SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語 大いなる遺産

【えすでぃーがんだむがいでん ないとがんだむものがたり おおいなるいさん】

ジャンル RPG
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 エンジェル
開発元 トーセ
発売日 1991年12月21日
定価 9,500円
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント キャラごとの強さがバラつき過ぎ
敵の強さもバラつきが異常
3章のアムロ一人旅が地獄
念願の新キャラがクソ雑魚
ガンダム史上、ネモが最も輝くゲーム
SDガンダムシリーズリンク



伝説は一体……どんな真実を明かそうというのだ!?



概要

カードダスなどで人気を博した「SDガンダム外伝・ジークジオン編」をRPG化したもの。全4章で構成される。

SDガンダムと言えば、「ガンダムシリーズ」のロボット達が人間と同じ背丈で「一人のキャラ」として生きており、喋る存在になっているというギャップが魅力。
本シリーズではそれに加え、剣と魔法を主軸にした王道的ファンタジー世界が舞台になっており、独自性がさらに強くなっている。
本作のストーリーの大筋は原作(OVA)をある程度踏襲している他、章の分け方についてきっちり原作に準じる。
1章「ラクロアの勇者」
2章「伝説の巨人」
3章「アルガス騎士団」
4章「光の騎士」
ただしゲームシステム的には、「ドラクエ風」の一言で足りてしまうほどオリジナリティに乏しい。
シリーズ過去作はドラクエフォロワーながらも、奇抜なシステムを幾つも盛り込んでいたのだが、本作にはそのほとんどが受け継がれていないため。

フィールドを探索し、街に入って情報収集し、長丁場のダンジョンを潜り抜け、章最後に待ち受けるボスを倒すと次章へ進む。
構成的には、特にファミコン版の『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』に近い。
章ごとにプレイヤーのパーティメンバーの大半が入れ替わり、3章に至っては主人公がガンダムからアムロに交代する。


戦闘

  • ターン制のコマンド式バトルで、見た目も中身もこれまた「ドラクエ風」である。
    • ただし多くのキャラが固有の特技を持っており、後述する「ネモ」の特技はとんでもなく強い。
      • 装備可能なアイテムと特技と大胆なステータス差により、キャラの個性化についてはなかなか上手くできている。
      • 最大で5人パーティ。戦闘中にキャラの入れ替えはできない。
  • 各キャラには「右手」と「左手」に別々の武具を装備させることが可能。ここだけは「FF風」である。
    • 本作ならではの特徴として、両手とも武器にする二刀流だけでなく、両手とも盾にすることも可能。両手盾は言うまでもなく壁役のキャラに適任。
      • また特殊効果のある装備品もあり、意外と装備選定の幅が広い。
  • 戦闘では原作の公式絵をそのまま切り取った形で、各モンスターが2Dで描かれる。
    • 色味が非常に綺麗で、アニメーションこそしないもののかなりの迫力がある。
    • 斬撃音などのSEについては、本家ガンダムのようなSF感あるものが多用されるため著しいギャップがあるものの、エフェクトすらそれっぽいため狙ってやっていると思われる。
      • 例えば「ゴブリンザク」相手に、こちらは剣や棍棒で攻撃しているはずなのに、ビームサーベルで斬っているような音と見た目なのである。
      • 画面の美麗さに助けられ、戦闘周りで地味さを感じないのは利点。プレイヤーを泣かせるほどの強ザコもちらほら存在し、戦闘がゲームにおける最大のスパイス。
  • 戦闘中にRボタンを押すと敵のクラス(騎士や戦士といったもの)を見ることができる。これをゲーム中に確認できるのはナイトガンダム系列では本作が初めて*1
    • 「戦士系は魔法に弱い」といった法則は多少あるものの、五十歩百歩であり、わざわざ調べるほどでないのが惜しい。

カードダス

  • 本作でもゲーム中に「カードダス」が登場する。
    • そもそもカードダスとは、1988年より登場した自販機販売型のトレーディングカード(と、その販売機)のことであり、2020年現在ですら様々な作品・キャラを据えて展開が続いているメガヒットコンテンツである。ナイトガンダムのメディアミックス展開の中核にあるのも、まさにカードダスでの展開*2なのである。
      • 作中では、ファンタジー世界であるにもかかわらず、なんの説明も無いまま街の各店に現実の日本のものと同じ形状の自販機が設置されている
      • カードダスはおまけ要素でシナリオに絡んでくることもなく、エンディングまで一枚も購入せずともゲームクリアは可能。
  • カードダスは一枚20Gで購入可能。これも、本作発売当時のカードの値段を再現したものである。
    • 購入時、カード入手演出はムービー形式で行われる。そこまで演出を頑張らなくても。
      • カードの絵柄は、先述のバトル用のものと共通。カードダスでのみお目にかかれる人物やモンスターも多数存在する。
  • 手に入れたカードは、「アルバム」に自動収録され、リスト形式でアルバムの全カードを自由に見返すことができる。今風に言うとギャラリーモードにあたる。
    • カードには通し番号が振られており、これは現実のジークジオン編のカードダスの番号としっかり一致している。
      • レアなカードはプリズム加工が全面に入れられており高級感があるのだが、ゲーム内のカードもその見栄え(見え方)を完全再現
      • どのカードが手に入るかは運頼みであり、ダブりも起きる。コンプリートにはリアルで大量の時間とゲーム内通貨が必要になる。これもまた再現か…。
  • カードにはキャラの絵とステータスが載っている。
    • 敵として登場するモンスターのステータスは、ゲーム内に現れる敵のステータスと一致している。
    • そのおかげでカードダスにより、入手自体はランダムながら、今後シナリオ上で登場する敵の情報を事前に知ることもできる。
      • それだけでなく、ゲーム内で「コールの書」というイベントアイテムから魔法「コール」を習得すると、カードダスを消費し召喚獣としてバトルに参戦させられる
      • 召喚されたカードダスのキャラは、プレイヤーの指示こそ受け付けないものの、6人目のパーティキャラとして体力が尽きるか戦闘終了までNPCとして戦ってくれる。
      • 召喚には制限があり、カードに設定されたレベルより、使役者のレベルが上回っていないとそもそも呼び出すことができない。

問題点

ゲームバランスが全体的に尖りまくり

  • 最序盤と3章が特に厳しい一方で、4章にもなって3章程度のザコ敵がごまんといたり、ゲームバランスは難しいほうにも簡単なほうにも偏っている。
    • 4章はそれまでの章以上に過去章からの続投ザコが多い。
    • カードダスでのみ存在するザコ敵は、原作と照らし合わせると本来であれば4章用のものが多く、エンカウントで出現させられなかった事情は不明だが特に惜しく感じられる。

1章スタート地点近くで出現する敵が強過ぎ

  • スタート地点の「ラクロア城」周辺では「ドム(戦士ドム)」が危険。ただし騎士ガンダムと僧侶ガンタンクの攻撃魔法を集中させれば何とか倒せるので、まだマシな部類。
    • 西にある洞窟を通り過ぎて北へ向かおうとすると、「クラブマラサイ」や「グフ(騎士グフ)」といった初期レベルではどうあがいても勝てない敵が頻出する。こちらは洞窟の次の攻略エリアなので強くて当然ではあるのだが、特に移動の制限や警告などもないため「とりあえずダンジョンに挑む前に行けるところへ行こう」などと考えて出会したプレイヤーが続出した。
  • また、間違ってスタート地点から南の湖のほとりを歩くと次章のザコ敵「スコーピオンザク」などが出てくる。彼らはドムどころか、1章終盤のザコ敵より強い
    • これは敵の出現分布が大雑把で、湖付近の数マスは2章の敵の出現範囲がはみ出しているのである。これは古いRPGによくあるミスである。
    • 質の悪いことに、すぐ近くにある「ルウムの村」で「昔は湖を舟で遊覧していた」という情報が聞けてしまうため、そちらに何かがあると思って湖に向かってしまうプレイヤーもいた模様。この情報は本来2章で活用されるもの。
      一応次章の敵は相応に経験値も高いので、ナイトガンダムの神器さえあればそこで(1章の中では)最も効率のいい経験値稼ぎができる。
  • 最初のダンジョンに出現するザコ敵「バウンドミミック」は、逃走確率が高いものの、見事倒せば多くの経験値と資金を得られる。
    • それだけ聞くとボーナスモンスターっぽいのだが、守備力が高いため打撃ではまず倒せない。そしてモタモタしているとときどき即死魔法をお見舞いしてくる
      • 即死魔法の件まで考慮するとドラクエのほうのミミックも意識しているフシがあるが、困ったことに本作では序盤に通常エンカウントするモンスターなのである。というか本作では宝箱から出るトラップモンスターとしては出現しない*3。宝箱に擬態している意味とは。
  • そしてドラクエよろしく、全滅すると所持金が減り、主人公以外を蘇生するため無情にもそこからさらに所持金が減らされることに。

最恐ザコ敵「ヒドラザク」が、2章でさっそく登場

  • ヒドラザクは、8頭竜の頭部が各々まんまMSザクになっている(ご丁寧に1本は角付き)という冗談のような見た目でありつつも、攻守だけなら4章ラスボスより強いというハチャメチャな実力の持ち主。
    • 有志の内部データ調査により、少なくとも馬鹿強い攻撃力についてはバグの産物であると判明している*4。ところが体力もボス級、防御力に至ってはゲーム中最高峰である。
      • 本来の出番は終盤なのだが、2章以降にちらほらと「たまにヒドラザクを呼ぶザコ敵」が存在しており、プレイヤーの恐怖の的となる。
      • 先述のモンスター分布の問題で、1章でも出現し得るのが酷い。逃げられるのが不幸中の幸い。
    • 一応2章になる頃には僧侶ガンタンクが即死魔法「ソーラ」を、騎士セイラが「スライムル」*5を覚えるので対抗手段はある……のだが、ガンタンクは2章になると長期離脱してしまい、セイラは加入直後はまだスライムルを覚えていないため、どちらの手段も取れない状況で出会ってしまう可能性もある。そうなったら逃げるしかない。

2章ラスボス「サイコゴーレム」も強すぎる

  • 前座の「マクベカッツェ」から連戦になる上、このマクベ(マ・クベではない)さえもなかなかの強敵。全体魔法を使われると次戦に挑む前から敗色濃厚。とはいえここは後述の武闘家ネモに頼れば速攻撃破もできるためまだ楽。
  • サイコゴーレムはイベントアイテム「光の弓」を戦闘中に使用することで多少は弱体化することができるのだが、弱体化させても十二分に強い
    • 原作OVAではその光の弓による攻撃の一撃で敗れ去っていたことを思うとえらい違いである。
+ サイコゴーレムの詳細
  • ぶっちゃけた話、弱体化の手順が微妙に分かりにくい。
    • 事前にサイコゴーレムが弱体化できる情報と手段は得られるのだが、その過程で「光の矢」と「光の弓」がセットで手に入る。そしてどちらも分類上は武器。
    • 仕方ないが両方を装備すればいいのだろうな、と誰もが思ってしまうものの、実際は戦闘中にアイテム欄から「つかう」のが正しい。装備する必要すら無い。
    • しかも「光の矢」では無反応で、「光の弓」のみ弱体化効果を発揮する。矢のほうは罠か何かか?
    • 間違って光の矢を使ってしまうと1ターン目でパーティから早くも死者が2人出るであろうため、ほぼ全滅確定。
      • という、初見殺し(?)を乗り越えるのが第一関門である。
      • ちなみに光の弓矢の攻撃力はこの時点では騎士ガンダムの武器としては最強。……だが、1章ラストで失われた「炎の剣」よりは弱い上に弓矢なので盾と併用不可能であり、あまり強いという印象はない。この戦闘での騎士ガンダムは防御力を優先した方が良いため尚更である。
  • サイコゴーレム自身は終始、通常攻撃を1ターンに2連続で行うのみという、ボスとしてはスタンダードな戦法で襲ってくる。
    • ただし初期状態の攻撃力がヒドラザクの項目で述べた例のバグでラスボス級になっており、弱体化させても半分程度にしかならない。
    • 素が強過ぎるため、「防御」無しでそれを耐えられるのは騎士ガンダムと武闘家ネモ、ギリギリで騎士セイラ。僧侶ガンタンクと妖精ジムスナイパーカスタムは一撃死確実。
      • 蘇生魔法はセイラとガンタンクが使用できるものの、二人とも一気に屠られるケースも珍しくない。そして誰でも使える蘇生用アイテムは2章の時点では非売品のレアアイテムである。
      • 実は「守りの杖」という武器(ガンタンクのみ使用可能)をアイテムとして使うと1ターンだけ無敵になれる効果があるため、この戦闘ではガンタンクを先頭にして壁役をさせるという手段もある。この場合回復・蘇生役がセイラだけになってしまうが、サイコゴーレムの攻撃を(確実ではないが)無効化できるのは大きい。


最大の難所となる3章序盤

  • この章はしばらくアムロの1人旅になるのだが、そんなの全く考慮していないかのような強敵(2章の強ザコであるナイトマラサイ等)がゾロゾロ出てくる。
    • アムロは1章終了時に離脱。2章には登場しないので育てられる期間が限られている。
      • そして1章クリアはだいたいレベル20くらいあれば可能なのに、この章はアムロのレベルが30あっても全然足りない。
      • そもそもアムロ自体が器用貧乏の極みといった能力の持ち主で、直接攻撃でも魔法でも敵に致命傷を与えにくい。1体倒すだけでも大変なのに、敵は平気で2体3体と出現する。
      • 特に「ヤクトドラゴン」はHPが桁違いに高く、さらにダメージが大きい攻撃技を使うので、アムロ1人で倒すには混乱による自滅を狙うぐらいしか方法はない。
      • 3章自体は短いものの、原作再現により3章ラスボスを含め4体もの大ボスが待ち構えており、とにかく(プレイヤーへの)疲労が大きい。
  • 3章最初に着く街の宿屋はなぜか使用できず、回復もセーブもできない。一応買い物は可能。
    • ここで宿屋が利用できるだけでも大きく難易度は緩和されるのだが。
      • 宿屋が利用できない理由もいまひとつ納得がいかない理由なので、ますます何故利用できなくしたのかがわからない。
    • そしてその次に辿り着く町は廃墟。とことんプレイヤーの心を折りに来る。
  • 2章の「サイコゴーレム」はレベルを上げればなんとかなるが、3章はレベル上げすら容易にさせてもらえない。
    • しかし1章はアムロを育てなくてもクリア可能なので、まったく育てていなかった場合は完全に詰むこともありえる。
      • 低確率ながら、メタルスライムのオマージュである「メタルアッザム」という経験値稼ぎ用の敵が出てくる他、一部には倒しやすい敵もおり、しばらく弱いものいじめを頑張ればクリアは可能。
    • 1章はともかく、3章でもまたどん底からスタートさせる点が酷い。
  • 3章の前半で「闘士ΖΖ」と一騎打ちをすることができ、勝利すればΖΖが仲間になるタイミングが早くなる。
    • ところがこれ、アムロがレベル30台後半でも苦戦する負けバトルも同然の難易度設定になっており、1章を適正レベルで戦い抜いた程度のアムロでは相手にならない。
    • 敗北した場合は3章の終盤でやっと仲間になる。
    • アムロが弱いため、ΖΖを仲間にしないと途中のボスがかなりきついが、前述のようにそれも難しい。
    • 勝てば結果的に難易度がかなり緩和されるが、正攻法でΖΖに勝てるほどLVアップ済みのアムロではありがたみが薄い。
      • ただしアムロが覚える魔法「サイコ」(相手1体を混乱させる)を使えば、運が良ければ突破可能。アムロのレベルを抑えたい場合はこの魔法を覚えた時点で倒しにいこう。
    • なおこの一騎打ちは一度しか挑戦できない。話しかけるとΖΖから「はい・いいえ」で確認が入るので、戦う前にちゃんとセーブしておこう。
      • この一騎打ちに負けたor戦わなかった場合、最初に仲間になるのは魔法使いキャラである法術士ニューガンダム。アムロもニューも体力が低く、3章最初のボス戦が山場。一応この局面さえ乗り切れば、後はそこまで難しくはない。

せっかくの魔法「コール」の習得方法が、裏技の領域

  • ゲーム中で入手したカードダスは、戦闘中にコールの魔法を使うことで召喚して戦わせることができる。
    • このゲームの大きなセールスポイントであり、サイコゴーレム戦を乗り切る上でも必須に近いものの、コールの書の入手法はノーヒント。
    • とある大陸の湖の先にある隠しダンジョンの奥に配置されているのだが、その湖に船を浮かべる方法が、最寄りの村の宿でセーブしてから電源を切ってロードするしかない。
      • この村に限らず、ロード直後には再開した町・村の最寄りの海岸に船が移動するようになっている。移動魔法「ターン(DQで言うルーラ)」を使った場合も同様なのだが、件の村はターンでの移動先に登録されないため、上記の方法以外では船を持ち込む手段がないのである。
      • セーブデータのロードが初期のドラクエシリーズよろしくタイトル(メインメニュー)画面からしか行えず、そこへはゲーム起動時しか行けないからなのだが、結果的に一度は電源を切るのが必須になっている。
      • 本家ドラクエシリーズの方に(理由こそ異なるものの)一度電源を切らないと入手できないアイテムがある作品が既に存在するが、そちらと違って全くのノーヒントなのが厳しい。まぁそちらもヒントがヒントになってないのだが……。
      • ちなみにこの船の仕様には別の問題もあり、4章序盤で外海に抜ける海峡を塞ぐ船をどかして外海への航路を作る展開があるのだが、外海沿岸にある3章の街にターンで移動すればそのまま外海に船が移動してシーケンスブレイクができてしまう。
  • コールの書の入手も、最短でも2章の後半と、ゲームの1/3以上が過ぎてからの解禁となるので遅め。しかも仕様上、通常の手段だと3章のアムロへは持ち越せない。
    • アムロは「コール」の習得可能者の一人なのでなおのこと悔やまれる。
    • というか、コールありきのような難易度なのに、使えない局面が多すぎる
  • 「コール」で呼び出せるキャラの制限はなかなかきつい。
    • 強力なカードは当然のように設定レベルが高く、レアなカードが宝の持ち腐れになりがち。
      • 4章ラスボスや「スペリオルドラゴン」に至ってはカンストすれすれのレベルが必要。ここまで強くなっていては、もはや召喚が必要になるような敵は居ないのに。
    • また、敵の場合は体力(HP)が4桁を超えるが、召喚時はパーティメンバーと同じようにHPもMPも999が限界なので、カードダスで1000以上の数値が書かれていても召喚時は見掛け倒しとなってしまう。
      • さらにステータスが高くても行動パターンがおバカであったりもし、当たり外れが激しい。
      • なおスペリオルドラゴンは行動パターンにバグがあり、呼び出すと高確率でフリーズの原因になる。せっかく呼べるようになってもこの仕打ちである。
  • さすがに現実のカードダスを全てグラフィックにおこすのは作業に限界があったのか、町人などの非戦闘員系や、アイテム系のカードはオミットされている。
    • にもかかわらず、アルバムのカードダス一覧では、オミットされた絶対に手に入らないカードも、他の「未入手カード」と同じ見た目で表示される。
      • そのため、現実のカードダス一覧を知らなければフルコンプしたのかどうか分からないし(収集率の表示も無い)、見事フルコンプしてもゲーム上では隙間だらけになってしまう。
      • カードダスで収録されている4章ザコの一部はエンカウントできず召喚専用になっているがその数も妙に多く、フィールド上に配置し忘れられたのではという疑惑がある。

激レアなのに全く使いどころの無い魔法

  • 「コール」の対となる「リコール」という魔法が存在する。
    • これは「リコールの書」で習得可能だが、これも辺鄙な場所にあるダンジョンの奥深くにある。コールのダンジョンと違い、こちらは進入自体は簡単。
      • しかしそのダンジョンは、見えない落とし穴が点在する碁盤の目状のフロア、落とし穴から落ちて来る小部屋、ただひたすらに広い大部屋の(表向きは)3層構造。
      • 全ダンジョン中で屈指の非常に複雑な構造であり、敵も強く、隈まで調べるには大変な苦労を伴う。
    • 実は目的のアイテムが隠されている場所は、大部屋の片隅を「調べる」ことでしか出現しない隠し階段を降りた小部屋。
      • ゲーム内でヒントは全く無く、攻略本すらこの隠し階段の存在には触れていないため、当時これを発見できたプレイヤーはいてもごく一握りと思われる。
  • そしてここまで入手に苦労する魔法ながら、「敵味方問わずコールで召喚されたキャラを即死させる」という効果しか持たない。
    • 一見凄そうな効果に思えるのだが、プレイヤーの場合は「アルバムから選択するとき間違えなければいいだけ」である。
    • 敵はというと、そもそもコールの使用者が10キャラにも満たないほど対象がレア。そのうえ、コールで格下のザコしか呼び出さないのでこれを使用するまでも無い。
      • せめて先述のヒドラザクが、「仲間呼び」ではなく「コールでの召喚獣」扱いならば局所的に活躍できたのだが。
      • 上記のコールを覚えられるダンジョンでは「コールでの召喚獣」という設定の中ボスと戦うことになるのだが、何故かこいつらにはリコール無効。ピンポイントでの活躍の場すら与えてもらえない。
      • そんなこんなで、ファミコン版FF2の「アルテマ」並に不遇な魔法である。シナリオに絡まず、攻略本でも「覚える必要はない」(意訳)と書かれるなど立場は更に悪い。
  • 各攻撃魔法の最上級のものは、レベルアップでの習得は無く、全て高額の店売りの書で覚える必要がある。
    • 購入可能時期は4章後半。魔法の演出自体は凝っているが、4章にもなると防御力の高い相手がほとんどおらず、火力不足&役割不足になっている。
    • それでもアムロのように攻撃力に欠けるキャラにとっては大事なダメージソースなのだが、そのアムロは本来覚えられるはずの最上級魔法2つのうち片方をバグにより修得できない。どこまでアムロをいじめれば気が済むんだ。

その他問題点

  • セリフなどのテキストが、漢字が使用されていない上に長めなのが祟ったか、全体的に誤字が多く、妙な文章がある。
    • 中でも有名なのが4章ラスボスの台詞「わがいじろへ ようこそ!」。「きょじょう(居城)」だろうか。これは変換ミスでさえ無いだろう。
    • 中ボスの一人「呪術士キュベレイ」は、倒されると「アヘ…」という謎の呻きを発する。
      • ちなみにキュベレイは元ネタのパイロットよろしく女性という設定。近年のゲームならば間違いなくネタにされていた。
  • シリーズ旧作と違って、エンディングがデモ風ではなく、スタッフ名は通常のセリフ同様、ただの会話ウィンドウに不規則に表示されるためチープ。
  • ダンジョンの見た目が、洞窟・塔・城の3パターンしかない。
    • 同時代の他のRPGはもちろん、ファミコンの時代でも色違いのダンジョンくらいはあったのだが。
    • ラストダンジョンは外観のみOVAを意識したものになっているが、内部は至って普通の塔タイプのグラフィックで、一階では周囲に無いはずの草原まで画面端に見えてしまう。
  • 民家に入るとき・出るときのSEが謎の高音。文字で表すことすら難しいが、少なくとも場所を移動している感は全くしない。敢えて言うならワープしてる音らしさはあるかも知れない。
    • ドラクエならば、「ザッ、ザッ」という階段の昇降などと兼用の靴音が使われるところだが、どうしてこうなった。
      • ちなみに本作の階段の昇降には、ちゃんとドラクエ風のものが使われている。
  • 一部効果がよくわからない魔法がある。ゲーム中に説明を見られるだが、説明通りの効果になっていない。
    • さらに攻略本では説明がゲーム中と違っていたり、使っても効果が実感できない(なにもなし?)など、きちんと設定されているのか怪しい。また効果が設定されているものでも「何故そんな効果にした」というものも。
      • 例としては落とし穴を発見する効果の「サーチ」。ただし説明で「小さなものは発見できない」とされている通り、ゲーム中ではこの魔法に反応しない小さな落とし穴が大半。唯一発見できるのがこの魔法の修得者が加入する前にクリア済のダンジョン。しかもそのダンジョンでは落とし穴を発見するための専用アイテムが存在する。つまり、この魔法の本当の効果はその専用アイテムと全く同じ。何のために存在するのか。
    • 補助魔法には、強いものと弱いものの差が激しい。1ターンだけ味方1人を無敵にする「ジアマー」は低レベルクリアの切り札になる。
  • 移動中に回復魔法を使うと、HPの数値がスロットマシンのリールのようにピピピ…と目まぐるしく増えていく。
    • 見た目は凝っているが、なんと「1」ずつであるため、ΖΖの様に最大HPの高いキャラを回復させようとするとそれなりに時間がかかる。
      • パーティー全員を回復する「ラビア」「ラビアム」は一人ずつ回復が行われるため更に長い。
    • なお完全回復魔法以外は、戦闘中より効果が僅かに低くなる。ほんの数ポイントなので気にするほどの差ではないが。
  • 移動中にLボタンを押すと、パーティ全員のHP・MPを表示できるが、なぜかたまに効かない事がある。
  • キャラが全てアムロになってしまうアムロ増殖バグなど致命的なバグが存在する。
    • ストーリーの進行こそするが、アムロはゲーム上ジムスナイパーカスタムに次ぐ弱キャラなので最悪詰む可能性がある。
    • 枚挙に暇が無いほどバグが多いのだが、プレイヤーが得をするバグも多い
    • 状態異常回復アイテムで死亡状態を回復できたり、3章で本来加えられない仲間を加入させたりできてしまう。
    • バグが多いこと自体は褒められたことではないものの、ゲームバランス自体に難がありすぎるため、一種の救済措置として機能している。
      • 深刻なバグは確かに存在するものの遭遇頻度は少なめ。
      • これらのバグは後期出荷Verでは修正されている。

賛否両論点

ストーリー関連

  • 「ジークジオン編」を通しで遊べる唯一のゲームであり、ファミコン版と比べると原作に由来したイベントも多少存在する。
    • ただしあくまで「多少」に留まっており、大半の登場人物はオミットされたり、カードダスのみの登場になっている。
      • 「探し物を届ける」など舞台が中世ファンタジー世界である必然性が無い、解法が1パターンしかないお使い系イベントでボリュームが水増しされている。
      • 「ジークジオン編」を題材にし、RPG風にアレンジしたゲーム、というのが実態だと言える。
      • 原作に忠実でないが故に、原作とは異なるメンツでラスボスに挑む他、原作で死亡(生死不明)となる人物が無事生還するエンディングになっている。
  • 騎士ガンダムシリーズの「原作」としてはOVAが大きな存在感を放っているが、実際にはカードダス自体でも多少のストーリーは語られているし、コミックなど書籍での展開もあるという一大メディアミックス作なのである。
    • そして各媒体で展開が大なり小なり違っているため、OVA寄りの本作は「OVAのゲーム化」と言えるし、尺的にはアニメを凌駕しているので、いっそ「SFCオリジナルシナリオ」だと見なすこともできなくはない。
  • 各章の冒頭には、その章のラスボスの姿や重要な場面がアイキャッチ風に表示される。
    • 展開のネタばらしになっているが、キャラ紹介もなくキャラ達が並べられているため、よく理解できないまま、実際の光景を拝む頃には忘れてしまうだろう…。
  • 原作再現のため、ラストダンジョンにはガンダム族のみで構成された5人パーティーでしか挑めない。
    • 元々ガンダム族は全体的に高性能なメンバーが集まっているため戦力的には問題ないが、個性的な仲間が多い本作で好きなキャラを最後まで連れて行けないというのはやや残念。また後述するネモを連れて行けなくてガッカリしたプレイヤーも多い。ただし……(後述)
    • 数多くの仲間で好きなパーティーを編成できるシステムでありながら、ラストダンジョンのみ固定パーティーという点は次作にも引き継がれた。

BGM関連

  • 戦闘BGMは、ザコ・中ボス・章ラスボスの計3曲が存在する。
    • 4章ラスボス(=正真正銘のラストバトル)用の曲は無く、そこは通算四回目の章ラスボスBGMが流れる中で戦うことになる。
      • ただし、当時は戦闘BGMが3種類もあるRPGは少なく、本作はむしろ多いほうである。ラストバトルより中ボス用を優先したのは人によっては違和感があるかもしれない。
  • 総曲数はそれなりだが、いわゆるイベント用のBGMが全く無い。
    • そのため、街や村で事件が起ころうと、そのままのんびりとした街や村のBGMが流れ続ける。そこはせめて戦闘BGMでも流せなかったのだろうか。
      • というか、ゲーム中にBGMが途中で切り替わるイベントが一つも無い。かろうじて無音になるものならあるが。

バトル関連

  • 敵とのレベル差に応じて、戦闘終了後の獲得経験値に補正がかかるようになっている。
    • 低レベルで進めていても容易にレベルアップできる一方で、敵より強くなると途端にレベルが上がりにくくなる。
      • 最終的には「メタルアッザム」を倒しても3~4桁程度の経験値しか得られなくなり、レベルカンストへの道のりは険しい。
      • もっとも、4章ラスボスの攻略にはLV50前後もあれば十分なのだが。裏ボスも存在せず、強いて言えばヒドラザクと正面から戦うくらいである。
  • 即死魔法である「ソーラ」はパーティキャラにも使い手が多く、戦闘中に道具として使うとソーラの効果がある「デススピア」というものもある。
    • 失敗することもあるが、ゲーム中のほとんどの敵に有効となっている。
    • セイラが覚える魔法「スライムル」も、実質的には即死魔法の一つ。
      • スライムになった相手に逃げられると、経験値とGを逃してしまうのは注意。
    • 最大5ターン近くも行動不能にする「ビット」、混乱させる「サイコ」「サイコミュ」、魔法封じの「ミノフス」「ミノフスキー」。密かにこれらが有効になっているボスも存在。
      • 強敵ヒドラザクにも、上述のものが漏れなく全て有効。運を頼みに魔法で挑むという選択肢があるのは利点。

味方の武闘家ネモがあまりに強過ぎ

  • FC版での「ネモ」は、最初は弱いが根気よくレベルアップすればそれに見合った力を発揮してくれる大器晩成型であったが、今作では最初から異常に強い能力を持ったキャラに変化している。
    • ネモの特技「れんぞく」は、MP消費無しで、対象の敵が死ぬか一度でも避けるまで、半永久的に何度でも連続攻撃し続けるという乱暴なもの。
    • 一撃あたりのダメージは通常の1/10程度に抑えられている。
    • しかし、クリティカル(会心の一撃)を出しやすい(しかもクリティカル時の攻撃力は素に戻る)という特性まで有るせいで、ゲーム中の最強攻撃の一角と化している。
    • 大抵の敵は君が死ぬまで殴るのをやめてもらえずに果てることになる。
    • さらに、本作では防御力の算出方法が「(「早さ」+「技」)÷2」なので、早さと技の両方が高いネモは防御力も高く、高いHPと相まって非常に打たれ強い。
      • 「れんぞく」は敵にも使用者が多数居り、クリティカル率の高さも同様だが、2回か3回で強制終了する。プレイヤー側のほうがずっと優遇されているのが嬉しい。
      • 極端な話、サイコゴーレムに単騎で勝てる可能性を秘めたキャラクターである。
      • ちなみにバグ技として「阿修羅の剣」が持つ命中率アップ効果をどのキャラクターにも適用できるというものがある。「れんぞく」は上記の通り攻撃が外れるまで殴り続けるので、このバグと併用すると冗談抜きであらゆる敵を死ぬまで殴れる
  • スタート地点のラクロア街の酒場で「全キャラ入れ替え」が解禁する4章で、ガンダムチームを差し置きスタメンに入れる実力を持っている。
    • 攻撃一辺倒で回復が他者かアイテム頼りなのが唯一の弱点。
    • なお、2→3章に跨ぐ際にセーブしなかった場合、3章での全滅時に1・2章内の街から始まってしまうというバグがあり、これを利用すると4章に先駆けて酒場を利用可能。
      • それ故に「3章で本来使用できないネモをパーティに加えて蹂躙する」というカオスなことも出来る。ΖΖとの一騎討ちも楽勝。2対1の時点で一騎討ちではないが些細なことである。
    • おまけに4章のラストダンジョンにも、本来は連れて行けないガンダム族以外のメンバーを一度だけ連れて行ける裏技がある。やろうと思えば2章での初加入から最後までネモと一緒に冒険という名の無双プレイすることも可能。
  • 結果、本作は「武闘家ネモ物語」だの「大いなる武闘家」だのといった通称が付けられた。
    • ちなみにこの強さは後年になって公式のカードダスにも逆輸入されたようで、晩年のネモが拳聖ネモとして登場している。

主人公ナイトガンダムも相当な強さ

  • ネモに隠れがちであるが、「ナイトガンダム」も十分に強い。
    • 序盤こそ「ドム」に怯え「グフ」に泣かされ「ジオング」に恐怖する軟弱な勇者なのだが…
    • 原作の展開に忠実なため、1章後半で「三種の神器」(兜以外すべて最強装備)を身につける
      • そのうちの一つ、「炎の剣」はなんと1章中盤で入手できてしまう。たちまちその時点から、ザコは軒並み一撃で倒せるほどの攻撃力に化ける。
        というか「炎の剣」を手に入れてからの1章の敵の強さがナイトガンダムの神器ありきなので、ナイトガンダムに任せればほぼ解決レベルの無双っぷりを見せつける。
        炎の剣を手に入れただけでもラクロア最南の森で出る2章の敵を倒せる可能性が出てくる時点でその強さは察せられる。
      • そこいらのザコから受ける通常攻撃も一人だけほぼ1ダメージとなり、何かしら専用の加護やスキルを得たような異様な強さになる。
      • これを大胆な原作再現と見るか、「壊れ」と見るかで本作の印象もまた変わるだろう。
  • 剣だけは1章ラストバトルで失うものの、盾と鎧は最後まで替える必要なし。
    • そこで、あえて1章で粘り、2章の敵が出るエリアに向かい3章に備えてアムロと共に鍛えるといったこともできる。
  • 1章ラスボスの「サタンガンダム」(ブラックドラゴン)は、防御力がやや高い上に、ナイトガンダムの攻撃でないと倒せないという意地悪な仕様になっている(他のキャラでもダメージ自体は与えられる)。
    • 他キャラの攻撃が通じにくいため、ガンダムの支援に徹したほうが効率良く戦えることもあり、原作のバトル光景を自然と再現させる工夫とも見なせる。
  • ネモとナイトガンダムの次点に入ってくるのは、攻撃役でも回復役でも重宝する「騎士アレックス」、ネモほどではないが早さと技の値が共に高い「剣士ゼータ」の2人。
    • 一方で、「騎士アムロ」は上述の通り器用貧乏であり、ナイトガンダムの(それどころかアレックスとゼータと比べても)下位互換という存在であるため、彼一人で始まる3章は大苦戦を強いられることになる。

弱い面が目につくキャラ付け

  • アムロ以上に弱キャラなのが「妖精ジムスナイパーカスタム」。
    • 旧作で登場した際は仲間にはならなかったため、今作で念願のプレイヤーキャラクターとなった。
    • しかし2章終盤に加入するにもかかわらず、レベルがたったの1*6
      • 大器晩成キャラと思いきや、レベルを上げてなお使い勝手は厳しい。ドラクエで例えるなら、シナリオ全体の半ばを過ぎて仲間になるファミコン版サマルトリア王子のようなものである。
      • 当然戦闘ではまったくの役立たず。2章は固定パーティーで、酒場を利用できないので仲間から外すこともできない。早さのみトップクラスではあるが…ファンからネタにされるほど弱い。
    • そして加入直後に先述のサイコゴーレム戦に連れて行かれるハメになるという悲運の極み。ジムスナイパーが何をしたと言うのか。
  • アムロやジムスナイパーのみでなく、戦士系キャラの「戦士ガンキャノン」と「闘士ΖΖ」もやや微妙な性能となっている。
    • ネモの項の通り、このゲームでは防御力の算出方法が「(早さ+技)÷2」であるため、早さの低いこの2名は攻撃力やHPこそ高いものの、防御面では紙装甲となってしまっている。*7
    • またガンキャノンはアムロと同様1章ラストで離脱し、2章で再加入するもすぐに離脱。4章でようやく復帰するがその頃にはレベルが上がっていないせいでほぼ戦力外と、ある意味アムロ以上の冷遇に晒されている。まぁ原作再現ではあるのだが……。
    • ただし1章の時点ではガンキャノンの攻撃力・防御力は騎士ガンダムに次いで(三種の神器入手前ならガンダムよりも)高く頼りになる。また3章におけるΖΖは、そのパワーでアムロの貧弱さをカバーしてくれる最高のパートナーである。……といった具合に活躍できる場面はしっかり用意されており、ゲーム全体で通して見れば決して役立たずというわけではない。4章になると他のキャラ(特にネモ)との比較でどうしても欠点が目立ってしまうだけである。
  • パーティメンバーのうち「予言者サラサ」のみ期間限定でしか仲間にならない。
    • もっとも、本来は戦闘に加わるようなキャラではなく、一時的に仲間になること自体がサービスともとれる。
    • そのため戦闘能力は非常に低いのだが、彼女の特技「うらなう(占う)」はそのターンの敵の攻撃を全て無効化するという超強力なもの。永久加入していたら間違いなくバランスブレイカーである。
      • 一応欠点としてサラサ自身より速く行動する相手には無効ではある。サラサはレベル1で加入するため、加入直後は素早さも低く「うらなう」もほとんど不発に終わるため、この効果に気付かないプレイヤーも多かった。
    • なおサラサがパーティーから離脱する際には、本来は彼女の所持品を預かり所に送る処理が為されるはずが、設定ミスにより没キャラの「フラウ姫」の初期装備が預かり所に送られてしまう。しかしフラウ姫の装備はこの時点ではそこそこ有用であり、またサラサに不要になった重要アイテムを持たせて消してしまうテクニック*8にも利用できるため、プレイヤーにとっては得になるバグと言える。

評価点

  • 数こそ少ないが、旧作同様、重要なイベントの際にデモが表示される。
    • 拡大・縮小というSFCの機能を活用した物もあり、見ごたえはある。
  • ダンジョン内のみならず、ゲームの至る所に「調べる」で手に入るアイテムや武具がある。
    • MAP上の怪しい場所はもちろん、ストーリー中に亡くなる人物が生前座っていた椅子に貴重品があるなど、凝った配置がなされている。
      • ほとんどがノーヒントであるものの中には序盤で、終盤まで使用可能なものも手に入る。
  • 先述の通り二刀流や両手盾が可能。ダンジョンでしか手に入らない武具も多く、探索および編成のし甲斐がある。
    • セイラあたりの、あまり防御の無いキャラクターでも、両手盾ならばサイコゴーレムの攻撃で一撃死しない確率が大幅に上がる。
      • 各システムと拾得物を総動員すれば、ゲームの早解きも可能。レベル上げをせずとも、「不条理」から「理不尽」級にまでは工夫だけでも落とせる。
    • 盾は防御力の上昇値は一見低く見えても、実はどんな盾でも装備しているだけで打撃ダメージを一定の割合で軽減する効果がある。
  • 各章最後のラスボスがいずれも手強く、やりごたえがある。(ファミコン版は3作ともラスボスが弱い)
  • 前述した通り、2章と3章のバランスはひどいが、4章のみは味方の性能が高い関係上、他の関連作品とそこまで難易度は変わらない。
  • キャラの性能自体はともかくとして、旧作では仲間にならなかった妖精ジムスナイパーカスタムが仲間になる。彼が仲間にできるゲームは本作しかない。
  • 前述の問題点に上がっていたヤクトドラゴン、ヒドラザクといったドラゴンのモンスターが現実のカードダスの数値設定とは異なり、巨大なモンスターにふさわしい強さになっている。
    • 問題点でもあるがバグが原因のヒドラザクの強さのインパクトは、逆にこのゲームの特徴ともなっており語り草の一つである。
  • この世界の一般的な宝箱のグラフィックが設定どおり、バウンドミミックと同じ見た目になっている。
    • これで宝箱のトラップとしてバウンドミミックが出現すれば完璧だったのだが、宝箱のトラップイベントは無いのは先述の通り。惜しい。
      • カードダス自販機の存在など、本作独自の世界観を作ろうとする努力は端々で見受けられる。

総評

ゲーム全体を通して見ると、平凡なお使いイベントを多々こなす「普通」寄りなドラクエ風RPGなのだが、その合間に発生する戦闘のバランスは一転して苛烈。
終盤を除けばファミコン版のドラクエ2を彷彿させる難易度で、特に3章の理不尽さはゲームを投げ出しても仕方ないレベルであり本作の不安定さを象徴する。

とはいえ、バグが多い割に詰み要素も3章以外には無く、キャラゲーとしては注目すべき工夫もある。
色々と難点はあるものの、SFC初期のRPGであることを考慮でき、ナイトガンダムファンやレトロRPG「らしさ」を好むプレイヤーにはおすすめの作品。


余談

  • 「せいどうのはにわ」という謎のアイテムが存在する。
    • 使い道が何も無く、売る事も捨てる事も預ける事もできず、アイテム欄を無駄に埋める存在でしかない*9
    • 攻略本でも「謎のアイテム」とだけ書かれている。なお同書では「5つ存在する」とあるが、4つしかゲーム中に入手できないという酷いオチまである。
      • 有志の調査で、「キングアッザム」へと合体する能力を持つ特殊なスライムアッザムのドロップアイテムに「せいどうのはにわ」がデータ上は設定されていると判明したが、遭遇不可能な没モンスターであるためやはり入手しようが無い。
      • 仮に5個入手できたとしてもおそらく何も起こらない。そもそもデータ内部にそれらしいイベントが用意されていないらしい。
      • ちなみにシリーズ次作でも同名のアイテムが存在しており、こちらは隠しイベントによって本当に役立つアイテムへと引き換えられるようになっている。
  • 本作には上記のような没データが多く、作中では脇役でしかない「フラウ姫」「黄金の騎士」(シャア)にも仲間版のデータが存在する。
  • 「レッサーギャプラン」や「ゼノンマンサ」が戦闘中に【 をつかった】という異様なメッセージでターンを無駄にする行動をとることがある。
    • このように没でなくとも、中には行動が正しく設定されていないと思しき敵が存在する。
  • 原作ではアムロは3章で新しい鎧に変わるのだが、このゲームでは最後まで初期の鎧のままである*10
    • そのため、初期の鎧のままアルガス騎士団と共闘したり、ムンゾ帝国と戦うという、原作ファンならば違和感を感じる光景になっている。
      • ガンキャノンでさえ、2章では原作を反映して顔グラフィックが変化するのに…。前述の中途半端な能力や受難ぶりといい、本作のアムロは扱いが酷い*11
  • 特撮番組『特捜エクシードラフト』第14話「遥かなる父の家路」にこのソフトが登場した。
    • プレイ画面こそ無いが、ナイトガンダムの名がはっきりと言及され、パッケージも映る。
      • 作中の子供達によると「すげぇ迫力」「最高だよな」とのことである。
  • 後に発売されたナイトガンダムが参戦する『スーパーロボット大戦BX』において、戦闘アニメなどに本作を意識した演出が見られている。
  • ガンダムブレイカー3』にはナイトガンダムがゲスト出演するだけでなく、ストーリー本編中にてサタンガンダムと戦う特別ミッションまで用意されている。
    • そしてそのミッションの冒頭で戦う黒塗りの敵たちとの戦闘では、本作の中ボス曲のアレンジが流れるという驚きの選曲になっている。
      • 続くサタンガンダム戦では、OVAのメインテーマ曲が使われている。特別ミッション中の専用曲2曲のうち、片方を数あるナイトガンダム原作ゲームのうちの1つから取り上げているあたりかなりの拘りが感じられる。
  • 1章開始時に発生する戦闘で全滅すると例外的にタイトル画面に戻される。
    • もっとも、普通にやれば負けることはまずないのだが。
+ タグ編集
  • タグ:
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  • エンジェル
  • トーセ
  • SDガンダム

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最終更新:2024年04月16日 11:44

*1 FC2の時点で敵が力・技・魔法のいずれの分類かは確認できた。

*2 ただし最近の展開においては、カードダス仕様のカードをプレミアムバンダイで販売するという形を採っており、カードダスそのものではなくなっている。

*3 GB版やFC版ではトラップモンスターとして出ていたのだが。

*4 データ上で「阿修羅の剣」を2本装備。この剣1本につき命中+50%の効果があるためヒドラザクの攻撃は''必中''。更に「敵に武器を2本設定」してしまうと2本目の攻撃力がバグでゲーム最強の「炎の剣」に化けてしまう

*5 対象を最弱の雑魚であるスライムアッザムにする。倒した時の経験値・ゴールドは変身前のまま入手。

*6 他で初期レベルが1なのは最序盤で仲間になるキャラクターとイベントで一瞬同行する「予言者サラサ」だけなので設定ミスを疑いたくなる。

*7 原作のΖΖも見た目に反して装甲が脆いのである意味原作再現ではある?

*8 本作の預かり所に預けられるアイテムは有限である。

*9 持たせた仲間をパーティから外すという手はあるが。

*10 一応、新しい鎧はゲーム中のカードダスでは再現されている。

*11 逆にFC版の2作目は異常に優遇されている