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ウイナーズホース

【ういなーずほーす】

ジャンル レース・シミュレーション・実用予想
対応機種 ゲームボーイ
メディア 1MbitROMカートリッジ
発売元 メサイヤ
発売日 1991年9月20日
定価 4,000円(税別)
プレイ人数 1人
判定 良作
ポイント ビッグタイトルの競馬シミュレーションに先駆けた競走馬育成
妨害上等!妨害でスタミナを温存なエキサイトレース
予想モードは使い物にならない


概要

1991年9月にメサイヤが発売したゲームボーイソフトで実際の競馬レースゲームで同時に簡単な育成シミュレーションゲームの要素も持っている。
またオマケとして実際の競馬を予想する簡易予想のモードがある。


内容

  • メインのゲームモードである「レースモード」と、現実の競馬の予想を行う「予想モード」がある。

レースモード

  • 3歳の6月に始まり一頭の競走馬を育成しながら自身が騎乗してレースを行い6歳を終えるまでに賞金獲得10億円超を目指す。
    • 6歳を終えたときに10億円に達していればエンディング、20億円ならば真エンドになる。それに達せられなかったらバッドエンド。
    • セーブデータは4枠用意されている。
  • 基本的にこのモードでは賞金を稼ぐのが目的だが、賞金=スコアのような位置づけでしかなく後の『ダビスタシリーズ』に代表される競走馬育成シミュレーションゲームのように資金の概念はないため「資金が尽きてゲームオーバー」ということはない。
    • 調教で育成していくシステムだが上記作品のように調教での故障は発生しない。

基本の部分

  • 馬のパラメータは「スタミナ」「スピード」「パワー」「ダッシュ」の4通り。
    • スタミナ
      • スタミナの最大値で、これが上がるほど長い距離が走れるようになる。
    • スピード
      • 走るスピードの最高速度で、これが上がるほど速く走れる。
    • パワー
      • 登坂力や耐久力で、これが上がるほどムチ入れで体力の落ちが少なくなり、雨や坂などの悪条件に強くもなる。
    • ダッシュ
      • 加速力で、これが上がるほどムチ入れでスピードが上がりやすい。
  • 最初に提示される馬は下記6通り。
    • この中から1頭を選んで育成をはじめる。
スタミナ スピード パワー ダッシュ
候補1 8 20 6 6 スピード特化型
候補2 8 6 20 6 パワー特化型
候補3 10 10 10 10 バランス型
候補4 20 8 6 6 スタミナ特化型(最高速寄り)
候補5 8 6 6 20 ダッシュ特化型
候補6 20 6 6 8 スタミナ特化型(加速寄り)
  • 上記4ステータスの「スタミナ」とは別口にレース中の「スタミナ」という概念も存在する。これはゲージ方式で表示される。
    • これはムチを入れるほど消耗していき、カラッポになるとムチを入れても加速しなくなる。
    • そのため、これは「スタミナ」というより「エネルギー(燃料的な意味で)」に近いニュアンス。
    • なお、この残量は自動で回復はしないためレース後の状態が持ち越される。
      • ゲーム中ではどちらも「スタミナ」という表記がされているため本項目では「レース用スタミナ」と呼称するものとする。
  • レースは現実のレースをモデルとしているが、一部オリジナルのレースがある。
    • また現実のレースで牝馬限定戦は取り入れられていない。つまりプレイヤー馬は必然的に牡馬ということになる。
  • GIは無条件で出走できるものもあるが、基本的には出走条件に縛りがある。
    • 獲得賞金額が特定額以上、またはトライアルレースを勝利していることが条件。
GI トライアルレース・出走条件
皐月賞(4月2週) 報知杯弥生賞(3月1週) フジテレビ賞スプリングステークス(3月4週)
天皇賞・春(4月4週) 日経賞(4月1週) 産経大阪杯弥生賞(4月1週)
安田記念(5月3週) 京王杯スプリングカップ(4月3週)
日本ダービー(5月4週) 皐月賞(4月2週) NHK杯(5月1週)
宝塚記念(6月2週) 獲得賞金額5億円以上
天皇賞秋(10月4週) 毎日王冠(10月1週) 京都大賞典(10月1週)
菊花賞(11月1週) ラジオ日本賞セエントライト記念(9月4週) 神戸新聞杯(9月4週) 京都新聞杯(10月2週)
マイルチャンピオンシップ(11月3週) 毎日王冠(10月1週) 京都大賞典(10月1週) スワンステークス(10月4週)
ジャパンカップ(11月4週)
朝日杯3歳ステークス(12月2週)
スプリンターズステークス(12月3週)
有馬記念(12月4週) 獲得賞金額10億円以上

メインメニュー

  • ゲームは1週間単位で進行する。
    • 下記メニューから選択して日常の行動を行う。
  • レースをする
    • 当該週のレースに出走する。なおこの項目の前に「〇」「×」が表示されているのは、これは当該週に出走できるレースがあるか否かを示している。
    • これを選択すると開催されるレースが表示される。なお、この時にも「◎」「〇」「×」があり「×」は出走条件に合わないため選べない。
      • 「◎」は後のGIのトライアルになっているレース。このレースで勝つことで後々GIに出走できる。
    • 出走させるレースを選ぶと最初にレース条件が提示される(下記)。ここで「出走する」を選ぶことでレースへ進む。
      • 天気……………「晴れ」=「曇り」<「雨」<「嵐」とあり、後者ほどパワー値が必要となる。
      • グレード………「くさ」*1「GIII」「GII」「GI」の4段階あり、当然後者ほど賞金が高い。
      • コース…………「芝」か「ダート」か。ダートの方がパワーの影響を受けやすい。
      • 場所……………「東京」「中山」など競馬場の所在地。
      • 距離……………レースの距離で1200mから3800mまである。
      • 賞金……………1着から3着に入ると貰える賞金額(新馬戦や未勝利戦では2着3着は0万)。
  • トレーニングをする
    • 「じぶんでする」を選ぶと「スタミナ」「スピード」「パワー」「ダッシュ」いずれかを選んで1上げることができ、そのまま翌週へ。
    • 「トレーナーをやとう」を選ぶと4週間パスすることになるが「スタミナ」「スピード」「パワー」「ダッシュ」どれかを一気に4上げるか、4種類をすべて1ずつ上げるかを選ぶことができる。
      • また、この場合「レース用スタミナ」もマックスまで回復できる。つまり後述の「休憩をする」の効果も兼ねることになる(実質「じぶんでする」4回+休憩の5週分の効果が4週の消費で得られる)ためこちらの方が効率が良い。
  • 休憩にをする
    • 休んで「レース用スタミナ」をマックスまで回復する。
  • 持ち馬のデータ(進行しない)
    • 現状のステータス4通りと、レース用スタミナの残量、獲得賞金額、勝ち鞍数を見ることができる。
  • レーススケジュール(進行しない)
    • 当該週から3週間後までのレース開催状況を見ることができる。
    • レース名にあるマーク「◎」「〇」「×」は上記「レースをする」と同じ形式で表示される。
  • タイトルにもどる(進行しない)
    • いわゆる「セーブして終了」のようなもの。
    • 意味がないように思えるが、これをせずに終了(リセット・電源OFF)すると事前のトライアルに勝ってGI出走権を持っていても再開時には無効になってしまう。
  • なにもしない
    • 何もせず1週間をパスする。

レースについて

  • レースは常に5頭立て。
  • 前述通り、ムチを入れると「レース用スタミナ」が消耗するのだが、スクロールに押された時も大きく消耗する。
    • ただし他馬に押されて進む分には「レース用スタミナ」は消耗しないのでこれを利用して消耗を抑えるのがカギとなる。
  • 競馬場特有の坂は「<」「>」で表示され、進行方向に向いていれば下り坂、反対ならば上り坂ということになる。
    • 当然、上り坂でムチを入れる方が「レース用スタミナ」の消耗が大きい。
  • ゴール前400m、200m、100mになると「4」「2」「1」の標識がコース脇の策に出てくる。
  • レースが終わると勝った場合はプレイヤーと馬が喜び、勝たない(1着以外)ではガッカリしてトボトボ歩いてくる。
    • 負けた場合、簡単なアドバイスが入る。

予想モード

  • 現実の競馬のデータ(下記)を入れて簡単な予想を行うモードでゲーム的な要素はない。
    • 対応しているのは中央競馬のみ。

入力するデータ

+ 入力するデータの詳細

基本的には当時の中央競馬基準に基づいた形になっている。

  • レースの格付け
    • 「GI」「重賞」「特別・平場」「新馬・未勝利」から選択。
      • 「GI」の場合、具体的なレース名を選択。
  • 出走頭数
    • 5~20頭まで。
  • 単枠指定
    • 「あり」「なし」を選択し「あり」の場合、その馬の枠番を入力する。
  • 馬場状態
    • 良、稍重、重、不良から選択。
  • 競馬場
    • 中央競馬10場から選択。
  • 距離
    • 1200m~3600mの中から選択。
  • コース 芝またはダートを選択。
  • 負担重量
    • レースに負担重量区分で「定量」「別定」「ハンデ」から選択。
      • 「定量」の場合、負担重量はコンピュータは自動的に決定してくれる。

出走馬データ

以下は出走する馬の頭数分入力することになる。

  • 馬齢
    • 3~8歳から選択。
  • 性別
    • 牡か牝かを選択。
  • 負担重量の前との上下幅
    • 「+3」~「-3」で選択。
  • 騎手実績
    • A~Eで選択(Aが上位)。
  • コースとの適正
    • A~Eで選択(Aが上位)。
  • 馬場状態適正
    • 「◎」「〇」「△」から選択。
  • 格付け
    • A~Eで選択(Aが上位)。
  • 最近の実績
    • A~Eで選択(Aが上位)。
  • 過去の実績
    • A~Eで選択(Aが上位)。
  • 調教の実績
    • A~Eで選択(Aが上位)。
  • 体重の増減
    • 「~-10(10kg以上減)」「-9~+9(±9Kg以内)」「+10~(10kg以上増)」から選択。
  • 休養
    • 「0~3ヶ月」「3~6ヶ月」「6ヶ月~」から選択。
  • '''脚質'
    • 「逃げ」「先行」「差し」「追込」から選択。
  • 「A~Eランク」の基準は、補助説明書に同年5月19日行われた「第52回オークス」をベースにして例が示されている。
  • データを入力し終えたら「予想を見る」で予想結果を見ることができる。
    • 展開を「普通」「ハイペース」「スローペース」から選択し、それぞれケースに応じて「枠制」「馬番制」から予想結果が出される。
    • デモレースのようなものはなく単純に予想した結果を表示するのみ。

評価点

  • レースの操作方法は非常にシンプルでわかりやすい。
    • ファミリージョッキー』のようにエネルギー消費の形式で、叩くと消費してスピードを上げるというのも直感的。
      • また、ぶつかってスピードを上げることこそできないものの前に出て他馬を利用して押してもらうことで「レース用スタミナ」を節約できるなども、すぐ飲み込めてなれることができる。言うまでもなく実際の競馬では進路妨害の失格行為だが………
    • また画面構成も簡素なので、ゲームボーイ特有の小画面による弊害も少ない。
  • 育成システムもシンプルで飲み込みやすい。
    • それぞれのパラメーターの意味も分かりやすく、またトレーナーを上手く起用することで1週間分の節約になるなどシンプルな中にも計画性が求められる。
      • もちろん、これを使わなくてもそこそこ渡り合えるレースはできるので楽しみながら徐々に慣れていける。
  • クリアーするレベルはそれほど高くない。
    • 10億円程度なら6歳までの3年半あれば、そこまで難しくない。
    • ただそれでいてさらに上を目指すとなると一気に難しくなるため、やり込みとして機能している。
  • 上記の理由からお手軽に育成し、ゲームボーイらしく持ち運んで遊ぶことを趣旨としたゲームボーイに向いている。
  • 初の競走馬育成シミュレーション。
    • 簡素ながら競走馬の要素をしっかりとらえている。
    • 競馬シミュレーションといえば現在では、その代表格ともいえる『ダビスタシリーズ』の1作目『ベスト競馬 ダービースタリオン』はこの同年12月に発売されたのだが、それに先んじた先見性。
      • また、本作はそこまで本格的なものではないため、それらの強みを壊さない範疇にとどまっているため、この簡素さが独自の強みになっている。
  • 競馬場の様々な特徴。
    • 坂道があったり直線やコーナーの距離やその角度など、ちゃんとした個性があり決して「1パターンの使いまわし」などではない。
      • 特に坂道の概念に至っては後に多数出てくるスーパーファミコンソフトの競馬系ゲームでも取り入れられていないため特にシステムの優秀さを感じる部分。
  • 高クオリティのBGM。
    • BGMの作曲は岩垂徳行氏、編曲・サウンドドライバ製作は崎元仁氏が担当。カントリー調の明るいBGMがゲームを盛り上げてくれる。

問題点

  • GI以外の長距離レースの価値が相対的に低い。
    • 「レース用スタミナ」はそのまま持ち越されるため、短距離の方がたくさん残せるため連闘などがしやすくコスパが良い。
      • このようなシステムならばGI以外は長距離レースの賞金を優遇しても良かっただろう。
    • また東京競馬場はゴール前が上り坂なので、上り坂でたたき合うことになるため「レース用スタミナ」をガッツリ消耗しやすい。そういう意味では、これも避けた方が無難だろう。
  • ステータスの中でスタミナが不遇。
    • ポジショニングさえできれば前述通り他馬を利用して節約できるため、それだけで長距離もそこそこのスタミナで乗り切れることがある。
    • またムチ入れで消耗する「レース用スタミナ」はパワーを上げれば消耗を抑制できるため、そういう意味では被り気味。
  • 予想モードの難点
    • まず対応できていないデータがある。
      • センに対応していない。
        センとは「気性が非常に悪い難点を抱えており、その矯正のために去勢を施した牡馬」で、その悪影響も決してゼロではない。実際当時センがGIを制した例はなく(後の1993年のジャパンカップでレガシーワールドが初制覇)ダメ馬の指標のような一面もあったので、これを牡と一緒に扱うのは懐疑的。
      • 距離の下限が1200mで1000mに対応していない。この距離はレアでもなんでもなく、3歳デビューシーズンの新馬戦や未勝利戦などではこの距離で行われることが多い。
      • 馬齢も3~8歳で9歳以上に対応していない。なお当時現役9歳馬はそこそこ存在しており発売直後の1991年10月27日に行われた天皇賞にも出走したプレジデントシチーはそれなりに有名。
        これも「9歳以上は8歳と一括りにしろ」という前提かもしれないが、8歳はピークこそ過ぎながらもそこそこ健闘程度は期待できるのに対し9歳以上ともなると、さすがにそれすら相当苦しいのでその差は無視できない。
    • 予想モードの基準がややこしく、中には「Aランク」など一度脳内変換という手間がかかる。

総評

基本は自分で馬を駆ってレースをするゲームで、当時『ファミリージョッキー』に代表される競馬レースゲームながら育成シミュレーションのような要素も取り入れ、馬を育成していくという順当な発展形。
ステータスも1つ1つが非常にわかりやすい内容で、これまで前例のないシステムながら迷いにくく初心者でも理解しやすい形で構成されている。レース構成も再現性ととっつきやすさのバランスが取れている。
また競走馬を育成するシステムは、後に一大ブームとなるあの『ダビスタ』に先駆けて導入で、後々からの見方にはなるが先見性がみられる。また「レース+育成」のスタイルは直後に急増した競走馬育成シミュレーションとも被らない独自性として成り立っている。
直後スーパーファミコンで競馬系ゲームは育成シミュレーションにしてもレースにしても様々なソフトが多数発売され埋もれてしまった感はあるが、ゲームボーイでこれだけ完成度の高いゲーム性を実現したことそのものが称賛に値するだろう。
もちろんゲームボーイ特有の「基本的に持ち運んで手軽にプレイする」というプレイスタイルとも相性が良い。


余談

  • 説明書によると、距離についても説明が「1200m~3600m」となっているが現実では「ステイヤーズステークス」の3600mが最長だがゲームでのオリジナルレース「メサイヤカップ(GIII)」が3800mなので厳密には「1200m~3800m」である。
  • 本作の補助説明書に「※18歳未満は馬券を買えません。」という注釈があるがこれは間違いで正しくは20歳未満である。酒・タバコ・ギャンブルは一括りなので、そう考えれば間違うようなものでもない*2
    • おそらく単純に日本人にとって最もポピュラーなギャンブルというイメージのパチンコと混同したものと思われる。なおパチンコは法的にはギャンブルという扱いではないので「18歳以上」という独自の区分を持っているといった方が正しい。
  • この当時、日経賞や阪神大賞典は春の天皇賞、スワンステークスはマイルチャンピオンシップなどGIの前哨戦的に扱われていたが、あくまで「慣らしのステップレース」という意味でしかなく優先出走権が与えられるトライアルなどには指定されていなかった。
    • だが後の2014年、現実のJRAでもこれらは正式にトライアルとなり、それを得られるのは1着のみとまさしく本作の独自設定は現実のものとなった。
  • 予想モードにはレース名も当時のまま収録されているのだが、それまで行われていた東西別の3歳チャンピオン決定戦の位置づけだったGIの「阪神3歳ステークス」(阪神)「朝日杯3歳ステークス」(中山)は、この1991年から阪神の方は「阪神3歳牝馬ステークス」になり朝日杯の方は名前こそそのままだが牡・セン限定(牝馬のみ不可)になった。
    • つまりそれまで東西別だった3歳チャンピオン決定戦は「牡馬(セン含)は東で、牝馬は西で」という形で分けられた格好になった*3
      • このようなリニューアルを認知できなかったのか本作では旧来通り「阪神3歳ステークス」のままになっている。
    • また「単枠指定」も1991年10月から馬番連勝馬券が導入されたことでそれに伴って制度そのものが廃止となりこの年のセントライト記念(中山・9月22日開催)が最後となった。
      • 本作発売は9月20日で以後の9月内開催のレースでは他に単枠指定が発生しなかったので本作の単枠指定が活かせたのは結果的に上記1レースのみとなった。
最終更新:2026年03月01日 23:07

*1 「くさ」とは俗にいう「一般競走」「特別(条件・オープン)」を指している

*2 2202年4月から成人年齢は18歳に引き下げられたが、これらが20歳以上からなのはその後も変わらない。

*3 西の3歳チャンピオン決定戦としての「阪神3歳ステークス」時代は牝馬の勝利は少なかった。反面テンモンのように牝馬が朝日杯3歳ステークス(1980年)を勝った例もある。