アレスの翼
【あれすのつばさ】
ジャンル
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シューティング + アクションシューティング
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対応機種
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アーケード
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開発元
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カプコン第2企画室
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発売元
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カプコン
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稼動開始日
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1986年10月
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判定
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なし
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ポイント
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カプコンゲーにしては全体的に練りこみ不足 グラフィックとBGMの評価は高い
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概要
1986年CAPCOMがアーケードでリリースしたシューティングゲーム。シューティングメインではあるが一部はアクションシューティングになる場面もある。
悪のコンピューター「ダーク」を破壊する為、神から翼をあたえられた人間である「ミシェル・ハート(1P・女性)」と「ケビン・ウォーカー(2P・男性)」が戦いに挑むというストーリー設定。
資料によっては1Pの女性の名前が「ミッシェル・ハート」と表記揺れしている場合もある。
二人同時プレイ可能。全5ステージ構成の二周END。
主なルール
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このゲームでは縦視線の「シューティングパート」と、横視線の「アクションパート」を繰り返してゲームを進行させるスタイルを持っている。
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通常ではシューティングパートだが、特定の条件を満たせばアクションパートに移行するという流れ。片方のパートだけでゲームを進める事は絶対にできない。
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以下、シューティングパートとアクションパートに分けてルールを紹介していく。なお、本作のコントロールはレバーと2ボタンを使用する。
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シューティングパート
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通常の縦スクロールシューティングと全く同じ感覚でのプレイとなる。
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レバーで自機の8方向移動操作。ボタンは各自、ショットボタンとボムボタンに使用する。
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ショットは対空の敵に、ボムは対地の敵のみに有効。いわゆる『ゼビウス』方式である。
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ショットの初期状態では射程制限のない前方一直線型を撃つ。ボムは射程が限られる前方一直線型を撃ち、どこにボムが落下するかの目安がわかるサイト表示が常にされている。
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何かの敵を破壊すると時折「P」と表記されたアイテムが入手できる。これを2個取得すればショットのパワーアップができる。パワーアップの順序は以下の通り。
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パワーアップ1回目はショットが前方二直線型に変化する。
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パワーアップ2回目はショットが3Wayになる。
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パワーアップ3回目(最強)はショットが多くの敵に対する貫通性能と驚異的な攻撃力を持った前方一直線型に変化する。この状態になるとボスを含めた全ての敵を瞬殺できてしまう。
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なお、ボムに関しては一切パワーアップしない。
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シューティング中に以下の条件を満たすとアクションパートに移行する。
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ステージ内に出現した「穴」に自機を近づけると吸い込まれる形で移行。穴は近づかない事で移行を回避できる。
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ステージの奥に待ち構える門番の敵を倒すと移行。必ず強制移行となり回避不可能。
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アクションパート
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シューティングパートから条件を満たすとこのパートに移行する。ここでは原則として任意スクロールでのアクションシューティングメインの操作となる。
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レバーで自機の移動操作。ボタンは各自、ショットボタンとジャンプボタンに使用する。但し、一部のアクションパートでは操作系統が違う場面もある(下記)。
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レバー左右で自機の左右移動、下でしゃがみ。はしごに近づいてレバー上下でそれの乗り降り。
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ショットボタンで自機前方にショットを撃つ(対地/対空の概念はない)。しゃがみやジャンプ中でもショットは撃てる。
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ジャンプボタンで自機のシャンプ動作。ジャンプ中の移動制御はできない(向き制御は可能)。
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アクションパートのボーナスパターン時かボス戦時においては、自機が飛行できる様になり操作系統が変化する。
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レバーで自機の8方向移動操作。ボタンはショットボタンのみを使用(ジャンプボタンは未使用)。
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ボーナスパターン時では強制スクロールとなり、シューティング感覚での移動操作となる。
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ボス戦時ではスクロールなしでボス戦に挑まなければならない。
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アクションパートには主に2つのパターンがある。以下詳細。
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1つは雑魚敵が配置され、その先にボス戦が待ち構えている「戦闘パターン」。
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もう1つは敵がいない代わりに、行動範囲が限られる壁や、触れるとスコアボーナスが得られる宝箱が多く配置され、強制スクロールで先まで進むと自動的にクリアとなる「ボーナスパターン」。
但し、ボーナスパターンにおいて壁にショットを撃ち込むと、稀に「P」アイテムや敵が出現する謎の現象が発生する。
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シューティングパートからどの経緯でここに移行したかによって、クリア後の経緯が変わる。以下詳細。
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穴に吸い込まれた状態での戦闘パターンにてボスを倒せば、穴のあったシューティングパートからの再開となる。
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穴に吸い込まれた状態でのボーナスパターンにて先まで進むと、上と同じく穴のあったシューティングパートからの再開となる。
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門番を倒した先での戦闘パターンにてボスを倒せば、ステージクリアとなり次のステージへ進める。
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このパートには制限時間が設けられており、これが尽きるとミスになってしまう。
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残機制の途中復活ですべてなくなるとゲームオーバー。
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ミス要因は以下の通り。
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シューティングパートにおいて自機が対空の敵および敵弾に触れてしまう。
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アクションパートにおいて自機が敵や敵弾、トラップなどに触れてしまう。もしくは制限時間が0になる。
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ボーナスパターンのアクションパートにおいて、自機がスクロールと壁に挟まれる(壁だけではミス対象にならず)。
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ミスすると「P」によるパワーアップ効果はリセットされてしまうペナルティがある。また、ステージクリア時も同様のリセットとなってしまう。
問題点
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はっきりいって、ゲームとしての完成度は高いとはいえない。
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全体的に敵の配置の適当感が強く、とてもじゃないが洗練された作りとはいい難い。
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特にアクションパートに関しては同時期のアクションゲームと比べても小回りのきかない操作性がネックとなり、異様にミスしやすくなっている。
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アクションパートでは全体的に当たり判定がいい加減であり、「上下に動く弾」は撃つとグラフィックが大きくなるが撃たなくとも当たり判定は変わらない為、むしろ撃っておかないとインチキ判定でミスになりやすい。
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また、プレイヤーの歩く速度が亀のように遅いわりには敵の攻撃速度が早いため、慣れるまではミスが続く。
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これに関しては同時期のカプコンゲーにもいえる事だが、敵の使い回しが多く、ステージクリアしてもあまり先に進んでいる実感が沸きにくいのも難点といえる。
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ボーナスパターンも壁に当たると、何故か抜けられなくなってしまいそのまま圧死というパターンも多いので迂闊に近寄れない。
さらには適当に弾を撃つと壁から敵が出てくるのでこちらも控えなければいけない
ただし、「P」が出る場所は固定なので覚えれば復活に使用できる。
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穴に吸い込まれてアクションパートに移行する要素に関しても「存在自体が蛇足」と評判は良くない。
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それ相当の見返りがあるボーナスパターンはともかく、ただ余計に敵と戦わされるハメになる戦闘パターンに移行するのはほぼ自殺行為。
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このパートのせいでシューティングパートが一時中断されてしまい、テンポ感が阻害されてしまっている。
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難易度的にも問題あり。
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一度でもミスすると「P」効果が消滅し、ショットが相当な貧弱化をしてしまう故に、状況によってはいくら残機があろうがミスの連鎖に陥るという事も普通にあり得る。
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特にステージ3からの敵の攻撃が恐ろしい事態になる為、アドリブで何とかなるなんて甘い考えは捨てた方がいいだろう。
評価点
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外観面での評判は良い。
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ギリシャ神話とメカニックが混ざり合った感じ世界観は魅力的であり、ドットの書き込みも至って優秀。この辺は流石カプコンといわざるを得ない。
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特に各ステージのシューティングパートに出現する巨大顔のインパクトは凄まじく、稼動当初から「これを見たいが為にプレイしたくなる」というプレイヤーも結構いたらしい。
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本作の楽曲を担当した河本圭代氏が手がけるBGMの数々に関する評価は、歴代のカプコンゲーの中でも屈指といわれる程に高い。
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本作は表面上でのサントラCD化がなされておらず、一部のイベントのみでしか入手できなかった為に、今はネットオークションでとんでもない高価で取引されている。
総評
「縦スクロールSTG+横スクロールアクション」というような意欲的な要素を入れるもそれがマイナス方面に向かい、ゲーム自体もいまいちと当初からネガティブな目で見られやすいゲームであった。
残念ながらゲームとしてはクソゲーに近い出来といわれても致し方ない内容だが、外観面(特にBGM関連)に関しては上質であり、「ゲームは微妙でもプレイしたい魅惑はある」類の作品となっている模様。
家庭用移植
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NES(海外版ファミコン)では移植されてはいるが、単体での家庭用移植は国産においては全くされていなかった。しかし、近年ではオムニバス移植としてプレイできる環境が増えているのは嬉しいところ。
上記のNES版以外は以下の通り。発売元はカプコン。
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カプコンアーケードキャビネット(プレイステーション3、Xbox360、2013年配信)
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1986年パックにて『闘いの挽歌』『サイドアーム』と共にセットで販売されている。
本編の完全移植に加え、海外版の移植、サウンドプレイヤー、難易度を調整したカジュアルモード等が実装されており、今からプレイするには最も手を出しやすく、充実した内容となっている。
余談
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1Pの「ミッシェル・ハート(ミシェルハート)」は当時のカプコンゲーとしては珍しい女性主人公だったのか、カルト的な人気を持っており『MARVEL VS. CAPCOM』のスペシャルパートナーとしてのゲスト参戦以降は、『SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ』のプレイヤーキャラカードや『NAMCOxCAPCOM』のシルフィーの必殺技のコスプレの衣装、『プロジェクトクロスゾーン2』でのキャプテンコマンドーの必殺技演出の一つ等、カプコンシュー出身キャラの割には外部出演も多い。
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一方、2P側の「ケビン・ウォーカー」は『マブカプ』でゲスト参戦しそびれた事による影響なのか、外部出演の機会が皆無で扱いが悪すぎる。どうしてこうなった…
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海外版の初期版はキャラが差し替えられ、1P、2Pともに無名のマッチョにされてしまった。
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後に日本版と同じミシェルとケビンに戻ったバージョンも改めて発売されたが、こちらでは何故かミシェルの衣装が緑に変わっている。
最終更新:2025年01月25日 14:10