聖戦士アマテラス
【せいせんしあまてらす】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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アーケード
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開発・販売元
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日本物産
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発売日
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1986年6月
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配信
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アーケードアーカイブス 【PS4】2016年3月11日/800円 【Switch】2022年6月23日/838円(税込)
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判定
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なし
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ポイント
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ゲームそのものよりもインストカードが有名
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概要
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縦スクロール型全方位STG。1レバー2ボタン即死制。
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西暦13000年、脱獄者捕獲の命を受けた女戦士アマテラスが、脱獄者たちの逃げ込んだ惑星に降り立った。そこは怪物やサイボーグが跋扈するかつての地球だった。
システム
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任意スクロール。上方向にキーを入れる事で上へスクロールしていく。
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ショットボタンでショットを発射する。ショットはレバーを倒した方向に撃つことができるがキャラの移動とは異なり、16方向に撃つことができる。
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ボムボタンで「タイムボム」と呼ばれるボンバーを発射する。
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「タイムボム」はいわゆるボンバーに似たような性質を持つサブウェポンで、最大3発まで持つ事が可能。
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タイムボムは投げて爆発させる事で、時を止める事ができ、敵の動きを止められる。
ザ・ワールド!
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範囲は狭いものの、ボムの爆風自体にも攻撃力があり、障害物も貫通する。
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但し、
爆発させないと効果を発揮しない
。従って、画面端に向かって投げてしまうと爆発せずに無駄にボムを消費するだけな点は注意が必要。
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パワーアップアイテムが二種類ある。
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Pアイテム。取得する事で女戦士のショットがパワーアップし、敵弾を一発防ぐ鎧を装着する。
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被弾するとショットもパワーダウンする。道中では割合大量にPアイテムが出現する。
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但し、Pアイテムのある宝箱の中にはクモ形の敵が潜んでおり、自機に向けてネットを放ってくる。当たると自機の移動速度が遅くなる上に敵本体に触れれば当然ミス。
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さらにPアイテムを取るとタイムボムが3発もらえる。尚、上限は3発なのでこれを超えてのストックは不可。
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エアモービル。敵のエアーモービルを奪取する事で収得可能になる。この状態でPアイテムを取るとショットがパワーアップして強化状態になり、被弾も一発だけ防ぐ。
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ここから更にPアイテムを取るとエアモービルは戦車の如く装甲を纏い、一定時間(約10秒)無敵になる。無敵が切れると強化状態に戻る。
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脱獄者(後述)を捕まえる要素があり、捕まえると画面下の「CAPTURED」の値が増えていく。
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一定進行後ボス戦。エンディングなしのループゲーム。
評価点
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当時としては珍しかった、生身の女性が主役のSTG。
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なにげに『アレスの翼』(ただし2Pは男性)も同年である。
賛否両論点
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ステージ構成は平凡。悪く言えば単調。
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残機が増えやすく、Pアイテムが何個も出てくる上に取るとすぐに強くなれる、敵も一定のアルゴリズムでしか動かないこともあり、ゴリ押しが効きやすく難易度はやや低め。
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ボス戦は、パワーアップアイテムが出てこないため、こちらは難易度は高め。
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ボス戦クリア後にちょっとしたコーヒーブレイク画面を挟むが、「出てくる敵キャラが違うだけでパターンが一緒」という少々味気なさを感じてしまうところが惜しい。
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日本物産の吉田健志の手がけるニチブツサウンド。いつものニチブツサウンドとも言うべきキンキンとした電子音を多用している。
問題点
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脱獄者を捕らえる事が目的となっているが、
「バリアーで囲われたエアーモービルに乗って登場する脱獄者を特定の順番でバリアーを破ってからエアーモービルを破壊する」
というややこしい手順を踏まないと脱獄者が怯んだ隙(要は捕まえられる状態)を見せず、単にエアーモービルを破壊しただけではそのまま逃亡してしまう。
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脱獄者を捕らえるまでの順番がノーヒントなのでゲームの主目的が完全に忘れられている。
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尚、海外版では脱獄者を捕らえる方法が「
各面のボスを撃破後に出てくる脱獄者を(一定時間以内に)捕まえる
」と簡易化され、
日本版よりは遥かに楽。
総評
ゲーム内容はいたって平凡。BGMもニチブツらしい。無敵化によるゴリ押し可能な低難易度全方位STGである。だが、何はともあれインストカードにでかでかと描かれたレオタードの女性の写真がこのゲームの印象を強くしている。
余談
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タイトルこそ「アマテラス」だが、日本神話の要素は皆無である。
なお、海外では『Soldier Girl Amazon』となっており、日本版に比べると違和感の少ないタイトルになっている。
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インストカード(アーケード筐体の上についている紙)にデカデカと「
変なポーズのレオタードの女性の写真」が印刷されている。
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と言っても、本作の主人公・アマテラスは「金髪の女戦士」であるのに対し、写真の女性はどう見てもアジア人女性であった。
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なお
ハリボデの剣と盾を持っているが、この点はゲーム内でも同じ。剣から弾を撃っているのは西暦13000年の技術だろうか?
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そもそもアジア人だろうが白人だろうが、実写の女性と言う時点でゲーマーには倦厭されるがちなデザインである。
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インストカードの半分をこの写真が占めており、ボタン操作は写真の端にちょこっと描いてある程度。
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尤も当時の大抵のインストカードは操作方法しか書かれていないことが多かったので、この点に関してはそう珍しいことではない。
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メーカー側からの公式発表が無い以上、どういうつもりでこのインストカードにしたのかは永遠の謎である。
移植
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PS4のアーケードアーカイブス(ハムスター)の1タイトルとして完全移植版が配信された。後にNintendo Switchのアーケードアーカイブスでも配信開始。Nintendo Switch版は初めから、PS4版はアップデートにより海外版『Soldier Girl Amazon』も収録されている。
なお、上述のレオタードの女性のインストカードはゲーム内マニュアルにもまさかの収録がなされており、久しぶりに日の目を見ている。
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アーケードアーカイブスのタイトルに関しては本作を含め、当時のインストカードがゲーム内マニュアルに収録されている作品もあり、歴史的資料としての価値も兼ねていると言われれば納得もいくだろう。とは言え、やっぱり妙な代物であることには変わらないが。
最終更新:2025年01月02日 09:22