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【らさーるいしいのちゃいるずくえすと】
ジャンル | RPG | |
対応機種 | ファミリーコンピュータ | |
メディア | 1.5MbitROMカートリッジ | |
発売・開発元 | ナムコ | |
発売日 | 1989年6月23日 | |
定価 | 5,500円(税別) | |
プレイ人数 | 1人 | |
セーブデータ | 1個 | |
判定 | バカゲー | |
ポイント |
変な敵キャラ盛りだくさん アイドルタイアップとは思えない自虐ぶり 早すぎたアイドルマスター(?) |
過去に実在したお笑いアイドルグループ「チャイルズ」とのタイアップで生まれた、若干誰得なタレントゲーム。
「アイドル育成」という他に類を見ない独特な要素を組み込んだRPGで、ギャグとパロディを盛り込んだ珍妙な作風が大きな特徴となっている。
プレイヤーはチャイルズのマネージャーとなって地方回りでファンを獲得し、コンサートを行って金と人気(経験値)を稼いでチャイルズのメンバーを成長させていく。
更に最終目的であるときお公会堂でのコンサート成功のためには、全国各地でのコンサートを成功させ、アイドルスターに必須の神器であるスターの装備を揃えなくてはならない。
チャイルズを売り込みファンを増やすことが本作の目的であるため、一般的なRPGにおける文法やコマンドの名称は独特なものに置き換えられている。また、一般的なRPGにはない独自システムも多々ある。
本作では、戦闘画面のことをよいしょ画面という。
遭遇する敵は全て一般人であり、道端でバッタリ鉢合わせしたチャイルズ一行に向かって罵詈雑言の限りを尽くしてくる。
これにマネージャーが立ち向かい、うまく立ち回りつつ彼らをよいしょして持ち上げていい気にさせ、ファンに引き込むという按配。
このシステム設定に合わせ、戦闘時のコマンド名称は独自のものに置き換えられている。
よいしょ | 攻撃。相手におべっかを使ってダメージを与える。 |
たえる | 防御。相手の罵詈雑言に耐える。 |
マ法(*3) | いわゆる魔法。MPを消費して使う。毒状態だと使えない。 |
+ | マ法一覧 |
他「どうぐ」「にげる」コマンドは従来のRPGと同じ。
フマンドとは「不満度」・・・つまりチャイルズの機嫌を表わすバロメーターである(*4)。初期値は0%から始まって特定の要因によって上昇する。誰か1人でも100%に達すると営業失敗となり、スタート地点の石井光三オフィスに強制送還されてしまう。
しかも、100%になったキャラは激怒して、オフィス地下のダンジョンにある無数の部屋の内の一室に引きこもってしまい、探し当てないと営業の旅に復帰できない。
ゲームの最終目標は、ときお公会堂でのコンサートを成功に導くことである。
その際に挑むことになるのがライブイベントであり、ときおホールでのライブ前に日本各地の全6ヶ所の公会堂でのコンサートを制覇せねばならない。その道中で、ときお公会堂でのライブに必要な「スターの装備」を揃える事で、ときお公会堂でのライブに挑めるようになる。開催には会場の使用料を払わなくてはならない。
また、デパートで屋上でのキャンペーンを開催することも可能。いわば、コンサートに向けた予行演習の場であり、会場の使用料も無料で低難易度な分、持ち時間は短く設定されている。
コンサートやキャンペーンでは、コマンド選択によってチャイルズに指示を出して、持ちネタをうまく組み合わせて演じさせ、聴衆の受けを取らねばならない。拍手喝采させれば成功とみなされ、コンサートではチャイルズのレベルがアップしキャンペーンではおひねり(お金)がもらえる。聴衆を満足させられないまま時間切れになると失敗と見なされ、石井オフィスに強制送還される羽目になる。
+ | 日本各地の巡業地 |
トーク |
当たれば大ウケな反面、全くウケない上に時間の大幅なロスに繋がる 「つうこんのどっちらけ」を出す確率も高く、賭けの要素が強い。 |
コント | 安定してウケを取れるが、何度も同じネタを選択するとすぐに飽きられる。 |
うた(*6) |
歌。基本的にはコントと同じだが、レベルアップによって持ち歌が増えていく。 また、イベントで登場の作曲家「つづみぎんぺい」から提供されるようにもなる。 |
+ | ネタバレ |
+ | ネタバレ |
+ | エンディングネタバレ |
現実のチャイルズは、1980年代当時は高視聴率番組だった『笑っていいとも!』でいいとも青年隊(*12)として1年半活動していたり『オレたちひょうきん族』などにも出演していたため、一部のお笑い好きなどには知られていたが、一般的にはマイナーで人気がいまいちなグループであり、本作発売時には既にいいともレギュラーの期間も終了していた。そのため、本作は彼女らの売り込みもかねてのタイアップだったと思われるのだが、内容からして前述の通りである。
実際のところ、現実の彼女らを知っている人はどれくらいだったのか、知らない人にとってこのゲームがいったいどういう風に映ったのか、実際にこの作品が宣伝になりえたのか、そして彼女ら自身がこのゲームをどう思っていたのか、今となっては知る由もない。
クソゲー呼ばわりされることがほとんどなゲーム内容ではあるものの、根本的なシステム面だけを見てみれば、RPGのシステムの枠組みの中でアイドルを育成するという他に類を見ないなかなかの独創性を持ち、既存RPGへのパロディ要素と相まって独特な個性が光っている。難易度自体もバランスそのものは練られており、少なくとも佳作の部類には入る出来と言っていい。現代日本を舞台にした世界観も非常に斬新であり、システムやおバカなギャグ要素含め、好意的に評価する声もある。
マイナーな実在アイドルグループとのタイアップという自虐的な路線や、おふざけとパロディに終始したギャグコメディ的世界観とシナリオ、システム周りの独特さは人を選ぶものの、ただバカゲー・駄作と切って捨てるには惜しい作品でもある。
シビアな管理を要求されるゲーム性の中でアイドルを育成していくという独特なスタイルを備えた本作は、ジャンルこそ違えど『THE IDOLM@STER?』の先駆的作品と言っていいだろう。
+ | CM・若かりし頃の磯野貴理子をご覧あれ |