SIMPLE2000シリーズ アルティメットVol.16 戦国VS現代
【しんぷるにせんしりーず あるてぃめっと ぼりゅーむじゅうろく せんごくばーさすげんだい】
| ジャンル | 近未来剣劇アクション |  
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| 対応機種 | プレイステーション2 | 
| メディア | CD-ROM 1枚 | 
| 発売元 | D3パブリッシャー | 
| 開発元 | 彩WORKS | 
| 発売日 | 2004年2月19日 | 
| 定価 | 2,000円(税抜) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | ある意味SIMPLEシリーズの鑑 2,000円分以上の価値も以下の価値もない
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| SIMPLE2000シリーズ | 
 
概要
流行に乗ることには敏感な(オブラートに包んだ表現)D3パブリッシャー。世を流れる無双ブームを見逃すはずもなかった。打ち出してきたのがこの『戦国VS現代』である。
ちなみにタイトルから戦国自衛隊リファインブームにも乗っているような気がするが、『戦国自衛隊1549』が公開されたのは2005年なので、おそらくそれほど狙ったものではない。狙ったにしても旧戦国自衛隊の方であろう。
特徴
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タイトル通り、戦国時代を舞台に銃や格闘技などの近代の武器や戦法を用いて戦うアクションゲームである。主人公格のキャラの得物は刀や槍だが。
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但し、設定上は近未来で開発された「戦国時代をモチーフとした仮想空間」が舞台で、そこで行われる多額の賞金を懸けたキャンペーンに参加する者達の物語である。つまり厳密には現代でも戦国でも無い。
 
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操作キャラはイケメンのバンドマンや、最早お約束中のお約束である女子高生など、現代的なキャラが存在する。
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…と思いきやそれっぽいのはこの二人ぐらいで、他は「コスプレによって人間性を変化させる男(43)」「胸元の開いたセクシー衣装の女スパイ」など、どこかズレたキャラばかりで「現代」感は微妙なところ。
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最初の二人にしても、バンドマンは記憶喪失で、胸には謎の文様と数字が刻まれているという重々しい設定。女子高生は実家の神社の手伝いに嫌気が差してライブハウスに行ったところ、前述のバンドマンに一目惚れするもあっさりかわされ、彼のおっかけと化した。などと、やはりどこかズレている。
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しかも女子高生はOPムービーで轢かれそうになったベビーカーを守るためにトラックを横転させる離れ業をやってのけている。ソニックブラストマンか!というか普通に助け(ry
 
 
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タイトルはいかにも無双の亜流っぽいが、中身は全く異なる。固定視点+エリアクリア式なので、どちらかというと昔懐かしきベルトアクションを3Dに進化させたものと言った方が適当か。
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近接攻撃と銃攻撃を組み合わせたアクションである。互いにコンボに組み込むことができる。
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銃攻撃にはガンゲージを消費する。ガンゲージは敵を近接攻撃で倒すと回復。
 
 
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そのエリアに現れる敵をワンセット倒すと次のエリアに行ける。
評価点
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ごくシンプルな操作と、直観的な判断だけで先に進めるゲーム性。まさしくSIMPLEシリーズである。
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特に頭を使った面倒な操作は一切要求されない。簡単操作で敵をなぎ倒す爽快感はそれなりにある。
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コンボも比較的簡単に決まり、コンボ数に応じて得点も入る。大量得点が決まるとなかなか気持ちいい。
 
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SIMPLEシリーズにしてはグラフィックは綺麗。
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女性キャラのモデリングもそれなりに萌えられる安定した出来。
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ボイスもそれなりに用意されている。
 
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ポイントを集めてキャラクターを強化する楽しみがある。
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コスチュームも用意されているので、コレクション性は高い。
 
問題点
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ボリューム極薄。数時間でフルコンプ可能。
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SIMPLEシリーズらしいと言えばらしいが…。キャラクターがたった6人しかいないのも原因か。
 
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モーションが全体的にモッサリ気味。爽快感重視のゲームなのに…。
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スキル「クイック」で改善可能だが、これが逆に行動速度を大幅に引き上げるためゲームバランスを完全に崩壊させるバランスブレイカー。
 
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敵との間合いが非常につかみにくい。
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固定視点+3Dなので、現在のマップ上の位置によって縮尺が大きく変わるのが原因。
 
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銃の使い勝手が微妙。
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これで敵を倒すとコンボが途切れるのがネック。ゲージ消費するのだからもう少し優遇しても良かったと思うのだが…。
 
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難易度はかなり低い。
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ラスボスすら弱い。難易度HARDでようやく他作品のNORMAL並み。
 
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ストーリーは一見奥深く見えるが、ほとんど説明されない。
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キャラを選んでゲームを開始すると、何のストーリー演出も無くいきなりアクションステージが始まる。ステージ間のイベントデモや会話シーンも無い。
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一応設定としては「バーチャルな戦国時代で開かれるアクション大会。その裏に隠された陰謀とは…!?」という壮大なものだが、結局エンディングまでよくわからないままである。
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操作キャラ達も、特徴で少し述べた通りユニークな設定が与えられているのに、ゲーム中はまるで活かされておらず、OPで多少描かれている程度。
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また、各登場人物にアバターネームが設定されているのだが、6人中3人が本名で参加している。アバターネームの意味がわかっているのだろうか。どこかのコードネームに本名を入れる傭兵じゃあるまいし…。
 
 
総評
どこまでいってもSIMPLEな作品。評価点は「2,000円にしてはよく出来ている」、問題点は「2,000円だから我慢できる」と言えばほぼ説明できてしまう。
とりあえず、タイトルから無双系を期待すると間違いなくガッカリする。「3D版『ファイナルファイト』」を2,000円で買ったと思えば十分楽しめるだろう。
最終更新:2023年01月09日 18:31