本項では、『レールチェイス』と、続編『レールチェイス2』を紹介する。
判定は『レールチェイス』は「 ゲームバランスが不安定 / バカゲー 」。『レールチェイス2』は「 スルメゲー / バカゲー 」。



レールチェイス

【れーるちぇいす】

ジャンル ガンシューティング
対応機種 アーケード(Y-BOARD)
販売・開発元 セガ・エンタープライゼス
稼動開始日 1991年9月20日
プレイ人数 1人~2人
判定 ゲームバランスが不安定
バカゲー
ポイント セガテイスト満載の冒険活劇
ツッコミ所だらけの展開と血も涙もない難易度
一人プレイでは完全に無理ゲー
2人プレイでも長らく1コインクリア不可能とされていた

概要・ゲームシステム

  • トロッコを模した筐体に座り、レバーで照準を操作して敵を倒すガンシューティング。2人同時プレイ可能で全4面(分岐あり)。
    • レバーにのトリガーで射撃する。トリガー引きっぱなしで自動連射し、弾数は無限。
    • 筐体の椅子は、画面でのトロッコの動きに連動して右へ左へ揺れまくる。後ろで見ているだけでも大迫力。
      • この椅子が可動するギミックは公式で「マジカルベンチシート」と名づけられている。
  • 1作目では体力ゲージは存在しないが、代わりに画面上部には双方のトロッコの相対位置が表示されている。
    ダメージを受けると徐々にトロッコが傷ついていきボスとの距離も縮まる。ライフを取ると修復され、距離も離れる。追いつかれるとゲームオーバー。
    • ゲームオーバーになると場面が切り替わり、追いつかれたボスにトドメを刺されるデモが挟まれる*1
  • 各ステージは「敵の攻撃やトラップ等を凌ぎつつ、追跡してくるボスから逃走*2し、一定距離を進むとボスと決闘」という流れで進行する。

問題点

  • 血も涙もない超高難易度
    • このゲームを異常な難易度たらしめているのは物量であり、特に2面以降は敵の人数や攻撃、更には障害物まで同時にかつ大量に襲い掛かってくる。1人プレイはおろか2人プレイでも捌き切るのが困難な熾烈さで1人プレイでは理論上ワンコインクリア不可と言われるほど。
      • 2人プレイでは敵や障害物の体力が一部上がっている以外では変化が少ないので、可能ならば同時プレイが推奨される。しかしそれでも困難な道のりである事には変わりない。
    • またプレイヤー側の銃撃は壁を無視するので先読み出来れば障害物などを壊すことが出来るが、敵も同様に壁を無視した銃撃をしてくるため、ダメージを受けたがどこから攻撃されたのか分からない状態になる。
    • 道中の雑魚パラグライダーは倒すと自爆でダメージ、目前で倒せばぶつかってダメージ、と他の敵よりも地味ながら理不尽仕様*3
  • ライフは1度に数個出現することが多く取りやすい位置にあるが、非常に回復量が低く、数個取っても1度のダメージで回復量を上回ってしまう。本当に取ったかどうか疑わしくなるほど。
  • ステージの背景も目まぐるしく変わるため、的の狙いも定まらない。ダメージを受け続けると「CAUTION!」の文字が点滅表示…こうなるともう死亡フラグ。すぐにまた100円用意しないと先へ進めない。
  • 上記のような過酷すぎる事情により稼働開始以降ノーコンティニュークリア報告が上がる事はなく、ダブルプレイ(2人プレイ)での1コンティニュークリアが限界とされていた。
    だが稼働開始から約31年後の2022年1月15日。ダブルプレイ1コンティニュークリアを達成したプレイヤーにより、ダブルプレイでの世界初のノーコンティニュークリア報告が上がった。
    達成日翌日の16日には動画もアップされた。不可能を可能にしたプレイヤーに、称賛を送りたい。

評価点

  • ギャラクシーフォース』や『パワードリフト』で使用された「Yボード」基板の性能を駆使した、非常に高い立体感を誇るグラフィック。
    • 擬似3Dでありながら、本作の破天荒でスピード感抜群なコースや展開を見事に表現しきっている。
      • これは「スプライト以外のものは表示できない代わりに非常に多く、大きなスプライトを表示できる」という基板特性による賜物。
  • BGMは曲数こそ少ないものの、どれも本作の冒険モノの雰囲気に合ったもの。前述の「CAUTION!」時のBGMはプレイヤーに対して絶妙に焦りを誘う。

ツッコミ所

  • 本作はセガが制作しただけあり、おバカ要素が多くただの冒険モノとはひと味違うゲームとなっている。
    • 例えば自機のトロッコがレールも無い筈の雪道を走ったり、脱線して水上の上を爆走したりとツッコミ所しかない。
      • しかも敵対するボスが乗っているトロッコも自機同様の道筋で追走してくる。はたから見るとなんかおかしい。
      • ボスが乗るトロッコも、最初は簡単な盾付きの普通のトロッコ*4だったのが、最早主人公をトロッコごと抹殺せんとばかりに火炎放射機や砲台、投石機を装備しだす。見た目のキテレツさも先へ進むにつれてドンドン増していく。
    • なお、自機の乗るトロッコは元々敵から奪った普通のトロッコである。どうしてこうなった。
  • ちなみに系譜にあたる『ジュラシックパーク』でもこんなテンションで進んで行くが、ゲーム化どころかツッコミ所がパワーアップしている。

総評

「トロッコによる脱出劇」という冒険活劇を基板のパワーに物を言わせた擬似3Dとしてはトップクラスのグラフィックと可動筐体による迫力の演出面、そして思わず突っ込みを入れたくなるおバカ要素で味付けした実にセガらしさが溢れる作品。
凶悪すぎる難易度がやや目に付くが、スコア等といったプレイヤーの技量を表す指標が存在しないことから、攻略を目指したり他のプレイヤーと競い合う「ゲーム」ではなく「続きを見たい場合は追加コインを入れて、雰囲気を味わうアトラクション的なもの」として作られた…と考えるとコンティニューを促す難易度調整もある程度納得できるかもしれない。
その性質上、出来れば一人よりも友達等を連れて二人で一緒にワイワイしながらプレイしたいところだ。


余談

  • 本作をコンセプトにしたアトラクション『レールチェイスザライド』が東京と横浜のセガ直営のテーマパーク「ジョイポリス」に存在していた。両者とも現在はクローズしたが、東京の方は「撃音 ライブ コースター」等にコースが流用されている。
    • ちなみに同シリーズのサントラに、このアトラクションの音楽も収録されている。
  • レールの上を(時折外れるにしても)駆け抜けるACゲームとしては実は『電車でGO!』を差し置いて今作が初だったりする。もっともこちらはトロッコだが…。
  • 今作のようなコンティニュー前提の「死ね死ね金払え」系のアーケードゲームにはこの他にも映画『ジュラシックパーク』のゲーム版や、『レッツゴー』シリーズ等がある。セガ制のゲームが妙に多いのは会社柄だろうか?
+ 参考プレイ動画


レールチェイス2

【れーるちぇいすつー】

ジャンル ガンシューティング
対応機種 アーケード(MODEL2B)
販売元 セガ・エンタープライゼス
開発元 セガ第3AM研究開発部
稼動開始日 1995年6月19日
プレイ人数 1人~2人
判定 スルメゲー
バカゲー
ポイント 前作より遥かにマシになった難易度
おバカ要素健在

概要・ゲームシステム、前作との相違点・共通点(=問題点も含む)

  • 使用基板が「Y-BOARD」基板から『ファイティングバイパーズ』や『電脳戦機バーチャロン』等で使われていた「MODEL2B」基板に変更。
    • グラフィックが擬似3D方式の2Dから3Dポリゴン化され、演出がより派手に、美しくなった。
  • 筐体が一新。モニターが50インチのプロジェクターになった他、可動シートの駆動機造が2軸から3軸に増えたため、前作以上に機敏な動きをする。
    • 可動シートギミックの名称も「スーパーマジカルベンチシート」とグレードアップしている。
    • 新筐体以外に前作の筐体や『ジュラシックパーク』で使われた筐体をコンバージョンしたものも存在する。
  • プレイヤーのライフが1P側、2P側それぞれ独立したゲージ形式になった。
    • これは『ジュラシックパーク』からの逆輸入となっている。
    • ダメージを受けた時の演出も「DAMAGE!」という文字が表示されるだけのものになった。
    • ライフの残量が少なくなるとライフゲージが点滅するものに変更された。
  • 前作にもあったステージ分岐が増え、要塞に始まり工場や山村、遺跡に鉱山、雪原に渓谷、森林に市街地などとバリエーション豊かになった(隠しコースも存在)。ただし途中で合流地点もあり、6面からは一本道。全7面。
  • 前作では各ステージに1体ずつ用意されていたボスは特定の面で出現する方式に変わった。ゲーム中に2体現れる*5
    • それに伴ってゲームオーバー時の演出も『ジュラシックパーク』と同じく画面が停止し、ホワイトアウトするものに変わった。
    • 前作のボスは改造を施したトロッコだったが、本作では主人公が乗るトロッコよりも遥かに大きい巨大戦闘車両が相手。3Dポリゴン化の恩恵も受けて威圧感と迫力はどれも凄まじい。
  • BGMは「冒険モノ」の雰囲気に徹していた前作から一転して、アップテンポでノリがよいものが中心。
  • 前作に存在したおバカな要素も健在。今回は基板の力でおバカ要素がパワーアップ。
    • 例えばトロッコが高いところから落ちてもトンネルの中でぐるりと回転しても主人公達は無事だったり、小さなトロッコと主人公が持つ機関銃だけでボスである巨大戦闘車両と戦ったりとツッコミ所満載の道中となっている。
    • 本作のトロッコもやはり敵から奪った普通のトロッコである。
  • しかしながらやっぱり難易度が高い。
    • 敵の攻撃が毎プレイごとに若干変わり、前のプレイでは攻撃されなかったのに今回のプレイでは攻撃されたりとランダム要素がある。
    • 特に顕著なのが山村ステージの落石地帯や渓谷ステージの戦闘機地帯。落石は運が悪いと絶対に回避できない大ダメージを喰らうハメに。
    • 回復アイテムが意地悪な位置に配置されてる。しかも2~3回分の攻撃しか回復してくれない(これでも前作よりは目に見えて効果が出るだけマシ)。
    • 兵隊が前より多く登場し、一人につき攻撃を一回どころか、2~5回食らうことがある(しかしダメージはそんなに大きくない)。
    • 展開のはちゃめちゃさがアップ。背景がとにかく動きまくり。より的が狙いにくい状態が多くなった。
      • 近年ではシートが作動しない筐体もあるが、シートは動く分照準も狙うのが難しいので、臨場感はあるが展開も併せて余計に難しくなっている。
    • ボスは2体とも、とにかく鬼畜。ミサイルなどを弾幕の如く放ってきて、処理しきれない。最低3回は食らう。当然その間にも、兵隊が邪魔をしてくる。
    • しかしこれでも1人プレイはおろか、2人同時でも1コインクリアできるか怪しい無理ゲーだった前作と比べると遥かにマシになっている(後述)。

評価点(2)

  • 難しいとは言われるものの難易度は程よく調整されており、相当やりこめば1人プレイでもコツを掴み1コインクリアできるように調整された。
  • 今までにリリースされているアーケードガンシューの中ではかなり攻略しやすいほうであり、固定式ガンコン系*6の中では簡単な部類に入ると思われる。
    • 1Pと2Pでダメージ判定が画面の左右の半分で分かれていて、1人プレイでの場合はプレイする側だけにしかダメージ判定がなく、反対側は攻撃されてもダメージにならない。
    • よってすべての敵、障害物を倒す必要は無くプレイしている側のほうに攻撃してくる敵や障害物を優先的に倒せばダメージを最小限、あるいはノーダメージにできる。
    • 回復アイテムが大量に配置されていてインフレ気味であり、すべて取れれば被ダメージ量を回復量が上回る。最初のステージで最大15個、最終ステージでさえ12個も獲得できる。
  • ステージ分岐もクリアするにあたって重要な選択であり、更にステージ内での隠し通路*7もあるのでそれらを覚えられればかなり有利な展開になる。
    • 特に最初のステージ分岐はかなり難易度に差があり、選んだだけでゲームオーバーになりかねないほどの難しさを誇るので間違っても難しい方を選ばないように*8
  • 既述されている2回あるボス戦も、倒し方さえ知っていれば全く難しく無くなる。ゲームをやればやるほど、道中のほうが難しく感じる程に。
    • 1回目は即効で倒すと大量の回復アイテム*9が出現し、すべて取ればライフゲージの半分ほど回復できるのでダメージを喰らいながら即効で倒せば被ダメージ以上の回復が見込める。
    • 2回目は攻撃が激しいが、砲台の攻撃はすべて撃ち落とすことが可能なので前半はノーダメージ突破可能。最終段階で残りライフが半分程度残っていればゴリ押しで1ターン撃破可能。
    • 固定式ガンコン系のボス戦でよくある「時間以内にマーカーの着いてる場所をすべて撃ち落とせ!」が全く無いのも簡単な理由の一つ。(単に他の固定式ガンコン系が難しすぎるとも言えるが。)
  • プレイする時は、2P側からスタートすると良い。アーケードゲームのガンシューティングは2P側のほうが楽になっていることが多く(接待プレイ補正で、2P側に初心者が座ることが多いのを考慮しているため)、特に本作はそれが顕著。1P側と比べると明らかにダメージを受ける機会が少ないのだ。2P側ならやりこめば充分に1コインクリアは可能。
    • 補足すると2P側は1P側と比べてダメージを受けるタイミングが遅い場合が多いだけで、敵を放っておいたり撃ち逃したりすると2Pでも激しい攻撃を喰らうことがあるので決してダメージを受けにくいわけではない。
    • 当然、2P側のほうが先にダメージを喰らう場面も多々ある。記述した攻撃のランダム要素もあるので想定してない場面でダメージを受けることも。

総評(2)

前作から順当にグレードアップした作品。前作ではコンティニュー前提だった難易度も一人プレイでもノーコンティニュークリアができるように改善されたため、やや厳しかった一人プレイも耐えられる作りになっている。二人でワイワイプレイするのもよし、一人でノーコンティニュークリアを狙ってみるのもよしと完成度が高まった続編といえるだろう。
一方で前作共々、稼動開始から長年経過した大型筐体作品の宿命か、現存する筐体が少なくなってきているので、興味があるならば動いている内に一度プレイしておく事をオススメする。


余談(2)

  • 前作同様「アトラクション」の性質が強い作品のため、本作でもスコアの概念が存在しない。
  • 背景の所々に開発スタッフと思われる写真が貼られている。それを見つけながらプレイするのもまた一つの楽しみ方だろう。
  • ラスボス撃破後、隠しコマンドを入力するとエンディングで照準が出現し、主人公達の乗る飛行機を撃墜する事が出来る。撃墜するとスタッフロールが変化し、誰も乗ってないトロッコを背景に「END OF THE LIFE」というBGMが流れる物になる。
    更に通常表示される「2人の冒険はレールチェイス3に続く」というメッセージも表示されない。どうしてこうなった。
    • そもそも肝心の『レールチェイス3』自体が出ていないのだが、まさかこの隠しエンディングが正規のエンディングとして取り扱われているのだろうか。
      • 後に『マジカル・トロッコ・アドベンチャー』というゲームがリリースされており、こちらの作品がロケテスト段階までは本作の続編『レールチェイス3』として扱われていたが、最終的には独立した作品となった。こちらはシューティング要素はなく、手漕ぎトロッコによるアクションゲームである。
  • ちなみに本作のキャラデザはあの「ゾルゲ」である。とは言えキャラデザに特に問題は無いのでご安心を。
最終更新:2022年04月08日 09:03

*1 1面:ハンマーで殴られる。2面:火炎放射器で焼かれる。3面:拳銃で撃たれる。最終面:鉤爪で引っ掻かれる。

*2 所々で後ろを振り向く演出の後、ボスからの邪魔が入る場面も存在する。

*3 見えたら速攻で倒すか、落としてくる爆弾を撃ち落として無視すればダメージを受けなくて済む。

*4 ちなみにそのボスはダイナマイトを投げて攻撃してくる。

*5 前者の戦車型高速装甲兵器は遺跡ステージに登場し、後者の戦艦型巨大鉄道兵器は市街ステージをクリアした後に登場する。

*6 古い物では『ビーストバスターズ』や『スティールガンナー』、新しい物では『レッツゴージャングル』や『ダークエスケープ3D』などのガンシューのことを指す。

*7 敵が少なく楽なコースになったり、回復アイテムが置かれているなど大体有利になる。

*8 簡単な方も隠し通路を通らなければかなり難しくなってしまう。

*9 最大5セットまで。