*ACCELE BRID 【あくせるぶりっど】 |ジャンル|アクションシューティング|&amazon(B000068GYM)| |対応機種|スーパーファミコン|~| |発売元|トミー|~| |開発元|元気|~| |発売日|1993年11月26日|~| |定価|9,800円|~| |判定|なし|~| |ポイント|アクセル全開!!&br()レースゲームではない&br()3Dフィールド&br()マルチエンディング|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 アクセルブリッドは、モーターレースのスピードと格闘アクションの迫力を融合させたハイパースポーツで格闘レースである。~ 銘名23年7月7日、G・ボウマン特設サーキットで第16回アクセルブリッドが開催。だが、突如として集団に襲撃されてレース会場は一転、戦場と化してしまう。~ 主人公、銀影はシルバーメア乗って3Dステージを突き進みテロリストと戦い憐華を取り戻すのだ。全6ステージ。 **内容 -銀影の愛機シルバーメアには色々な機能・兵装が用意されている。 --ステージ開始前のみカスタマイズ画面が用意。最初から最後まで3Dフィールドを駆け回りながらの戦闘であり、ピットインで兵装を変えている暇なんてない。 --格闘は標準装備で近接用。射程が短いが即座に繰り出せて威力も高い。 --WEAPON SELECT:有料だが「LEFT」はマシンガンやバルカン、グレネードなどの兵装から、「RIGHT」はロケットランチャー、ビーム、電磁砲などの兵装から選べる。 --TRANSFORM:「ATTACKER」「DEFENDER」の2択で選べる。両者とも一定時間変形可能でATTACKERは飛行タイプで機動力が高い。DEFENDERは守りが固いが、ジャンプする事は勿論、空を飛び回る事も不可能だ。 ---時間が経つとパワーが尽きて強制解除。時間を経過すれば再び変形できるようになる。こちらもステージ前に2者択一である。 --このように重火器や変形モードは無制限であるが、リロードに時間がかかるなどがあるので無策でごり押しが通用するほど甘くはない。 -難易度はEASY~HARDの三段階選べる。難易度でエンディングに変化はなくプレーヤーの力量に応じて選択して欲しい。 -マルチエンディング --ボス戦ではタイムアタックが発生し、時間以内に倒せるか否かで展開が変わってくる。 --ラスボスも制限時間があるので、せわしないところである。 **評価点 ''3D演出'' -本作の最大の特徴と言っても良いだろう。画面全体がレンダリング画像で表現されており、奥から手前に流れて来るのはプレーヤーの度肝を抜いた。 --粗さがあるのは仕方のないところであるが、SFCとしては破格の奥行き感とスピード感と立体感を実現している。 --基本的にただのループであるが、複雑にうねったり、カーブで構成されていたり、左折して別なフィールドに移行もする、その際は等速ではなく加減速まで考慮されていて味わい深い。 --敵のグラフィックもそれに応じて拡縮補間により奥から手前に向かって来るので立体感がある。 ''グラフィック'' -選択画面ではレンダリングされた画像が登場。こちらもSFCとしては破格の品質を誇る。 --重火器、格闘、変形など夢が詰まった戦闘ロボであり、ゲーム中では実際に多彩な動作を表現。 --装備を選んだ際は兵装に応じてグラフィックにも反映。 -画面上には8つのメモリがあり、ステージをどれくらい進んだかの目安になる。 -一枚絵も用意 --ステージクリア後には一枚絵が用意。普通のアニメ以上の品質を誇る。 --その際には文章も出るのだが、そのフォントはアンチエリアシングが施されており次世代機でさえもなかなか見られない高品質。 ''音楽'' -黒岩晴彦氏による、重厚かつスピード感のある熱い曲が本作を盛り上げてくれる。 --6ステージ毎にBGMが用意されているが、更にデモシーンに応じてもそれぞれ違う曲が用意されている。 **賛否両論点 -難易度は高い --EASYからして敵の猛攻が激しく生半可な腕前では到底太刀打ちできない。コンティニューも用意されているが有限であり厳しいものとなっているため、人によっては問題点以上に厳しいものである。 -レース要素はない --パッケージではレースを征するような言い方になっているが、本作は戦闘シューティングである。 --ステージ1では、お気付きの方もいるとおりループ構成でありCIRCUIT DATAも一切役には立たない。このあたりはSFCの性能では仕方のないところである。 --以降も、スピード感と立体感は素晴らしいがレースをするような場所ではなく、タイマーもボスを時間内に倒すという用途に留まっている。 **問題点 -ゲームの仕様としては、道中でスコアは表示されない、自分の機体が邪魔して敵の攻撃が見えにくいなどが目立つ。 -ステージ1の路面 --立体感があるのは良いのだが満遍なくうなり過ぎており、主張が強すぎるきらいがある、これは襲撃されている事を踏まえても説明が付かない。尚、エンディングのシーンでは平坦なコースとして表現されている。 -ストーリーの説明不足 --カイムや女やザゼルが登場し銀影とはいかにも因縁があるようなのだがプレーヤーにとっては何の事か分からず置き去り気味であり、最終面ではサイボーグが「おまえへのうらみを全てここではらしてやるわ!」とあるが、プレーヤーにとっては憐華をさらわれた記憶しかない。 --テロ集団が大掛かりな騒ぎを起こした理由も明らかになる事はない。 -BGM --イベントの曲もあるが、やり取りが短く最後まで聞く事が無かったり、ボス戦闘曲が一切無いのは残念なところである。 -フォント --アルファベットの「U」と言う文字が、カーブに直線が組み合わさった形なので分かりづらい。 **総評 -レースゲームではないのだが、人型ロボに、重火器、格闘、変形などロマンを詰め込んで、熱いBGMとともにSFCでは例を見ない立体的なフィールドを突き進みテロリストに立ち向かう力強さがあり、まさに、''アクセル全開!!'' と言える作品に仕上がっている。 **余談 -難易度の方も全開なので力量と相談してから手に取ってみよう。現在は中古ではそれほど高騰しておらず入手難易度の方はそう高くはない。 -シルバーメアの胸部には「MARTIN」という文字があるがそれが何を意味するのかは明かされない。同社の[[ウォーリー>ウォーリーをさがせ! 絵本の国の大冒険]]の絵本作家のMARTINからもじったのだろうか。