実況おしゃべりパロディウス

【じっきょうおしゃべりぱろでぃうす】

ジャンル シューティング
対応機種 スーパーファミコン
メディア 32MbitROMカートリッジ
発売 コナミ
開発 コナミコンピュータエンタテインメント大阪
発売日 1995年12月15日
定価 9,980円
判定 良作
バカゲー
グラディウスシリーズ


概要

当時のコナミは、『実況パワフルプロ野球』シリーズでボイス実況要素持ちゲームにおいて他社の一歩先を行っていた。
そのコナミが、何をトチ狂ったのかその技術をシューティングゲームにつぎ込んだ奇抜なゲーム。
実況解説つきのシューティングゲームなんてものは後にも先にも本作だけであろう、おそらくは。
しかしシューティングとしては間違いなくグラディウスの血筋を受け継ぎ、丁寧な作りとSTG初心者にも優しい配慮が見られる快作でもある。

ストーリー上はSFC版極上パロディウス』の続編となっている。
後述のストーリーで「11人の仲間たち」となっているのはそのためである(AC版『極上』の8人+SFC版追加の3人)。


ストーリー

宇宙暦0094、「過去の栄光」を求めて11人の仲間達が冒険の旅に出た。
またしても全宇宙を巻き込む大戦が始まったのである。
この戦いで全宇宙は総人口の半分を"痔"に至らしめた。彼等は自らの行為に恐怖した。
「…イテッ!」*1
戦争は最終局面に入り、ついに彼等は、宇宙に散った…
あれから時は流れ、再び大いなる冒険の旅が始まろうとしている。
「幻のタコ焼き」を求めて、パロディウス軍団がいま旅立つのだ。 人(タコ)はまた過ちを繰り返そうとしているのか…

な~んちゃって。

(以上、PS・SS版のOPより*2

あえてコメントは載せない。心の中のツッコミはご随意に。 ちなみにこれはゲーム内のOP。説明書にはもっと具体的なストーリーが描かれている。


システム

  • 正統派グラディウスの流れを汲む「カプセルを回収してパワーアップ」+「『ツインビー』のベルでボーナスや特殊攻撃」というパロディウス伝統のスタイルはそのまま。
    • さらに本作にも回収したカプセルを任意で消費してパワーアップできる「やるぜマニュアル」と、自動で消費して勝手にパワーアップしてくれる「らくちんオート」の操作系統が用意されている。
  • 使用可能機体数16種類と、シューティングゲームとしてはかなりの大盤振る舞い。『グラディウス』シリーズ全般で見ても、これだけのバリエーションはなかなかお目にかかれない。
    • 前作では2Pキャラは単なる色違いであったが、今作ではいずれも性能が異なる武装が用意され、1P2Pどちらでも選べるようになった。
      • これも前作同様だが、一部の機体の武装は、過去のコナミのシューティングや『ダライアス』『R-TYPE LEO』『雷電』から『達人王』まで縦横問わず他社のシューティングからのオマージュだったりする。他社ネタの武装は、元ネタが当時移植されてなかったり、移植版がマイナーだったりと、出典がマニアックなレアモノも。
      • 一部既存キャラから装備配置が入れ替わっただけのキャラも居るが、その辺は『グラディウス外伝』の先駆けと思われる。
+ 自機キャラクター紹介(16体+PS・SS隠し2体)
キャラ名 装備(先頭は全キャラがスピードアップ) コメント
ビックバイパー ミサイル・ダブル・レーザー・
オプション・フォースフィールド
シリーズ皆勤賞の主人公機。今回も『グラディウス』の装備だが、珍しくシールドではなくフォースフィールド装備。
多彩なキャラが揃う本作ではいささか特徴に欠けるが、使い勝手は悪くない。
ロードブリティッシュ ツインホークウインド・リップル・レーザー・
オプション・マルチシールド
今回は2P扱いから脱し、『沙羅曼蛇』の装備一式で出陣。2WAYにもかかわらずミサイルが滑走するため沙羅曼蛇と同等の使い勝手を誇る。
マルチシールドは原作でフォースフィールド名義だったアレだが、今回はちゃんと4つ装備できる。
タコ彦 2WAYミサイル・テイルガン・リップル・
オプション・たこつぼバリア
前作のタコスケの弟らしい。タコ伝統の『グラII』4番装備。
今回は同装備の原型であるロードブリティッシュが居るため若干分が悪い。
ベリアル ミサイル・ダブル・リップル・
オプション・たこつぼバリア
前作のタコスケの2Pサイド。性別不明。ミサイルは通常だがそれ以外は『グラII』の3番装備。
『グラディウス』の装備からレーザーを削除して代わりにリップルに変更しただけとも言う。
ダブルとミサイルで上下は万全だがそれは他キャラでも同じことが出来てしまうのでやや不遇。
ツインビー ロケットパンチ・テイルガン・3WAYショット・
オプション(収束型)・バリア
『パロディウスだ!』からおなじみの装備。いつの間にか口が付いていたので*3、幻のタコヤキを食べたいと思ったらしい。
かつての強みだった攻撃範囲は他キャラに上を行かれ、今作でもいささか不遇なポジション。
ウインビー ロケットパンチ・テイルガン・3WAYショット・
オプション・しっぽバリア
パイロットのパステルばかりが大人気で、鬱憤ばらしに参加したらしい。
『出たな!』から復活のしっぽバリアは扱いが難しいが、使いこなせば鉄壁の防御を誇る。
ツインビーとのオプション挙動の違いは『Pop'n』のそれである。
ペン太郎 ポットンミサイル・ダブル・スプレッドガン・
オプション(収束型)・バブル
お馴染みペンギンのペン太郎。幼馴染の花子におびえており、彼女に強要されて参加するハメに。
相変わらずの攻撃範囲の狭さであり、かなり使いづらい。
花子 スプレッドボム・ダブル・スプレッドガン・
オプション(収束型)・バブル
『極上パロディウス』(ペン太郎2P側)の戦いで破壊の快感に目覚めたペン太郎の幼馴染。
対地はスプレッドボム、対空はスプレッドガンとスプレッドづくしの超破壊型装備。使いづらさは気にしない。
そいつ そいつミサイル・そいつウェイ・そいつレーザー・
そいつパワー・そいつシールド
「こいつ・あいつ」が出たから「そいつ・どいつ」もいるんじゃない?と言われたら本当に存在した。
こいつ譲りの超高性能ぶり。弾数が多い今作では高耐久のそいつシールドが輝く場面は多い。
どいつ どいつミサイル・どいつウェイ・どいつレーザー・
どいつオプション・どいつシールド
どいつはオプションタイプ。どいつウェイは発射元のオプションによって発射方向が異なるため使いづらい。
どいつレーザーは他作品のツインレーザーの性能。むしろこっちを使ったほうが輝くかも?
ウパ ホーミングミサイル・ワイドショット・レーザー・
グレードアップ・メガクラッシュ
SFC版『極上』が初参戦の『バイオミラクル ぼくってウパ』の主人公。異常な嗅覚で幻のタコヤキのにおいを嗅ぎ付けて城を飛び出した。『雷電』を元ネタにした装備。
元ネタが縦STGなだけありバリアなしで代わりにメガクラッシュを装備しているという変わり種。
ルパ マルチスプレッド・ワイドショット・サーチバルカン・
グレードアップ・メガクラッシュ
SFC版『極上』から唐突に登場したウパの妹。国王の頼みで兄を連れ戻すため参戦。こちらもパロディ装備で元ネタは『達人王』。
攻撃範囲の広さが光るが、やはりバリアは装備できずメガクラッシュを持っている。
ラン ホーミングビット・リフレクト・サーチレーザー・
グレードアップ・シールド
ツインビーの茶飲み友達のネコ。元ネタは『R-TYPE LEO』。シールドを付けられるが流石にフォースのように耐久無限ではない。
攻撃範囲に優れた武装が並び、火力こそ低めながらも高性能にまとまっている。
ミケ マルチボム・レーザー・ウェイブ・
グレードアップ・フォースフィールド
ウインビーのカラオケ友達のネコ。元ネタは『ダライアス』。フォースフィールドがアーム(ダライアス仕様のバリア)のように重ね着していく仕様(最大4枚)。
レーザーは連射性能が高く高威力、ウェイブは地形貫通と元ネタさながらの高性能さ。
スゥ オプション・レーザー・ダブル・
ミサイル・フォースフィールド
ビックバイパーのタイヤキ屋の常連の妖精。12歳とは思えぬナイスバディ。ビックバイパーと同装備でゲージ順が異なる。
この仕様は『ライフフォース』でのロードブリティッシュを思わせる。
こちらのほうがオプション装備が速いうえ、最初がスピードアップなのは変わらないため使い勝手はこちらが上。
メミム リバースホークウインド・テイルガン・
ツインレーザー・オプション・フォースフィールド
741歳の妖精。「幻のタコヤキ」入手に執念を燃やし続けているが、いつも失敗している。
リバースホークウインドは名前の通り、画面上下端から遠い方にミサイルを撃つ。使い勝手はまあまあ。
ドラキュラくん
(PS・SS隠しキャラ)
ミサイル・バルカン・ホーミング・
グレードアップ・フォースフィールド
SFC版『極上』が初参戦のドラキュラくん。推定年齢1万9歳。変わらず『アクスレイ』のパロディ装備を引っさげて登場。
前方のメイン攻撃がミサイルという非常に変わった機体。解禁条件が妖精全回収と非常に厳しい。
キッドドラキュラ
(PS・SS隠しキャラ)
スプレッドボム・テイルガン・
リフレクトショット・グレードアップ・シールド
ドラキュラくんの別カラー版。1万年の眠りに就く前の9歳児。装備の元ネタは『サンダークロス』。
元ネタと異なりオプションは2つまで。それでもフルパワーリフレクトの攻撃範囲は暴力的の一言。
  • 敵撃破時には時折カプセルの代わりにベルが出現する。基本的には得点アイテムの黄色だが、ショットを撃ち込むことでたまに色が変わり「画面全体攻撃をストックできる青」「ショットが撃てない代わりに完全無敵の巨大化状態になる緑」「メガホンから出るセリフで敵や地形を貫通して攻撃する白」などになる。
    • なお本作では「通常は(おそらく)破壊不可能だが、青ベルのスーパーボムなら破壊でき10000点ボーナス」という隠し要素も登場する。前作ではスペシャルステージのみだった要素。
    • 前作同様、倒すと大量のベルを放出する敵も登場するが、前作のSFC版から引き続きステージ毎にデザインや攻撃パターンが異なる。ただし複数のパワーアップカプセルを放出する敵は出なくなった。
  • カプセルの中にはパワーアップゲージが回転し、止めたところでパワーアップが確定する「ルーレットカプセル」が存在する。
    • また今作では、前作のボス「カプチーノ」そっくりの謎の浮遊する物体が随所に配置されており、触れるとルーレットカプセルの効果が何度でも発動する。ルーレット自体も目押しがそこそこ効きやすくなっているため、カプセルを落とす敵の登場数増加・「オーマイゴッド」の廃止可能と相まって、ミスからの復活がかなりしやすい一因となっている。
  • ステージ各所には高得点アイテム「妖精」が隠されており、ショットを撃ち込むことで出現する。
    • ステージ内を隅々まで探す楽しみが増え、再プレイ時もお楽しみ要素となる。
    • さらに本作にはセーブ機能が搭載されており、集めることで様々な特典が追加される。
    • 隠し場所に打ち込むと妖精が出現するというフィーチャーは勿論、雷電シリーズのパロディである。
  • 家庭用という事もあって1ステージが長めだが、ポーズ画面中にセーブ画面を呼び出すことが可能。ロードすると、武装を引き継いだ状態で直前のチェックポイントから再開可能。この仕組みは後に本作のPSP移植だけでなくグラディウスポータブルにまで引き継がれた。

評価点

  • どこまでも突き抜けたバカっぷりを発揮する外見ながら、シューティングとしての作りは至極丁寧。他のパロディウスシリーズ以上に配慮が行き届いているためなおさらである。
    • 8段階の難易度調整が可能で、幅広いプレイヤー層がプレイ可能。最低難易度なら初心者でも何度かプレイすればノーミス達成できるレベル。
    • チェックポイントセーブ機能の搭載もあり、クリアするだけならシリーズの中でもかなり敷居が下がっている。
    • 一方で、他作品と比較して「弾速」より「弾量」で攻める傾向が強い。このあたりはモチーフの1つとなっている『グラディウスIII』譲りか。
    • 初めから家庭版として作られていたためか、前後作まで問題視されていたランクの変化が周回途中でほぼ気にならなくなっているのも追い風と言える。
  • パロディウスシリーズのおバカな「外見」にさらにおバカな「実況」まで加わり、全力でプレイヤーの腹筋を殺しに来る。
    • 実況は『ヤッターマン』のボヤッキーでおなじみの八奈見乗児氏。ボヤッキーを意識しているようなしていないような軽快な実況でゲームを盛り上げてくれる。ゲームオーバー時には「全国の女子高生のみなさーん、お便り待ってまーす」と締める声優ネタも。
      • 一応、設定上では初代主人公のタコが実況を務めている事になっているが、それが分かる要素は精々最初に名乗るとき程度。以降はボヤッキーが実況しているようにしか思えないだろう。
      • 声の音質はSFCとしてはクリアで聞き取りやすい部類。
    • 基本的にネタ要素が多い実況だが、ボス戦で「顔が弱点だよ」と弱点を教えてくれたり、初見殺し気味の攻撃が来る時に「危なーい!」と教えてくれたり、ステージ半ばまで進むと「中間地点です」などと知らせてくれるお助けキャラの一面もあり、ゲームシステムの一つとしてきちんと組み込まれている。
      • また、妖精がいる場合に「どっかに妖精さんがいるよ」と喋ったり、前述の「スーパーボムを使用することで破壊できる10000点ボーナス」が出現する場面で「今だスーパーボムを使え!」と喋る*4など、隠し要素を教えてくれる場面もある。
    • 鬱陶しく感じたらオプションでオフにもできる。高難易度でもゲームに集中できる配慮は嬉しい。
  • もちろんステージ、敵やオブジェクトの見た目も相変わらずぶっ飛んでいるが、今作は特にコナミオールスターの色が強い。
    • がんばれゴエモン』『ツインビーシリーズ』『グラディウスシリーズ』といった有名どころから、当時はまだ移植されていなかった『ツインビーヤッホー』『XEXEX』『リーサルエンフォーサーズ』までステージ毎にコナミ作品をモチーフにしたギミックが登場する。『がんばれゴエモン』からは『奇天烈将軍マッギネス』のカブキ城の仕掛けが登場したり(ちなみにボスは「ゴエモンインパクト」ならぬ「ゴエモンコンパクト」)、『XEXEX』からは分子ステージの独特なモチーフがシリーズ恒例となったお菓子ステージと組み合わさっている。
    • 特に印象深いのはステージ2だろう。学校を舞台にしたステージで同社の『ときめきメモリアル』を完璧にオマージュしている。にもかかわらず後半のステージ内容がまさかのモアイであり、コスプレしたモアイを見て実況の「うえ~気持ち悪い」というセリフに強く共感したプレイヤーも多いことだろう。
      そして前作のプレイヤーキャラからステージボス化してきた「巨大ひかる&あかね」はそのとんでもないインパクトと、見た目に反した初見殺しな攻撃方法で多くのプレイヤーの印象に残ったと思われる。
    • 他、本作からグラディウスII以降で恒例のボスラッシュがパロディウス初登場。お約束のザブラッシュから始まった後は、ビッグコアをはじめとした本作の出典作品のボスが順番に登場。
  • BGMも総じて良質。パロディウスシリーズのBGMはクラシックのアレンジが中心であったが、本作ではそのステージの元ネタになったゲームのBGMに加え、なんと洋楽・邦楽も用いられている。
    • ステージ1では後に初代Dance Dance Revolutionに収録されることになる『ザッツ・ザウェイ』(KC&ザ・サンシャイン・バンド)、そしてボス戦での『魅せられて』(ジュディ・オング)、ステージ4では『ダイヤモンド・ヘッド』(ベンチャーズ)が『がんばれゴエモン! からくり道中』のステージBGMと合わさって「がんばれゴエモン テケテケ道中」として起用されている。
    • ちなみに本作のみ、JASRACの許諾表示がパッケージに記されている*5

賛否両論点

  • 前作から引き続き存在するルーレットカプセル
    • 初期設定では通常のカプセルと見分けがつかないので、順調にパワーアップを重ねているところで想定外のパワーダウンに見舞われかねない。
      • ルーレットカプセルと「OH!!」ゲージの組み合わせは初代の『パロディウス タコは地球を救う』から本作まで全ての作品に存在するため、このシステムはある意味パロディウスシリーズらしい伝統芸とも言える。
    • 過去作と違い今作ではオプションでオフにしたり、見た目を普通のカプセルと違う色(紫)にできるようになった。
      • ただし、設定に関係なく「カプチーノ」そっくりの謎の浮遊する物体に触れるとルーレットが強制的に発動する。
  • ストーリー展開は完全に『極上パロディウス』の焼き直し。一部ほぼ共通のボスも居る。
    • ゲーム中のOPは上記の通りだが説明書に記載されている実際のストーリーは、タコが「過去の栄光を見たい」と言った前作に続いて「ばくてり屋*6で128年に1度作られる幻のタコヤキを食べたい」などと言い出した為、タコスケがまた探しに行く羽目になったが、前回の件で酷い目に遭った所為で気乗りがしないので弟のタコヒコに押し付けた…というもの。
      • 要は前作のストーリーから「過去の栄光」を「幻のタコヤキ」に置き換え、主人公を交代しただけである。
    • ただし、上記のプロローグにあるように「同じ過ちを繰り返そうとしている」ことがストーリーのキモ。ぶっちゃけこれ自体がいわゆる「天丼」ネタということだ。
      + エンディングのネタバレ
    • 肝心のエンディングも「過去の栄光」による爆発オチ。結局同じ過ちを繰り返す。
      • ただし前作の『極上パロディウス』とは違いプレイヤーが選択した自機は脱出に成功しており、エンディングも前作のような哀愁漂う雰囲気と曲*7ではなく「空の上で自機が飛んでいるのをバックにスタッフロール」という明るい雰囲気かつエンディング曲になっている。
      • 今作の「幻のタコヤキ」は「過去の栄光」にすでに食べられてしまったものの、ちゃんとタコヤキとして実在していた。
  • そもそも本作は『グラディウス2』や『グラディウスV』のようにストーリーがゲーム中に深く関わることはないので、焼き直しであったとしてもそこまで気になるものでもない。
  • 前作より一際目立つ直接的な下ネタ要素
    • 前作の『極上パロディウス』で目立っていなかった下ネタ要素が、今作では露骨に出ている箇所がいくつか存在する。
      • 2面のとある場所で見つけることができる「ペンギンのオスとメスが一緒にベッドに入っている」や、「顔がウ○コで、姿がどこかで見た美少女戦士等、前作のこいつバリア*8のような直球的な下ネタがいくつか散見される。
    • その中でも一際目立っているのは3面のボス「ボインビー」
      • モチーフは『ツインビーシリーズ』に出てくる「ツインビー」をはじめとした機体そのものが顔となっているいわば一頭身キャラ。プレイヤーキャラとしてはもちろん、3面にも原作の悪役である「ワルモン博士」が作った敵機体が登場する。
      • ボスキャラの「ボインビー」は顔らしき箇所が胸の形をしており、その上にブラジャーを被った機体が登場する。「ツインビー」と大きなバストを意味する「ボイン」を組み合わせた、文字通りのボインな胸(?)を持つ姿をしている。
      • 足にはハイヒールを履き、頭部らしき場所にキスマークや、武器として口紅を使い、突進時には手で胸らしき物を持って乳揺れのような仕草を行うなど、学生服を着た巨大な美少女が相手をする2面ボス「ひかる&あかね」等のセクシーなキャラクターとは違った存在感を放っている。
    • 極めつきはボインビー撃退後の姿。撃退後の演出としてブラジャーが消失すると共に全身が肌色になり、両手で胸らしき箇所を隠しながら「イヤ~ン」というボイスを出し撤退するという後作の『セクシーパロディウス』に負けないレベルの演出をやってのける。
      • 『極上パロディウス』ですらほぼ肌色になるキャラクターを出すことはやっていなかったので、これをアーケードではなく家庭用ゲーム機で実装したのはある意味衝撃的というかよく怒られなかったな。
    • 以上のことからこのボス全体に直球的な下ネタ要素ちりばめられており、存在そのものが人を選ぶボスキャラとなっている。
    • さすがにマズいと思ったのか、後述するSS/PS版では撃破後に全身が肌色になる演出は削除されている。
      • その代わりなぜかボイスが強化されており、ダメージ時に「あ~ん」、突進時に「いくわよ~ん」、撤退時に「もう、いくぅ~」といった具合である意味強化されている。
      • なお、クレジットには掲載されていないがSS/PS版の「ボインビー」のCVは井上喜久子氏。氏は元ネタの『ツインビーシリーズ』において重要なポジションを持つ「メローラ姫」というキャラクターを演じている。
    • ちなみにボインビーに関する実況のタコのコメントは「サービス満点だねっ!」。

問題点

  • 妖精の配置は実況が教えてくれることもあるが、基本ノーヒント。
    • 地形と地形の間の危険な場所にいることがかなり多く、下手に取りに行くとあっさり地形死しやすい。
    • 中には完全に地形に囲われた場所もあり、スーパーボムで出現させた後に地形から出てくるのを待たなければならない。
    • 取り逃しをしてしまうとやり直しをせざるを得ないので、強制スクロールで動くシューティングゲームのシステム自体との相性が悪い。
      • セーブ機能があるとは言え、ロード時は「その場所で再開」ではなく「ある程度戻ってから再開*9なので、上記の配置場所も相まって作業感が強くなってしまっている。
  • 前作同様、ランクの上下が激しい。
    • ランクが高くなると敵の攻撃が激しくなりギミックの難度も上昇し、パワーアップしたからといって緊張を解くとすぐやられる。
    • だが、AC向けだった前作と比較して残機が増えやすい上、復活の難易度も低めな為、死んでもゴリ押しが利き易いのが救い。

総評

その奇抜にも程があるデザインから身構えがちではあるが、横シューティングとしての完成度は間違いなく高い。
多彩な登場キャラクターややりこみ要素もあり、長く楽しめる一作になっている。
またその派手な見た目と完成度の高さから、パロディウスシリーズの中でも代表作として扱われやすく、知名度もかなり高い。


移植

SS / PS版

本作はSS/PSに「実況おしゃべりパロディウス ~forever with me~」のタイトルで移植されている。
SS版とPS版ではSE周りが大分違い、PS版のほうが全体的にクリア(好みのレベルではあるが)。

  • サブタイトル追加された"~forever with me~"は、『ときめきメモリアル』のPS版のサブタイトル"~forever with you~"のパロディである。
  • 両作とも追加システムを始め、背景やグラフィックなどに細かい違いがある。
    • パワーアップの一部にあった前作までの全ての装備がはがされる「オーマイゴッド」が、絵がそろうと様々な効果が発動する「スロット」に変更できるようになった。
      • つまり、前作までの装備が揃っている状態から、前述のルーレットカプセルの際にハズレを引き当てる事は無いも同然。スロットに「OH!」があるが、揃うのはかなり稀なのでほぼ気にならない。
      • 設定で従来通りのオーマイゴッドありでもプレイできる。
    • 大きく変更された面は、6面の『リーサルエンフォーサーズ』をモチーフにしたステージ。道中はSFC版では単純な構造の高速ステージだったが、こちらでは大きく手を加えられて密度が上昇している。
      • 前半の道中こそSFCと同様だが、原作のプレイヤーが画面奥から狙撃するようになり、気が抜けなくなった*10。後半はグラディウス高速面恒例のシャッター地帯。
      • さらにボスはSFC版では急に『対戦ぱずるだま』の世界に変わり、同作のバカ殿が登場していたのだが、こちらではおなじみのネコ戦艦(SFC版には未登場)が列車として復活登場と*11、もはや別物のステージとなっている。
    • 2面のボスである巨大ひかる&あかねはSFC版ではハードの都合上ややもっさりしたドット絵だったのが、移植版では全く別のアニメ調に描かれている他、ポージングや攻撃方法、ボイスまで一新されている凝りようである。
      • また、道中のシャボン玉に入った妖精の敵がときメモのヒロイン達になっていると言った芸の細かい演出も追加されている。
    • 他にも4面のボスのゴエモンコンパクトはエビス丸型の第二形態が追加されているなど、多数の変更・追加要素がある。
    • 自機性能も一部調整されている。例えばビックバイパー&ロードブリティッシュのレーザーは硬い敵・地形に照射している間は途切れないというAC版『グラディウスIII』仕様に。
  • CD媒体なのでほぼ全曲がアレンジ音源に変更されている。
    • アレンジされた楽曲のうち、ボスラッシュの冒頭のザブラッシュでかかるグラディウスのボス戦のアレンジは、近年のオールスター感謝祭で毎回使われており、数あるBGMの中でこの曲だけは知っているという人も多い。
    • またステージ2の「ときめき人の踊り」は、原作で詩織役だった金月真美氏によるボーカルバージョンが隠し要素として入っている。
  • 妖精の収集数が2倍になった。
    • SFC版で登場した妖精70匹を全て集めると、SS/PS版のみに出現する妖精70匹が追加されるようになった。
    • 140匹の妖精を集めて出現する隠しキャラとして「ドラキュラくん」「キッドドラキュラ」(『悪魔城すぺしゃる ぼくドラキュラくん』)が追加される。
      • SFC版『極上パロディウス』からの復活・逆移植キャラでもある。
  • 2人同時プレイが可能になっている。
    • SFC版の八奈見氏(1P側実況)に加えて、2P側では小原乃梨子氏が実況を担当。こちらはどう聞いてもドロンジョ様で、ルーレットで失敗したときには「このスカポンタ~ン!」と喋ってくれる。
      • 一応、こちらも設定上ではタコの奥さんということになっている。ドロンジョ様にしか聞こえないが間違ってもドロンジョ様が実況している訳ではない。
      • 2人同時に実況が行われるようになったためか、1人プレイ時の実況はSFC版と比べるとやや頻度がおとなしくなっている。
    • 2人プレイが可能になったためか、それに伴いパワーアップ表示も『極パロ』と同様に小さめの表示に変更されている。
  • 追加ステージが2つ存在する。
    • 1つはスコアアタックを目標としたおまけステージ。『だ!』の移植版に追加されたおまけ面と同様、玩具をモチーフとしたもの。
    • もう1つはスピードアップに応じた高速スクロールで、完走までのタイムを競うF1グランプリ風の変則ステージ。BGMもF1中継でおなじみの『トゥルース』(ザ・スクエア)が起用。
    • 両方ともスタートメニューから選ぶことができる。
  • 【SS版のみ】ステージ構成は同じだが、敵の配置やボスの攻撃パターンが大きく異なる「EXTRAモード」が追加されている。
  • 【PS版のみ】各ステージクリア時に「アクシデントステージ」がランダムに発生するようになった。このステージのみ、3Dの敵・半透明エフェクトの爆発と後の『グラディウスIV』風になる。
    • オプションでオフにできる他、裏技でこのアクシデントステージのみを連続で遊ぶこともできる。
    • ちなみに、アクシデントステージはランクで出現するらしく、低いランクを維持していると全く出現しないまま進んでいく。

PSP版

後にPS版ベースのものが『パロディウスPORTABLE』に収録されている。

  • BGMの差し替えが目立ち、本作では1面の『ザッツ・ザ・ウェイ』とおまけタイムアタック面の『トゥルース』が差し替えられてしまっておりオリジナルの魅力が無くなっている。
    • 差し替え後の曲は『Dance Dance Revolution』収録つながりで『BRILLIANT 2U*12』に。版権料をケチらざるを得ない社内事情があったと推察されるが、それを踏まえた上でなら「分かっている」選曲と言える。

余談

  • パロディウスシリーズに登場する数あるボスのうち、本作のボスラッシュで登場する「ビッグコア」は唯一パロディ化されることなくそのまま登場する珍しいボスキャラである。
    • 『パロディウスだ! ~神話からお笑いへ~』の「イーグル・ワシサブノスケ」*13や『極上パロディウス ~過去の栄光を求めて~』の「デコレーションコア」*14、『パロディウス タコは地球を救う』のバグボス群*15、『パロディウスだ!』から本作までのラスボスなどのグラディウスシリーズに元ネタが存在しているボスキャラは何らかの形でパロディ化されているのだが、本作の「ビッグコア」はものまね番組で言う「ご本人登場」のような形で改変されることなく登場する。
      • ただし、元ネタとは違い通常の攻撃に加え、反対側から攻撃したりレーザーを乱射したりとアレンジが加えられている。
      • 本作での攻撃方法は元ネタにあたる後作の「グラディウスV」で逆輸入されることとなる。
    • 残念ながら(?)SS/PS版では「ビッグコア」に代わり『対戦ぱずるだま』の「ジョン・ワン次郎」に置き換えられている。キャラは違えと攻撃方法は全く同じ。
  • SS/PS版に限りゲームディスクをCD-ROMもしくはDVD-ROMドライブ搭載のPCで認識させると、データ内に制作に関わったスタッフの開発秘話やこの方法でしか見ることが出来ないイラストのオマケデータを閲覧することができる。
    • 開発秘話のドキュメントファイルはどちらも「KAIHATSU.DOC」というファイル名に納められている。DOCファイルの中身自体はWordの文章ファイルではなく、txt形式のファイルと同じプレーンテキストなのでメモ帳といったテキストエディタで閲覧可能。*16
    • PS版とSS版で文章が全く違っており、後者のSS版の開発秘話で「PS版のアクシデントモードはSS版にも入れるつもりだった」という事実が判明する。
      • 開発秘話によればシステム担当者の力量不足で実装を断念したと語られている。代わりに実装されたのが「EXTRAモード」である。
    • この開発陣にとって開発秘話をデータ内に入れる要素は恒例行事だったらしく、本作の開発秘話の文章に「ソフトの封を切ったらまずパソコンに突っ込むあなた! ソフトが泣いてますよ!!」と書いてあるほど。
      • パロディウスシリーズにおいてはPS版『極上パロディウスだ!デラックスパック』を除いたすべてのPS・SS移植作品のゲームディスクの中に開発秘話のドキュメントファイルが同梱されていることが確認できる。
  • 本作の最終面は『グラディウスIII』の要塞面の構成をそのままパロディ化したもの。
    • これは『パロディウスだ!』の最終面が『グラディウス』の要塞面のパロディ、その次作にあたる『極上パロディウス』の最終面が『グラディウスII -GOFERの野望-』の要塞面のパロディであったことから、本作はその流れに乗るようにパロディ化された。
    • 前半のせり上がる壁、中ボスの金魚すくい*17、後半で登場するブタの形をした香取線香*18、そしてラスボスの姿や攻撃パターンまでもが地形・姿・挙動何もかもIIIの要塞面のパロディで構成されている。
    • BGMもラスボスを除いたステージ内で使用されている楽曲がすべてIIIのアレンジ曲というごだわりっぷり。
      • その中でも空中戦はSFC版『グラディウスIII』でオミットされたAC版『グラディウスIII -伝説から神話へ』の「Try to star」のアレンジが採用されている。
  • SFC版の未使用曲として「突撃!となりの晩ごはん」と「ジョン・ロビもぶっとび」*19という曲が存在する。
    • 未使用曲自体は当時リリースされたSFC版のサウンドトラックで聴く事ができる。
    • SFC版では未使用だが後のSS/PS版で前者はおまけモードのBGMとして、後者は6面のボスの曲として採用された。
      • 他の楽曲と同様に収録の際にリアレンジされたのでSFC版とSS/PS版とでは楽曲の雰囲気が違う。
  • また、PS版には未使用曲としてタコ役の八奈見乗児氏とタコの奥さん役の小原乃梨子氏が1面のボス曲である『魅せられて』を歌うバージョンが存在する。
    • ゲーム中でこれらの曲を聴く術はなく、SS版にはデータそのものが入っていない。
    • 未収録となった経緯は不明だが、恐らく権利的な事情で見送りになったと思われる。
    • もっとも、序盤のサビ以外はまともに歌っておらずほとんどが2人による語りとなっている。これがゲーム中に流れると実況以上の邪魔な存在になっていた可能性があり、収録できなかったのかもしれない。
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最終更新:2024年03月05日 06:02

*1 『機動戦士ガンダム』のプロローグのパロディでコロニー落としのシーンを再現しているのだが、落ちたのはコロニーではなく巨大モアイ。そしてこの一言である。

*2 SFC版も大筋は同じだが、一応「痔」ではなく「死」に至らしめたことになっている。

*3 初期のイラストにはツインビー達に口が描かれてないが、1993年発売のSFC「Pop'nツインビー」の頃から口が描かれているイラストと描かれていないイラストが混在(同ソフトのパッケージ及びゲーム中には描かれていないが、カセットのラベルとサントラのジャケットには描かれているなど)しているのが確認できるので、「いつの間にか口が付いていた」というのはこれが元ネタと思われる。

*4 実際に撃破できる場面でスーパーボムを所持している場合のみ発生する。

*5 『魅せられて』と『ダイヤモンド・ヘッド』の使用によるもの。

*6 本作ラスボスの大ダコ。元ネタは『グラディウスIII』のバクテリアン。

*7 『グラディウスII -GOFERの野望-』のエンディング曲である「farewell」のアレンジ。原曲(原作)はそうでもなかったのだがピアノアレンジと、実際にBGMが流れるエンディングの場面効果により哀愁色が強くなっている。

*8 本作でこいつは登場しないが、代わりに登場するそいつ(どいつ)のバリアもこいつバリアと全く同じ物。

*9 ロード時の再開は戻り復活と同じ仕様、つまりチェックポイントに準ずる。

*10 しかも狙撃が始まる際には「撃てるもんなら撃ってみな」という八奈見氏の渋いボイスが聞ける。

*11 代わりにボスラッシュが「対戦ぱずるだま」ネタに変更されており、そちらではバカ殿に加え、ジョン・ワン次郎、ペンクローと別の形で登場している。攻撃パターンはSFC版のビッグコア=ジョン・ワン次郎、女幽霊=ペンクロー、ビッグバロンビー/バロンビー=バカ殿と概ね同じになっている

*12 『DDR 2ndMIX』初出。後に『beatmania IIDX substeam』にも移植されたが、『26 Rootage』で削除された。

*13 『グラディウスII -GOFERの野望-』の1面ボス「フェニックス」が元ネタ。

*14 『グラディウスIII -伝説から神話へ-』の3面ボス「ビッグコアMk-III」が元ネタ。

*15 『グラディウス2』に登場するボスが極小サイズで登場する。見た目と違い攻撃力はどれも元ネタに負けず劣らず強力。

*16 本作発売時のPCを取り巻くOS環境はMicrosoft Windowsが主流になる前の時代で、Microsoft Office自体もそこまで主流ではなかった。その時のdoc形式のファイルは現代で言うtxt形式のテキストファイルと同じ扱いだった。

*17 元ネタは『グラディウスIII -伝説から神話へ』の要塞面中ボス「ディスラプト」

*18 元ネタは『グラディウスIII -伝説から神話へ』の要塞面のみに登場する「ガーメイド」。なお原作と違い撃破可能。

*19 原曲は「熊蜂の飛行」。『パロディウス タコは地球を救う』と『パロディウスだ! ~神話からお笑いへ~』のボス曲も同じ原曲を使用している