【まざーすりー】
ジャンル | RPG | 裏を見る |
対応機種 | ゲームボーイアドバンス | |
メディア | 256MbitROMカートリッジ | |
発売元 | 任天堂 | |
開発元 |
任天堂 東京糸井重里事務所 ブラウニーブラウン ハル研究所 |
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発売日 | 2006年4月20日 | |
定価 | 4,571円(税別) | |
セーブデータ | 2個(フラッシュメモリ) | |
レーティング | CERO:全年齢対象 | |
配信 |
バーチャルコンソール 【WiiU】2015年12月17日/650円(税別) |
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判定 | 良作 | |
ポイント |
前2作とはまったく異なる世界観 全体的に重いが作り込まれた物語と演出 描写不足で人によって解釈が分かれる結末 恐怖のきゅうきょくキマイラ |
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MOTHERシリーズ MOTHER / MOTHER2 / MOTHER1+2 / MOTHER3 |
奇妙で、おもしろい。そして、せつない
糸井重里氏プロデュースの任天堂のRPG『MOTHER』シリーズの第3作にして(現状の)最終作。
制作者である糸井氏から、本作がシリーズの完結編であることが明言された。
当初はSFC用ソフトとして製作が始まった。その後N64DD→N64にプラットフォームを移して開発が進められていたが(WebArchive)、長期の発売延期の末様々な要因が絡み開発は見送り、発売中止となった。(*1)
その後ようやくGBA用ソフトとして開発が再開し、ニンテンドーDS Liteも発売されたGBA最末期にようやく発売となった。そのために日本一難産だったゲームとも呼ばれている。
タイトルも『MOTHER3 キマイラの森』→『MOTHER3 奇怪生物の森』→『MOTHER3 豚王の最期』→最終的に『MOTHER3』と、紆余曲折を経ている。
12年ぶりのシリーズの新作、ファミ通レビューにおけるシリーズ最高点/プラチナ殿堂、柴咲コウをCM起用しての力の入ったプロモーションと、ユーザーの期待は否が応でも煽られることになった。
そうでなくとも一度開発中止が公表された際に多くのファンが落胆していたため、本作の発売は大きな喜びを持って迎えられた。
それはGBA最末期、任天堂の次世代型携帯機「ニンテンドーDS」が既に発売されていたにもかかわらず、約40万本の売上を達成し、日本語版Wikipediaにも「GBA最後のヒット作」と記述されている事からもうかがえる。
以上の経緯から、本作は発売当時のファンの期待が相当に大きいものであった。
そのため、かつてはシリーズファンからかなりシビアに評価をされる傾向にあったことにも留意。
調整不足により高難易度気味だった『1』、敵も味方側も全体的にインフレ傾向の『2』と基本的にMOTHERシリーズはバランス面での大味さが目立っていたが、本作は全編絶妙な難易度でまとめられており、シリーズで最もゲームバランスは良好な範囲に収まっている。
+ | ネタバレのため格納 |
N64版の開発中止を経て発売された待望の『MOTHER3』は、あらゆる面において旧作の作風から大きく変化したそのゲーム内容により、結果的に長らく「一つのゲーム作品」として冷静かつ公平な評価をするのに困難にさせるまでにファンに衝撃を与えた。
後述の『余談』の項目でも触れられているが、殊更に『2』のような明るくポップな路線を期待していたプレイヤーは、今なお本作のショッキングな部分を厳しく評価する事も少なくない。
しかし本作の「どこかの世界の一つの家族」が織り成す物語は、単なる「鬱ゲー」などという言葉で片付けられない事は留意しておくべきである。
悲しみも恐怖も辛さも、面白さも楽しさも優しさも全てが込められている本作はまさしく「奇妙で、おもしろい。
そして、せつない
」。
上記の事を意識した上でプレイして頂きたい。
*1 本作及び『カービィのエアライド』がN64での開発を延期したため、半ばお遊びで開発して社内コンペで落選にされていた『大乱闘スマッシュブラザーズ』が穴埋めとして世に出ることになった。
*2 厳密にはタツマイリ村に宿である「YADO」自体はあるが、これはイベントや会話で訪れる事が大半の施設となっている。訪れるタイミングによってイベントで宿泊する流れになったり、回復ポイント「青いクッション」が利用できる状態である場合などはある。
*3 次に使用した食べ物アイテムに勝手にふりかける調味料アイテムで、相性が良いと本来のHPやPPの回復量を倍にしてくれる。
*4 トップビューとクオータービューの中間の手法。真正面から見たオブジェクトを基準に斜め方向に奥行きを形成することで立体感を演出する。『2』では完全なクォータービューで描かれているマップも一部ある。
*5 リュカは最初はPSIを使えないが、初めてPSIが使えるようになる場面で、写したセーブでのPSIを最初から全て使えるようになる
*6 あくまでバグなので装備品はゲームを進めると初期装備に上書きされてしまう。しかしボニーだけは特定の簡単な進め方で最終装備のまますすめられる
*7 最終ダンジョンでの再戦を除く
*8 『X』のアドベンチャーモードは台詞による進行を廃しているため、説明不足なのは仕方ない面もある。また『スマブラ』シリーズの世界観設定を考えると原作に完全準拠した描写にならないのは当然とも言える
*9 3Dビジュアルに関しては、当時トレーラーなどで実際に公開されている。