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スーパードンキーコング2 ディクシー&ディディー - (2023/07/26 (水) 17:53:28) の編集履歴(バックアップ)


スーパードンキーコング2 ディクシー&ディディー

【すーぱーどんきーこんぐつー でぃくしー あんど でぃでぃー】

ジャンル アクション
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 スーパーファミコン
発売元 任天堂
開発元 レア
発売日 1995年11月21日
定価 10,094円(税3%込)
プレイ人数 【SFC/Wii/WiiU】1~2人
【New3DS】1人
セーブデータ 3個(バッテリーバックアップ)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付加
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2007年10月23日/800Wiiポイント(税5%込)
【WiiU】2014年11月26日/823円(税8%込)
【New3DS】2016年4月6日/823円(税8%込)
書換 ニンテンドウパワー
1997年9月30日/1,000円/F×8・B×1
備考 SFC本体が4,000円安くなるクーポン券付(パッケージ版のみ)
判定 良作
ポイント 前作から正統進化、シリーズ最高傑作と名高い
やり込み要素の大幅拡充
印象に残るギミックが満載のステージ
セーブの不親切さはあまり改善されず
ドンキーコングシリーズ・関連作品リンク


概要

任天堂・レア社のタッグで制作された名作『スーパードンキーコング』の続編。
シンプルな操作とやりごたえのある難易度はそのままに、新アクションや斬新なギミックを施したステージが豊富に用意されており、ドンキーコングシリーズの中でも屈指の人気を誇る名作である。


ストーリー

ある月の綺麗な夜の事。お気に入りの浜辺へ散歩に出かけたドンキーコングの帰りが遅いので、
心配したディディーと彼のガールフレンドのディクシーはドンキーを捜しに出かけました。
浜辺に着くと、ディディーとディクシーはドンキーコングを探しましたが、何処にも姿がありません。
不安になったディディーが波打ち際まで歩いて行くと、そこに壊れたビーチチェアと無数の足跡を見つけました。
「クレムリンの足跡だ!」
息をのむディディー。そして壊れたビーチチェアの上に置かれたメモを読みました。

臆病者のコングファミリーへ。わっはっは!ドンキーを捕まえた。返して欲しけりゃバナナをよこせ。
キャプテン・クルールより*1

「何てこった、ドンキーがさらわれるなんて…」

早速コングファミリーが集まりました。
「またあいつらの仕業かい」
クランキーコングの妻のリンクリーが溜息をつきました。
「言われた通りバナナを渡してしまおうか」
クランキーが呟いた途端、ディディーが叫びました。
「冗談じゃない、この前やっとバナナを取り返したばかりじゃないか!僕がドンキーを助けに行く!!」
そう、その上上手くいけば、自分もゲーム界のスターとして、皆に認められるかもしれない。
「この前の冒険だけで、もうヒーロー気取りかね。お前にはまだ無理じゃよ」
クランキーの皮肉な言葉を横で聞いていたディクシーは、すぐに反対しました。
「ディディーにチャンスを与えてあげて。私も彼と一緒に行くつもりよ!」
この言葉にはコングファミリーの誰もがびっくり。中でも一番驚いたのはディディーでした。

「わかったよ。無事にあのろくでなしを連れて帰ってきたら、お前達の力を認めてやろう」
クランキーの言葉を聞くと、ディディ-とディクシーはすっと立ち上がり、皆の前で誇らしげに宣言しました。
「ドンキーを連れ戻してみせる!必ずね!!」
周りのコングファミリーは、彼らを暖かく励ましました。
リンクリーは優しく微笑み、古い付き合いのファンキーコングは「しっかりやれよ、兄弟!」と言って
ディディーの手を軽く叩いてくれました。
間も無く太陽が顔を出し、この勇敢な二人連れは冒険の旅へと出発していきました。
(説明書より抜粋)


新要素

新キャラクター「ディクシー」

  • ドンキーに代わるディディーの相棒としてガールフレンドのディクシーが初登場。
    • 移動速度はディディーより遅いが、自慢のポニーテールで敵を攻撃したりタルを投げたりできるうえに、空中でボタンを押し続けるとゆっくりと降下できる「ポニーテールスピン」が使える。
    • ポニーテールスピンを使っているときも左右に移動できるので、通常のジャンプでは届かない場所に行くこともできる。足場の不安定なステージでは使用することで難易度を下げることができるため、初心者救済の要素にもなっている。

チームアップ

  • 2匹とも揃っている時にのみ使用可能。相方を肩車して投げることで、通常では届かない場所に移動したりアイテムを取ることができる。踏みつけやローリングアタックが効かない一部の敵も倒すことができる。

アニマルフレンドの追加・変更

  • コンテナを壊して中のアニマルフレンドに乗るほかに、「アニマルバレル」というタルに入ることでそのタルに描かれたアニマルフレンドにコング自身が変身できるようになった。
    • アニマルフレンドによっては特殊な操作が要求されるため、難易度が上昇することもある。
  • アニマルフレンドが登場するステージには必ず「アニマル禁止サイン」と呼ばれる看板が有り、横切るとそのアニマルが消滅してしまう(変身の場合は解除されコングの姿に戻る)代わりに、何らかのアイテムが出現する。
  • 今作に登場するアニマルフレンドは以下の通り。
+ 詳細

前作に登場したウィンキーとエクスプレッソがリストラされた代わりに新アニマルが追加されている。

  • ランビ
    • 前作から引き続き登場のサイのアニマルフレンド。新アクションとして、高速で突進する「スーパーダッシュ」が追加された。
  • エンガード
    • 前作から引き続き登場のカジキのアニマルフレンド。こちらも新アクション「スーパーダッシュ」が追加されている。
  • スコークス
    • 前作から引き続き登場のオウムのアニマルフレンド。前作に比べ巨大化しており、コングたちをつかんで飛ぶことができ、卵を吐き出して攻撃することもできる。
      • 他のアニマルは乗っているときにダメージを受けると驚いて逃げてしまうが、スコークスの場合はつかまっているコングが下に落ちる。
      • 実はフレンドの時と変身した時とで性能が違う。フレンドの時は卵の連射が利くのだが、変身時は目に見えるほど遅い*2。また、移動速度は身軽なためか、変身時の方が優れる。
        このため、フレンド時と同じ感覚で使うと思わぬ被害を被ることもあるため注意が必要。次回作『3』ではほぼ同じ速度に統一された。
        またフレンド時に敵や地形を回避する際、見た目で変身時よりコングの分上よりに飛びがちになるが、実際はぶら下げられたコングに喰らい判定はないので注意。
  • コークス
    • 初登場のオウムのアニマルフレンド。外見はスコークスの色違い(紫)だが、上昇したり卵を吐いて攻撃することができず、パラシュートのように下に降りていくだけの役割になっている。ステージ5-4「パラシュートパニック」にのみ登場する*3
  • ラトリー
    • 初登場のヘビのアニマルフレンド。バネのようになったしっぽが特徴。前作のウィンキー同様、高くジャンプするのが得意で、横移動も小ジャンプを繰り返すように進むのも同じ。通常より高く跳ぶ「スーパージャンプ」ができる。
      • ディディー達と同じく特定条件下*4に限り空中ジャンプが可能。
  • スクイッター
    • 初登場のクモのアニマルフレンド。クモの巣を使ったアクションが得意で、正面三方向に撃ち分けが可能な攻撃用のクモの巣と足場用のクモの巣を使い分けることができる。
      • 敵を踏みつけても攻撃出来ずダメージを受けてしまうが、攻撃用のクモの巣が素直な弾道かつ連射が利くため非常に強力。
  • クラッパー
    • 初登場のアザラシのアニマルフレンド。乗ることはできないが、踏みつけると氷の息を吐き出し、一定時間熱湯を冷ましたり水面を凍らせる。コンテナやバレルの存在しない、完全なサポート役。
  • グリマー
    • 初登場のチョウチンアンコウのアニマルフレンド。ステージ3-2「くらやみダイビング」にのみ登場し、暗い水中を照らしてくれる。前作におけるスコークスのような存在で、やはり完全なサポート役。クラッパーと同様にコンテナやバレルは存在しない。

評価点

前作から更に進化したCG

  • 本作の発売当時は、次世代機であるプレイステーションやセガサターンが発売して1年が経過しようとしていたが、それらで発売されたゲームに勝るとも劣らない。
  • 雄大な自然の風景をメインにしたステージ構成が、本作ではさらに進化。
    • マグマの噴き出る火山や鉱物できらきら輝く鉱山、ハチミツの滴るジンガーの巣、更に遊園地などの近代的な建造物が登場したりとより多彩になり、バラエティ豊かでリアルかつ美しく描かれた情景がプレイヤーを魅了する。
  • 前作ではオブジェクトの塗り分けがきちんとされておらず、アクションを阻害する要素が多かったが、本作では(ごく一部を除いて)きちんと塗り分けがされるようになり、視認性が向上した
    • 例えば前作では、ドンキーコングとディーディーコングが同系統の配色で、現在どちらを操作しているか瞬時に判別しにくかったのに対し、本作ではディーディーコングが茶色と赤、ディクシーコングが黄色とピンクと、それぞれ別系統の配色になったことで瞬時に判別しやすくなった。

やりこみ要素のパワーアップ

  • クレムコイン
    • ボーナスステージは、前作は入るだけで達成率が上がる仕組みだったが、本作ではボーナスステージ内の「クレムコイン」を入手することで上がるようになっている。また本作から水中ステージにもボーナスステージが設置された。
    • 各ボスを倒したときにも入手でき、これをワールド2~6にいる「クラッバ」に15枚ずつ渡すことで高難易度のステージが待ち受ける「ロストワールド」に行けるようになる*5。ロストワールドの全ステージを制覇することで真のラスボスと戦うことができる*6
  • DKコイン
    • 「ヒーローになるためのコイン」(クランキー談)こと「DKコイン」が初登場。各ステージに1枚ずつ隠されており、すべて集めるにはボーナスステージと同様になかなか骨が折れる。
    • ゲームクリア時にランキングが発表されるが、集めているのはなんと「リンク」、「ヨッシー」、「マリオ」と任天堂の有名キャラクターたち。最高位のマリオより上に立つにはすべてのコインを集める(=すべてのボーナスステージ制覇&隠しボス撃破)必要がある。
  • 前作では隠されたボーナスステージに入るためのヒントが少なかったが、今作ではバナナで誘導したり怪しげなルートがあったりと、ステージをくまなく探索すれば自力で見つけることができる工夫がされている。
    • またクランキーコングにバナナコインを渡すといくつかのボーナスステージに関するヒントが貰えるが、中にはボーナスとは関係ないヒントも混じっている。

よく練られたゲームバランスとマップデザイン

  • 本作の舞台はドンキーをさらった海賊のアジト。海賊船から始まって敵の本拠地に乗り込んでいくマップに合わせるかのように、序盤は残機を稼ぐポイントも多くそれほど難しくはないが、中盤~終盤から一気に難易度が上がってくる。
  • ステージの仕掛けも1つ1つが特徴的で、特に「とげとげタルめいろ」「ランビといっしょ」「ゴーストコースター」「クラッシュエレベーター」「どくどくタワー」などがBGMとともに深い印象を良くも悪くもプレイヤーに与えた。
  • 単に敵の数が増えるだけではなく、場面ごとに要求されるアクションが異なり、段階的に難易度が高くなっていくなど、非常に良く考えられた難易度設定になっている。
  • 前作にあった、横スクロールステージでの不必要な縦のスクロールはほぼ無くなり、本家マリオシリーズ同様に、下の足場が見えなくなる場面ではきちんとバナナによる誘導が置かれるようになった。
  • ステージ構成もバリエーション豊かになった。前作では水中ステージ以外は左から右へ進んでいくステージしかなかったが、本作では上へ登っていくステージや逆に下へ降りていくステージ、水中ステージを地上に出したような上下左右にあらゆる方向へ進むステージなど。
    • アニマルバレルの採用による影響なのか、ステージの中にはアニマルフレンドの能力をフルに使っていく物も見られている。
    • 前作におけるアニマルフレンドは「利用しなくても十分にステージクリアが狙えることから必須ではないが、利用した場合はステージの攻略が楽になる」という性質から、『スーパーマリオワールド』におけるヨッシーの系譜を継いだ所謂「お助けキャラ」に分類されていた。
      だが、今作のステージはフレンドの能力が必須になる場面も見受けられている事から、今作のアニマルフレンドは「お助けキャラ」から脱却して第2第3のプレイヤーキャラ枠とも言うべき立ち位置にあると言える。

キャラ性能差の改善

  • 前作ではドンキーコングの性能が低く(移動速度が遅い、ジャンプ力が低い、当たり判定が大きい)、ほぼディディーの劣化でしかないという性能差があったが、本作のディクシーコングはポニーテールスピンという非常に便利なアクションを使えるので、性能差は縮まった。
  • むしろポニーテールスピンが便利すぎて、逆にディディーの存在価値が減ってしまったほど。
    • とは言えスピードやジャンプ、タルの投擲など基本性能はディディーの方が高く、スピンが有効に使えなかったり細かい操作を要求されるステージや、タイムアタックを目指す場合はディディーの方が有効であり、バランスの取れた差別化がされているといえる。ロープの上り下りもディディーの方が速い。

良質な音楽

  • BGMはDavid Wise氏が単独で担当。
    • 海賊船コースの板のきしむ音、溶岩コースのマグマが泡立つ音、マストを登っていくコースの雨風の音などBGMの中に環境音を織り交ぜており、臨場感も高まる。ファンにとっては「曲が素晴らしいから鬼畜でも投げずに頑張れる」のだそうな。
    • 特に茨ステージの曲『Stickerbrush Symphony』(日本語名:とげとげタルめいろ*7)、森ステージの『Forest Interlude』、蜂の巣ステージの『Flight of the Zinger』、「クレムクエイ」船ステージ*8の『Snakey Chantey』、鉱山ステージの『Mining Melancholy』、「ゴーストコースター」の『Haunted Chase』などの人気が高い。中でも『とげとげタルめいろ』の評価は群を抜いており、動画や音楽系のSNSでドンキーコングのBGMのアレンジを探すとこの曲の投稿で埋め尽くされることもしばしば。
    • なお、前作のBGMがジャングルや自然の素朴さや野性的な雰囲気を押し出していたのに対し、今作では明るくポップで現代的な雰囲気のBGMも多い。下記のディディー、ディクシーのゴール曲などがその一例。
      • 打ち込み技術もその品質の高さで知られた前作からさらに上がり、短いサンプルや簡易的な残響効果しか使えないSFCでアナログシンセをリアルタイムでいじっているようなサウンド*9を実現してしまった。上述のBGMを含めかなりの楽曲に使われており*10、テクノ色の強い曲では勿論のこと、オーケストラものである『Haunted Chase』ですら効果的に使われている。上記の現代的な雰囲気に多大な貢献をしている。
    • 効果音にもこだわっており、甲板コースや沼地コースで敵を倒すと水のはねるエフェクトとともに「チャポン」という音が、溶岩コースではマグマのはねるエフェクトとともにほわっと煙が立ち、更に「コポコポ」と泡立つ音まで聞こえる。
      • 特に甲板ステージでは、倒した敵によっては効果音とエフェクトが若干違うという細かい違いまであるほど。
        ちなみにマグマステージのエフェクトは、ステージによっては手前の背景のせいで見えないことも。また、マグマステージで落下死すると、これまた違う効果音が流れる。結構生々しくもあり、トラウマもの…というよりどう見ても敵味方共々マグマダイブしている*11
      • 前作では甲高くやたらと生々しかったジンガーを倒した時のSEもトーンの低いマイルドなものに修正された。
    • ゴールのアイテム獲得時に流れる曲はディディーとディクシーで異なるものが用意されているうえに、溶岩コースでは反響しているように聞こえるなどステージによって異なるアレンジが施されている*12。さらに、ミスをした時の曲もステージ毎のBGMの雰囲気に合わせたアレンジが施されている。

その他の変更・評価点

  • 両方のプレイヤーがいる状態で空中のDKバレルに触れると消滅しなくなった為、DKバレルがプレイヤーがやられた際の保険として扱いやすくなった。
  • 前作ではコンティニューバレルの後に取得したKONGパネルは、ミスしても失わない代わりにステージをクリアしない限り復活しない仕様になっていたのだが、今作のKONGパネルはコンティニューバレル後に取得した分についてはミスした際に没収される形に変更された。
    • 前述のDKバレルの件と共にミス後の保険として活用できるようになった。
  • ワールドマップ移動の速度は前作ではバラつきがあったのだが、今作では速い速度に統合され、ステージ移動の際のテンポが向上した。
  • ポーズ中にセレクトボタンでクリア済みのステージから脱出する機能について、前作はスタートボタンからセレクトボタン入力受付まで1秒程度のラグが生じていたのだが、今作ではレスポンスが改善されていて、ポーズ直後からすぐセレクトボタンの入力受付が行われるようになった。
  • 前作では、坂を滑ったときやエンガードの突進を使ったときなど、操作キャラが高速で移動する際に画面のスクロールが遅れ、進行方向の先が見えなくなっていたが、本作ではこのようなスクロールの遅れは無くなった。
  • クランキーコングの性格がややマイルドになった
    • 前作では文句や愚痴の多い懐古主義的なキャラクターとして描かれ、癖が強く賛否が分かれるキャラクターだったが、本作では懐古主義的な発言は鳴りを潜め、「礼儀を教えてくれる良いおじいさん」といった印象になり、広く受け入れられるキャラクターになった。

賛否両論点

一部のボーナスステージ・DKコインの難易度が高い

  • ボーナスステージの課題自体はあまり難しくないのだが、ボーナスバレルに入れるタイミングがほんの一瞬しかなかったり、一度失敗するとクリアするまで再挑戦できないようになっていたりするものが多く、この点が難易度を上げている。
    • とあるステージには、なんとボーナスステージ内にDKコインが存在する。クランキーのヒントはばっちり正解を射抜いているのだが、気付かない人も多かったらしい。
  • 他にゴールポストのアイテムの中にDKコインがあるステージが2つ存在する。
    • 4-5「ドロドロみどろがぬま」と5-5「きりのもり」の2つが該当し、前者はタルを踏む、後者は表示されるのが一瞬と、ゲーム内のアクションに慣れないとタイミングがシビア。
      他のステージと違いミスしたら(ゴールを踏んでしまうためにそのままゴールする都合上)最初からやり直しな点が辛い。
  • 隠し通路の先にボーナスステージがあることも多いが、かなり見つけづらい場所も多く、ノーヒントでコンプリートするのは相当なやり込みが必要。慣れてくると配置に制作スタッフのクセが透けて見えるが、最低限それなりのゲーマーでないと見抜くのは難しい。

問題点

相変わらず不自由なセーブ、ワールド移動

  • 前作の大きな問題点だった「セーブを自由にできない」という点があまり改善されていない。
    • 前作はセーブポイントかワールド移動ポイントが登場するまで2~5ステージクリアが必要だったが、今作は1~3ステージクリアで登場するため、一応ややセーブしやすくなってはいる。
    • しかし新しいワールドに入ってからセーブできるようになるまでに複数のステージをクリアを必要とする点は変わらないため、ゲームオーバーになると最後にセーブしたところからやり直しになる。また、下記のように状況によってはバナナコインを要求されるようになり、不自由になった面もある。*13
    • セーブ時にはファイル選択と同じ画面に移行するが、現在遊んでいるデータに上書きするだけでファイルを選べず無意味なものになっている。また全ての施設利用に共通して「選択した時点」でバナナコインを消費する仕様でありキャンセルができない。誤って押した場合は取られ損に。

バナナコインの仕様

  • ステージのあちこちにある上にステージに入る度に再配置されるので貯める事は容易なのだが、その使い道に少々難がある。
    • 前述したセーブはレベルごとに初回のみ無料だが、2回目以降はバナナコインを1枚支払う必要がある*14
      • これによりバナナコインを数枚常備しておくことが望ましいのだが、バナナコインの所持数は残機同様セーブデータに記録されない。再開時は必ず0枚スタートになるので、まず適当なステージで数枚稼いでおくのが定石*15となり、一回のプレイ時間が短いほど余計な稼ぎの手間がかかるようになる。
    • 一方、ある程度長時間のプレイになるとバナナコインは自然と貯まるのだが、今度は余って使い道がない。
      • 用途は「セーブ」「ワールド移動」「ヒントを買う」「クイズショーに挑戦」の4つなのだが、これらの利用状況*16セーブデータに記録されるため、最終的な使い道はセーブに絞られる事となる。
      • もちろん多く持っていて困る事はないのだが、一番欲しいプレイ再開時にだけ保険的に稼ぐ必要があり、かと思えばすぐに価値が激減する事になるため、バランスはあまり良いとは言えないところ。
      • クイズショーはライフバルーンが貰えるミニゲームとなっており、「おてがるコ~ス」で1UP、「ちょいムズコ~ス」で2UP、「ばりムズコ~ス」で3UPできる。しかし、上記の仕様によりゲーム再開時の残機稼ぎには使えない。

ボーナスステージの「ボーナス感」の消失

  • 前作同様「完全クリアのための課題」で、凝った作りの挑みがいのあるものにはなっているのだが、前作とは違い1UPバルーン等のアイテムはほぼ置かれておらず「ボーナス」ではなくなっている。課題をこなすのみのステージになった。
    • また、前作ではボーナスステージに入りさえすれば、ボーナスゲームに失敗しても問題無かったのだが、今作ではクレムコインを取らなければならない関係上、ボーナスをクリアしないと達成率に反映されなくなったため、なお面倒に。
  • 「コインをさがせ」ではコインの位置がゴールになっているのだが、迷路状のマップはともかく単純に進んだ先にあるマップでは「探す」というお題にズレが生じている。

一部マップの色に関する問題

  • ステージは色を変えるなどで使い回しているものが多く、その大半は気にならないものだが、一部「クレムクエイ」の後半ステージ、「ラトリーに大へんしん」の船ステージは色合いが不自然。船・海・空といった基本色が全てが緑色になっているため雰囲気も異様。
  • 湿地のステージでは、背景の一部に足場と同じ色が使われており、足場が分かりにくい箇所がある。

3-2「くらやみダイビング」での激しいフラッシュ

  • このステージはアニマルフレンド「グリマー」の力を借りてくらやみを照らして進むステージなのだが、方向転換に伴ってグリマーが回頭する際に一瞬こちら(プレイヤー)に光が向く演出がある。リアルな演出ではあるが、一瞬とはいえ画面全体がフラッシュするため目が痛くなるという批判もある。
    • グリマーは強制出現(出現を回避できない)。また、ステージ構成も方向転換なしではクリアできない*17上、クリア直前にひっかけのような配置があるため方向転換は必須。フラッシュとひっかけで目が酷使される。
    • なおバーチャルコンソール以降の配信版ではフラッシュが規制され改善している。

総評

ユーザビリティに関する欠点もあるが、それを補って余りある数々の良要素を備えた、SFCのアクションゲームを代表する傑作の1つ。
特筆すべきは、それら良要素の多くが何か目新しい新要素や奇抜なゲームスタイルにあるのではなく、バランス・グラフィック・音楽・ステージ構成といった、「ゲーム」を織りなす最も基本的な部分にあることである。
だからこそ、一見シンプルなアクションゲームながらも、長年に渡ってプレイヤーの心を掴んで離さない作品となったのだろう。


余談・その後の展開

  • DKコインランキング画面には上記の通り有名任天堂キャラクターが立っているが端にあるゴミ箱には「NO HOPERS(望み無き者)」と看板が掛けられており、そばには青いハリネズミの靴とヒーローミミズ*18のプラズマビームが放置してある
    • 少々黒いネタではあるのだが、そこは偏屈爺さんクランキー主観のランキングと考えて割り切ろう。
  • 新規ファイルのプレイ人数を選ぶ画面の下で十字ボタンの下を押し続けるとサウンドテストが出現し、さらに下を押し続けると、レア社ではおなじみの「チートモード」が登場する。
    • このチートモード、ボタンを押しても特に反応しないので一部の攻略本では「ニセモノのモードで何もできない」などと書かれていた*19が、実は特定のコマンドを入力することでDKバレルを消したり、残機を50に増やしたりできる*20
  • 沼ステージのBGM『Bayou Boogie』のドラムがフィル・コリンズ氏の1981年のヒット曲『夜の囁き(In The Air Tonight)』のイントロに酷似している*21が、これはどちらの楽曲でもローランド社の『CR-78』というリズムマシン*22に内蔵されているリズム『Disco 2』がそのまま利用されているため。
    • 今作ではそのリズムマシンをドラム音源の1つとして使っており、コースターステージ(『Disco Train』)など他のBGMでも使われているため、このリズムはわざわざ打ち込み直したものである*23ことが分かる。ひょっとすると、『Bayou Boogie』は、『Disco 2』のリズムを聞きながら作曲したのだろうか。
  • このゲームのサントラは流通数が非常に少ない上販売元のNTT出版も存在しないため、ゲームサントラトップクラスのプレミア価格(最低でも2万円台、場所によっては10万円台)が付いている。
  • 海外版の副題は"Diddy's Kong Quest"となっている。「ディディーの冒険」を指すなら"Diddy Kong's Quest"とすべきであるが、これは"Kong Quest"を"Conquest(征服)"とかけたジョークではないかと海外のプレイヤーの間で推測されている。
    • 敵の本拠地であるクレムリン島を攻略していくことを比喩したものと思われるが、主人公側にこのような悪役らしい表現を用いるのはなかなかにブラックである。
      ちなみにこの副題は日本版『ドンキーコングランド』でも見ることができる。
  • マリオのスーパーピクロス』同様「スーパーファミコンが4000円安くなるクーポン券」が同梱されている。
    上記作品のCMではそれに触れられず、本作のCMで初めて流されたのでこのクーポン券の同梱は「本作が初」のイメージが強い。
    • これは前年末発売された次世代32bit機プレイステーション、セガサターンの普及が急速に進み、任天堂の次世代機64発売(1996年6月)までの間、少しでもスーパーファミコンのシェアを延命するための苦肉の策*24だったが、この時点でスーパーファミコン自体が充分普及していたことと、そもそもそのソフトを買う時点でスーパーファミコンを持っていないという層など限りなくゼロに近いため、2つ目の本体など不要も同然なので実質意味のないものだった。
      • また有効期限を過ぎた1996年6月*25には、それを更に上回る値下げが行われたため、名実ともに意味のないものになった。
  • GBに『ドンキーコングランド』というタイトルでアレンジ移植されている。
    • コース設計はまったくの別物で、難易度もやや上昇している。GBとしての難点はあるが、GB版の前作『スーパードンキーコングGB』よりも操作性を向上させ、GBというハード制約に挑んだ意欲作である。
    • 詳細については当該記事にて。
  • 2004年にGBAでリメイクされた。
    • マップのグラフィックが新規のものになり、どこでもセーブできるようになるなど改良された点も多いのだが、音質の劣化や不自然な追加ボスのケロゾーンなど問題点も多い。
    • 詳細については当該記事にて。
  • 2007年10月23日から2012年12月7日の期間、Wiiバーチャルコンソールで配信。
    • 2014年11月26日より、Wii Uバーチャルコンソールの配信に合わせて、『1』『3』と共にWiiバーチャルコンソールで配信が再開された。
    • 2016年4月6日にはNew3DS向けにも配信。
    • 2020年9月23日に『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』で配信された。