突撃!!ファミコンウォーズ
【とつげき!!ふぁみこんうぉーず】
ジャンル
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戦略ウォーアクション
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対応機種
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ニンテンドーゲームキューブ
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発売元
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任天堂
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開発元
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Kuju Entertainment
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発売日
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2005年10月27日
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定価
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5,800円(税込)
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プレイ人数
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1人
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対象年齢
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12歳以上対象
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判定
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良作
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ファミコンウォーズシリーズ
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概要
ファミコンウォーズのユニットを使った戦略ウォーアクション(TPS+ACT+RTSのようなもの)。
基本的な内容は各ミッションで司令官の出す目標をクリアしていくというもの。
歩兵、戦車といったユニットを操作しつつ他のユニットに攻撃指示を出したり、拠点を占領させたりなど部隊長として指示を出し目標を達成していく。
ストーリー
ウエスタンフロンティア国とツンドラ国は隣国同士、長きにわたって争いを続けてきた。両軍は非戦闘区域を挟んで睨み合いを続けていた。
そんな中、ツンドラ軍のゴルギ大帝が息子のノバ元帥に指揮権を譲渡したことをきっかけに両軍の間で休戦条約が結ばれる。これで平和な日々が戻ってきたかのように見えた。しかし…
兵士の士気が下がっているのを見たフロンティア軍の司令官達は実地訓練を兼ねた国境付近の偵察任務をプレイヤーに与える。任務中に発見したスパイを追った先で見たものは、侵攻準備を進めていたツンドラ軍の姿だった。
特徴・評価点
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プレイヤーは戦場にいるユニットのうちどれかを操作し、味方に指示を出しながら作戦を遂行していく。
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司令官からの指示を受け、「ゴールドスター」へ向かえば作戦が進行するので、目的を見失うようなことはない。また「シルバースター」というクリアには関係ない指示(捕虜救出など)もある。
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ユニットの操作もかなり簡略化されており、操作も簡単。
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基本はAで攻撃(ユニットによってはチャージ攻撃が可能)、スティックで移動、Lでロックオン。味方への指示はCスティックとY、Xボタンで行う。
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なお、戦車や航空機の機銃は自動で射撃するようになっている。
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戦争ものだがグロ要素はほぼない。出血表現もない。そのためそのような表現が苦手でも問題ない。
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戦場ではポーズをかけている時以外は常にユニットが動く。そのため素早い指示が必要となる。
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ミッション終了後に「テクニック(損害率)」「パワー(破壊したユニット数)」「スピード(クリアまでかかった時間)」で評価される。
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各地域(リージョン)ごとのクリア評価平均が一定以上ならばボーナスミッションが出現する。
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ボーナスミッションではプレイヤーはウエスタンフロンティア軍以外の国の指揮官となって戦うことになる。普段は使えないユニットが使えるため、なかなか新鮮である。
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タイトルの様にただ突撃すればよいという物ではなくユニットごとの相性を考えて敵の弱点を突く攻撃を行うといったRTS要素が強く、考えて指示を出さねばならない。適当に突っ込んだら簡単に死ねる。
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例えば、歩兵はバズーカ兵やミサイル兵に強く戦車に弱い、バズーカ兵は戦車に強く歩兵やMG兵に弱い。そのため戦車が来たら歩兵を下げバズーカ兵で迎え撃つといった具合。
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これらのシステムにより各ミッションごとに何通りもの攻略方法があり、新たなる攻略方法を考えるという楽しみがある。
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ユニット紹介
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兵士ユニット
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歩兵
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兵士ユニットの基本。装備はアサルトライフル。特徴がないのが特徴。火力の低さゆえに苦手な相手が多いが、バズーカ兵、火炎放射兵、ミサイル兵、グレネード兵に強い。
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マシンガン兵(MG兵)
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マシンガンは高い威力と連射性能を両立しており、多くの相手と互角に渡り合える万能ユニット。装備のマシンガンはボタンを押しっぱなしにすることで撃ち続けられるが、オーバーヒートを起こすとしばらく撃てなくなる点に注意が必要。また、飛行ユニットには当たりにくい。
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火炎放射兵
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火炎放射器を持つ兵士。火炎放射の威力は非常に高く、歩兵ユニットに対して圧倒的な強さを誇る。だが武器の性質上射程が短いため、接近するまでは撃たれ放題。さらに、装甲車両に対しては無力という極端なユニット。
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バズーカ兵
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バズーカを持つ兵士。バズーカ砲はチャージ式で、最大までチャージすれば射程も長く弾速も早い上、威力が非常に高くなるため、車両ユニットに対して無類の強さを誇る。だが、小さい敵には避けられやすいため歩兵やMG兵と相性が悪い。また、追尾性能もないので飛行ユニットにはまず当たらない。
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ミサイル兵
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追尾能力のあるミサイルランチャーを持ち、飛行ユニット相手に非常に有利。だが地上の相手にはミサイルが当たりにくく不利で、特に歩兵ユニットに対してはミサイルがほとんど当たらないため一方的にやられる。ただ、重戦車など車両ユニットに零距離で全弾撃ち込めばバズーカ兵以上の火力を発揮する。
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グレネード兵
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グレネードランチャーで武装している兵士。グレネードは放物線を描いて飛んでいき、バリケードに隠れた敵も攻撃できる。火力も高く射程もそこそこ長めで、車両ユニットにも強い。ただし近距離戦は苦手で、歩兵やMG兵に接近されるとなすすべもなくやられる。
車両ユニット
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軽戦車
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重戦車に比べて火力は低いが機動力が高く、多くの地上ユニットに対して有利。ただし装甲はあまり厚くなく、バズーカ兵、MG兵、重戦車が天敵。
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重戦車
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軽戦車の強化型で、火力と装甲が強化された戦車。地上の相手に対してはかなり強い。ただし機動力が低く敵の攻撃を回避しにくい。特にバズーカ兵に絡まれると大きな被害を被る。なお、フロンティア軍の重戦車は二連主砲になっており、他の軍より火力が高い。
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軽偵察車
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移動速度が非常に早いが、紙装甲。機銃を装備しているが、戦力としてはアテにならない。イベントでたまに使う程度。
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重偵察車
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操作性、装甲、火力が向上した軽偵察車。歩兵程度なら優位に立てる。
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対空戦車
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強力な対空ミサイルを持ち、飛行ユニットに対しては圧倒的に強い。だがミサイル兵同様地上の敵にはミサイルが当たらず、相性が悪い。また、ミサイル以外には低威力の機銃しかないため、接近されたらどうしようもなくなる。
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自走砲
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遠隔射撃を行えるユニット。弾速が遅く、待ち伏せしている敵や動かないMGバンカーなどに有効。ただし主砲は近距離には撃てず、対空戦車と同じく威力の低い機銃しかないため接近戦ではただの的と化す。
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グレートタンク
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圧倒的な火力と装甲を誇る地上最強ユニット。これ一両で敵陣を蹂躙することも可能なほど。しかし他の戦車と違って砲身が車体に固定されているので真正面にしか撃てないため移動で軸合わせをする必要があり、リロードも非常に長い。また空からの攻撃には弱い。
飛行ユニット
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輸送ヘリ
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イベントで歩兵や車両ユニットの増援を連れてくるユニット。プレイヤーは操作できない。何気に装甲が厚いため撃墜しにくい。
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爆撃機
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強力な爆撃装置を搭載しており、地上ユニットに対して絶大な攻撃力を発揮する。だが、機動性がさほど高くない上に対空性能が貧弱。戦闘機と遭遇したらまず死ぬと思っていい。
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戦闘機
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機動力が非常に高く、高威力のミサイルを装備しているため飛行ユニットに対して圧倒的に強い。ただ、地上への攻撃が苦手。
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戦闘ヘリ
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他の飛行ユニットと違い、空中を自在に動くことができる。戦闘機よりも地上へ攻撃しやすく、多くの地上ユニットに対して有利。だが対空性能は低め。
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ギガファイター
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機銃、爆弾、ミサイルと対空、対地双方に強力な武装を持つユニット。機動性が低めなのと、後方に攻撃が出来ないのが弱点。
その他のユニット、戦場に配置されている設置物
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マシンガンネスト(MGネスト)
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戦場に設置されている機銃砲座。味方を乗りこませたり、プレイヤーが乗って射撃を行うことができる。歩兵に対して圧倒的に強いが戦車には弱い。
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マシンガンタワー(MGタワー)
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敵専用のMGネスト。高い所に設置されている。接近すれば攻撃されなくなる。
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マシンガンバンカー(MGバンカー)
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監視タワー
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トーチカ
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砲撃を行う砦。MGバンカーに比べ堅いため破壊しにくい。
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特殊放射兵
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エキシルバニア軍のユニット。性能は火炎放射兵と同じ。
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対空砲兵
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エキスルバニア軍のユニット。性能はミサイル兵と同じ。
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プラズマ兵
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ソーラーエンパイア軍のユニット。性能は火炎放射兵と同じ。
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スパイ
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ツンドラ軍のユニット。性能は歩兵と同じ。ステージ1で出てくるものは倒せない。
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キャプチャーポイント
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拠点に設置されている旗。兵士ユニットでこれを確保すると拠点占領。防衛ミッションでは基本的にこれが防衛目標。
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火薬庫、タル
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攻撃オブジェクト。有刺鉄線につながっているものは破壊すると中の捕虜を解放できる。
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グラフィックもどのユニットも細部まで描かれておりステージもしっかりと作られている。
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またプレイヤーの腕を上げれば相性によらずなんとか撃破できるというランボーの様なプレイもできる。
賛否両論点
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難易度が高い。
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序盤は簡単なのだが6面「エリート戦車部隊」あたりから急に難しくなっていく。
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このミッションのクリア条件は重戦車8両の撃破だが戦闘ヘリの支援もある。それに対してこちらの戦力は軽戦車4両と歩兵軍団と、はっきりいって不利。
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失敗しつつも自分なりの攻略法を考えて勝利した時の達成感の事を重視したのかもしれない。
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基本的には、お使いゲーである。
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ミッションは基本的に「ここへ行け」「あそこの敵を撃破しろ」等の指示通りに行動しなければならない。腕に自信が出てきたら援軍を待たず敵本隊に奇襲をかけて大暴れ……なんてことはできない。
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しかしただでさえマップが広いので、「次にどこへ行って何をすれば良いのかわからない」と迷う心配が無く親切な設計とも言える。
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3D酔いをしやすい。
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このゲームは高低差のあるマップになっていて、特に軽、重偵察車、軽戦車の運転が酔いやすい。
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後半マップに無限湧きする敵ユニットがいる。
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メインシナリオの18面「メインロード」のレギオン戦闘ヘリ、20面「突撃!ブラッド城」の爆撃機、歩兵ユニットがそれにあたる。特にラストの爆撃機は運ゲーになっているし、歩兵ユニットも倒しても倒しても無限に湧きキャプチャーポイント占領を邪魔し続けるため非常にうざい。
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無限湧きはこのゲームを台無しにしているとの声も多い。
問題点
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ストーリーモードのみにかかわらず最高24面と少ない。
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特に日本軍をモチーフにしたソーラーエンパイア軍で遊びたかったという声は多い。隠しシナリオの1ミッション限定ではあまりにも残念。
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若干操作性が悪い。特に軽偵察車はよく建物や木に引っかかる。また、速度が出るとひっくり返りやすい。
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なお、車両ユニットは引っかかった際、ハイグリップモードを使えば脱出できる。戦闘中はその間にやられることが多いが。
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最強の飛行ユニットであるギガファイターを使用できるミッションがたったの1面しかない。しかもこのミッションでは飛行ユニットしか使用できないため、状況に合わせて兵士ユニットや車両ユニットを使い分けるといった戦術が不可能。
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他にも自走砲やグレートタンク、戦闘機を使用できるミッションがそれぞれ2面ずつしかない。
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開始時のデモを最後まで見ないとパワーの評価が絶対に100パーセントにならないミッションがある。
総評
本家『ファミコンウォーズ』と変わった点が多いが、ACT、TPS、RTSいずれの要素も高水準。
単純な操作性でTPS初心者にもとっつきやすく、万人が楽しめるゲームと言えるだろう。
余談
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今作で登場したグレートタンクは「ファミコンウォーズDS」でも登場している。デザインは異なるが相変わらず強い。
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日本語版では「ファミコンウォーズ」という言葉がタイトルに含まれているものの、実はほぼ無関係の作品である。
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当初、本作は『Advance Wars: Under Fire』というタイトルで開発されていたが、このAdvance Warsというタイトルは文字通り「高度な戦争のゲーム」という意味合いで選ばれたもので、Advance Warsシリーズ(ゲームボーイウォーズアドバンスシリーズ)を指したものではなかったのである。もともと全く世界観やシステムが異なるゲームとして開発されていたこともあり、議論を経てシリーズとの関係性を強調しない『Battalion Wars』に改題された。
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こういう経緯もあり、シリーズを紹介する記事ではスピンオフや外伝のような位置づけがなされることが多い。
最終更新:2023年06月07日 22:11