この記事では『大神』PS2板と、その移植作品であるWii版・絶景版を取り扱っています。判定はいずれも「良作」です。
※HDリマスター『絶景版』は参考記述扱いとして後述。
大神
【おおかみ】
ジャンル
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ネイチャーアドベンチャー
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 高解像度で見る 裏を見る
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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カプコン
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開発元
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クローバースタジオ
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発売日
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2006年4月20日
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定価
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7,140円(税込)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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メモリーカード使用容量170KB
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廉価版
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PlayStation 2 the Best: 2006年12月14日/3,129円(税込)
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レーティング
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CERO:全年齢対象
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備考
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「第10回 文化庁メディア芸術祭 エンターテインメント部門」大賞
「2007年度 日本ゲーム大賞」優秀賞
IGN主催「The Best of 2006」最優秀賞
※他ギネス記録2種認定
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判定
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良作
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ポイント
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日本神話をモチーフにした和風ファンタジー 美しいグラフィック&BGM 簡単操作でスタイリッシュわんこアクション 一部除き難易度はかなり低い
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大神シリーズ 大神 / 大神伝 ~小さき太陽~
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昔々、あるところに 狼の姿をした とても心優しい神さまがいましたとさ
概要
絵巻物に描かれた和風絵画のような風情を感じるグラフィックが特徴のアクションRPG。キャッチコピーは「この世の命が、蘇る。」
ジャンルの「ネイチャーアドベンチャー」とは、分かり易く言えばゼルダの伝説に代表されるアクションアドベンチャーのこと。
古代日本をモチーフとした広大なフィールドを舞台に、神話や昔話に語られる様々な霊獣・偉人・妖怪が登場し物語を彩る。
タイトルの「
大神
」には、主人公の姿が「狼」であることはもちろん、主人公が「天照大神」であることのダブルミーニングが込められている。
ディレクターは『デビルメイクライ』や『バイオハザード2』を手がけた神谷英樹氏。そのため、彼の出身地である信州の地名を元とした地名や人名が多い。
ストーリー
美しき緑と自然が息づく大地の国「ナカツクニ」で、最も見事な桜の木を神木として祀る村「
神木村
」
その神木の袂には、かつて神木村を脅かした伝説の怪物「ヤマタノオロチ」を討ち取った剣士と狼の像が祀られている。
剣士イザナギを様々な神秘の力で助けるも、傷つき倒れた白狼の呼び名は
白野威
。
この英雄たちの活躍によりオロチは封じられ、神木村に平穏をもたらした
白野威
は逝去後、敬愛と尊崇の念を込めて「
大神
」と呼ばれ、その像は村の守護神として大切に祀られた。
しかし百年の後のある夜、オロチを封じていた宝剣「
月呼
」が何者かに引き抜かれ、蘇ったオロチはナカツクニ中を呪いと
祟
りで包み込んでしまう。
この窮地に、神木に宿る木精サクヤ姫は、古の盟約に従い、村の守護神である白野威像を依り代として太陽神復活の儀を行う。
こうして、百年の眠りから目覚め蘇った
白野威
こと、太陽神「
大神
アマテラス」は、
旅絵師のイッスンと共に、奇跡の御業「筆しらべ」で呪いと祟りを清め祓う、ナカツクニ浄化の旅へと出るのだった。
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登場人物紹介
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アマテラス
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かつて人々に「大神
白野威
」と称えられた白狼にして本作の主人公。
その正体は、ナカツクニに住まう神々の中でも最高位に位置する太陽神「
天照大神
」である。 世界を絵のように切り取り、神なる筆で世界に絵を描き、様々な奇跡を起こすことができる力、イッスンが命名するところの「筆しらべ」という力を使いこなす。 百年前には遠く及ばない霊力で目覚めるも、人や動物たちの信仰心の高まり応じて、失った神通力を取り戻していく。 ゲーム内では便宜上、百年前のアマテラス=「
白野威
」。現在のアマテラス=「アマテラス」と呼び方が分けられている。
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イッスン
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旅絵師として全国を行脚している小さな妖精。アマテラスを「アマ公」と呼び慕う。
アマテラスの筆しらべに魅せられ、かつて存在したという十三の
筆業
を全てを目に焼き付け、一人前の絵師になることを目指し、アマテラスの旅の相棒として同行する。 アマテラスが一切喋らない分、言葉が通じる相手への質問や交渉、現状の分析などとにかくよく喋る。
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サクヤ姫
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オロチの邪気から神木村を守りアマテラスを復活させた、神木村の御神木「コノハナ様」に宿る桜花の精。
オロチの祟りにより霊力の大半を失っており、神木村から離れることは出来ないが、 ナカツクニ各地にオロチの邪気を払う力を蓄えた分身「賽の芽」を芽吹かせ、その開花を待ち続けている。
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スサノオ
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木刀「
闘片撲
」を携えた、神木村に住む自称"大剣豪"の中年男。
かつて白野威と共にオロチを討ち取った剣士イザナギの子孫であり、剣の才覚は確かなのだがまともに修行に取り組まず、酒に逃げてばかりの自堕落な性格をしている。 酒屋の娘クシナダに想いを寄せており、イッスンからは「おっさん」と呼ばれている。
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ゲームの流れ
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プレイヤーは白狼「アマテラス」を操作し、冒険の先々で遭遇する妖怪を退治し「祟り場」を清め、美しい大地を蘇らせていくのが当面の目標となる。
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ヤマタノオロチが振りまいた祟りによって呪われた大地を「祟り場」呼び、ゲーム開始時ではナカツクニのほぼ全ての地方で祟り場が発生している。
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怨念と災いを振りまく強大な妖怪との対決もあるほか、アマテラスとイッスンだけでは解決できない問題も様々に立ちはだかり、冒険の途中で出会う個性豊かな登場人物たちの助力によって現状を打開する展開も多く、ドラマティックに物語が進行していく。
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太陽神といえど復活して間もないアマテラスはまだまだ本調子とは言えず、冒険を進める内に失った霊力を取り戻し、徐々に全盛期の力を取り戻していく。
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アマテラスの戦闘力は大まかに分けて、「装備品の更新」「新たな筆しらべの獲得」「
幸玉
による強化」「道場での新規アクション習得」といった4つの方法で磨かれていく。
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RPGよろしく冒険の先々で宝箱から様々なアイテムを獲得していく。また、戦闘勝利や換金アイテム売却で得たお金で、よろず屋から回復・補助アイテムを購入し、強敵相手には物量戦を仕掛けることも可能。
装備品
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装備品は武器である「神器」を「表」「裏」二箇所に装備可能で、他に「
神飾
」というアクセサリを3つ装備可能。防具は存在しない。
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神器の種類は「三種の神器」になぞらえており、鏡、勾玉、剣の三種類に大別され、一部にはその装備固有の性能を備える。
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神器は「表」と「裏」の装備位置でも使用感が変わるが、全ての神器が1点モノなため「表」「裏」の機能を同じ武器で扱う事は出来ない。
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鏡
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鏡(表)
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アマテラスが初期から備える、本作の基本近接武器。
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武器の射程こそ狭めだが、地上連撃の際に大きく踏み込むことでリーチをカバーしており、見た目以上に広い範囲の敵を薙ぎ払う。
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空中で繰り出すとわずかに滞空しながら定点攻撃を繰り出す。
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鏡(裏)
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攻撃的な表とは対照的に、裏に配置した際は前方からの攻撃をいなす盾として鏡を展開する。空中でも発動可能。
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タイミングよく防御することで「ジャストガード」となり、緑の紋様が浮き出ると共に体力を少量回復する。更に、小~中型妖怪の近接攻撃をジャストガードすると、カウンター投げ攻撃「百舌落とし」へと派生する。
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勾玉
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勾玉(表)
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表に装備した勾玉は長射程の鞭のような攻撃を繰り出す。
最もリーチに優れる武器種だが、攻撃の度に足が止まり威力も控えなものの、攻撃ボタン連打で多段ヒットとなりコンボ数を稼ぎやすく、左下に出る大神マーク「神格」による加護を稼ぎやすい。
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勾玉(裏)
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裏に装備した勾玉は低威力の飛び攻撃を発射する。
弾速は素早く発射の際の隙も少ない。移動しながらでも使用できるものの弾を撃ちきると再補充のクールタイムを要する。
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神器によって遠距離向きの単発連射タイプと、至近距離向けの散弾単射タイプの二通りが存在する。
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剣
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剣(表)
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表に装備した剣は、高威力の至近距離攻撃を繰り出す。攻撃ボタン長押しで力を溜めることも出来る。
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溜め状態のままジャンプ・移動・かわせ身が可能で、最大溜めの剣撃は破壊力絶大。
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表鏡ほどには踏み込まずリーチは乏しく、溜め無しの連撃の発生速度も三種の神器の中では遅めだが、攻撃後の後隙は短く、一撃離脱の戦法に向いている。
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空中攻撃は、直下に素早く急降下しながら剣を斬り降ろす兜割りを繰り出す。
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剣(裏)
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裏に装備した剣は、剣を突き出しながらの突進攻撃を繰り出す。
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溜め攻撃も可能だが、溜めながらの移動は制限されている。
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突進の性能は地上・空中で変化し、地上では頭突きと同等の速度で真っすぐに繰り出す短距離攻撃となり、空中ならば剣に乗りつつ敵を補足・急接近する空襲攻撃となる。
筆しらべ
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本作を象徴するシステムであり、墨ヒョウタン(RPGでいう自然回復するMP)を消費して実行するアクションである。
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これは戦闘中・移動中問わず、画面上に筆を走らせて特定の模様や線を描くことによって森羅万象を操る神の力を繰り出す。以下が一部の例である。
光 明
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空に丸を描くことで太陽を出現させ、時刻も朝へと変える。アマテラスが生来備える力。
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画 龍
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壊れたものを墨で塗りつぶすことで修復する力。「
蘇神
」を取り戻すことで使える。
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一 閃
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淀みない横線を描くことで、鋭い斬撃を放つ力。「
断神
」を取り戻すことで使える。
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水 郷
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水流や噴水を操る力。「
濡神
」を取り戻すことによって使える。
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花 咲
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草木や花芽を咲かせる力。「
咲ノ花神
」を取り戻すことにより使える。
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アマテラスは元々十三の筆業を全てを宿していたが、百年前のオロチとの戦いの末に眠りに付いた際、身に宿していた筆しらべの力がナカツクニ各地に散り、復活した時には全ての筆業を失っていた。
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この筆業を司る筆神たちを全て取り戻すことも旅の目的である。最初こそ筆業の種類は少ないが、物語が進み筆神と再会し、その力を取り戻すことで筆業の種類を増やすことができる。
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筆しらべは戦闘中の攻撃手段としてだけでなく、人助けや謎解きの鍵などの多岐にわたる活躍を見せる。
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筆しらべの操作中は時間が止まるので、ゆっくりと状況を確認したりもできる。
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また、筆業の中でも一部隠しイベント達成の解放によって、性能強化や奥義習得ができるものも存在する。
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また敵を倒した直後に敵の種類に対応した筆しらべを使用すると交換用アイテム「妖怪牙」を入手できる。
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筆しらべ一覧
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断神 (子)
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筆しらべ「一閃」(一閃二式、一閃三式):横線を1本描くことで鋭い斬撃を放つ。
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凍神 (丑)
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筆しらべ「吹雪」:氷から線を引くことで凍らせる。
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筆しらべ「氷嵐」:*と描くことで氷の嵐を発生させる。
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撃神 (寅)
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筆しらべ「迅雷」:雷から線を引くことで電気を伝える。
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筆しらべ「雷光」:ᛋと描くことで雷を発生させる。
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弓神 (卯)
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筆しらべ「月光」:空に孤を描くことで三日月を出現させ、時刻も夜へと変える。
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蘇神 (辰)
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筆しらべ「画龍」:壊れたものを墨で塗りつぶすことで修復する。
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濡神 (巳)
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筆しらべ「水郷」:液体から線を引くことで液体を運ぶ。泡が出ている場所では縦線を描くと水柱を上げられる。
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筆しらべ「水飛」:「人魚泉」という離れた場所同士を繋ぐ移動手段のギミックを、渦巻きを描くことで起動する。
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筆しらべ「恵雨」:縦線を2本描くことで雨を降らせる。
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風神 (午)
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筆しらべ「疾風」:➰と描けば横向きの風を起こせる。渦巻きを描けば奥向きの風を起こせる。大きく描けば強風になる。
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筆しらべ「竜巻」:横線を3本描くと竜巻を起こせる。
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幽神 (未)
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筆しらべ「霧隠」:横線を2本描くとアマテラス以外の周囲の時間の流れがゆっくりになる。
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筆しらべ「霧飛」:「物実の大鏡」(セーブポイント)に×を描くことで別の大鏡にワープできる。
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桜花三神 (申)
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筆しらべ「桜花・花咲」:枯れ木や花の蕾に丸を描くことで花を咲かせる。閉じた形状の敵を開かせることも可能。
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地面を塗り潰せば花が生える。瘴気が残った地面を塗りつぶすことで浄化することもできる。
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地面に点を描いて樹を生やすこともできる。
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筆しらべ「桜花・水連」:水面に丸を描くことで足場になる蓮の葉を出現させる。
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筆しらべ「桜花・蔓巻」:空中に浮く「桃コノハナ」というギミックから線を引くことで蔦を伸ばして移動する。
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燃神 (酉)
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筆しらべ「紅蓮」:火から線を引くことで火を運ぶ。
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筆しらべ「爆炎」:∞と描くことで炎を発生させる。
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アマテラス (戌)
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筆しらべ「光明」:空に丸を描くことで太陽を出現させ、時刻も朝へと変える。
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爆神 (亥)
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筆しらべ「輝玉」(輝玉二式、輝玉三式):丸と短い縦線を組み合わせて描くことで爆弾が出現する。
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壁神 (猫)
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筆しらべ「壁足」:猫の足跡がある壁に線を描くとその場所を登れるようになる。
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筆しらべではないが、敵や人などを塗って墨まみれにする使用法もある。
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一部の神器には装備中に、描いた点が弾丸になって敵を攻撃する筆業「画点」が使用可能になるものも存在する。
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人や動物に丸を描くと近寄ってくるという使用法もある。
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夜空に点を打つと流れ星になったりもする。
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幸玉
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このゲームでは経験値の代わりに「
幸玉
」と呼ばれるものを得てアマテラスが成長する。
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これは敵を倒して得るものではなく、人や動物や自然そのものの信仰心や感謝の気持ちによって生じるものである。
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たとえば、困っている人を助けたり、野生動物に餌を与えたり、枯れている木に花を咲かせることによって幸玉を獲得する。
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蓄えた幸玉の数に応じて、メニュー画面の「神通力」の項目において以下の4つの要素から選択し強化することができる。
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太陽器
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生命力を強化する項目。
ゼルダの伝説で例えるところの「ハートの器」と同じ役割を持ち、強化する毎に器が一つ追加される。初期の器量は3個分で、幸玉で追加できる器は12個まで。
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また、幸玉で強化する以外にも、各所に隠された「太陽器のかけら」(全15個)を三つ発見することでも器が一つ追加され、かけら全回収+幸玉最大強化で20個分の太陽器が備わる。
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墨ヒョウタン
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筆しらべ発動のための霊力を強化する項目。
ゼルダの伝説で例えるところの「魔力ゲージ」に相当し、太陽器表示の下隣に配置された瓢箪アイコンで表される。初期値は3個分。
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筆しらべが発動する度に、アマテラスは最低でも瓢箪一個分の墨を消費する。
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強化する毎に瓢箪が一つ追加され、最大強化で七つ追加の計10個分の瓢箪が備わる。
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時間経過で墨は回復するものの、全ての瓢箪の墨が空になるとアマテラスの持つ神器までもが一時的に消失し、大幅な弱体状態となるため瓢箪の強化は戦局を大きく左右する。
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異袋
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アマテラスの体力が尽きた時に死の淵から復活する力を秘めた「異袋」の予備を追加する項目。
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冒険の先々で出くわす「食べ物」に触れると、アマテラスは瞬時にそれらを平らげ、胃袋ならぬ「異袋」という体内機関へと蓄えていく。
異袋の内容量が最大の状態でアマテラスの体力が尽きた時、異袋一つの中身を空にする代わりにアマテラスを復活させる効果が発動する。
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強化する毎に予備の異袋が一つ追加され、最大四つ分の異袋が備わる。
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お財布
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財布の容量を拡張する項目。
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初期状態の財布に収まる限界は99999両なのだが、強化の度に一桁分の容量が拡張されていき、最大強化で八桁(99,999,999両)の金額が収まるサイズとなる。
はぐれ珠
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本作最大規模の隠し要素。全100個もの膨大な量の収拾アイテムであり、全て集める事で最後のご褒美が完成する。
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そのうちの99個はナカツクニ全土に隠されている。宝箱から手に入れたりサブイベントをこなしたりミニゲームクリアの報酬だったりと入手方法も色々。
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シナリオ上の役割を終えた(本来なら会う必要のない)キャラクターに話しかけるだけで貰える事があるなど、メインイベントを追っていくだけでは集まらないようになっている。
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ボス撃破後に消滅するダンジョン等には配置されていないため、ラストダンジョン突入前にまとめて集めてもいいし、周回プレイに適応しているため収集を2周目に回して1周目は敢えてメインイベントのみに目を向けてもよい。
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残りの1個はゲーム1周目クリア時の特典として手に入るため、ご褒美が完成するのは必然的に2周目以降となる。
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全ての珠には番号が刻印されており、おおまかに入手可能時期の連番となっているため、取り逃がしている珠の所在の見当は付けやすい。
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ちなみにそのご褒美とは、太陽器無限、墨瓢箪無限、攻撃力10倍という冗談抜きに神そのものな強さになる神飾である。
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性能だけを語ればバランスブレイカーに見えそうだが、解禁されるのは2周目以降であり、問題点に記載されているように本作は難易度が低いためこれが原因でバランスを崩す事はない。
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『バイオハザード』でいうところの「無限ロケットランチャー」「無限マグナム」のような、やり込んだ末の記念品としての顔も兼ねる最強アイテムであり、苦労に見合う存在感を放つ。
評価点
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リアル指向とは対極に位置する、和風デフォルメの到達点と言えるグラフィックが秀逸である。
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「和紙に描かれた水墨画のようなの質感で彩られた、まるで絵巻物の絵がそのまま動き回る世界」という高い芸術性を誇る本作は、極端にいえばフィールドを駆け回っているだけでも飽きが来ない。
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HDリマスター「絶景版」では 最新のゲームと比較しても遜色ないほどのグラフィックに進化している。
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BGMの完成度が高い。
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サウンドは、ファイアーエムブレムシリーズなどで活躍している近藤嶺氏が担当。場面ごとの雰囲気を盛り上げ、世界観を際立たせる秀逸なBGMが揃っている。
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とりわけフィールド曲においては、祟り場を祓う前の鬱々した空気の後に、祟りの祓われた開放感と共に耳にするという、プレイヤーの気分を落としてから上げる演出も相まってに非常に高い評価を誇る。
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中でもラストバトルにおけるBGM、
「太陽は昇る」は圧倒的な高評価を獲得している。
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曲自体の完成度やラストバトル直前の演出、シナリオとの相乗効果もあり、今なお絶大な人気を誇る。
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ゲーム音楽関連の話題となるとまず間違いなくこの曲の名前が上がり、数多のランキングで毎回首位クラスを獲得する伝説的なゲーム音楽となっており、今作は未プレイだが「太陽は昇る」は聞いたことがある。というユーザーは非常に多い。
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名実ともに本作を象徴するBGMであり、最終決戦のクライマックスの演出と共に多くのプレイヤーを感動させた。
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一応ラストバトルのBGMでありながら、あまりの人気・知名度の高さから外部への露出も多く、モンスターハンターライズのコラボでも使用された他、ゲーム音楽関連のコンサートでも演奏されている。
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平原綾香氏の歌うEDテーマ「Reset」も世界観にマッチしており、こちらも非常に好評。
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ラストバトル直前のイベントでアレンジバージョンが使用されており、前述の「太陽は昇る」
と合わせて極めて評価が高い。
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戦闘も難易度自体は低いものの、筆しらべ・アマテラスの攻撃の描写・鋭い効果音と相まって、華麗かつ爽快な戦闘を堪能することができる。
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特定の武器によるカウンター技や溜め・浮かせコンボなど、比較的玄人仕様の派手な要素も存在する。
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アマテラスのモーションもなかなか凝っており、DMCシリーズさながらのスタイリッシュハードアクション…もといスタイリッシュわんこアクションが楽しめる。
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個性あふれるキャラクターが多く、見ていて飽きない。
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感動的要素から笑い・ネタ・ギャグ要素まで幅広くキャッチーなキャラ付けと演出を取り揃えており、作中随一の常識人かつ人格者であるサクヤですら相当にハジけている外見であるなど、真面目一辺倒なキャラは極めて少数派。
脇役はおろか13支の神々やヤマタノオロチにまでそうした愛嬌があり、どのNPCも印象深くプレイヤーの記憶に残ることだろう。
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また本作の女性陣NPCはデフォルメの補正込みでも美人揃いであり、テーマ曲そのものが笑いを誘うキャラクターまでいる。
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主人公のアマテラスが可愛い。
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一応、狼ということなのだが、どう見てもわんこ(干支的には戌)。かわいい。
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アマテラスの元ネタである天照大神は太陽の女神なので、今作のアマテラスはメス…と言いたいところだが、性別は不明。
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筆神達が使う「慈母」は、とある人物(その人物は目が見えない)が話す美しい女性という表現も、あくまでアマテラスの母性を表現したものである。
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その反面アマテラスの100年前の姿である
白野威
の神々しさは 専用BGMととある所での異常なまでの強さから鳥肌ものである。
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終盤の舞台は日本のとある地方の神話が元となっているが、元来この地方の神話は現代の日本人には馴染みの薄いものである。
そういったものをゲームに取り入れ、この地方の神話の存在・奥深さを紹介した点も評価されよう。
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ラスボス戦前後の展開終盤のストーリーに関してはやや賛否あるものの、ラスボス戦の展開はベタながらかなり熱い演出で、その時のBGMも合わせて評価が高い。「涙で画面が見えない」というプレイヤーの声も多い。
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ゲームの外側も手を抜いていない。
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本作のパッケージ及びポスターに用いられた「野性の胎動」と広告に用いられた『神代桜』は元々は日本画家の木村圭吾氏の作品である。
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本作のプロデューサーはかつて美術館で木村氏の作品に感動した事があり、その後に本作の宣伝に使用させてもらえるよう木村氏と交渉した事やスタッフらを美術館に連れて行き作品と対面させた事が制作ブログで語られている。
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また、『大神』のタイトルロゴは女流書道家の成田眞舟氏がデザインを手掛けている。
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成田氏は海外版のタイトルロゴも手掛けているのだが、当初は『OHKAMI』と書いてもらった所、外国人には『OKAMI (Oの上に長音を表す傍線あり)』でないと読めない事が後から判明し、慌てて書き直してもらったという経緯がある。こちらも制作ブログから確認できる。
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余談であるが、成田氏は本作以外にもゲームのロゴを手掛けている。興味がある人は調べてみるのもいいだろう。
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日本画家、書道家といったおおよそゲームとは接点の薄い職業の人たちを知る事ができるのも、本作の評価点の一つといえるだろう。
賛否両論点
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以下はネタバレを多少含むもの。クリックで開く
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元々日本神話や民話をモチーフとした和風世界観が売りだったのだが、終盤で急にSF要素が強まってくる。特に機械的・近未来的な設定が登場し、世界観の和風離れが強まってくる。ディレクターの趣味を前面に押し出したとあるキャラクターと共に、世界観が壊されていると感じるユーザーも少なくない。また、終盤の急展開自体、ややプレイヤーを置いてきぼり気味で、張りっぱなしで終わった伏線も多い。
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古典の竹取物語は日本最古のSFという捉え方もあり、大神にSF要素を入れるなら妥当な題材ではある。
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終盤以前も全くの純和風な世界観というわけではなく、ウシワカに代表されるように現代的な部分も一部には見られた。
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黒幕のSF的な外観や設定は、(和の)世界を乱す存在という立場を体現しているものともいえる。
もっともそれ故に、世界を壊す要素であるSF=悪 という見方もあながち間違いではないのかもしれない。
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ストーリーに関わる宿敵「ヤマタノオロチ」だが、実は単なる序盤の大ボスに過ぎない。その後に登場するボスはいずれもヤマタノオロチほどの存在感や強大さは無く、ゲームを進めるにつれてストーリーの熱が下がっていく。そのため、ストーリー中盤は少々中だるみしてしまう。
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一応ヤマタノオロチは終盤にも関わってくるが、何故再登場させた、と言いたくなるほどの急展開。
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ヤマタノオロチ撃破以降も、ストーリーの所々で盛り上がりを見せる場面はある。後々登場する各ボスも、決して小者というわけではない。
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終盤は序々に熱い展開を見せる。
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シナリオ最終盤までゲームを進めると、各地のフィールドの天気や空気、景観などが非常に悪くなってしまう。
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全体的に暗く、天気は常に夜の曇天のような暗さ・重さで固定され、序盤と中盤フィールドBGMが夜verのままになる。
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そのため物語クライマックスでは、このゲームの大きな魅力であるフィールドの美しさなどはあまり感じられなくなってしまう。
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やり込み要素が豊富に用意されているゲームではあるが、終盤でサブイベントやアイテム収集などをやり込もうとすれば、暗いフィールドを駆け回ることになる。
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ストーリー上の設定を強く反映させた形なので、仕方のない部分ではある。
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問題点
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ゲームとしての難易度が極めて低い。
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元々ゲーム初心者向けに作られてあるのだが、それにしてもあまりにもヌルゲーすぎて謎解き・戦闘ともに張り合いがないという意見が多い。
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謎解きの難易度が低い原因は、主人公の相棒が勝手にヒントを喋る事にある。ヒントさえなければ手ごたえがあるレベルではあるが、強制的にヒントを聞かされるので結果的に難易度が激減し、謎解きがつまらなくなっている。
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因みに海外版ではある箇所で日本版にはないヒントが追加されている。日本人以外にはなじみの薄いある物に関する謎解きなので追加は妥当であるが、ヒントは強制ではなくオブジェクトを調べた時に初めて見られるようになっている。他のヒントもそれと同じようにしてくれたらよかったのに…。
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一方で戦闘の難易度が低い原因は、敵の弱さと大量に持ち歩ける回復アイテムの存在にある。
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登場する敵の大多数に、なにかしらの無力化に繋がる弱点となる筆業が用意されており、弱点が割れた敵はもれなく、対処行動を怠らなければ存外に圧倒してしまう。
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ゲーム後半以降は筆調べ「霧隠」が猛威を振るい、実質的に「あらゆる雑魚敵に弱点として通る技」として機能し、墨瓢箪を強化してこれを出し惜しみなく連打すればほぼすべての戦闘が消化試合と化す。
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強敵との戦闘中でも、大量に買い込んだ体力回復アイテムによる物量戦を仕掛ければそうそう力尽きることは無い。それでも太陽器が尽きた場合でも自動で復活する「異袋」の能力(『ゼルダの伝説シリーズ』における妖精に相当)による保険も用意可能であり、資金・物資の乏しい序盤を超えれば、ゲームオーバー画面を拝むことはほぼ無いと断言できる程である。
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そのせいかゲームクリア後に表示される評価では、初プレイでも余裕で全項目満点の最高評価が得られてしまう。
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武器や体力の最大値などを強化しないといった制限(縛り)も可能だが、それでもヌルい。
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一応、終盤ともなれば大型の敵が増加するが、いずれも耐久力が高く倒すのに時間がかかるため相手にする意義が薄く、爽快感よりも面倒臭さが勝るという感想をもたれがちである。
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比較的高難度な戦闘として、「百鬼夜行」と呼ばれる強力な敵と戦い続けるサバイバルバトル的な要素が存在する。しかしそれはHPを大幅に高くした敵を一度に大量に出現させるという、プレイヤーに一方的且つ理不尽な不利を強いるものであり、「バランスの取れた高難度」とは言い難い。攻略サイトでも回復アイテムを大量に用意したゴリ押しが推奨されているほど。
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対して一部ミニゲームの難易度はやや高め。メインイベントで挟まれる物は難易度が低めに抑えられているのだが、筆しらべ強化やはぐれ珠取得のためのミニゲームは全体的に難易度が高い。
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プレイヤー間ではレーシング系ミニゲーム、通称「カイポクレース」と瞬間記憶系ミニゲーム「
答選坊 漢壁
」が最大の鬼門と語られる事が多い。
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カイポクレースにはコースのショートカットがあったり漢壁にはラップを張った画面に直接書き込む攻略法(公式より)があったりと一応フォローはされているのだが、彼らを「このゲームの真のラスボス」と呼ぶプレイヤーは多い。
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「難易度が高い」とは少し違うが、釣りのミニゲームの完成度も低い。「水飛沫と波紋で魚の方向が分からない瞬間があり、運が悪いと釣りに時間がかかる」点と、「図鑑を埋めるために釣ってない魚を狙いたいが、魚影で判断不能(魚影そのもののグラフィックが1種類しかなく、ザリガニ、カツオ、ウミガメの魚影が全て一緒など、手抜き感がある)で、図鑑を埋める場合まだ釣ってない魚を求めてひたすら釣る以外になく、単調で退屈」、「釣ろうとしてる魚が求めてるものではなかった場合、途中で切るという事ができない(釣りそのものを途中で止める事は出来るが、大きな魚は何回か連続で釣りを成功させないと出現しないため、最初からやり直しになってしまう)」ヒットさせた魚は釣るしかない。
魚影の違いは「大きさ」と「泳ぐ速さ」しかないのだが、大きさは「単にレアな魚ほど大きい」と雑な設定で、速さも「ほとんど動かないはずのヒトデが猛スピードで泳いでいる」など判別方法としては全く役に立っていない。
しかも「魚影の大きさ」の方は変化がかなり微妙。特に「普通」と「大」、「大」と「特大」は見分けが付かないレベル。その上魚は真横に動き続けているわけではないので、「大だと思って釣ったら、斜めを向いている特大だった」という事がよくある。
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戦闘関連
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難易度の問題を抜きにしても、その完成度は決して高いとは言えない。連撃中に逃げる・攻撃を防ぐという敵が多く、その度に追いかけたり筆しらべを当てたりといった一手間を要求され、折角のテンポの良さが阻害されている。演出が大変綺麗なだけに勿体ない。
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とりわけ不評なのが輪入道や雲外鏡と呼ばれる車輪型・鏡型の敵。ほぼ確実に複数で出現し、全身攻撃判定で戦闘フィールド全体を高速移動し、こちらの攻撃を防いでカウンターをしてくる上に、筆しらべを何度も使わないと倒せないというあんまりな敵。しかも10種類近くと数だけは無駄に多い。
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DMC等の3Dアクションには必ずと言っていいほどにある、「敵一体に注目するロックオン」タイプのシステムが存在しない。
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攻撃時は近くの敵にオートエイムが働くのだが、攻撃したい敵とは別の敵を勝手に狙ってしまう、という事がかなり頻繁に発生する。
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カメラワークも全体的に悪い。視界に収めようと視点であるカメラ位置を動かしても自動補正が強過ぎてすぐ戻ってしまう。特に青天邪鬼を筆頭とした空を飛ぶ敵はカメラに収まってない場合が多く、そのカメラの視野外から攻撃されるという事態も頻発する。
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先述の通り演出は大変華麗なのだが、敵が多い時は倒した際の演出で画面が見え辛くなるという事も多い。
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とあるボスとは3回も戦うことになる。
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初見では少々手こずると思われるが、ネタが割れれば戦闘工程そのものが単調であり、全く変わらない戦闘内容を3回ともなるとさすがに作業感が拭えない。
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「スリの手袋」を鍛えすぎると弱体化してしまう。
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イッスンが敵からアイテムを盗みつつダメージを与える「スリの手袋」による攻撃は実は、発動の毎に密かに威力が微増されていき、ひたすら使い込み続けると大抵のボスまで一撃で葬る最強の攻撃手段に成長する。そのため、はぐれ珠と並ぶやり込み要素にもなっている。戦闘中以外でも使用して育成することもできる(百鬼絵巻、錠前お化け、クサナギ伍etc)。使用回数は周回プレイにも引き継がれる。
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現在の使用回数は確認できないが、実際に使用してどの程度の敵を一撃で倒せるかなどでだいたいの把握は可能。
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35000回で攻撃力の成長が止まるのだが以降も使用回数のカウントは止まっておらず、最強状態から更に使い込み続けていると65536回でオーバーフローして使用回数が0回に戻ってしまう。
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はぐれ珠収集の途中報酬は無い。
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前述の通り、全100個もの膨大な収集要素なのだが、はぐれ珠を集めることで獲得できる褒美は…コンプリート報酬のひとつのみである。
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こういった収集要素のある他ゲームでは、コンプリートには届かずとも、キリの良い一定数が集まる毎にそこそこ嬉しい非売品などが貰えることが多いが、本作ではそういった途中報酬は一切存在しない。
総評
独特の世界観やグラフィック、BGMなどの点で非常にオリジナリティのあるゲームである。
セールス的には振るわなかったが、2019年のファミ通.comによる「平成に登場したゲームの中から“最高の1本”を読者に選んでもらうアンケート」にて本作が堂々の第5位であった事からも、その根強い人気が窺える。
ただ、ゲームとしての詰めの甘さを指摘されることも多い。そのため、雰囲気を楽しむゲームだと言われ、ハードなアクションや謎解きを期待すると肩透かしを食らうことになる。
余談
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廉価版の説明書は通常版と比べ、誇張抜きでペラペラでとても損した気分になる。
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パッケージの美麗な「野性の胎動」も廉価版のグレー枠で小さくなっている。
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格闘ゲーム『タツノコ VS. CAPCOM』に、本作のとあるキャラがゲスト出演している。
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2009年3月時点で全世界で60万本セールスと伸び悩んだため、2010年に「最も商業的に成功しなかったGOTY受賞作品(Least commercially successful winner of a Game of the Year award)」としてギネス世界記録認定に至った。
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さらに2018年10月5日に「動物キャラクターが主人公の最も評価の高いゲーム(Most critically acclaimed video game starring an animal character)」として二度目のギネス世界記録に認定された。
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2010年9月30日、外伝である『大神伝 ~小さき太陽~』がニンテンドーDSで発売された。
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しかし今作とのストーリーの矛盾やシラヌイ(アマテラス)に対するあまりにひどい扱いから、ファンから黒歴史認定されている。
大神(Wii版)
ジャンル
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ネイチャーアドベンチャー
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対応機種
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Wii
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発売元
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カプコン
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開発元
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レディアットドーン
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発売日
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2009年10月15日
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定価
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3,990円(税込)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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廉価版
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Best Price! 2010年9月9日/2,100円(税込)
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判定
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良作
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変更点(Wii)
基本はベタ移植だが、Wiiの特性に合わせ変更が加わった。
Wiiリモコン&ヌンチャクに対応し、PS2版よりも直観的な操作が可能になった。
また16:9のワイド画面出力に対応している。
なお特許の問題により、ロード中にできたミニゲームが廃止された。
問題点(Wii)
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画面が全体的に滲んでいて文字も読みにくくなっている。
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一応4:3の画面で出力すれば、滲みは幾分改善し文字も読みやすくはなる。しかしこれではせっかくの16:9出力対応の意味がなくなっている。
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よく見るとPS2版よりもジャギーが減っているなど改善している部分もあることはあるが、PS2版のほうが画面が奇麗なのは間違いない。
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Wiiリモコンでの操作系があまり洗練されていない。
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慣れないうちは筆しらべ時の誤認識が多く、人に話しかけるときに押すボタンが本作ではCボタンになっているなど特異なボタン配置となっている。
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リモコン操作の誤認識はリモコンの感度調整である程度は改善するので後は慣れる必要がある。
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例えば「天」という文字を書く場面では、コントローラーなら簡単にクリアできたがリモコンだとフリーハンドできれいに直線を引かなければならないので難しい。
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なぜか、オープニングムービーの曲の頭が切れている。
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Wii本体の個体差にも依るが、イベントムービーにおいて映像と音声・BGM・効果音が一致しない所謂音ズレが発生する場合がある。
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発生しない人は全く発生しないが、発生した場合は映像に遅れて2~3秒後に音が入る為、イベントシーンが台無しになる事が多い。
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この音ズレの問題は移植元となった北米版時代から存在していた。
総評(Wii)
売りの1つであったグラフィック面の劣化など色々と粗が目立つ移植ではあるが、プレイに重大な支障をきたすほどではなく、作品そのものの面白さは確保されている。
Wiiリモコンの特性を生かし体感ゲーム的な操作感覚で筆しらべを楽しめるため、PS2版とはまた違った味わいがあるだろう。
余談(Wii)
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クローバースタジオは一切移植作業に関わっていない。そもそも海外スタジオ(レディアットドーン)の強い希望に対しカプコンが移植の許可を出したものなので、元々日本での発売予定はなかった。
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ちなみに北米版から日本版への移植はカプコンが行っている。その際北米版ではカットされたスタッフロールが復活するなど手直しがなされているが、根本部分の変化は少ない。
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新品の値段が安いこともあって、中古が割と高値で安定しているPS2版よりも幾分安い金額で購入できる。
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現在は後述の絶景版も安価で購入できるため、余程の理由が無ければそちらを購入した方が良い。
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初回生産分には特典として42曲入りのサントラCD『大神 名曲集』が付属していた。
大神 絶景版
ジャンル
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ネイチャーアドベンチャー
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 裏を見る

 裏を見る
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対応機種
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プレイステーション3 プレイステーション4 Xbox One Windows(Steam) Nintendo Switch
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発売元
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カプコン
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開発元
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ヘキサドライブ
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発売・ 配信開始日
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【PS3】2012年11月1日 【Win】2017年12月13日 【PS4/One】2017年12月21日 【Switch】2018年8月9日
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定価
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通常パッケージ版 【PS3】3,990円(税込) 【PS4/Switch】2,990円(税別)
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限定セット版(税別) 【PS4】幸つつみ:4,990円 【PS4】花あそび:8,324円 【Switch】幸しらべ:3,990円
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配信
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ダウンロード版(税込) 【PS3】3,500円 【One】3,057円 【PS4/Win/Switch】3,049円
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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廉価版
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PlayStation 3 the Best 2015年1月29日/2,990円(税別)
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セーブデータ
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最大30個(全機種共通)
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判定
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良作
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大神 絶景版
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『ZONE OF THE ENDERS HD EDITION』(廉価版)などで有名な株式会社ヘキサドライブによるPS2ベースのHDリマスター。PS3(2012年)、PS4/One/Win(2017年)、Switch(2018年)でそれぞれ発売されている。
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画質のフルHD(1920×1080)化や、ジャギー(フチのギザギザ)やテクスチャのモアレの排除、テクスチャの高解像度化といったような変更がされており、PS4 Pro/One X/Winでは4K画質出力に対応している。
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他にも、ロード時間の短縮、オリジナル(PS2)版と同じ4:3の画面比率への変更機能、ロード中のミニゲームの復活、Switch版での画面タッチ、joy-con操作による直感的な筆しらべ操作等、追加・復刻された要素もある。
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現行機やPC、スマホでも遊べるようになった為、2024年現在でプレイするのであれば本作を選べば問題はないだろう。
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PS2版で存在していたバグもそのまま移植されている為、RTA等では最新となるこちらのソフトが登録されている。
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PS3の廉価版はサウンドトラックCD「大神 幸玉選曲集」が付属している。
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限定版
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PS4版は風呂敷・B2ポスター2枚・PS4用限定テーマのプロダクトコード付属のセット『大神 絶景版
幸
つつみ』と、イーカプコン限定販売の花札・座布団同梱セット『大神 絶景版 花あそび』が、
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Switch版はサウンドトラックCD「大神 幸玉旋律集」が付属した『大神 絶景版
幸
しらべ』がそれぞれ同時販売された。
『幸しらべ』を収納するBOXは、吉村健一郎氏による描きおろしアートが使用されている。
最終更新:2024年06月19日 23:48