修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「Win/iOS/Android版のVer.1.1.0アップデート配信に伴い、PS4/Switch版と仕様が共通化したことによる記述の改稿、参考記述の統合」です。


このページはWin(Steam)/iOS/Android版のVer.1.0.2(2022年8月2日更新)を基準にしています。
オンライン配信によるゲーム内容更新が不定期に行われるため、必ずしも本記事の内容が最新の内容に対応しているとは限りません。
Ver.1.0.1→1.0.2においてゲームバランスが大きく変更されましたが、以前のバージョンの問題点についても補足として触れています。

Win(Steam)/iOS/Android版の2024年1月31日更新のVer1.1.0(CS版準拠アップデート)に関する情報は未反映となっています。
アップデートによる評価等の追記は1ヶ月経過してからお願いします。

2023年発売のPS4/Switch版は参考記述扱いとして後述。


ファイナルファンタジーIV(ピクセルリマスター)

【ふぁいなるふぁんたじー ふぉー】

ジャンル RPG
対応機種 Windows(Steam)
iOS
Android
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 トーセ
発売日 2021年9月9日
定価 Steam 2,200円
iOS/Android 2,900円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
判定 劣化ゲー
ゲームバランスが不安定
ポイント 11ヵ月目にして簡単すぎる点は解消
演出面でも多数の劣化点あり
大して原作基準でもなく追加要素も無しで物足りない作品に
ファイナルファンタジーシリーズ
ファイナルファンタジー ピクセルリマスターシリーズ
I / II / III / IV / V / VI

概要

2D時代のFF作品を現代のグラフィック技術によって2D描写のドット表現そのままにより美麗なグラフィックへとリマスターすることを売りとした「FFピクセルリマスター」シリーズの第4弾。
シリーズ中もっとも移植・リメイク作が多い『ファイナルファンタジーIV』のリメイク作品となる。
変更点が中心の内容となるためゲーム内容そのものについては原作ファイナルファンタジーIVの記事を参照のこと。

ピクセルリマスターシリーズ共通仕様

  • ピクセルリマスターFF1からFF6まで同一のゲームエンジンで制作されている。
    • これまでのリメイク版(移植版)はほぼ移植ベースで制作されていたが作品ごとで内部プログラムの処理が大きく違うため、ゲームの他機種展開など管理を難しくしているとのこと。
      それを容易にするため各作品を同一のゲームエンジン上で新たに再現するという制作手法が取られている。
    • よって一見した見た目やダメージ計算などはあまり変わらなくとも内部的な処理方法が大きく変わっている。 それにより細かな動きが原作や過去のリメイク作より変わっていたり、過去作数世代に渡り使用できたテクニックなどが再現できないことが多い。
  • キャラクターの2Dドットグラフィックが渋谷員子が直接手掛けたものへと刷新された。
    • このFF4に関しては、渋谷氏は元々オリジナル版では下絵を描いたのみでドット絵までは打っていなかった。
    • 全体的にオリジナル版を踏襲している。
      • 一部のモブの歩行グラフィックはFFVと同様になっている
  • UIの統一。
    • スクリーンはオリジナルの4:3から16:9に変更されており、UIもワイド画面基準となっている。
    • メニュー画面や戦闘画面などのレイアウトがリマスターシリーズ作品全てで共通したデザインとなっている。
    • Steam版はマウス・キーボード操作とコントローラー操作の両方に対応。画面サイズの変更も出来る。
    • スマホ版はタッチ操作に最適化されており、移動したい地点をタッチすると目的地まで自動で移動する。
      仮想スティックによる移動も可能。
    • 斜め移動が追加された。
  • フィールドや街・ダンジョン内部での地図が常時表示。
    • スクロールも可能なので、ダンジョン内でエンカウントを気にせずに迷路を把握できるようになった。
    • ワールドマップから町・ダンジョンを選択すると、宝箱とアイテムの配置数と取得済数が表示されるようになった。
  • 原作でアイテム欄が有限だった作品も無制限となった。
  • オートバトル機能(AIではなく直前の行動を表示が高速されて繰り返す方式)あり。
  • 移動時のダッシュ機能あり。
  • 魔法・特技発動時のグラフィックは、FF6以外のPRシリーズに共通して使われている物になっている。
  • メニューから見られるギャラリー機能がある。
  • BGMはピクセルリマスター用にアレンジされたものが収録され原曲やリメイク作品のものは収録されていない。
  • BGMを観賞できるサウンドプレイヤー、天野喜孝氏監修のもと、原画資料などを収録したイラストギャラリーがある。
    • BGMは最初から全曲聴く事ができる。ゲーム進行状況による順次解放や、一度クリアが必要といった制限は無い。
    • 本作では各リメイク版で新たに描き起こされたイラストも収録されている。
  • モンスター図鑑機能も追加されている。こちらは全セーブデータ共通で遭遇したモンスターが埋まっていき、フィールドマップに生息地が記されていく。
  • 中断セーブの追加
    • いわゆる、どこでもセーブ。マップ移動時などにオートセーブも行われる。
    • 全滅した場合はオートセーブからやり直す事が可能。全滅時のペナルティは、フロアが一つ巻き戻る程度と大幅に軽減された。
  • 後期の移植・リメイク版で追加されたダンジョンやアイテム等は基本的には収録されていない。
  • 多国語言語対応
    • タイトルメニューから他国語*1へのテキスト切り替えが可能

本作の主な特徴及び変更点

  • キャラクターや装備品、魔法の威力などのパラメーター設定やダメージ計算式などは、一番最後の2D移植版である携帯電話版ではなく原作及びPSPまでの移植作に概ね準じている。
    • ただしレベルアップに必要な経験値量が半分になっている。(Ver1.0.2以降は取得経験値量も約0.7倍となった)
    • 種族特効を突くと4倍ダメージになるのもそのまま。
    • 状態異常魔法の命中率は変更されている。
    • 弓はDS版のパラメーターになっている。(攻撃力は変わらないが命中率が上がっている)
    • Lv70からのランダム成長もそのまま。ただし以下のような変更点がある。
  • 原作や他のリメイク版はレベルアップの際にステータスが下がることがあったが全て下がらなくなっている(0に置き換えられている。)
    • 通常のレベルアップ時もLv70からのランダム成長時も一切下がらなくなっている。
  • 一部でモンスターの耐性が増えている。
  • 状態異常アイテムが必中でなくなっている。
  • 一部アビリティがDS版などを参考に概ね使いやすく変更されている。
  • 攻撃系の消費アイテムは威力が上がっているものがあるが、一方で装備アイテムを使用した場合の威力は低下している。
  • 逃走時にギルを落とさなくなった。
  • マップ・戦闘背景などはWSC版及びGBA版のものとなっている。
    • 月のフィールドマップなど一部マップは新たに書き起こされている。
  • 戦闘時のモンスターグラフィックはGBA版の物が使用されている。
  • 最初の頃のバージョンでは多くのバグ・設定ミスがあったがVer1.0.2現在では大体解消されている。

評価点

  • 過去の移植作で追加された要素を取り入れFF4をより遊びやすく改良されている。
    原作と比べると以下のような改良がある。
    • 2DのFF4としては本作で初めて斜め移動が追加された(ピクセルリマスター共通)
    • 中断セーブの追加(ピクセルリマスター共通)
    • PS版以降と同じくダッシュあり
    • GBA版以降と同じく戦闘時ATBゲージの表示あり(残念ながらPSPであった待機時間の表示は無し)
    • PSP版と同じくオートバトルあり
    • ミニマップの追加。任意でON/OFFを選ぶこともできる。DS版と違いダンジョン内でも最初からすべて見える。
    • 装備画面で攻撃力・守備力の変化しか分からなかった過去移植作品と異なり、パラメータ補正や属性・種族特効、属性・種族耐性が表示されるようになった
    • レベルアップ時にDS版と同じくパラメータの上昇量が表示されるようになった
    • PSP版までアイテム欄が有限で持てるアイテムに限りがあったがDS版や携帯版、FF5以降と同じく無制限となった。
      • アイテムは1種類につき1スタックのみ所持可能。そのため消耗品は1種類につき99個までしか持ち運べない。(本作では後述のデブチョコボを使うと擬似的に2スタック分を所持可能)
      • 武器の矢についても同じく非消費制となり、一本でもあれば撃ち放題となっている。
    • アイテム・魔法画面などでのページ送り機能の追加と整頓機能の拡張。任意の並び替えに加えて、習得順、消費MP順、あいうえお順、アイテムは種別順などが追加された
    • オリジナル版はSFC初期の、今となっては古い作品だけあって「現代ではあって当たり前」のものがないケースも多かったが、数多くの過去移植で追加されていった機能をあらかた盛り込んで順当に改善・改良されている。
  • バトルから逃げ出す際にギルを落とさなくなった。
    • 従来作品ではゲームが進行するほど落とす額も増えていく上金を預ける施設もないので逃げ辛かったが変更によりストレス要素が減った。
  • 一部のアビリティが上方修正され使いやすくなった
    • ローザの「いのる」がケアルラ程度の回復力となった(原作ではケアル程度しかなかった)。
    • パロムとポロムの「ふたりがけ」の使用MPが10になった。
    • ギルバートの「うたう」が竪琴を装備しなくても使えるようになった。
  • ドット絵の手直し
    • 歩行グラフィックなどのカラーリングが戦闘中のグラフィックと同じになった。
      • 携帯電話版のような16x24ドットではなく、従来作同様の16x16内でのドット絵となる。
  • シナリオ上、離脱するキャラの装備が自動的に外れ手元に残るようになった。
    • いちいち装備を外す手間が省けるので便利。また戦闘後すぐにパーティーを抜けるキャラも持ち去りを気にすることなく装備を整えたままバトルに挑めるようになった。

賛否両論点

  • BGMのアレンジ
    • 総じてライブアライブリメイクのように元の曲を正当に進化させたというよりはアレンジ色の強いものとなっている。
    • バトル2など弦楽器調のアレンジが多く、速度も原作から遅くなっているなど雰囲気が変わっているため違和感があると不評意見がよく見られている。
    • その他の戦闘曲もゆっくりになっていたりと不評意見が多い。
    • 特にゴルベーザ四天王とのバトルがかなりスローテンポとなっており批判されている。
    • その他の曲もゲームBGMとしては微妙だが一アレンジとしては良い曲もあるという意見もある。
  • Lv71以降の成長率
    • レベル71以降のランダム成長は残されたまま。
      • マイナス成長は0に修正されているが、テーブルはそのまま、能力にこだわったら厳選が必要なのも変わっていない。
    • オリジナル版ではやり込みの領域だったが、今作ではレベルアップ高速化もあって普通に進めているだけでクリアまでにレベル70を超えてしまう可能性が高い。
    • とはいえ、どんな外れパターンを引こうがパラメーターが下がらなくなったこともありクリアに支障は無く、普通にプレイしている分にはあまり気にする必要の無い事ではある。
    • ごく一部ではあるが
  • レベルアップ時の能力の低下(マイナス成長)廃止
    • レベルアップ時に暗黒騎士セシルは精神、テラは力や体力が減る事があったが無くなっている。
    • ゲーム的に見るとユーザー不利な仕様ではあったため、設定面に引きずられた不便な点を改善したとも取れるが……
    • それぞれ精神が蝕まれている、老化による体力の低下をキャラ付けとしてストーリー設定とリンクさせた表現と思われるが安易になくしてしまっている。
  • 敵ドロップアイテムのスロット4にあるアイテムの入手確率は0.1%(1/1000)以下という点が変わっていない。
    • 達成感が下がるからそのままでいいという意見もあるがやはり低すぎるという意見も多い。
    • 携帯版やDS版にあったレアバンドなどのアイテムもないので入手は非常に厳しい。
      • 後のアップデートで実績に関係する隠し召喚獣4種と、ある防具と交換できるアイテムのドロップ率はレア3に移され入手しやすくなった。
    • レアアイテム集めに有用なアラームというアイテムがアップデートによりある場所で売られるようになった。
      • 具体的な数値は不明だがVer1.0.2にてレアなアイテムを落としやすくなるアップデートが入った。
  • 刷新されたキャラクターグラフィックについて
    • フィールド上でのグラフィックは良いが、戦闘時のキャラグラフィックの造形はポーズ時手が伸びすぎていたりメガネなどや頭身等のバランスが悪く微妙という意見が多い。
    • 薄めの色が多用され凹凸が見えにくいため原作やGBA版よりものっぺりして見えるという意見もよく聞かれる。
    • 背景の色と合っていないため変に浮いて見え違和感があるとの声もある。

問題点

  • バランス調整について
    • レベルアップに必要な経験値が単純に原作から半分にまで減らされている。ただしVer1.0.1までは取得経験値量が原作そのままだったが、Ver1.0.2から0.7倍に減少された。
      • これにより、相対的には原作の1.4倍ほどの速さでの成長となっており、やや成長が早いという調整になっている。
    • Ver.1.0.1までは敵に攻撃すると敵の行動が遅れるなどATBに関する重大なバグが発生していたが、こちらもVer1.0.2で修正された。この修正に伴い、敵がかなり積極的に行動するようになった。
      • これらの修正によりVer1.0.1までの問題点であった"簡単すぎてつまらない"というような難易度になっていた点は一応修正された。
      • ただ逆にほとんど動かなかったベヒーモスが積極的に攻撃してきたり、ターンが回る前に同じ敵が何度も攻撃してくるといった状況になっており、今度は逆に早すぎるのではと言われている。
    + アップデートで改善される前のVer1.0.1までのバランス調整について
  • Ver.1.0.2より改善されているが、Ver.1.0.1までは大雑把すぎるバランス調整となっていた。
    • 一番の問題点としてはレベルアップに必要な経験値が単純に原作から半分にまで減らされたにもかかわらず、取得経験値量が原作のままだったということ。
      このため実質的な経験値が2倍となったことでレベルアップが非常に早くなっており、レベル上げのため意図的に雑魚狩りをしなくてもガンガンレベルが上がっていき、雑魚敵も原作で強かったボスも大して苦労もせずにいとも簡単に撃破出来てしまう。
    • またATBのシステム自体にも(詳細は長くなるので割愛するが)原作よりも味方が行動しやすくなるような仕様変更がされており、その点でも難易度が低下している。(過去の移植作でも概ね同じ)
    • 移植版で弱く調整されたボスがいるが(デモンズウォールなど)、それも原作SFC版ではなく移植版そのままの設定なので、これによっても難易度が下がっている。
    • 敵に攻撃すると敵の行動が遅れるというような現象が起こっているようで、これにより更に難易度低下を招いている。また形態変化するボスは変化前に倒せてしまうことがある、というようなことが起きている。
      • これらの結果、意図的に経験値取得を避ける、現在のレベルよりも強いダンジョンに潜るなど制限を科せなければ全滅することはなく、原作どころか今までの移植作と比較しても異常なまでの低難易度となっている
      • かなりの強敵と評判だったラスボスですら普通に進行するだけで、必殺技が余裕をもって耐えられ回復も十分に間に合ってしまうレベルになるため、大した苦労もせずに倒せてしまう。買い物を一切しなくてもクリアできてしまうほど。
      • 道中のボスも装備を調整したりギミックを理解し対策するまでもなく適当に戦えば倒せてしまう。
      • 敵側が有利になるバックアタックやふいうちを食らっても大して追い込まれもせず、ただただ煩わしいだけに成り下がってしまっている。確率自体も相変わらず高めである。
    • 初期の頃のバージョンでは敵がほとんど動かないというようなバグや、バックアタック・ふいうちの発生確率が異常に高いという症状があったが、こちらは修正されている。
    • つまり、DS版とは真逆にかなり易しめにした調整でありながら、DS版以上に破綻したバランスとなってしまっていた。
  • 一部のグラフィックと演出の劣化
    • カインのジャンプの挙動が原作の「V」の字から、「/」といった挙動になっており勢いもなく、違和感が強い。
      • 効果音も「ポ~ンッ」といった感じで原作から軽くなっているので不評。
    • 魔法やアビリティ、敵の技、通常攻撃のグラフィック、ボス敵含む撃破演出の多くがPRシリーズ共通の物になっている。
      原作の物とは全く違うエフェクト・効果音となっている。FF4はFF初のSFC作品で魔法のグラフィックやSEにも独自色が強かったために、更に批判が多い。上記のジャンプのモーションも、PRの『III』『V』と同じものなので、シリーズ共通仕様の弊害と言える。
    • PR版FF6では効果音はともかくエフェクトだけはある程度再現していたため、本作で共通エフェクトなのは手抜きだったとの声が多い。
    • これにより原作を思い出して楽しむということができず、本作が大きく批判される要因の一つとなっている。
      • 召喚に関してはある程度は再現された演出となっている。
      • GBA版ではファイガとサンダガを全体掛けした時、単体掛けとは違う専用のグラフィックになっていたが共通エフェクトではそういった演出もされていない。
    • 本作独自の聖剣やホーリーランスでの通常攻撃時の効果音も原作ではなくGBA版以降のような軽い音となっている。
    • 弓矢による通常攻撃でヒット数が変わっても矢が刺さる回数が変わらない。
    • エッジの投げるでは今までは手裏剣とそのほかの武器でエフェクトが変わっていたが手裏剣のエフェクトがその他武器と同じに統一されてしまっている。
    • SFC版と比べていくつかのイベント時に特定のタイミングでBGMが切り替わらなかったりSEがならなくなったりしており、演出が劣化している。
    • ファルコン号改造イベントのシーンでは動きの指定を間違っているのか動きがおかしく、何をしているか意味不明なシーンとなってしまっている。
    • カイナッツォ戦で通常形態・バリア形態・防御形態とでグラフィックの高さがあっておらず形態変化時に本体部分が上下にプルプル震えるようなおかしな演出になってしまっている。
    • 浮遊している敵からふわふわと上下に動く浮遊演出はVer1.0.2でやっと再現された。
      • 今までの移植作品でも継承されてきてより美麗なグラフィックへとリマスターすることを売りとしたはずの作品で再現されていないことに大きな批判の声はあった件だが発売から11ヵ月たった後とはいえようやく実装となった。
    + アップデートで修正されたその他の演出上の問題 これ以外の修正点は各機種のアップデート情報(パッチノート)参照
  • Ver1.0.1で修正
    • 森のマップチップが明らかに欠けていた。
    • ラスボス戦での背景が流れる方向が逆になっていた。
    • 通常攻撃周りのエフェクトの設定ミスがあった。
    • 戦闘画面でモンスターの影がなかった。
  • Ver1.0.2で修正
    • クリティカル時のフラッシュ演出がなかった。
    • 魔導船周りの演出(イベントでの浮上時に海が渦を巻く演出、移動時に外観が光らないなど)がSFCより劣化していた。
    • エンタープライズで地底へ行けなかった。
      • 地底にホバー船を持っていくこともできなくなっていた。
      • それらで地底に行ったことで何かイベントがあったわけではないが、原作で出来て「原作に忠実に」と謳っている本作でそれが出来ないことに疑問の声はあった。
    • 浮遊している敵からふわふわと上下に動く浮遊演出が無くなっていた。アップデート前は影すらも映らなかったため、浮遊感が全くなかった。
      • 問題はFF4の場合、「浮いている敵は浮遊特効を持つ武器*2で大ダメージを与えられる」という戦闘システム上の仕様が存在する点。つまり単なる演出性の問題だけでなく、オリジナル版では一目でわかった弱点が分からなくなってしまっているということであり、ゲーム性の部分でプレイヤーに不利益をもたらしていた。
      • ここだけはゲーム性に直接影響する部分だったためか、アップデートで影をつける修正が行われ、見た目での弱点の有無の判別は可能になった。
      • しかし、今までの移植作品でも継承されてきてより美麗なグラフィックへとリマスターすることを売りとしたはずの作品でそれを再現しないことに批判の声は高かった。
  • 開発室が削除された
    • 原作で開発スタッフがNPCや敵モンスターとして登場したお遊びの隠し部屋「開発室」は、そこへ向かうまでの隠し通路自体は残っているのだが、肝心の入り口が封鎖されて「1991年 開発室 跡地」の張り紙が壁に貼られており、入ることができなくなった。
      • 過去に発売された続編の『THE AFTER YEARS』では、元あった場所には移転したことを告知する張り紙が貼られており、実際に別の場所に開発室が残されていたが、本作では残念ながら存在自体が完全に消滅している。
      • オリジナルスタッフである時田貴司氏も残して欲しかったと発言する一方、「当時のスタッフ全員に確認を取る必要があった」「コンプライアンス的に問題視されかねないセリフも存在していた」ことを理由としてあげ、やむを得なかったとも話している。他にも「本作のスタッフの開発室も作るべきか」といった案が出た事も関係している様子。(参考インタビュー
      • 参考として、FF3、FF5のピクセルリマスター版もオープニングのスタッフロールが削除されている。また、過去のFF4の移植版では、SFC版イージータイプでは同様に開発室そのものが削除、DS版ではSFC版スタッフの開発室は無くDS版スタッフの新開発室のみ、携帯電話版はSFC版開発室と携帯版開発室の二段構成となっていた。
      • 直近に発売された『サガ フロンティア リマスター』では原作PS版の開発室とリマスター版の開発室が共に用意されていたこともあり、その対比で本作の削除についての批判が強まる結果となってしまったとも言える。
      • PR版FF4,5,6の初期の悲惨な状況を見るに単純に作成する時間がなかったのではとも考察されている。
  • ホバー船や黒チョコボの移動スピードが低下し、徒歩と同じ程になった。
  • アイテムが無制限に持てるようになったので、デブチョコボはやはり形骸化。
    • SFC版準拠なのでDSのようなフォローもない。
  • ダンシングダガーなど武器のアイテム使用時の効果が大きく弱体化している。
    • DS版のパラメーターを持ってきたことによるバグでは?と言われている。
    • ただし消費アイテムは強化されているものもある。
  • パロムのアビリティの仕様変更
    • 上述の通りアビリティ関連の変更で使いやすくなったものが多いが、パロムの「つよがる」はDS版基準の「一度だけ知力2倍」に変更されたため重ねがけができなくなっており、使い難くなってしまった。

ピクセルリマスター共通仕様に起因する問題点

  • 追加要素の撤廃
    • 本作はSFC版に準拠した範囲のみとなっており、GBA版PSP版・携帯版のメンバーチェンジや追加ダンジョン、3Dリメイク版の周回引継ぎ機能やデカントアビリティ、裏ボスなどは一切存在しない。
    • またそれに代わるピクセルリマスターならではのゲーム的な追加要素も一切ない(スマホ版のARバトル除く)。
      • この追加要素の撤廃についてはピクセルリマスターシリーズ全般で共通しており、「原作準拠の範囲のみで作り直す」というコンセプトに沿った意図的な仕様であると考えられる。
      • しかし、本作は上記に挙げたように原作準拠とはとても言えないような演出が目立ち、リメイクや移植作品から中途半端に要素を取り入れつつそれらより要素が減っているという物足りなさが目立つ形になってしまっている。
    • 追加要素ありのGBA版から15年もたっており、それ以降の作品を遊んだプレイヤーは特に物足りなく感じている。
    • SFCが原作のPR版FFすべてに言えることではあるが原作を基準という文言がほぼ追加要素を収録していないことだけを指すものとなってしまっている。
    • 演出の劣化点や共通化などで失われた要素も相まって本作はFF4としては最も充実の度合いが低い作品と言える。
  • 魔法や技のエフェクトの共通化
    • 上記「一部のグラフィックと演出の劣化」参照
  • 原作BGMは未収録
    • 大きくアレンジされてあるBGMに対して不評・賛否意見が多く、本作でも原作BGMも収録して欲しかったとの声は多い。
    • ドット絵のゲームに生音演奏の音楽があっていないとの声も聞かれる。
    • PSP版では原作SFC版とDS版の両方の音楽が収録され選択することができた。
    • 近年のスクエニ製リマスター作品やリメイク作品でも原作版と新録版で選べることが多いので同じようにして欲しかったとの声は多い。
  • ゲーム再開時のロードが非常に長い
    • 他のピクセルリマスターでも見られるがタイトルに戻る→再開を繰り返すとどんどん長くなる。
    • 他のどの移植作やリメイクでもここまでロードは長くなかった。煩わしく不満の声はよく聞かれる。
  • コントローラー操作に対応していない(Android/iOSのみ)
    • 旧スマホ版FF5やFF6は対応していたのだがピクセルリマスターではどれも対応していない。
    • 移動時の操作性もコントローラー操作と比べるとやはり難がある。
    • 元々がコントローラーで遊ぶ作品だったため対応して欲しかったとの声は多い。

総評

最初に、発売11ヵ月以降は当初言われていた「簡単すぎて全く物足りない」といった問題は一応解消されている(今度は早すぎるのではとの声があるが)。
しかしミニマップ表示や斜め移動などのシステム面での快適な要素はあるが、好評だった追加要素である最終パーティーメンバー変更や追加ダンジョン、3D版のデカントアビリティなども無く、代わりのゲーム的要素も全くないため物足りないとの声は多い。 更にSFC初作品となり印象的だったバトルエフェクトがPRシリーズ統一のものになったり、原曲が選べずアレンジ曲しかない事、そもそもSFC版よりも演出が劣化している部分があるなど「原作に忠実に」「究極の2D"リマスター"」というコンセプト・宣伝文句にも反している面がかなり多いため本作を懐かしきFF4として楽しめないと失望の声は多い。
3Dリメイク版GBA版の追加要素と続編『IVアフター』込みでPSPでのリメイク『コンプリートコレクション』が現在では(機種が古くなっている事を除けば)ほぼ同価格で買えることもあり、比較すると本作の価値はどうやっても見劣りしてしまうと言わざるを得ない。

本作が『IV』の初プレイのプレイヤーであれば楽しめる余地はあるとは思うが、古くからゲームに慣れ親しんできたプレイヤー程なじみにくい仕上がりになってしまっているのは否めない。
このようにとても決定版にはなり得ない出来であるため、本作よりも過去の移植作や原作を選ぶ方がよいだろう。

余談

  • ピクセルリマスターシリーズの配信後、『V』『VI』のスマホ向けリメイク版が配信終了となってしまったため、本作もDS版ベースのスマホ/Steam移植版が配信停止になるのではないかと危ぶまれたが、コンセプトが大きく異なるためか『III』と本作のみ「3Dリメイク」の表記を添えた上で配信が継続されている。
  • Wii U版のニンテンドーeショップで追加要素が収録されているGBA版のVCが購入できたが、こちらも2023年3月28日をもって終了となった。
  • 同じく追加要素も収録されジ・アフターやインタールードもプレイできるPSP版について
    • 既にPSP本体からはPSストアで新規購入できなくなりVitaやPS3経由で購入し移して遊ぶか、Vitaでダウンロードして遊ぶしかないが、PSPの後継であるVitaでさえ生産終了しているなど今となっては古い機種であるため配信終了は刻一刻と近づいていると思われる。DL版が欲しい方は早めに購入した方がいいかもしれない。
  • 本文のように本作の出来が非常に悪かったため、今までの2D版FF4作品のアーカイブ版も現行機種でも新たに配信してほしいとの声も多く聞かれる。

PS4/Switch版(参考記述)

  • PS4版とSwitch版が2023年4月20日に発売された。主な変更点は次の通り。
    • 一部魔法・アビリティ・特技のエフェクトや効果音が原作と同じかあるいは近いものになった。
      • 聖剣の通常攻撃の効果音、ジャンプのエフェクトと効果音、ファイラ・ファイガ・ブリザド・ブリザガのエフェクトなど。変更がない物も多数。
    • 戦闘コマンドにおいて左右でぼうぎょ・チェンジ選択が復活した。(ピクセルリマスター4/5/6共通)
    • BGMを原作(スーパーファミコン版)のものに設定できるようになった。(ピクセルリマスター共通)
    • 経験値・ギルを0(なし)~4倍に変更したり、エンカウントON/OFFに切り替えられるブースト機能が実装された、最初から使用可能。(ピクセルリマスター共通)
    • FC/SFC時代のフォントをイメージしたピクセルフォントが実装され設定で切り替えられるようになった。(ピクセルリマスター共通)
    • その他様々な修正、変更が行われている。
    • Switch/PS4版の変更をSteam版/スマホ版へ反映させるアップデートの準備は既に着手しているとのこと。ただし、まだしばらく時間がかかるようだ。

最終更新:2025年03月14日 12:09

*1 対応言語:日本語/英語/フランス語/イタリア語/ドイツ語/スペイン語/ロシア/ブラジル・ポルトガル語/タイ語/韓国語/中国語・簡体字/中国語・繁体字

*2 主に槍、弓矢、投擲武器などが該当する。