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ボイスファンタジア 失われたボイスパワー - (2020/09/27 (日) 02:25:23) の編集履歴(バックアップ)
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修正内容は「記事の内容が千葉繁氏に責任を押し付け過ぎではないか?」という事です。
ボイスファンタジア 失われたボイスパワー
【ぼいすふぁんたじあ うしなわれたぼいすぱわー】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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セガサターン、プレイステーション
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発売元
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アスク講談社
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開発元
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日本メディアプログラミング 【SS】プレ・ステージ
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発売日
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【SS】1997年7月25日 【PS】1997年10月2日
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定価
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6,800円
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判定
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クソゲー
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ポイント
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また千葉繁 そして暴走 誰得な声優コスプレ
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概要
かの『スタンバイSay You!』でやらかした声優・千葉繁が、より一層やらかしたクソゲー。
発売日がたったの7ヶ月しか差が無いため、全く反省の色が見られない。当然、声優が実写で登場する作品(か、そうではない何か)である。
ジャンルがRPGになっているだけあって、色々な意味でタチ悪く発展している。そもそも、ファンタジー世界に実写の人間を入れること自体、かなり無理があるとは考えなかったのか。
ただし、前述のそれより知名度には欠ける作品ではある。「悪趣味ゲーム紀行」で紹介されたこともあり、全く無いわけではないが。
問題点
説明書
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文法がおかしい部分が散見する。そもそも、香ばしすぎる千葉繁の前文からして「~であるのであろうか」とおかしい。
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そして『アンリミテッド:サガ』と並ぶ薄い説明書。全10ページかつ、ゲームの説明はたったの6ページ。ちなみにPS2ではなくSS&PS。あの小さい判に書いてある内容は推して測るべし。
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ただし、この場合問題なのは説明すべきことが説明されていない事ではなく、これだけでも十分な説明になっているほどゲームの方が薄い事である。
オープニング
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ドラクエオーケストラ版を大幅に劣化させたような音楽が流れ、かのヤシガニも真っ青なほどの紙芝居アニメーションが流れる。数枚の止め絵を連続で表示して一応動きを再現している部分もあるが、正直言って素人が適当に描いたパラパラ漫画の方が百倍マシなレベル。
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動きのあるシーンも、カメラのパン(視点移動)とキャラの走りなど簡単なものばかり。しかも冒頭のメイン女性陣が走るシーンは全員無表情。不気味。
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メインキャラの一人の食事シーンだけは何故かちゃんとアニメーションしている。
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また、デッサンもキャラ絵が安定しておらず狂いまくっており、まずアニメーションと言える代物かどうかも疑わしい。少なくとも、1997年にSS・PSでやるレベルではない。
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が、製作したのは旭プロダクション。多くの人気・名作アニメの製作や撮影を行っており、アニメファン御用達の企業である。ファンからしてみれば、まさに「どうしてこうなった」と言わざるを得ない。
もっとも、期待した者などいるとは思えないが。
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尚、作中にもアニメムービーは入るが、作画の不安定さはあってもこれほど酷い紙芝居は無い。何故オープニングが一番酷くなるのか。
ストーリーとシステム
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「あたかもゲームの中に本物の人間がいるかのようなリアルな存在感とストーリー」(原文ママ)との前評判のゲームを求め、発売日に買いに行った主人公。だが、そのゲームは突然発売中止に。失意の主人公を捕まえたのは千葉繁。彼は、例のソフトを主人公に売りつける。
喜び勇んで家に帰った主人公が早速ゲームを始めると、そこには魔王によって人の心「ボイス」を奪われたお姫様が。その後、画面から伸びてきた手に掴まれ、主人公はゲームの世界に引きずり込まれてしまった。そして目覚めると目の前に居た少女が唐突に食事に誘ってくる。
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……という突っ込みどころ満載なメイド イン 千葉なストーリーが、3人のパーティキャラと共に素人のRPGツクールの練習作品レベルのRPGで進行する。そして、所々に入る彼の駄洒落をテキストでも読まされる悪夢。
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様々な謎・クソ仕様の数々。
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×ボタンでするのはジャンプ。使い道限られてるのに。
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△ボタンでダッシュできる。が、その性能は、まるでゼルダの伝説のペガサスブーツ。数秒の溜めの後、直線を猛然と走り、壁に当たると反動がある。曲がる時もその方向に数秒溜めるため、移動のテンポすら最悪。
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ボイスがスキップできない。そのため、キャラが喋り始めたら最後まで聴かなければならない。スタッフがムービー、もとい声に酔っている。
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説明書に「中世ヨーロッパ風の世界」と書いているのに、街には普通にカラオケ屋。決めた設定くらい守って下さい。
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セーブは、一日の冒険が終わり夜になって初めて出来る。
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昼間は、普通にアニメ調のキャラと冒険するのだが、夜になると、なんとパーティキャラの声優がコスプレをして主人公の部屋にやってくるという、360度捻じ曲がったサービスイベント。
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一応、主人公のボイスパワーとアミュレットの効果でその姿になっている…という設定なのだが無茶苦茶過ぎて納得しろというのが無理な話。
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しかもそのコスプレも作中のキャラに似せている訳でもない中途半端なもの。
キャラに似せて来たらそれはそれで反応に困る気もするが。
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説明書によれば、この時の会話でヒントを聞き、それを今後に役立てるそうなのだが……。
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例えばパーティキャラ声優の一人、横山智佐が「私はラッキョウが食べられない」。など、シナリオに全く関係のないことを喋り始める。……あなたのことは聞いていませんよ。第一、それをどう冒険に役立てろと。他も大体こんな感じで声優の身の上話を聞かされる。
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そもそもこの会話シーン自体、殆ど声優へのインタビューの体で進む。主人公の最初の発言からして「昼間の自分をどう思いますか?」。つまり声優として演じたキャラをどう思っているかという質問であり(しかもいきなり敬語)、インタビュー以外何でも無い。スタッフが声優に酔(ry
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他の声優は、笠原弘子と小西寛子。だが、ノリノリ(というか全力投球)な横山女史と違い、困惑しているのが目に見えた演技をしている。
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小西女史は後に声優業を引退し、女優へと転向する。もしかしたらこの経験が基で女優業に憧れたのかもしれない。だとしたら、多分間違えている。
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挙句、宿屋に泊まると突如始まる事がある声優ラジオ番組。…最早何も言うまい。
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一応、主人公が「自分の世界のラジオが聞こえて来るという事は、元の世界と何かの形で繋がっているのか。或いは干渉しているか」と疑問を抱くのだが、何も明かされないまま終わる。つまるところ、スタッフが声(ry
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RPGとしても単調でゲームバランスも悪く面白味皆無の戦闘に、意味不明なおつかいイベントの連続と伏線放置で深みも何も無いシナリオにより、上記の仕様も合わさった三重苦を受け続けなければならない。
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戦闘では通常攻撃コマンドが存在しない。ボイスパワーを使う以外はアイテムで武器を使用しなければならない。しかもターゲットの指定が出来ない。
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その上、敵は全体的に固く、しかも回復や防御を適宜使用するので戦闘が長引いてばかり。
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単純に美少女キャラ達と冒険するハーレムラブコメものとして見ても、当時(90年代)はおろか80代ですらそうそう無いような恥ずかしいやり取りと苦笑いすら起きない超展開が延々と続くのでそう言ったシナリオが好きな人でもきつい。何よりそこに実写も捻じ込まれる訳で…。
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主人公と美少女キャラ3人(時折NPCも参戦)のハーレムパーティで上記の数々の仕様を考えると、メンバー3人は所謂「ヒロイン候補」で、恋愛イベントや個別エンディングと言ったギャルゲー要素がありそうだが、そんなものは無い。主人公との恋愛展開など無いし、エンディングも一種類のみである。
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そして脱力のエンディング。ラスボスを倒し、主人公はメンバー3人+αと共に元の世界に戻るのだが、その後…。
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驚愕のラストシーン
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主人公が弁当の配達で声優の収録スタジオを訪れると横山智佐、笠原弘子、小西寛子へと戻ったメンバー3人と再会し、(声優として)「これからもよろしく」と挨拶されるという実写ムービーが流れる絶句もののオチ。きつい実写演出に慣れていたプレイヤーでも、最後の最後で唖然とさせられる事だろう。
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ちなみに+αのキャラ(CV:宮村優子)に関してはストーリーによく関わり、別れ際にも長々と喋った割には一切触れられない。勿論、宮村女史も登場しない。
しなくて良かっただったろうが。
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評価点
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後に人気声優となる堀江由衣のデビュー作でもある。彼女が出ていることだけが利点のゲームは、『ラストバレット?』が記憶に新しい。
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だが、パーティメンバーでないため、実写では見られない。
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一応サターン版の初回特典ディスクに収録された映像にチラっと映ってはいる。
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声優を売りにしているのだから当たり前だが、メイン3人以外にも宮村優子、佐々木望、そして勿論千葉繁と、声優陣に関しては文句無し。
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キャラクターデザインは現在でも活動しているアダルト漫画家の尾山泰永。この頃はPCゲームでも原画を多数手掛けており、本作もキャラデザインは悪くない。これで普通のRPGだったらもっと真っ当な評価を受けていた事だろう。
総評
RPG、声優ゲーム以前に、そもそもゲームとしてどうなのかという出来。特に、声優のコスプレは目も当てられぬほど酷い有様であり、同じ声優ゲームを買うなら、上記のかの『スタンバイSay You!』を買った方がよっぽど気分を害しない。もっとも、それらをやるぐらいなら、同じ値段の違うゲームをやるべきだが。
アイドル声優が本職のアイドルのように人気を集めている現在になってから製作されていればもっと良い評価に……ならないか。
無茶苦茶極まりない仕様、単純にゲームとしてつまらない、という問題に加え、脚本・演出・声を担当している千葉繁の暴走ぶりも目立つ。説明書から始まり、ストーリー、オチまでと見事に突っ走っており、この上ない(悪い意味での)カオスを演出している。残念ながら氏はゲーム作りに向いてなかったようである。これからは、是非とも引き続き本業での活躍を願いたい。
余談
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ちなみに発売元のアスク講談社、本作以前にも声優クソゲー『ボイスパラダイス エクセラ』を出している。
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そちらに関しては発売の5年後に、当時のスタッフがネットの片隅でひっそりと開発現場の内情を暴露している。本ゲームとは直接関係ないものの、開発元の悲惨な運営状況をうかがい知る事ができる。