大魔界村

【だいまかいむら】

ジャンル アクション
対応機種 アーケード(CPシステム)
販売・開発元 カプコン
稼働開始日 1988年12月
判定 良作
魔界村シリーズリンク

概要

1985年度に制作された「魔界村」の続編。グラフィック、BGM、ゲーム性の面で大幅な進化を遂げパワーアップした。


ストーリー

魔王アスタロトとの戦いから3年。満月の夜に現れた大魔王ルシファーの侵攻により魔界が蘇り、地上は大混乱に陥った。
そしてプリンセスは駆けつけたアーサーの目の前で怪光線に貫かれて命を絶たれ、魂を奪われてしまう。
アーサーはプリンセスの魂を救い世界に平和を取り戻すために、蘇った魔界へと単身乗り込んで行くのだった。 


ゲーム内容

  • 騎士アーサーを操り、多数用意された武器を状況に応じて使い分けながら進んでいく。
    前作同様、1度のダメージで鎧が剥げて裸になり、その状態で敵の攻撃を食らうとミスになる。残機0でゲームオーバー。
    • 操作面での新要素として「上下方向への攻撃」が可能になった。
    • また、各武器に応じた魔法を使えるようになる「黄金の鎧」も登場。もちろん、上位の鎧であろうと敵の攻撃を一度受ければパンツ一丁の半裸状態なるのは相変わらず。
  • 全部で6つのステージ(5ステージ+ラストボス戦)構成。
    • 前作同様の2周制で、ラストボス戦必須武器を装備することで2周目でのみラストボスと戦うことができる。
    • 前作と異なり、2周クリア後はエンディングが流れた後そのままゲーム終了となる。
  • 武器は7種類に増えた。投げない接近戦用武器も登場。
    + 武器一覧
      • ゲーム開始時に最初から装備している武器。一直線に飛び2連射可能。
      • 魔法は頭上からの落雷を受け止めて左右に拡散する「落雷」。縦と左右に攻撃判定が発生する。
    • ナイフ
      • 当たり判定は小さいが、飛ぶ速度は最速。微妙に射線を上下段にずらしての3連射が可能。前作の「短剣」にあたる武器。
      • 魔法は一定時間、本体の動きを一歩遅れてトレースする「分身」。
    • ナパーム
      • 放物線を描いて手前に落ちるが、地面に触れると波打つように火柱を発生させる。敵やオブジェクトや壁との接触では燃え上がらない。前作の「たいまつ」にあたる武器。
      • 魔法は大きく回転しながら左右斜め上方へと広範囲に飛んで行く「火球」。
    • 大鎌
      • やや斜め上に向け一直線に投げる。連射はできないが当たり判定が大きく通過線上の敵をまとめて貫通する。前作の「斧」にあたる武器。
      • 魔法は自分自身を包み込む爆発を2回起こす「爆裂」。爆裂中は無敵である上、そのとき発生する爆炎は敵の弾を消すことができる。
    • イカルスの盾
      • 通常一直線に飛ぶが、地形に触れる、あるいはしゃがんで撃つと地形を這って進む。上下方向に投げた時は幾分か当たり判定が大きい。2連射可能。
      • 魔法は一定時間、敵弾を防ぐ「鏡」を自身の目の前に設置する。鏡自体にも攻撃判定があり意外と攻撃力は高いが、敵の攻撃を受けるとすぐに壊れてしまう。
      • 唯一の接近戦用武器。左右に対しては剣を振り下ろして攻撃し、上下方向にはリーチ長めの突きを放つ。他の武器の2倍の威力がある。
      • 魔法は2体の雷龍を召喚し、左右対称斜め上の軌道で飛び回らせる「雷龍」。
    • サイコキャノン
      • 2周目以降から入手可能。ラストボス戦必須武器。
        飛距離によって威力が異なり、裸あるいは鎧状態では至近距離なら2倍ダメージを与えられる。魔法は使えないが、黄金の鎧装着時では飛距離と攻撃力が増大し敵弾もかき消すことが可能で、さらに至近距離なら通常の3倍近くのダメージを与えられる。
      • 2周目でこの武器を持たずにステージ5のボスを倒すと、同ステージの最初からやり直すことになる。

評価点

  • グラフィック・サウンド共に前作から大幅にグレードアップ。より美しい魔界世界を堪能できる。
    • 墓地と断崖、焼け落ち腐食した村、エレベーターにて強制的に上昇させられる塔や乱立する悪魔の像、魔生物蠢く地底など、面ごとに大きく世界観が変化し、それに沿ったトリッキーな地形やしかけが登場するため、変化に富んだステージ構成となっている。
    • 前作ではボスの種類が少なく、複数ステージで登場するボスも存在したが、本作ではステージ毎に異なるボスが登場するようになった。
      見た目は勿論のこと、様々な攻撃パターンを備えバラエティ豊かになっている。
    • 今作のBGMは『ロストワールド』などのカプコンの著名なAC作品を担当した TAMAYO こと河本圭代。
  • 新たに上下方向投げが加わったことで攻略の幅が広がった。
    • さらに魔法を使える鎧が登場し、魔法攻撃によって更に戦略面が広がった。
  • 良好な操作性。前作同様、機動性能自体は低いがアクションの感触は軽快で爽快感がある。
  • やや高難度だが、パターン性とアドリブ性をほどよく併せ持ち、プレイを重ねていくことで初心者でも確実に上達できるバランスを兼ね備えている。
  • 武器の種類が大幅に増え、更に武器毎に異なる魔法があるため各武器の癖が更に強くなり一概に優劣つけ難くなった。
    • 槍の無難さ・ナイフの使い勝手の良さは相変わらずではある。
  • 対ラストボス専用武器の入手に運要素が絡まなくなった。
    • 「黄金の鎧装着時に武器の入った宝箱を開ける」という明確な出現条件が設定されたので出しやすくなり、入手のタイミングも調整しやすくなった。出現条件は、1周目のステージ5クリア時に教えてもらえる。
    • 特に黄金の鎧装着時には敵弾を消しつつ半ば無双状態で進めるので「2周目の方が楽に攻略できる」という意見もある。
      • ただしサイコキャノンでは魔法が使えない上、黄金の鎧を失ってしまうとサイコキャノンの性能がかなり弱体化して扱いが難しくなってしまうというシビアな面もあり、以降はいかに集中力を持続してミスを減らせるかが問われていく。

賛否両論点

  • 前作同様、ジャンプは常に飛距離が一定で落下中の軌道制御が効かない。
    • ジャンプのタイミングと状況を把握する必要があり、慎重な先読みが求められる。
    • ただし、アクションゲームにはボタンを押す長さでジャンプ力を調節出来る作品もあれば、常に一定のジャンプ力で進行する作品も存在し、
      段差を踏み外した時に方向キーで空中制御可能な作品もあれば、問答無用で垂直落下する作品も存在する。
      欠点というよりはそうした操作性を前提とした作品である。
  • 「上下撃ち」が非常に強い
    • プレイヤーにとってはかなり有益な変更点であり爽快感もあるのだが、「アーサー」は頭上(と、段違いの足元)に弱いというのが前作の性能であったため、「バランスを少なからず崩している」という意見も存在した。この点はカプコンの本作開発者や元ゲーメスト編集長の石井ぜんじ氏もともに指摘していた。
      • これを受けてか、シリーズ次作の『超魔界村』では採用されず、『極魔界村』にてようやく復活した。

問題点

  • 本作では特定地点を通過すると「宝箱」が出現する。
    • これ自体は新要素である黄金の鎧を取るために必要なのだが、いざ開けるとトラップ敵であるマジシャンや、いらない武器が出てきたりと初心者殺しな面もある。
      • 宝箱には数パターンの出現法則*1が設定されており、1個目に出現した宝箱には必ずマジシャンが入っている。
      • マジシャンによって無力な姿に変化させられてしまうと、しばらくまともに戦えなくなるため致命的。*2
    • うまく駆使すれば、各ステージ前半と後半のどちらにも鎧が供給されるようになるため、安定してゲームを進めていくことができる。しかし宝箱の場所が分からないプレイヤーにとってはさらに難易度が上がることになる。
      • 自分で分からない場合は、攻略情報などで宝箱の出現位置を把握してプレイすることを推奨する。
  • 前作同様、ザコ敵の落とす壷からも武器が手に入る。
    • 計画的に武器を変更する上では助けになるが、うっかり要らない武器を取ってしまうとその後のパターンを崩し易い。足場が悪い場所では邪魔なザコは倒さざるを得ない上に、敵が落とした武器をジャンプで飛び越えるといったことも難しい。
      • ただ、この敵の壷から出てくるアイテムは宝箱と同様に出現パターンが決まっており*3、パターンを把握した上で、壷を持った敵を極力倒さないようにすれば不要な武器の出現を抑えられる。
        また、壷からアイテムを一定回数出現させ続けると1UPアイテムが出現するので、壷からアイテムを出すこと自体に全く旨みがないというわけでもない。
  • ステージ2後半、ステージ3後半と不安定な足場を渡るシーンが連続しており、ダメージを受けた際の「弾き飛ばし」がより脅威に。
    • タイミングよく飛び移ったと思ったら運悪くザコが現れ、回避しようもなく鎧を剥がされ弾き飛ばされたまま落とし穴に落ちてミス……というパターンが起き易い。
  • ステージ4後半に足場が消えるバグが存在する。
    • また、運が悪いとボスの弱点が消えて攻撃しようがないまま詰んでしまうというバグもある。
  • 相変わらず永久パターンが残っている。
    • 2周目はサイコキャノンを所持していないと最終ステージに行けずステージ5の最初に戻される。この魔界村伝統仕様はいわゆるZAPと呼ばれるものだが、これを利用する事によって簡単に永久パターンを作れてしまう。
  • 武器の種類が増えたのは良いが、ステージによっては相性の悪い武器・クリア不能になる武器がある。
+...
  • ナパーム
    • 斜めに傾いた地形を進むステージ4後半では強く、同ステージのボス「オーム」に対しても棒立ちのまま攻撃が当てられるので楽に乗り切れるが、上方向と横方向への飛距離が小さいため、それ以外の場面では精彩を欠く。
    • また、ステージ4をこの武器を持ったままクリアすると、続くステージ5前半でもしばらくこの武器で戦わざるを得ず、難敵レッドアリーマーキングの攻撃に対して苦労することになる。魔法が使えれば楽になるが、一度でもダメージを受けて魔法が使えなくなると一気に弱体化し戦況が不利になってしまう。
  • イカルスの盾
    • ステージ1後半の起伏に富んだエリアやステージ4後半で、地形に沿って飛んでいく特性が活かされる。
    • 槍ほどではないが比較的クセは少なめ。ただ、魔法の使い勝手はあまり良くない。
  • 大鎌
    • 斜め前方に向かって飛ぶ軌道と攻撃範囲の大きさにより、ステージ3前半のフライングゴブリンやビホルダーを楽に一掃できる。レッドアリーマーキング戦も楽だが、それら以外の運用は難しい。
    • 接近しなければ敵に当たらないという上級者向け武器。大抵の場面では他の武器を使った方が、楽に安定して攻略できる。
      また、ステージ4ボス「オーム」の弱点部位に攻撃が届かないため、この武器を持ったまま対オーム戦に突入してしまうと倒せない。
    • 魔法の使い勝手は良いので、その点である程度バランスが取られてはいる。前述の通り、攻撃力が他の武器の2倍という利点もある。
      ステージ4では、このことを見越してアイテム出現テーブルからは除外されているので、同ステージで剣を取得してしまう事はない。
    • また、ステージ3ボス「ガスト」は動きが素早く当たり判定が大きい。さらに、下撃ち攻撃しか届かない画面下側に潜り込んでくるため、飛び道具を使わないと攻撃を当て難い。
      剣では攻撃が弱点に届く前に接触判定でダメージを受ける可能性が高く剣でクリアすること自体が難しいため、よっぽどの熟練者でない限り、剣を持ったままステージ4に突入することはまずない。

総評

「難しすぎず簡単すぎない絶妙な難易度」という前作の良さを引き継ぎながら、鎧のパワーアップと上下段の攻撃の撃ち分けという要素によって新たな攻略性を盛り込むと共に、進化したグラフィック表現で描かれた世界観の美しさや音楽の質の高さも加え、前作で既に確立されていた魔界村という作品の独自性と魅力を決定づけた作品となった。


家庭用移植

対応機種 メガドライブ
PCエンジン スーパーグラフィックス
X68000
発売・開発元 【MD】セガ・エンタープライゼス
発売元 【PCESG】NECアベニュー
【X68k】カプコン
開発元 【PCESG】ハドソン、アルファ・システム
【X68k】エス・ピー・エス (SPS)
発売日 【MD】1989年8月3日
【PCESG】1990年7月27日
【X68k】1994年4月
配信 【MD】バーチャルコンソール:2007年7月31日/600Wiiポイント
【PCESG】バーチャルコンソール:2009年2月3日/600Wiiポイント
【PCESG】PCエンジンアーカイブス:2010年8月18日/600円
判定 良作

概要(移植)

  • MD版
    • 現プロペ社長の中裕司氏による移植である。グラフィックなどがやや簡略化された移植とはなっているが、プレイ感覚はオリジナル版と比して遜色ない出来栄えで、わずか5ヶ月で製作されたとは思えないほど完成度の高い作品となっている。
      • ステージ1のBGMのみテンポが遅くなっている
      • オリジナル版は4方向レバーだったため、家庭用の方向パッドでは少しでも斜めに入ると停止してしまうという問題があるが、MD版はオプションで家庭用とオリジナルの操作性を選択できるオプションが追加されており、快適に操作できるのもプレイ感覚の良さに貢献している。
      • コンティニューは無制限。また、裏技でステージセレクトが可能。
    • 容量は当時としては大容量の5メガビット(768キロバイト)だが、容量が5メガビットという作品は珍しく、メガドライブでは希少(他にはヴァーミリオンモンスターワールドIIIなどが該当する)。
  • PCE版
    • PCEの上位互換機であるPCESG専用ソフトとすることにより、多重スクロールの実現、オリジナルに存在するバグの完全再現*4など、スコアランキングがないこととBGMがハードの音源に合わせてアレンジされていること以外ほぼ完璧と言っていい移植を実現した作品となっている。パッケージイラストは『機動戦士ガンダム』などで有名な安彦良和氏。
      • ただし、MD版のような操作性に関する調整が行われていないため、操作性の面ではやや劣る。
      • コンティニューは有限だが、裏技でクレジット数を増やせる。オプションはメニューに表示されておらず、Iボタンを押しながらスタートを押すというシステムになっている。
    • 大容量8MbitROMの採用により移植度は非常に高くなったが、その代償としてソフトの定価が一万円を超えてしまった。PCESG本体の定価も高く(39,800円)、「PCEの上位機種」という試みは結局失敗に終わってしまった。
    • PSP・PS3のPCエンジンアーカイブスで配信される際に、パッケージイラストは版権の関係で別のものに差し替えられている。
  • X68000版
    • ACと寸分違わない完全移植を実現。
  • PS・SS版『カプコンジェネレーション(第2集)』
    PS2/PSP『カプコン クラシックス コレクション』に初代、超と共に収録されている。
    • 後者には両機種とも画面が全体的に暗くなる不具合があるのでプレイの際には注意。PS2版は収録されている他のゲームにも不具合があったため修正版との交換に応じていた。後に発売されたベスト版も修正済み。

その他

2005年に発売されたSRPG『NAMCOxCAPCOM』にアーサーと本作、及び『超』の敵キャラが多数出演。
関連ステージや行動ターンBGM、アーサーの攻撃演出などの多くは大魔界村をベースにしているが、作劇上の都合か、本作のラスボスである大魔王ルシファーは存在をスルーされている。
3DS『PROJECT X ZONE』にもアーサーら魔界村のキャラが引き続き参戦している。

添付ファイル