仮面ライダー剣
【かめんらいだー ぶれいど】
| ジャンル | 対戦格闘 |  
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| 対応機種 | プレイステーション2 | 
| 発売元 | バンダイ | 
| 開発元 | デジフロイド | 
| 発売日 | 2004年12月4日 | 
| 定価 | 5,800円(税別) | 
| プレイ人数 | 1~2人 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | できること少な過ぎ バトルが手抜き
 本当に裏切ったんですか!?(オンドゥル好きの期待を)
 グラフィックとストーリーは良好
 たい焼き名人アルティメットフォーム参戦
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| 仮面ライダーシリーズ | 
 
概要
同名の特撮番組を原作としたソフト。
有限会社デジフロイドが開発を担当した仮面ライダーゲームの第3作。
登場キャラ
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ライダーサイド
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ブレイド、ギャレン、カリス、レンゲル、ブレイドキングフォーム、ワイルドカリス、たい焼き名人アルティメットフォーム
 
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アンデッド怪人
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ジョーカー、ローカスト、ディアー、トリロバイト、ジャガー、ボア、イーグル、コーカサスビートル、
 バット、ゼブラ、ピーコック、プラント、モス、センチピード、オーキッド、スパイダー、タランチュラ
 
問題点
ゲーム性
格闘・アクションゲームとしては、歴代ライダーゲーの中では最低の出来である。
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バトルで行える攻撃は、○ボタンによる「弱攻撃」と、×ボタンによる「特殊攻撃」だけ。前作『555』にあった投げ技も消えており、シンプルを通り越して手抜きレベルに。
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これは余談にもあるように、当初はGBA版も出す予定でGBAの操作性に合わせた可能性がある。それでも流石にやれることが少なすぎるが。
 
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ライダー勢は、所有しているカードを選んで使うことで様々な特殊攻撃を行えるが、アンデッド勢はどれも1種類ずつしか特殊攻撃を持っていない。
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しかもジャンプ中には出せず、方向キーの入力によってモーションが変化するなどという事も無い。1つの特殊攻撃に付き、アクションパターンは1つだけである。
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なお、『龍騎』と違ってカードの使用回数制限は存在しないため、ライダーは同じ特殊攻撃を何度でも行える。
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キングフォーム・ワイルドカリス・たい焼き名人は特殊攻撃が行えず、弱攻撃で敵を削るしかない。強化フォームなのに通常形態より弱くなってどうするのか。
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トリロバイトも特殊攻撃が防御技なので、こいつも実質弱攻撃のみである。
 
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特定の条件下でのみ、反撃技と必殺技が使用できる。前2作の様な連打勝負ではなく、技使用時に両プレイヤーが○・×・△・□のボタンの内どれか1つを押し合い、それが一致したら回避、しなかったら命中というジャンケン勝負の様なものに変更された。
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ライダー勢は必殺技も複数持っているが、どれもデモが違うだけで威力は同じ。特殊攻撃の使えない3キャラとアンデッド勢は技を1つずつしか持っていない。しかもアンデッドの必殺技は、どれも特殊攻撃をデモ化しただけ。
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ブレイド・ギャレンのジャックフォームは、この必殺技使用時にしか登場しない。それだけなら前作のアクセルフォームと同じだが、本作ではフォームチェンジのモーションが省かれており、技を使うといきなりチェンジしている。
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ジャンケン勝負のシステム自体は2日前に発売された別の特撮作品のゲームでも採用されており、子供向けを考えれば悪くない仕様ではあるのだが、本作では技演出の途中から画面下に「どれかひとつボタンをおせ!」「わざがヒットした!!」といった字幕が表示され続ける。子供向けとしても演出が稚拙な上、迫力ある必殺技演出にも水を差してしまっている。
 
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同キャラ対戦はできない。これは『アギト』以降の恒例だが、本作では更に、アンデッドとの対戦中はそのアンデッドのカードを使用できない様になっている。
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これに関連して、キングフォームとスペードのアンデッド、ワイルドカリスとハートのアンデッド、レンゲルとスパイダーは対戦できない。よって歴代ライダーゲーの中でも最もバトル関係でできることの少ないゲームとなっている。
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同キャラ対戦不可も含め作中の世界観を尊重していると思われるのだが、その割に同一人物が変身しているブレイドとキングフォーム、およびカリス・ワイルドカリス・ジョーカーが対戦可能なので中途半端としか言いようがない。
 
 
キャラゲーとして
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人間態を持つアンデッドの中で、時期的に登場させられたであろうカプリコーン・エレファント・サーペント・ウルフが出ていない。特にサーペントはたい焼き名人と因縁のあるキャラなのだが……。
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これにより、キャラ数自体は前作より増えているものの、喋るキャラ数は前作と変わっていないという結果になってしまった。
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一応、ウルフは原作ではバイクバトルしか行っていないため、格ゲーには向かないと判断されたのかもしれないが。
 
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前作同様、劇場版限定ライダー・怪人は一切出てこない。
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戦闘前後の台詞ネタだが、ライダーを原作で接点の無いアンデッドと対戦させると、同じような台詞ばかりを言う。とはいえキャラ数が増えている分、前作よりは多少マシになってはいるが。
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収集する事で閲覧できる「デジタルカード」は、原作での台詞が仕込まれている「ビッグカード」と、当時発売されていたカードダスを閲覧できる「ライブラリー」の2種類がある。
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のだが、後者はカードの画像をただ閲覧できるだけで、しかも拡大機能は無いからテキストを判読する事もできず、実質何の為にあるのか解らない機能となっている。
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なお、収録されているのは全5弾のうち、本作開発時に発売されていた第3弾まで。セブンイレブン限定で発売された『スペシャルエディション』も無い。
 
 
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『アギト』以降、敵を追い詰めると挿入歌が流れるという演出が定着していたが、なぜか本作ではOPデモにも使われている後期主題歌『ELEMENTS』のサビが流れる。
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収録されている歌はこれ1曲のみで、挿入歌や前期主題歌は一切入っていない。
 
賛否両論点
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一部キャラのセリフが、いわゆる「オンドゥル語」ではなく、ちゃんと聞き取れるものになっている。
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「オンドゥル語」とは、「本当に裏切ったんですか!?」が「オンドゥルルラギッタンディスカー」と聞こえるなどの、出演俳優の滑舌の悪さから生まれた空耳ネタのネットスラング。俳優陣も認知しているネタでもある。
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本作ではオンドゥル語の元になった「本当に裏切ったんですか!?」「貴様が皆を!」などのセリフも、きちんと聞き取れる演技で収録している。番組後半でも演技力と共に滑舌は良くなっており、俳優陣の成長が垣間見れる点は評価できる。
 
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放送当時のツッコミ所を解消した形ではあるのだが、良くも悪くも『剣』を象徴するネタの一つであったため、結果的に(ネタ混じりで)オンドゥル語を期待していた一部ファンからは不評。そこが逆にネタになっているとも言えるのだが。
 
評価点
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グラフィックは前作より更に向上しており、キャラの体の模様などにもおかしな点は無い。
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ストーリーモードはメインのライダー4人をそれぞれ主役としたものが用意されている。
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選択したライダーに呼びかけるナビゲーターキャラが個別に用意されているのも特徴。ブレイドにはヒロイン(?)の広瀬が呼びかけるが、レンゲルだとスパイダーが登場するなどと芸が細かい。
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ギャレンの場合、最終ボスはピーコックだが、このバトルでは必殺技はバーニングディバイドしか使えず、発動時に「小夜子ー!!」と叫ぶという原作を再現した演出がある。
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各アンデッドを撃破した後は、原作同様にカードを投げつけて封印する演出も見られる。
 
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ライダーでも怪人でもない「たい焼き名人アルティメットフォーム」が使用できる。
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本編では1話のみの登場であり、登場エピソードのギャグ展開も含めて1発ネタに近い存在であったため、意外性という点ではこれ以上にない選出ではある。もちろん、必殺技もきっちり再現されている。
 
総評
ゲーム性が大味だというのは、キャラゲーとしては珍しい事ではないが、本作の様に「バトルでできる事が少なすぎる」というのは、ヒーローゲームとしてはある意味最悪である。
俳優陣が成長した証ではあるのだが、オンドゥル語が解消されているのも、ネタ方面で期待していた購入者をガッカリさせる事となった。
しかし、最後の隠しキャラとしてたい焼き名人が出現した時「これで全部チャラだ」という声も少なからず挙がっていたとか。
たい焼き名人の為に金を払えるか?
これが本作を購入する上での大きなポイントなのかもしれない。
もっとも、後には再現度が低い上にライバル同士で戦えないというもっとひどいのが出たのだが…
余談
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謎のネタ枠として実装されたたい焼き名人だが、2019年「仮面ライダー図鑑」に、なんと
仮面ライダーとして掲載された。
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これでたい焼き名人は正真正銘仮面ライダー……と思いきや、本文には「
仮面ライダーではないため戦闘能力は皆無
」とあり、更にライダー図鑑内の絞り込み検索の「仮面ライダーじゃない」の項目で検索をかける事でヒットするので、結局ライダーではないようだ。
 
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購入者用アンケートに『GBA版剣が出たら買いますか?』という項目がある。初期構想では、GBA版も出す予定だったのだろうか。
最終更新:2023年10月05日 18:09