【しんさんごくむそうふぁいぶ えんぱいあーず】
ジャンル | タクティカルアクション | ![]() ![]() |
対応機種 |
プレイステーション3 Xbox 360 |
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メディア |
【PS3】BD-ROM 1枚 【360】DVD-ROM 1枚 |
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発売元 | コーエー | |
開発元 | コーエー(オメガフォース) | |
発売日 | 2009年5月28日 | |
定価 | 4,800円(税別) | |
プレイ人数 | 1~2人 | |
レーティング | CERO:B(12才以上対象) | |
廉価版 |
【PS3】 PlayStation3 the Best:2010年11月18日/2,800円 同・価格再改定版:2012年7月12日/1,800円 ※全て税別 |
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配信 |
【360】 ゲームオンデマンド:2011年8月23日/2,800円 ※全て税別 |
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判定 | なし | |
ポイント |
「連舞システム」に大きく手を加えられ別ゲーに 君主以外の身分による全武将プレイが導入 |
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無双シリーズ |
一騎当千の無双アクションとコーエーが元々得意としているシミュレーションゲームの要素を融合させたスピンオフである『
本作はタイトルの通り、『真・三國無双5』のゲームシステムをベースに作られている。
従来の『Empires』はプレイヤーは自勢力の君主として、天下統一を目指すスタイルでのプレイとなっていたが、本作では新たに1人の武将として仕える主君の覇道を支えるスタイルのプレイが可能となっている。
従来のスタイルを「君主編」と、本作から新たに追加されたスタイルは「武将編」とされており、そのいずれでもない状態である「在野」も追加された(*1)。
プレイ中、プレイヤーは自由にその立場を変えることが出来るが、在野と武将編から君主編に移行するためには旗揚げ戦を起こして、それに勝利する必要がある。
これらの仕様により、本作ではプレイヤーが選んだ1人の武将視点のプレイが基本となるため、本項では説明する上でプレイヤーがプレイ開始時に選択した、言わばそのプレイでの主人公とも言える武将を指して「プレイヤー武将」と表記する。
アクションパートで操作する武将のことを指す時は「操作武将」と表記するが、システム上、必ずしも「プレイヤー武将」=「操作武将」とはならない。
些か解りづらくなってしまっているが、ゲームシステム上やむを得ない部分なのでご容赦願いたい。
合わせて、本項では『真・三國無双5』を「無印」と、『真・三國無双5 Special』を「SP」と、両タイトルに関連する事項を「本編」と略記し、同様に以降『真・三國無双』シリーズの他作品に触れる際は基本的に『真・三國無双』の部分は省略して記載する。
なおPS3/360、そしてPSPに発売されているタイトルであるが、本項内で操作方法に直接触れる際はPS3版デフォルト設定準拠の記述をするのでこちらも合わせてご容赦願いたい。
本作では君主編と武将編(と在野)が存在しているのは前述した。
ゲーム開始時にプレイヤー武将を選択する際、5つあるシナリオ(「黄巾の乱」「官渡の戦い」「赤壁の戦い」「三国鼎立」「乱世」)に応じて立場が武将それぞれに設定されている。
例えば、趙雲の場合は黄巾の乱と官渡の戦いでは開始時は在野であり、赤壁の戦いと三国鼎立では武将(劉備配下)でプレイを開始することになる。
また、没年不詳ではなく、そのシナリオの年代に既に死去している事が確定している武将は登場すらせず(*2)、逆にその年代には生まれていない、あるいはまだ幼年期である武将は例外なく在野として開始する。
乱世は他と異なる演義や史実の要素を無視した完全ランダムの仮想シナリオであるため、全ての武将が開始時に君主でプレイを始めるか、在野としてプレイを始めるかを選択出来る。
乱世以外のシナリオで君主の立場の武将をプレイヤー武将として選択した場合、その武将の配下につく武将も自動で決まるが、乱世に限っては君主でプレイすると決めた後で最大3人まで配下として引き連れたい武将をプレイヤーの任意で決めることが出来る。
なお、本作のエディットモード(詳細後述)を利用して作成したエディット武将をプレイヤー武将とする場合、乱世以外の全てのシナリオで在野からのスタートとなるが、乱世のみ他の武将同様に君主か在野かを選択することが出来る。
これらはあくまで開始時の立場が決められているだけであり、開始時に武将(配下)であったからといって、ずっとその君主に仕えるプレイを強いられるわけではないし、逆に開始時に君主だからといって君主としてのプレイを強いられるわけでもない。
配下としてゲーム開始した後でその君主を裏切り、別の君主に仕えてもいいし、旗揚げして自らの覇道を邁進しても構わない。
逆に君主編は武勲(経験値)や後述の武器の強化に使う財宝を手に入れやすいのを活かし、君主でゲーム開始してある程度武勲や財宝を手に入れたところで、野に下って別の武将に仕えても構わないのである。
あくまでそれぞれの立場でのクリア条件さえ満たせば、そこに至るまでの手段は全く問われない。そういう意味では自由度の高いシステムであると言えるだろう。
君主
+ | 長くなるので、クリックで展開 |
武将(配下)
+ | 長くなるので、クリックで展開 |
在野
上記のいずれでもない状態。
大陸を行動力を消費して自由に移動出来、武将編同様に討伐戦闘をこなして武将を育成出来る。
しかしこの状態のままではゲームをクリア出来ないので、最終的には既存の勢力に仕官して武将編か、旗揚げ戦を起こして君主編に移行する必要がある。
なお、君主編・武将編共に任意のタイミングで野に下って在野状態になることが出来る。
もちろん、その場合はそれまでに支配した領土や階級なども全て投げうって行うことになるので、行う時は慎重に。
他勢力の侵攻によって支配領土が無くなってしまった場合も君主編・武将編共に在野状態になる。
これにより、本作ではいずれかの他勢力が天下を統一するか、ゲーム内時間が300年に到達しなければゲームオーバーにはならなくなった。
ちなみに、君主編の時に野に下る場合は、それまで支配していた領土は残った勢力がそれぞれ分け合う形になる。
そのため、自勢力の他に残っている勢力が1つしかない状態で野に下ってしまうと、その時点で残された勢力が領土を全て手に入れてしまい、そのまま統一となってゲームオーバーとなる。
…普通はそんな状況で意図的にはやらないし、野に下る前に引き連れる武将を選ぶ画面が挟まれるので、操作ミスの可能性も無いだろうが。
※『Empires』と本編の根本的な面(内政要素など)の違いにまで触れるとキリが無いので、変更点は主にアクションなどのシステム面などにとどめる。
連舞ゲージ廃止
既存アクションの主な変更点
武将の追加
属性が一部の攻撃を除いて基本的に乗らなくなった
軍馬関連の仕様変更
拠点の仕様変更
奇襲の仕様変更
特殊技の仕様変更
新ステージの追加
エディットモードの大幅強化
エンディング編集の追加
敵の群がり具合
新規BGM
充実したエディットモード
武将編
2周目以降の引き継ぎ
トロフィー・実績の取得が簡単
内政の戦略性がほとんど無い
アクション面
「旋風回避」が優秀すぎる
「特殊技」が優秀すぎる
戦略性の低下
特に批判が集まっているガード関連のシステム変更。
シナリオが実質形骸化している
副将が更に増加した
イベントの大幅な削除
ログ蓄積によるゲーム進行遅延
その他
『Empires』シリーズとして見た場合、武将編という君主プレイとは異なるプレイスタイルが登場し、在野・配下・君主としての立場をいつでも比較的自由に切り替えられる点は新たな楽しみ方として評価出来る。
ただ内政部分は非常にシンプルなものになっており、それを良しとするか否かは賛否が分かれるところ。
エディット関連システムが過去作に比べ大きく充実したことは大きな魅力であり、これは以降のシリーズでよりカスタマイズ性の強化を重ねながら受け継がれることになる。
「『真・三國無双5』の亜種の(タクティカル)アクションゲーム」として見た場合、『5』本編と比べ連舞システムの根本的変更など大きくアクション性が変わっており「簡単操作で一騎当千の爽快感」を得るという意味では一定の効果を得ているとも言えるが、最早同じシステム名を冠した別物となってしまっており、本編で連舞システムを好み、発展を望んでいたプレイヤーからは大変な不興を買うことになった。
【しんさんごくむそうふぁいぶ えんぱいあーず】
本作でもSP同様にPSP版が発売されている。
ステルスの問題
激しいステルスやPSP版固有のバグの問題もあって「ゲームとして楽しめない(ゲームになっていない)」などとして非常に不満や批判意見が強く噴出している作品となってしまっている。
*1 正確に言えば、在野は武将編に含まれる。ここでは仕様上、下記で説明する仕官している状態(武将)と差異があるため別物として記載している。そのため、「在野編」でないのは元々の「在野は武将編に含まれる」という仕様によるものであるのでご了承願いたい。
*2 例えば西暦197年に起こった「宛城の戦い」で戦死した典韋は、西暦184年に起こった黄巾の乱には登場するが、西暦200年に起きた官渡の戦い以降のシナリオには登場せず、プレイヤー武将として選択することも出来ない。従って、黄巾の乱以外では年代などを完全に無視した乱世にしか登場しない。
*3 それぞれの武将が軍略カードと軍議カードを1枚ずつ持っている訳ではなく、あくまでそれぞれの武将が持つカードが軍略カードか軍議カードかに分類される。
*4 仕組みは『3Empires』に近いが、こちらは将軍・準将軍の区別はされていない。
*5 固有のモデルと武器モーションが存在する武将。
*6 公式にこの仕様に関する理由などの説明はないが、ユーザー間ではメモリ容量の問題等と言われている。なお、同盟を結んでいる状態では最大2名援軍が来てくれることもあるため、その場合は6名となる。
*7 固有のモデルやボイスを持たない汎用キャラクターのこと。
*8 後述する侵攻戦で発動出来る火計の他、強攻撃中に相手の攻撃を耐えられるようになったり、侵攻戦で操作武将の攻撃力がアップし、更に無双ゲージが時間経過で徐々に回復する効果など。
*9 説明する上での便宜上、「方針」としているが、実際はプレイヤー武将に特定の効果をもたらすというものであり、次の軍議までの行動が制限されたり等はしない。
*10 状況によっては侵攻戦ではなく、討伐戦闘の中の1つを言い渡されることもある。なお、ここで討伐戦闘の中の1つを言い渡された場合、それをこなしてもあくまで「任務戦闘をこなした」に過ぎないため、討伐戦闘の内の同じ戦闘をクリアしたとは見なされない。また、任務とは別にイベントとして、こちらに有利な特別条件が付与される侵攻戦が発生することもある。
*11 これは軍議で行うものではなく、「主君が帝位に就くイベントの発生フラグが立った」というもので、別途帝位就任のイベントを発生させる必要がある。
*12 一部は行動力を2必要とするため、その行動を行った場合は1月に1回しか行動出来ない。
*13 無印および本作(PSP版除く)では周辺一定範囲内に敵がいない場合、NPCの武将や兵士は通常とは異なるニュートラルモーションを取る。通常は武器を構えて臨戦態勢を取るのだが、待機モーションは一転して寛いでいるかのようなものとなる。なお、兵士達は逆に待機モーションで他の兵士達と共に整列する。
*14 一定時間、移動がダッシュ移動となり、移動しながらの攻撃が神速専用の攻撃モーションに変化する。
*15 対象になるのは主に演義や史実で軍馬にまつわる逸話がある武将。一例として、劉備と契りを交わしている場合は的蘆。
*16 『5』の拠点は内部で一定数の敵を倒すことによって制圧出来る。倒した守備兵1人に付き拠点耐久力1、拠点内に点在する副長で20が減少。ただし拠点の支配権を持つ勢力の武将が内部に進入すると、その間はその武将の保有している兵数分、耐久力が一時的に上昇する。
*17 本編では耐久力上限が200ある拠点は城などのかなり大規模な拠点であり、大抵の拠点が上限30~60位である。
*18 マップで色が青になっている場所。逆に赤になっている場所は敵軍の支配エリアである。
*19 スタートボタンで見られるマップにおいて自軍の兵站線と敵軍の兵站線が隣接している拠点ではなく、敵軍の兵站線だけで繋がっている拠点のこと。
*20 この特殊技自体は周囲に炎を巻き上げるというものなのだが、これを拠点内で使用した場合はその拠点に引火して拠点を燃やす効果が付与され、その拠点にいる相手将兵の体力を時間で徐々に削っていく。この際、引火した拠点が敵軍の支配する拠点だった場合は、その拠点の守備部隊は動揺して攻撃が出来なくなる他、内部に敵軍団長がいた場合、その軍団の戦意を火計が有効である間は最低の恐慌状態とすることが出来、戦力を削ることが出来る。逆に自勢力に対しても然りである。
*21 つまり、3番目の条件の場合、開始直後に敵拠点に侵入して火計を発動させ、時間経過で火が収まった後で再度同じ敵拠点に侵入しても、それがたとえ戦闘開始から6分以内であったとしても火計は発動しない。
*22 作中で漢中自体は存在しているのだが、使われるマップは本編の定軍山のものとなっている。
*23 もっとも、蔡文姫は彼女を依頼主とした専用の討伐戦闘でのみの登場となるため、仮に有名武将を4人出撃させていたとしても、有名武将は彼女を入れて最大で5人となるので、彼女が人数制限で出られなくなることは起こりえず、水滸伝を元ネタとした武将などは基本的に討伐戦闘の敵としての登場となるので、ほとんど影響があるのは味方として登場する董白だけとしても差し支えない。
*24 季節ごとにアレンジされた曲が流れる。春は「I.AZURE DRAGON」、夏は「II.RED BIRD」、秋は「III.WHITE TIGER」、冬は「IV.BLACK WARRIOR」が曲名の後ろにつく(例:冬なら「SEASONS IN CHINA IV.BLACK WARRIOR」となる)。ちなみに春から順に青龍、朱雀、白虎、玄武と中国神話の四神を副題にしている。
*25 実際、逆にエディット武将が大幅に冷遇された『戦国無双3 Empires』では強い批判意見が噴出した。
*26 エディット武将を用いて戦闘に勝利したときに獲得・解禁出来るものは作成したエディット武将の内の1人を使って戦闘に勝利すればよい。トロフィーの獲得および実績解除という意味では、複数のエディット武将を使って勝利する必要も無ければ、それをするメリットも無い。
*27 過去作品の斬属性にあたり、敵武将には防御無視の大ダメージを与え、敵兵は一定確率で即死させる。ただし、ランダムで入手した武器に付与されていることがあった本編と違い、本作でこの武器効果を付与させるためにはかなり高額な費用と相当数の素材を要するため、簡単には付与させられなくなっている。
*28 効果を要約すると一部を除いた攻撃のヒット数を一定時間増加する。
*29 あくまで君主編であれば良いので、アクションパートでプレイヤー武将を操作していなければ捕縛出来ないわけではなく、プレイヤー武将以外の配下武将を操作武将にしても一定確率で捕縛は発生する。
*30 PSP版では包囲戦自体が削除されている関係で、使った月の侵攻戦および防衛戦での敵武将の捕縛成功率そのものを大幅に上げる効果に強化された。
*31 本作においては義兄弟や夫婦の契りが史実で血縁関係がある者とは結べないといった制約はあるが…。
*32 本作の侵攻戦は敵の本陣を落としても勝利とはならず、あくまでも敵の総大将を撃破しなければならない。過去作では他勢力の本国(君主がいる領土)に攻め込まない限りは敵の本陣を落とせば勝利となり、本国に攻め込んだ場合は君主を撃破すれば勝利となる。
*33 例えば、何分も前に既に奇襲を仕掛けてかつその拠点を制圧しているにもかかわらず、ログが溜まっているせいで数分遅れて操作武将の奇襲成功時の台詞とそれに対して動揺する敵拠点兵長の台詞、更には操作武将が奇襲を仕掛けたことを伝える戦況メッセージが挟まれたりもする。
*34 SP版が貂蝉の強攻撃5の衝撃波のエフェクトを使用しているが、本作では甘寧の強攻撃5に近いエフェクトになった。
*35 ただし、水中からジャンプした後でジャンプ強攻撃を繰り出した場合はPS3/Xbox360版のように水中に入ったところでキャンセルされず、そのまま攻撃を行うことが出来る。また、軍馬に騎乗していれば問題なく攻撃可能。