キミの勇者
【きみのゆうしゃ】
| ジャンル | キミだけのファンタジーRPG |  
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| 対応機種 | ニンテンドーDS | 
| メディア | 1024MbitDSカード | 
| 発売・開発元 | SNKプレイモア | 
| 発売日 | 2008年10月23日 | 
| 定価 | 5,040円 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 無難にまとまったオーソドックスRPG | 
 
概要
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1日30分で遊べる本格RPG!というコンセプトで作られた作品。
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これは1話あたりの時間が30分ということであり、話自体は全部で25話まである。
 
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SNKプレイモアがニンテンドーDS参入時に発表したタイトルの一つで、『どきどき魔女神判!』と同時に発表された。
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また本作はSNKプレイモア初のRPG作品でもある。
 
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プロデューサーは『ティンクルスタースプライツ』や『どきどき魔女神判!』シリーズの松下佳靖氏。
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パッケージ絵やキャラクターデザインはどきどき魔女神判シリーズと同じ藤ノ宮深森氏であり、人を選ぶかもしれない。
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本作の構想自体はPS2版『ティンクルスタースプライツ』の時期からあり、本作用にデザインされたキャラクターの一部をそちらに流用している。
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声優陣もどき魔女と同じくオフィスCHK所属の声優で固められている。
 
特徴
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ストーリーの大筋は、伝説の勇者が仲間とともに魔王を倒しに行くというどこかで聞いたようなものなのだが、王道的というわけではなく終盤に行くに従いそれとは少し違った展開を見せる。
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そもそも、主人公が勇者に従う従者の女の子という点からして変わっている。
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他にもオーソドックスなRPGを茶化したような単語が見られる。
 
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また、ストーリーの進行に応じて選択肢が現れ、選択に応じてその後の展開が少し変わったり、経験値がもらえたりする。
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一部のイベントにおいては、ストーリーピースと呼ばれる一枚絵が用意されており、直前の選択に応じて見れる絵が変わる。
 
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本筋以外にも、寄り道要素としてクエストが用意されている。
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また、ゲームクリア後には隠しダンジョンが出現し、本編ではゲストキャラ扱いの某キャラが(このダンジョン限定で)正規の仲間として加わる。
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仲間は全部で10人おり、そのうちの4人を戦闘メンバーとして選び戦闘を行う。
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いくつかのRPGに見られるような、絶対にいなければならないメンバーというものはないので、自由にパーティーを組める。
 
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戦闘はオーソドックスなコマンド選択式で、武器を用いた通常攻撃のほかあらかじめ3つまで星技(セイギと読み特技や魔法に相当)をセットしておき攻撃を行う。
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この時各キャラが選択した攻撃の組み合わせによって、連携攻撃に発展したりもする。
 
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ニンテンドーDS用ソフトにしては珍しく、タッチペンを必要とする要素は一つもない。
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タッチペンを利用したパズルなども一切ない。「コマンド入力式なので無理に使わせる必要はない」というプロデューサーの判断によるもの。
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一応タッチパネルを使っての操作もできるが、ボタンを使っても同様の操作ができるのでどちらを使うかは気分次第である。
 
評価点
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少し王道ずれしたストーリーの大まかな部分に関しては割と好評であり、特に終盤からエンディングにかけての流れは評価は高い。
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任意でやるクエストも様々なキャラが関わり、一つ一つが独自のストーリーを持ちやる楽しみがある。
 
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1話は本当に30分で完結する。
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30分の中にもちゃんと起承転結が付けてあり、さらにはダンジョンの探索とボス戦までこの時間内に含まれている。
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ただしこれは本筋にかかる時間のみであり、クエストをやると当然30分では終わらない。(クエスト込みで約1時間程度)
 
 
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DS特有の2画面を使った戦闘において、小さなキャラクターが上に下に動くさまはなかなか可愛らしい。
問題点
会社初のRPGということもあってか、いろいろと詰めの甘さが見られる
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クエストは各町で請け負えるものが決まっているため、請けるためにはいちいち以前に行った町に戻らなければならず、面倒である。
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しかし、終了後ギルドに報告に行く時は何処の町のものに向かってもいい。どうなっているんだ。
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また第15話のクエストはその話の長さ上(出発した砦に戻ると勝手にイベントが進み、ボスを倒すと第15話終了)見逃しやすい。
 
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ダンジョンはそれほど長くはないのだが、あまりうまく練られておらずどれも同じような四角い形をしており、面白みがない。
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さらには歩くのが遅く、エンカウント率も高めなので、イライラさせられる。
 
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戦闘に関しては、エフェクトがしょぼい上に難易度が低い。
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ただ単に簡単なだけならいいのだが、敵は無駄にHPが多く時間だけかかる(特にボス)。
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連携を決めれば爽快ではあるが、発動はランダムで発動率もあまり高くない(一人チェインするごとに75%)。
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特定の連携で出せる覚醒星技の演出は割と気合が入っている。
 
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「星書」(魔法や技を使えるようになる書物)も1人最大3個までしか持てず、補助魔法などは持つことが困難で役に立ちにくい。
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ストーリーも大筋はいいのだが、テキストが拙くときどきイライラさせられる。
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また、物語の中盤で昔のRPGに良くありがちな「目的のために手段を見失う」様な遠回りをさせられる事もあった。
 
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ストーリーピースは選択肢によって二種類のうちのどちらかを入手できるというパターンが多いが、データ引き継ぎで周回プレイはできないので片方しか埋まらない。
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全て埋めるにはデータを2つ以上作る必要がある。
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ただし、獲得したストーリーピースの組み合わせが隠しダンジョンで入手できるあるアイテムに関わってくる。
 
総評
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会社初のRPG作品ということもあってか、いろいろと詰めの甘さが散見される作品ではある。
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しかし、全体としては大きな破綻もなく一個の作品としては無難な出来である。
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本作は名作でも良作でもないが、完全新規に作られたRPGとしては十分に評価できる作品ではある。
余談
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本作は市場供給量の少なさゆえか、2022年現在で中古価格が定価以上に高騰してしまっている。
最終更新:2022年07月05日 00:00