーズが効果を使う度に発動できるので、様々なランク3を並べて効果発動すれば次々と素材を蓄積していける。
更には《原質の円環炉》で魔法・罠を即時セットするのもこの効果で狙っていける。(1)で操作しておいたデッキトップを利用し、目当てのカードを上手いこと食べさせてやろう。

名前の由来は「炉心融解(メルトダウン)」。
冷却不足や管理システムの異常によって超高熱に至った核燃料が溶け、炉から漏れ出たり大爆発を起こしてしまう現象。
原子力発電所を運用する上で最も気をつける必要のある事態で、発生=ほぼ最悪の状況と言える状況である。


  • 原質の炉心貫通(マテリアクトル・メルトスルー)
フィールド魔法
(1):このカードの発動時の効果処理として、
自分のデッキの上からカードを6枚めくり、好きな順番でデッキの上に戻す。
(2):1ターンに1度、1500LPを払って発動できる。
「マテリアクトル」Xモンスター1体を自分フィールドの
レベル3通常モンスター1体の上に重ねてX召喚扱いでEXデッキから特殊召喚する。
このターン、自分はXモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
(3):XモンスターがX召喚された場合に発動できる。
自分のデッキの一番上のカードを自分フィールドの「マテリアクトル」Xモンスター1体のX素材とする。
《プリマ・マテリアクトル》の口から出現している《マテリアクトル・ギガヴォロス》。おそらく《プリマ・マテリアクトル》への何らかの性質が加わって《マテリアクトル・ギガヴォロス》が誕生しようとしているのだろう。

12期追加のフィールド魔法カード。

(1)は発動時にデッキトップ6枚を確認した後、好きな順番で戻せる効果。
他のドロー効果で好きなカードを加えたり、このカードの(3)に繋げて好きなカードをX素材にしたりできる。
単体ではアドバンテージを産まないが、デッキトップ操作が重要となるこのデッキにおいてはあって損はない効果。

(2)はレベル3通常モンスター1体の上に「マテリアクトル」XモンスターをX召喚扱いで重ねる効果。
ライフコストこそ要求するものの、1体からXモンスターを用意できるのは非常にありがたい。
この効果で出した「マテリアクトル」XモンスターはX素材を1つしか持たないが、即座にこのカードの(3)に繋げる事で補充できるため無駄がない。

(3)はXモンスターにデッキトップから素材を補充する効果。
(2)の効果で出した「マテリアクトル」Xは素材を1つしか持たないため、この効果で補充すると言う形でサポートしている。
また、このカードの発動時や《原質の炉心融解》の効果でデッキトップ操作して任意のカードを《マテリアクトル・ギガヴォロス》のX素材にして《マテリアクトル・ギガヴォロス》の効果で回収する事で擬似的なドローにもなる。

名前の由来は「炉心貫通(メルトスルー)」。
メルトダウンして融けた核燃料が圧力容器の底を融かして外部に漏れ出てしまった現象。
ここまで来ると冷却水が急激に熱せられて水蒸気爆発を引き起こして周囲に放射性物質を撒き散らしたり、融けた核燃料が集まった結果再臨界して核爆発を引き起こしてしまう可能性すらあるなど、最早周辺地域の放射能汚染は避けられない状況にある。



カード

今のところ1枚のみ。これからの追加に期待しよう。

  • 原質の臨界超過(マテリアクトル・クリティカル)
カウンター罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
自分フィールドの「マテリアクトル」XモンスターがX素材としている自分のカード1枚を手札に加え、その発動を無効にする。
その後、手札に加えたカードの種類によって以下の効果を適用する。
●モンスター:自分の手札を1枚選んでデッキの一番下に戻す。
●魔法:自分フィールドの「マテリアクトル」Xモンスターの攻撃力は1000アップする。
●罠:この効果で手札に加えたカードを自分フィールドにセットできる。
口より蒼雷を迸らせる《マテリアクトル・エクサガルド》。
敵の攻撃に呼応し、雷光のブレスを撃つつもりだろうか?

ありとあらゆる効果の発動を止められる、強力な万能カウンター。
場に素材を持った「マテリアクトル」エクシーズが必要ではあるが、サーチ効果持ちの《マテリアクトル・エクサガルド》が簡単に持ってくる事が出来るのであまり気にならない。
X素材がそのまま手札に戻る点も「マテリアクトル」の独自の強みに繋がる。

追加効果は加えた手札に応じたもので、モンスターであれば手札交換、魔法であればエクシーズの永続的な打点強化、罠なら即時セットとなる。
特に強いのが魔法・罠時の効果で、魔法なら不安定な火力の《マテリアクトル・ギガヴォロス》の火力安定化や《マテリアクトル・エクサガルド》の場持ちの向上につながる。
罠も《原質の炉心溶融》などで加えたものをそのままセットして次に備えやすい。
このカードで制圧性能を高めて、盤石の布陣を用意しよう。

こちらも由来は原子力関連の用語で、そのまま「臨界超過」。超臨界とも呼ばれる。
核分裂において中性子の発生と消失が全く同じ割合になると「臨界」だが、ここから発生数が一割でも上回ってしまうと「臨界超過」へと変化。
ここまで至るとエネルギーが制御不能な状態になることが基本で、こちらもできれば避けたい現象である。



【弱点】

安定した動きを得意とするテーマだが、弱点も当然存在する。

  • 火力面の不安
このテーマと相性のいいランク3エクシーズには、あまり火力が高いモンスターがいない。
デメリットアタッカーの《No.30 破滅のアシッド・ゴーレム》などもいるにはいるが、それでも基本的に2000~2500前後が主。
そしてテーマ内のエクシーズについても片や2000打点、片や常時変動する不安定なステータスという感じで、素の攻撃力はお世辞にも高いとは言えない。
そのため、戦闘破壊であっさり突破される可能性が常につきまとうし、逆に相手の高いステータスのモンスターを越えられない問題も出てくる。
幸い、テーマ内に火力補助が出来るカードがいくつかある点と、エースカードの《マテリアクトル・エクサガルド》が持つ強力なバウンスである程度補うことは出来る。
それでも一抹の不安があるので、後述する好相性カードで補っていきたい。

  • ドラゴン族メタ
構成モンスターは全てドラゴン族。なので種族メタは大敵。
アルバス君が出てくればすぐさま《深淵竜アルバ・レナトゥス》の素材として食い尽くされるし、ドラゴン族絶対殺すマンが現れた日には即廃炉。
メタの多い種族特有の弱点なので、相手にそこを突かれやすいというのは頭に入れておこう。

手札が多いほど強いテーマなので、その分手札を削られると辛くなる。
堅実にアドを稼いでミッドレンジの安定した戦いをする為にも、手札を相手に削られないようにしたい。
ハンドを削るカードが見えたら即時《原質の臨界超過》も視野に入れていい。

  • マテリアクトルそのものは墓地に触れる手段に乏しい
地味ながらも結構響いてくる難点。
X素材を手札に加える効果は多いが、そのまま墓地に行ったマテリアクトルのカードを加え直す手段はほとんど無い。
せいぜい《原質の円環炉》くらいで、これも実態としては素材になったカードをセットするものなので蘇生というよりは特殊召喚に近い。
更にこのテーマは「素材を手札に加える」という挙動を行うことで優れた継戦能力を実現している節があるので、あまりカードを墓地に落としたくないというのが現状。
墓地からの回収手段を別途用意するのもいいかもしれない。



【相性の良いカード】

ランク3テーマやドラゴン族サポート、通常モンスターを利用するテーマと組み合わせやすい。というよりも安定した動きの為にレベル3通常は必須。
また、意外に召喚権が残りやすいという特徴から、外部の出張ギミックを利用して動かす事も出来る。

通常モンスター

数奇な運命に翻弄された、小さな機械生物。
レベル3通常モンスターかつチューナー。このおかげでエクシーズだけではなくシンクロギミックも使用可能。
また、《ジェネクス・ウンディーネ》もいれば《マテリアクトル・エクサレプト》を墓地に落とす代わりに能動的なサーチができる。
揃ってレベル3なのでX素材としても最適。

  • 《チューン・ウォリアー》
何でもチューニングする戦士。シンクロ最初期に登場した。
こちらもレベル3通常モンスターかつチューナー。《ジェネクス・コントローラー》との差別点は属性と種族。

  • 《ジェリービーンズマン》
世界最強かはともかく、少なくともレベル3通常としては最強の豆。
レベル3通常モンスターでは最も攻撃力が高く(1750)、やむなく素立ちさせたり一緒に攻撃する要員として出すと考えるとこいつが候補に上がる。
《チューン・ウォリアー》共々《増援》や《戦士の生還》に対応するのも強み。

  • 《音速ダック》
  • 《マッド・ロブスター》
  • 《ハウンド・ドラゴン》
ものすごく速い鳥とものすごく美味いロブスター、そして小柄だが獰猛な竜。これ《ハウンド・ドラゴン》に残りの二匹が襲われたりしない?
《ジェリービーンズマン》に次ぐ攻撃力1700持ち。どれを入れるか、あるいはどれも入れるかは気分で決めてもいいだろう。
《ハウンド・ドラゴン》は種族・属性・レベルが《マテリアクトル・ギガドラ》と一致しており、《レスキューヘッジホッグ》で下級マテリアクトルと共にリクルートできる唯一の存在という利点がある。
《音速ダック》は後述のタケトンボーグにも対応している。

  • 《星杯に選ばれし者》
後に星遺物を束ねる勇者となり果てに世界を救う事になる英雄。その旅立ちの日の姿。
上述の豆達よりも更に低い1600打点だが、こちらはサイキック族なので《緊急テレポート》に対応。
また、炎属性である事を利用し下記の原石ギミックにて流行りの炎デッキメタとなれる。

  • 《ダークシェイド》
不思議な姿の悪魔。実はかつてジャンプで行われたモンスターデザイン公募企画の受賞作品。
昔のカードによくある微妙な通常モンスターの一枚で、一見すると上述の面々に大きく劣るように見える。
だが、このカードの優秀な点は種族と属性。このカードは風属性悪魔族でレベル3通常モンスターなのだ。
つまり、「風属性なのでタケトンボーグの特殊召喚条件を満たせる」「悪魔族なのでデスガイドでリクルート出来る」「レベル3通常なのでマテリアクトルの必須パーツになる」というこのテーマで有り難い要素だらけの一枚だったりする。
しかもこの組み合わせは今のところ《ダークシェイド》のみ。それ故にマテリアクトル新規発表時はこのカードが注目を集めた。

十代のマイフェイバリットヒーロー、その片割れ。
《ダークシェイド》や《音速ダック》同様にタケトンボーグの特殊召喚効果を満たせる点も有用だが、こちらは戦士族+E・HEROであるところが差別点。
バニラ展開カードの《予想GUY》と《原石の鳴獰》だけではなく、《ヒーローアライブ》でも出すことができる。

  • 《運否の天賦羅-EBI》
語りの長ったらしいレビュアー、再び。
軍貫っぽい風貌だし同じEDO-FRONT製のデカい寿司だが、レベル的にも効果的にも件のテーマとは今のところ無関係な海老天。
Pモンスターなのでバニラでありながらも実質効果を保有しており、P効果が「二分の一でPゾーンからモンスターを特殊召喚できる」というもの。
うまく行けばX素材の頭数を増やすことも可能。
ただし失敗すると自壊した上で2400ダメージという割と洒落にならない事になるので、過信は禁物。
《プリマ・マテリアクトル》の登場でP召喚が可能となったので、X素材から回収したモンスターを一気に展開して更にX召喚う、なんて動きもできる様になった。

他テーマ、効果モンスター、魔法・罠

罪宝を追うゴブリン達の暴走族。盗んだ素材で走り出すのが特技。
最近は「ランク3エクシーズを主体とするならこれ」と言われるぐらいには展開・爆発力に優れており、マテリアクトルへ展開性能を加えてくれる。
また、効果発動コスト以外にも場のX素材を利用してアクションを起こすカードが多く、溜め込んだマテリアクトルのX素材を活動用のコストに変換可能。
あちらの主力である《百鬼羅刹 巨魁ガボンガ》から一気に展開を広げられるので、《マテリアクトル・エクサガルド》と《マテリアクトル・ゼプトウィング》のコンボで二体目のランク3を出す際の候補に最適。
ただし、どの「百鬼羅刹」モンスターも場の素材を消費する効果を持つので、使いすぎるとマテリアクトルの強みである素材を手札に戻す効果が使いづらくなっていく点には注意。
更には対戦相手になると一転してこちらの素材をどんどん吸われてしまうので、ある意味で天敵にもなるテーマ。
暴走族に原子力発電の管理をさせて大丈夫なんだろうか。

大地を揺るがす原石の化身たる竜。誰が呼んだか「好きな通常モンスター発表ドラゴン」。
マテリアクトルは効果に通常モンスターを使う特性上、原石竜ギミックとの噛み合いも抜群。
《原石の鳴獰》でデッキからバニラを持ってきて召喚権を使わずに展開したり、返しには《原石の反叫》や《原石の穿光》等で妨害も可能。
かなり出張しやすいテーマな事もあり、枠に困った際に組み合わせるのにも最適。
上記の様に簡単にレベル3チューナーを出せるため、レベル6シンクロ作成後に《原石竜インペリアル・ドラゴン》と2体でランク6エクシーズにつなげる事もできる。
マテリアクトル自体が召喚権を使わないで動く事も可能なので、余った召喚権を《原石竜アナザー・ベリル》あたりに使える点も便利。

一応シャークさんのエースカードの一つである、次々と武装し強くなっていくXモンスター。
ランク3エクシーズである《エクシーズ・アーマー・トルピード》を起点とし、1ドローと相手ターンの除去を狙える《エクシーズ・アーマー・フォートレス》+《FA-ダーク・ナイト・ランサー》が特に強い。
他にも問答無用で相手をなぎ倒す《FA-ホープ・レイ・ランサー》や、全体を無効化して総攻撃の準備を整えてくれる《FA-クリスタル・ゼロ・ランサー》と、優秀なカードが多く属する。
EXの枠を多く取ってしまうという点もあるが、どれも強いので許容出来るのであれば一考に値する。

偽物ではあるが強さは本物のナンバーズに匹敵する、地獄より飛来せし大蝉。
基本的に昆虫族サポートモンスターなのだが、相手の効果発動にチェーン出来る(2)の効果は《No.3 地獄蝉王ローカスト・キング》だけでも発動可。
ついでに効果発動後は自身の守備を高められるので、突破しづらい壁としても活躍してくれる。
表示形式変更時に墓地から昆虫族を出せるので、それを目当てにレベル3バニラとして《デビルツムリ》や《ツンドラの大蠍》を入れてみてもいいだろう。

  • 《No.75 惑乱のゴシップ・シャドー》
どことなくNo.96に似た姿の影。《No.86 H-C ロンゴミアント》とは永遠のズッ友。
《No.86 H-C ロンゴミアント》が持つ完全封殺コンボの土台として色んな意味で有名だったが、実はこいつも地味に無効化持ち。
相手のモンスター効果発動を「互いに1ドロー」へ変更する事で妨害が行える。
自分だけでなく相手も得をしてしまうという弱点があるが、《No.3 地獄蝉王ローカスト・キング》と比べるとこちらはフィールド上以外のモンスター効果にも対応できる。
また、手札が多いほど強くなるマテリアクトルとしては、地味ながらもアドを取れる点は嬉しかったりする。

  • 《No.26 次元孔路オクトバイパス》
異空間につながる口を持つタコ。
バトルフェイズ開始時に、「そのターンは1体しか攻撃不能」「攻撃を行ったモンスターが相手に渡る」という制約が付く代わりに、攻撃が相手への直接攻撃に変化するというトリッキーな効果を持つ。
一度でも攻撃を通すとそのまま連撃によってあっという間にゲームエンドなテーマへの対策になる他、火力を高めた《マテリアクトル・ギガヴォロス》の攻撃を通してトドメという使い方も可能。

死しても尚立ち上がる、執念のデュラハン。
自分と相手の場をそれぞれ1枚破壊するスクドラ効果を持っており、邪魔なカードを退かすのに最適。
破壊されたときは幻影騎士団モンスターを2体釣り上げた上でレベルを上げる効果を持つので、出張しやすいものをデッキに混ぜてもいい。

  • 《亜種羅王》
素材を3体要求するが、複数回攻撃可能な阿修羅。
地味に無効化持ちでもあり、制圧の締めとして立てておくだけでも仕事をしてくれる。

ピアノを奏でる少女の魔人。
場の「魔人」モンスターが直接攻撃可能になるので、このモンスター自身を指定してダイレクトアタッカーにできる。
引導火力にしてもいいのだが、こいつは「簡単に出せて直接攻撃でダメージを与えられるXモンスター」である点が重要。
……まあ、はい、例のロボの出番である。素材を溜め込んだ「マテリアクトル」エクシーズ等は下敷きに最適だし。

やる気を出したらちょっと病んで闇属性になった元・光のニート
マテリアクトル関連のエクシーズはもちろん、ランク3エクシーズ全てに重ねられる点がミソ。
多少EXを圧迫してしまうが、《天霆號アーゼウス》の素材数を水増しできる一枚。その他の効果?この子の主な仕事は下敷きなので忘れていいよ。
……とも言い切れない。打点上昇+守備貫通は場面によっては刺さったり、相手へのトドメにも使えるので地味に強いぞ。

未来へとかっとビングして生まれ変わったホープ。
《マテリアクトル・エクサガルド》の展開コンボを使えば簡単にナンバーズ以外のエクシーズが2体並ぶので、そのまま《FNo.0 未来皇ホープ》を出すことも容易。
続けて《FNo.0 未来龍皇ホープ》を出せば耐性持ちの万能無効化を用意できる。

お手軽ランク3出張セット。特に便利なのはベイゴマックスとタケトンボーグ。
この組み合わせは召喚権を一切使わずにランク3を一体用意出来るので、上振れ展開として他のルートも回しておき、その続きにマテリアクトル本来のルートを動かせる。
上述した《ダークシェイド》等の風属性を入れた場合は《SRタケトンボーグ》単体でも特殊召喚可能で、一部は悪魔族である点を活かして《魔界発現世行きデスガイド》のリクルート対象にも出来る。
召喚権を使ってしまうが色々と融合のギミックを使える捕食植物出張、シンクロも狙えるサイキック出張も中々に使える。

  • 《予想GUY》
シ◯ワちゃんみたいなポーズで参上した例のアイツ
デッキから任意のバニラを特殊召喚という、シンプルながら有り難い展開補助魔法カード。

  • 《切り裂かれし闇》
バニラ活用のデッキといえばこれ。端的に言えばバニラを素材に含むEXモンスターにダベリオン効果を与えてくれる豪快な永続魔法。
打点に不安の残るランク3エクシーズだが、これさえあれば基本的な殴り合いで負けることはなくなる。
また、バニラが場に出ると1ドローができるオマケも嬉しい。

  • 《苦渋の決断》
墓地にバニラを落として同名を手札に加える魔法カード。
落としたカードも《マテリアクトル・エクサレプト》などで回収し直したり、《マテリアクトル・エクサガルド》のバウンス効果の条件を満たしたりと、マテリアクトルの様々な動きのきっかけとなってくれる。


【余談】

  • 一応テーマとして力不足、あるいは枚数不足というものは現在救済されたものも含んで遊戯王OCGには多く存在しているが、
    ・「他のテーマの派生であったり、他のカードの効果を成り立たせるための便宜上のくくりであり、テーマ単体でデッキを組むことを想定していない
    ・「アニメ、漫画の登場テーマで、原作の動きを一応できるようにしているだけ
    ・「そもそも最後に登場したのが古すぎる
    ……というような事情を抱えているのが基本であった。

    なので上記の事情もなく実用一点張り、独立独歩の新テーマとして生まれたにも関わらず、それが長期間「枚数の少なさからまともにデッキを組めず、無理して組んだとしても微妙」というレベルだったのはマテリアクトルぐらいだったりする。
    おかげで「カードデザイナーやイラストレーターが途中で消えた」なんてひどい噂が冗談半分で語られる始末に……。
    • 例えば「ニトロ」は実質1枚しか対応するシンクロが存在しないのに「ニトロ」という括りを要求する効果持ちなのをよくネタにされていた。
      だが、その唯一の「ニトロ」名称持ちのシンクロたる《ニトロ・ウォリアー》は当時のカードプールではアタッカーとして普通に活躍できていたので問題はなかった。
    • 「銃士」も実態としては《幻銃士》がトークンを並べてバーンを撃つため便宜上な括りみたいなもので、《鳥銃士カステル》や《魔鍵銃士-クラヴィス》がたまたま掠ったという理由でテーマに入っているようなもの。
      だが、《幻銃士》は自力で増殖するおかげでリンクやシンクロ素材になれるし、残りの面々も汎用エクシーズと本来所属するテーマの重要カードとしての活躍がある。
    • 中には「コードブレイカー」のような「カードが少ないからこそ出張要員として最適」というものもあるので、枚数が少ない=弱いというわけではない。
      アザミナ」「召喚獣」「トロイメア」のように「完全な出張前提なのでメインのモンスターが少ない」なんてテーマすらある。
    • しかも、性能面が不遇であっても「そのカードでデッキを組むことは一応できるし動かせないこともない」というテーマも多く存在するし、最初が少なくとも次のパックで色々増えたのでデッキが組めるようになったという事例もある。
    • だが、登場したての「マテリアクトル」は「カードが少なすぎるので【マテリアクトル】というデッキを組めない」し、「効果使用にはただでさえ少ないマテリアクトルと何故かバニラのレベル3を要求する」という状態。
      これがよりにもよって11期のインフレ全開な時期に出てきた上で何故か数年放置されていたのが色々とアレだったのである。
    • だからこそ、12期にて「ギガドラ&ギガヴォロスの効果とシナジーがある新規」「バニラモンスターを活かした挙動の強化」「テーマの動きを助ける魔法・罠」を得たマテリアクトルは、しっかり戦うことができるテーマへと進化したのだ。
      似たような躍進を経たテーマを挙げると、「マシンナーズ」「蟲惑魔」「光天使*2あたりが近いだろうか。



追記・修正は無限のエネルギーを溜め込み、頃合いを見計らって放出しながらお願いします。

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  • エクシーズモンスター
最終更新:2025年04月30日 20:20

*1 なおこの天上界というワードはドレミコードでも出てきており、彼女たちとお隣さんのような関係ではないかという疑惑が浮上した。

*2 前者の2テーマは数枚からのスタートだったのが大量追加+ストラク登場でデッキが成立するようになり、後者も新規が有能なおかげで上述の「出張しやすい少数精鋭」の仲間入りをした。