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Cross Days - (2020/04/28 (火) 12:59:21) の編集履歴(バックアップ)


Cross Days

【くろすでいず】

ジャンル アドベンチャー

対応機種 Windows 98SE/Me/XP/Vista
発売・開発元 0verflow
発売日 2010年3月19日
定価 初回限定版:13,440円/通常版:9,975円
レーティング アダルトゲーム
配信 2012年1月6日/8,424円
判定 クソゲー
ポイント 2010年クソゲーオブザイヤーinエロゲー板次点
パッチは出しません」と大口を叩きながら結局致命的なバグ有り
誰得シーンばかり目立つシナリオ
質の劣化したアニメーション
詐欺同然の宣伝
高すぎる価格とそれに見合わない内容
改善どころか悪化した悪質極まりない企業態度
Cross Gays
0verflowに止めを刺した…いや自業自得の末路を迎えるきっかけとなった
クソゲーオブザイヤー関連作品一覧
Daysシリーズリンク


概要

高校生達の切ない純愛物語…と思いきや寝取り寝取られ昼ドラ展開、挙句の果てに数EDで妊娠殺傷沙汰、とアニメ版含め色々大きな話題になり多くのファンをも生み出した前作『School Days』(以下スクイズ)の外伝。

今作は前作の登場人物も引き継ぎつつ、新主人公の存在・質の向上したアニメーションに対する期待等があり『Summer Days』(以下サマイズ)の好評もあってか大いに期待されていたが、残念なことに期待に応えるには至らない出来であった。


問題点

度を越した数の本来のファン層を外した「誰得」シーンの数々

  • 後述の通り、パッケージイラスト公開当初から、目のハイライト数の違いからある程度は予想されていたものの、あまりにも度を越えた数の本来のファン層を外した「誰得」シーンの数々は、多くのファンの顰蹙を買うことに。
    このゲームのジャンルは「ボーイズ・ラブ」でも「マッシヴ・エロコメディ」でもありません。
  • とあるルートでは主人公の「足利 勇気(あしかが ゆうき)」が女装することになるのだが、ストーリーの批判は主にこのルートに集約されている。上記の上の画像の方の左の赤い(茶)髪の子が見えるだろうか。これこそが主人公の女装なのだ
    • わかり易く、単刀直入に言えばこのゲームには女装主人公の同性愛シーンがあるという事である。しかも結構な数で(後述)。
    • 見破っていたファンもいた*1が、大半の購入者が「パッケージの赤い髪の子に萌えたと思ってプレイしたらそいつは男だった」という状態に陥った。
    • 女性にしか見えない少年を扱う「男の娘(おとこのこ)」というジャンルがあるにはある。が、そもそも同性愛と言う時点で拒絶するプレイヤーも多く、今作でも拒絶反応を示すユーザーが多く現れた。
      • かと言って、その男の娘好きのプレイヤーからも高い評価を得られているとは言いにくい。理由は「内面が男である以上はただの女装だから」。要するに、素材(見た目)は良いのに“心まで女”でもないし“美少年”に徹しきれてもいないということである。つまりその手のジャンルのゲームとしてもあまりに中途半端であり、合格点を得られていない
      • 「可愛い女装なら中身は気にしない」という、いわゆる「女装少女」モノが好きな層には好評なようだが、どちらにしろ勇気を「男の娘」として売り出そうとしていた0verflowとしては狙いが外れた形になる。
      • よって、勇気は厳密にジャンル分けすると「男の娘」ではなく「女装少年」のジャンルに含まれるわけだが、この項目では便宜上「男の娘」として扱う。
    • 回想30シーン中、本来のファン層を外したシーンはハッテンを含めて12シーン存在する。また残りの回想の中にも、あまりにも尺が短いシーンが複数あり、それらを除くとアダルトゲームとしての実用性がある回想シーンは非常に限られる。
    • BLルートに関してはネタルートであるという説明がされているが、その数、全エンディングの内約3分の1
      • 一応、BLルートを回避するのは容易であり、ルート突入直前には誰が見ても雰囲気が異常であると感づくであろう。だが、問題はルート回避云々ではなく、数が無駄に多いことである。
      • ちなみにBLシーンもかなり多く、メインヒロインである「喜連川 路夏(きつれがわ ろか)」のシーン数と比較すると、路夏の回想枠が7シーンに対し、BLあるいはそれに類するシーンだけで8シーンもある。これでは主人公がメインヒロインと言っても過言ではない。当然、路夏のシーンにも尺の短いシーンがあるため(ry
      • では残りの4シーンは何かと言うと、そのシーンにおける相手の女性が、姉の部活仲間二人に逆レイプされるというエロゲ的にはご褒美な展開なのだが、その二人が片や『Theガッツ!』のタカさんばりのマッシブ女に片や絶頂の瞬間にゴエモンインパクトのような顔になる女。前述の「ボーイズ・ラブ」に対し、「マッシヴ・エロコメディ」に当たるのはこちら。当然万人受けとは対極に位置するキャラであり、彼女らのファンは男の娘ファンよりも遥かに少ないと言っても何の問題もないだろう。男の娘は一応、マイナーながらも(一般作でも)ジャンルとしては定着しつつあるが……。
    • シリーズお馴染みのキャラ「澤永 泰介(さわなが たいすけ)」が最悪の一言。
      • ネタバレになるため詳しくは述べないが、とあるシーンでは「誠よりよっぽど屑」「○したい」「糞うぜぇ」と心の底から言わせるほどユーザーを大激怒させた*2

以上の要素は単に「非常にプレイヤーを選ぶ」とも言える点かもしれないが、それを差し引いても問題なのが以下の点である

更に劣化したアニメーション

  • 売りであるアニメーションにおいて、「スクイズより劣化した」と言う声が絶えない。画(静止画)だけを見れば良くなっているのだが、少なくとも動きの少なさ、単調さについては多くのプレイヤーが指摘している。
    • 元々スクイズのアニメーションもあまり褒められたものではないものの、様々な手を使って動きの少なさを誤魔化すことでカバーしていたのだが、今作ではそれすらも乏しい。
      「サマイズ以下のアニメーション」と酷評する声も多い。(サマイズのアニメーションは、一部を除くとスクイズよりも出来が悪い)。
      • 一例を挙げると、「キャラAがキャラBを小突くシーン」の場合、「突如として背景のみが映る→画面がシェイクし、打撃音と台詞が聞こえるのみ」という具合である。これではフルアニメーション(笑)と嘲笑されて当然だろう(一応、ちゃんとアニメーションしているシーンもあるが)。
        あろう事か、一部のアダルトシーン(回想枠には入らない)でもこの手法が用いられており、一枚画すら表示されないという意味では「紙芝居ゲー」以下である。
    • 公式でも公開されているキャラクターの立ち絵に関しては当初から指摘され、特に「西園寺 世界(さいおんじ せかい)」は「ラグビー部に入った」「ラガーマン体型」と未だにネタにされ続けている。
      • ただし世界に関してはアニメ版スクイズ以降はやや肉感のあるキャラとして描かれる傾向があるため、問題ないという声もある。
    • 一部シーンはCG処理されているのだが、その質が悪い。特に、背景は常にCGのため余計に目立つ。
    • 歩行シーンにおいては足音がまるで馬の蹄の音に聞こえるため、「乗馬」と揶揄されている。普通にスクイズから流用すれば良かったのでは、と思わずにはいられない。
    • 上記のこともあってか解像度が上がってきれいに見えるだけ、といった感じが強く一部のアニメーションでは作画崩壊している部分すらある始末。
      • 中には、路夏の髪型が反転している部分もある。メインヒロインなのに…。
      • しかし後述する事情もあり、作画に関しては一概に総作画監督のごとうじゅんじ氏を責めることは出来ない。と言うのも、状況から判断すると作画崩壊している部分は所謂「大陸動画(三文字作画)*3」である可能性が否定できないからである。そもそもスクイズ、サマイズにおいて作画が乱れている部分(特にアダルトシーン)は、ほぼ全てが大陸動画である。

登場キャラクター関連

  • 序盤の「澤永 泰介(さわなが たいすけ)」と「山県 愛(やまがた あい)」の発言に批判が多い。
    今作のストーリーが泥沼になる原因の誤解をバラ撒いたのはこの2人なのだが、その誤解が「男女が2人で話をしている=付き合っている」という、少々短絡的過ぎではないかと考えたくなるような誤解であるため。お前ら中学生か
    • 他にも、会話の中で他者を指す際に「あいつ」などの人称代名詞を多用し、個人名(主語)を出して話さないがために誤解が大きくなるという流れが多い。
  • 攻略可能キャラが少ない。BLルート、BADENDを除くと攻略可能なキャラはたったの2名である。
    • BLルートを含めればプラス1名なのだが、むしろ「攻略されている」感が強い。
    • なお、会話等を見る限りでは他にも「フラグが立ってるな」と感じるキャラはいるのだが、そういうキャラに限って攻略ルートが存在しない。
      • 「アダルトゲーム(実用面)としての主役」がスクイズ主人公の「伊藤 誠(いとう まこと)」であり、「シナリオの主役」が勇気だと考えれば、勇気が攻略可能なキャラが少ないのもある意味納得できるかも知れないが、それでもいくらなんでも少なすぎるだろう。

致命的なバグ

  • 発売前には「パッチは出しません」と自信たっぷりに発言しており、その言葉通りに「バグは無い」との説明を繰り返していたものの、結局致命的なバグが発見されしてしまい、パッチが配布される事態となった。
  • 発売当時は製品版で使われているDLLが本来の製品版のバージョンと異なるものが混入していたせいで、多くのルートにたどり着けないという致命的なバグがあった。この時攻略できた数少ないルートの中に、前述のBL要素と「濃い」女性達のルートがあったため、さらに大混乱を招いた。
    • ちなみにこのバグ、サマイズの時と同じ原因。何も学んでいない。
    • バグに対する初動も遅く、このルートバグに対するパッチが出たのは発売の6日後。それまでの間、プレイヤーは碌なルートをプレイすることが出来なかったため、批判が集中した。複雑なバグならともかく、単純ミスが原因のバグでこれだけの時間がかかるのは問題である。
  • 他にも、選択肢が出ないバグやらフリーズが沢山あったりするのだが、第二のルートバグとして「フリーズすると(加えて、タイトル画面からロードすると)好感度が初期値に戻る」という凶悪なバグがある為ほとんどの場合フリーズするだけで最初からやり直し、ということが頻発。
    • 今作の要求スペックが非常に高いことも合わさって、フリーズの発生率は非常に高い。
      • 当然パッチも公開されたのだが、やはりと言うか、0verflowの対応はやや遅めであった。
    • さらには一部シナリオ終了時のエンドロールが真っ黒になるというバグが存在し、一部の回想シーンでもこのバグが発生する。2010年8月現在、こちらの暗転バグに対する対応はされていない。後述する没ルート問題共々、完全に黙殺する気満々である。

評価点

  • 作画崩壊気味ではあるものの一応エロゲとしては珍しいフルアニメーションであり、かなり高レベルな演出となっている。
  • シナリオはおかしい部分があるものの、エロゲとしてみるなら無難な出来。
    • 「桂 言葉(かつら ことのは)」に関連する一部のルートは概ね好評である。また、勇気で言葉を攻略できないと言うのも古参のファンからは好評である。
      • ただし、問題のBLルートでの彼女の扱いには不満が多い。と言うのも、選択次第ではスタッフも嫌っているはずの「安易なヤンデレキャラ」に成り下がってしまうことが大きい。
      • また、言葉が優遇されている一方で「路夏の影が薄い」という声が一定数あるのも事実である。
    • 勇気の姉である「知恵(ちえ)」など、「0verflowらしい」キャラ付けが上手く行っているキャラも決していないわけではない。
      • だからこそ、それらのキャラにアダルトシーンや攻略ルートが無い事を惜しむ声が多い。
  • BGMの出来はそれほど悪くはない。

総評

誰得感が強すぎるエンドの数々、作画崩壊気味なアニメーション、エンドだけでなく全体的にBL感が強すぎるシナリオで、かなり人を選ぶ内容である。
フリーズや選択肢が出ないなどのバグもあり1年も延期してこれはどうかと思うところが多い。

ただ、延期に関してはメーカーのことを良く知っているファンからはほとんど当たり前のように見られており、BLなどのシーンに関しても冷静に見ているファンも少なからずいる。
…というのも、スクイズ以前からこのように狂ったシナリオを書いたり延期が常態化しているようなメーカーだからである。

とはいえ、BLや濃いシーンがシリーズファンの望むものとかけ離れていることは否めず、「バグまみれでまともに遊べない上に修正が遅れる」というゲーム以前の問題点や致命的なほど悪い企業態度も災いし、これまでの作品と比べ評価が著しく低いものとなってしまった。


余談

ライターへの批判

  • これまでに述べた数々の不満は、そのまま0verflow代表兼シナリオライターのメイザーズぬまきち氏本人への批判となった。
    • 無計画さゆえの延期や没、あまりに致命的な遅筆、ユーザーを馬鹿にしているとしか取れない態度は、間違いなく擁護不能である。
    • 雑誌宣伝画像に関しては、社長自身が「広報が勝手にやったことだから知らない」「元々入れるつもりの無いルート、CGは没とは言わない」*4などと語っている。
      しかし本当に「広報が勝手にやったこと」だとしても、それを知らないというのは一企業の社長としては無責任である。企業規模から言えば情報伝達が滞るとは考えにくく、せめて雑誌の広告記事ぐらいには目を通すべきだろう。先の発言を「責任逃れの言い訳」と批判するプレイヤーも多い。
    • また、本来アニメの製作においては画よりも先に脚本が完成するべきである。しかし、本作ではあろう事かこの順序が逆転していた事がごとうじゅんじ氏の発言とメイザーズぬまきち氏の発言から伺えた*5
      • ストーリーが明確に決まっていないのにアニメを作れと言われても、それは困難極まりない事である*6
    • このようなこともあるため、2010年8月に出る予定とされていたスクイズHQ版はファンの間では「どうせ延期する」「宣伝画像は没でしょ」「HQはホモクオリティの略」と既に言われてしまっていた。
      ……そして案の定2010年10月8日に延期した
      • ちなみにそのスクイズHQの製作作業は、本作の製作と並行して行われていた模様。これがスケジュールの乱れの原因の一つである事は疑いの余地が無い。

ゲーム外の問題

  • 雑誌・通販サイトで公開されていたCGの一部が使われておらず(解析によれば一部テキストは存在する)、没になったCGが多く存在する一方で本来のファン層から外れたシーンは無駄に充実している。
    • ちなみに没になったと思われるルートの1つは、メインヒロインの路夏と、スクイズから登場している「加藤 乙女(かとう おとめ)」との確執に関連しているとされている。この2人の確執は第1話から描かれており、この確執に一歩踏み込んだ内容のCG、テキストが確認されている。
      • 要するに、キャラを掘り下げるのにうってつけのルートまでも削除したと言っていい。そのため広告のCGを知っていた人から見た場合は、どうしても本編での2人の確執が大した事無いように見えてしまう。ちなみにそのCG及びテキストというのは(自主規制)な内容である。「自主規制」の中身が何なのか想像がつくならば、どれほど2人の確執が根深いかも簡単に分かるはずである。
      • また、乙女(下側のパッケージ画像右上のポニーテールの子)は通常版パッケージを飾るキャラでありながら、ルート削除に伴ってアダルトシーンが全て削除されている。重要キャラの1人として位置付けられているキャラであるにもかかわらずこの扱いというのは、あまりに酷いと言える。
  • このようにファンも嘆く出来でありながら、今作はなんと8回も延期している
    • 2009年2月27日→同年6月下旬→同年夏発売予定→同年11月20日→同年12月18日→2010年1月29日→発売と言ったように、最初の発表からおよそ1年以上も伸びに伸ばしまくった結果がこれ。その結果、大幅にファンを逃してしまう結果となった。
    • あまりの延期にショップも堪えかねたのか、今作の紹介ページに「この作品の発売は保証できない」旨の文章が載せられたこともある。
  • なんと初回特典版の特典は「コトノハサマフィギュア」のみということも批判点として挙げられた。しかしフィギュア1つだけで差分約3,500円分の価値を問われると、非常に疑わしい。
    • 一応、テレホンカードとADVもある。
    • なお、フィギュアそのものの出来は伝説となった邪神とは違い無難に仕上がっているため、高すぎる差額を除けば批判はそれほど多くない。
  • アクティベーションが用いられているために売り払うといった手も使えない為、これも不評を買った(現在はアクチ解除パッチが公開されている)。

その他

  • アダルトアイテム「SOM」との連動が可能であるが、散々述べたようにBLシーンが多いため「まさか男性用SOMじゃなく女性用SOMが必要になるとは思わなかった」と皮肉られた。
    • ちなみに「黒田 光(くろだ ひかり)」役の声優である一色ヒカル女史が、ニコニコ生放送において「ホモデイズ!」と発言したことが一部で有名である。
  • 2018年10月26日にWindows 10の動作不具合の修正DLLが配信された。
  • オムニバスソフト『School Days Series COMPLETE BOX』に収録される予定。