「RELICS」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

RELICS - (2025/05/29 (木) 11:29:18) のソース

*RELICS
【れりくす】
|ジャンル|アクションアドベンチャー|CENTER:&image(https://www.suruga-ya.jp/database/photo.php?shinaban=125002275&size=m)|
|対応機種|PC-9801、PC-8801mkIISR、FM-7、X1、&br;MZ-2500、MSX、MSX2、X68000|~|
|発売・開発元|ボーステック|~|
|発売日|1986年2月|~|
|定価|7,200円|~|
|廉価版|SofBox版(1990年11月1日発売)/2,800円(税別)|~|
|判定|なし|~|
|>|>|CENTER:''[[RELICSシリーズ]]''|
----
#contents(fromhere)
----

**概要
主人公は「魂」で、倒した敵の体に憑依し乗り移って進む、という当時としては斬新なコンセプトを持った作品であった。

----
**ゲームシステム
-主人公は最初は魂だけの存在であり、その状態で相手に重なると憑依することができる。
--また、敵を倒した場合憑依可能な肉体であればその敵に憑依して進める。
-体力については数値では表示されず、画面左下の脳の色合いで判別。
-エンディングは主人公の行動によって分岐するマルチエンディングを採用。
--主人公には性格の内部パラメータが7つ設定されており、プレイヤーがとった行動によって値が変化する。性格パラメータによって性格が4つに分岐し、最終的に到達可能なエンディングが決定される。

----
**評価点
-主人公は「魂」で、倒した敵に憑依して進めていくという点は非常に斬新。
--乗り移っているボディによって相手の反応が変わったり攻略の難度が大きく変わるというのはかなり新鮮。
--謎の多いゲームということも相まってボディの使い勝手を試行錯誤する楽しみもあり、没入度はなかなかに大きい。
-当時としてはキャラサイズも破格に大きくアニメーションもリアリティが高め。
--バリエーションも人間型のキャラだけでなく当時流行していたエイリアンをモチーフにした生物もいるなどかなり個性的。
-ストーリーも真のエンディングで全容が明らかになるという構成も当時としては型破りであり、大きく印象に残る。
-BGMはOP・真EDのみでしか流れないものの、当時大ヒット曲を連発していたクリスタルキングが作曲を担当しており話題に((これができた背景にはクリスタルキングのメンバーの一人とボーステックの社長との間で親交があったため。))。
--もちろん曲の内容もゲームの雰囲気に非常にマッチしており高評価。

----
**問題点
-全体的に動作が緩慢なうえに操作性の癖も強く、慣れるまでは移動も困難。
--マシンパワーでごり押ししている傾向の強いPC98、X68000はともかく、他の8bitパソコン移植はその動作速度の遅さがもろに響いてくる局面が多い。
--操作性も方向転換にアクションが必要なシステムも相まって癖が強く、前述の動作の緩慢性もあって操作にはかなりの熟練が必要。
-謎解きの難易度は非常に高い。
--上記の仕様も相まって戦闘の難易度も高めで、ゲーム中のメッセージもすべて英語のためハードルは高い((MSX版のみ容量節約のためかカタカナ表記。))。
--加えて真エンドを見るためにはむやみな殺戮は行ってはいけないので倒すべき敵の見極めや敵から逃げる方法の模索など、様々な困難が襲い掛かる。
-全体的なボリュームはあまり大きくない。
--とはいえ、この当時は試行錯誤で謎を解いていくスタイルであるため、最適解を探すまではトライ&エラーを繰り返して進むのが一般的ではあるので、そこにたどり着くまでには相応の時間はかかる。
-ゲームの中断セーブを一切行うことができない。
--上記の仕様との兼ね合いもあるのだろうが、やはりこの仕様は痛すぎる。

----
**総評
これまでのゲームにはなかった独自のシステムと世界観で当時のユーザーの心をわしづかみにした作品。~
ゲーム的にはその世界観ゆえの不親切さやまだまだ粗の目立つ側面は多いものの、それをものともしない独自の魅力があったのも事実ではある。

----
**その後の展開
-本作の真エンディングにおいては続編を示唆するようなメッセージが出ているものの、本作の世界観をそのまま引き継いだ作品は残念ながら出ることはなかった。
-ディスクシステムにて家庭用向けにリメイクされた『[[レリクス 暗黒要塞]]』が発売されたが、ディスクシステムの仕様を考慮しなかったどうしようもない作品として悪名をとどろかせることとなってしまった。
-その後、Windowsにてリメイク作品である『&link(){RELICS -The recur of "ORIGIN"-}』(以下『ORIGIN』)(1999年発売)及びその続編である『RELICS -The 2nd Birth-』(2001年発売)が発売された。 
--『ORIGIN』はオリジナル版をもとに、クォータービュー型アクションロールプレイングゲーム(ARPG)としてリメイクしたものである。 
--なお、『ORIGIN』の販売から間もない2000年頃には、公式サイトにて本作のPC98版が期間限定で無料配布されていた。
-本作のシナリオをベースとしてXboxにてフルポリゴン化したレリクスの開発も2004年の完成を目標に進められていたが、残念ながら開発中止となってしまった。
-MSX版の本作はWiiのバーチャルコンソールにて2008年7月に配信予定であると告知されたが、延期されたのち2009年8月下旬ごろに任天堂公式ホームページから記載が削除され、その後も配信されることはなかった。
-ボーステックがProjectEGGを立ち上げた際、本作のPC88版が第1弾配信ソフト50本のラインナップの一つに選抜されている。
-また、ProjectEGG初のパッケージソフトとして、2003年にX68000版を除いたPC版の本作全てとFCD版を収録した「RELICS ANTHOLOGY」も発売されている。
--特典として当時の広告資料やマニュアル、作中に出てくる兵士のフィギュア、先述のXbox版レリクスのPVも収録されている。
--また、2013年にProjectEGGの通販特典用の非売品として、X68000版も追加された「RELICS ANTHOLOGY Lite」も出ている。
-2023年9月28日より、プロジェクトEGGのNintendo Switch版である「EGGコンソール」の第1弾として本作のPC-8801版が選ばれ、配信が開始された。
-2025年内にはオリジナル版(PC98版、PC88版、MSX版、MSX2版)及びFCD版、Windows版リメイクのORIGIN系シリーズ全作品を収録した「The RELICS -Return of the "ORIGIN"-」が発売予定。

----
**余談
-本作のタイトルはイギリスのロックバンドであるピンク・フロイドのアルバム『Relics(邦題:ピンク・フロイドの道)』に由来している。
-本作のレリクスシリーズでの位置づけでは、メインタイトルは「レリクス1オリジナル版」、サブタイトルは「暗黒星雲」と呼ばれている。
-『[[伝説のオウガバトル]]』及び『[[タクティクスオウガ]]』に、このゲームをモチーフにしたと思われる「レリクス」の名を冠する武器やユニットが登場する((『伝説』『TO』の開発・発売元であるクエストはボーステックの後継会社のため。))
--なお『[[オウガバトルサーガ]]』におけるレリクスは「言葉の通じない邪悪な異世界」という設定の模様。
//『レリクス 暗黒要塞』の余談から移行。

----