キャッスルヴァニア

【きゃっするヴぁにあ】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション2
発売 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメント東京
発売日 2003年11月27日
廉価版 2006年3月2日
配信 ゲームアーカイブス
2012年8月22日
レーティング CERO:C(15才以上対象)
価格 6980円(税抜)
プレイ人数 1人
判定 なし
悪魔城ドラキュラシリーズリンク


概要

悪魔城ドラキュラ黙示録』に続く3D型悪魔城シリーズの第2作(正確には『悪魔城ドラキュラ黙示録外伝 レジェンドオブコーネル』が存在するので実質的には3作目)で、PS2としては初の作品となる。

プロデューサーは2000年代のドラキュラシリーズを手掛けた五十嵐孝司ことIGA氏。

『Castlevania』とは元々は『悪魔城ドラキュラ』の海外タイトル。
日本でも2002年にGBAで発売された『キャッスルヴァニア 白夜の協奏曲』よりタイトル名が『キャッスルヴァニア』に変更されたが、「紛らわしい」という理由から定着せず、次作の『蒼月の十字架』からメインタイトルが再び『悪魔城ドラキュラ』に戻ることになる。

なお、海外では第一作目とタイトル名が同じであるため、本作は区別を付けるために『Lament of Innocence』(真実の嘆き)という副題が付けられている。
同じ3Dアクションの範疇でも『悪魔城ドラキュラ黙示録』が海外では『Castlevania』というタイトルだったため、それとの区別も兼ねている。


あらすじ

舞台は中世ヨーロッパ。十字軍の遠征と重なるころ、教会は異教徒との戦いにのみ目を向けていた。
そんな中、平和を守る存在として活躍していた騎士達。
その騎士の中でも、レオン・ベルモンド男爵は、何者も恐れぬ勇気と、比類無き戦闘能力を持つ者として名を馳せていた。
そのレオン・ベルモンド男爵の許嫁サラが、「永遠の夜」と呼ばれる森を支配するヴァンパイアにさらわれてしまう。
騎士として、貴族としての地位を捨て、彼は単身ヴァンパイアに挑むのだった。

※悪魔城ドラキュラポータルサイトより引用

本作の特徴

ストーリー

  • 世界観は11世紀のヨーロッパが舞台で、シリーズの年表上は最古の年代となっている。
    • 後に世界観と設定が一新されてリブートされた『ロード オブ シャドウ』を除く。
  • シリーズ伝統の主人公、ベルモンド一族とその宿敵ドラキュラ伯爵の因縁の原点となるエピソードが描かれる。
    • ただし、この頃のドラキュラは別の名を名乗っている。
    • 本作の主人公であるレオン・ベルモンドは教会所属の騎士でしかも貴族の地位を持っていたという出自から、後の時代のベルモンド一族らと比べて非常に真面目で印象がかなり異なる。

ゲームシステム

  • 本作のキャッチコピーは「怒涛のムチ攻め」と謳われ主人公のメイン武器はシリーズ伝統の鞭のみ。しかし、これまでの作品と違って鞭による多彩な攻撃アクションが売りとされており、連続で鞭を叩きつけたり全方位の広範囲に渡って鞭を振り回すなど様々な技が繰り出せる。
    • これらの鞭攻撃は弱攻撃と強攻撃を使い分けられ、ボタンの組み合わせで様々なコンボを繰り出すことができる。
      • 鞭以外にも二段ジャンプからの急降下キックといった体術もコンボの一つとして組み込まれている。
    • また、足場の縁の柵や手すりといった特定のポイントでは鞭を引っ掛けて高い場所へ飛び上がるという鞭ならではのアクションやギミックも用意されている。
    • 鞭には火や氷といった属性を付与することも可能で、これらの属性を弱点とする敵に対しては絶大な威力を発揮する。
  • エフェクトオーブシステム
    • 聖水や十字架などシリーズ伝統のサブウェポンもいくつか登場し、鞭同様に敵によっては与えられるダメージが増減する。さらにこれらのサブウェポンをゲーム中に入手できる『オーブ』というアイテムと組み合わせることでその効果を強化し、鞭以上に多彩な攻撃を行うことができる。
    • オーブは全7種類存在し、サブウェポンごとにその効果は実に様々。また発動する技によって消費されるハートの量も異なる。
      • 例えばナイフにレッドオーブを組み合わせると通常は一本しか投げないナイフを連続で三発投げたりすることができる。
      • 他にも広範囲や画面全体に効果が及ぶものもあったり、敵をホーミングしたり高速移動ができたり一時的に無敵になれたりとレオンの動きをカバーしてくれるようなものが多い。『血の輪廻』のアイテムクラッシュのように派手なものもあり、ベルモンドの奥義「グランドクロス」も使うことができる。
  • ステージクリア式の2Dアクションのドラキュラを3Dにしたような『黙示録』シリーズとは違い今作は『月下の夜想曲』以降の2D探索型のドラキュラを3Dにしたような構成で、主人公には攻撃力や防御力といった様々なステータスが設定されている。
    • HPやハートはステージ内で拾えるアイテムで最大値を増やすことが可能となっている他、各種ステータスもゲーム中に入手するアクセサリーや防具などで強化できる。
    • 本作には経験値やレベルアップといった要素は存在しないが、代わりに敵を一定数倒すなど特定の条件を満たすとレオンは様々な鞭による技やアクションを習得するようになるスキルシステムが導入されている。
    • レオンにはMPが設定されており、ステージ各所で入手する特殊効果を秘めたサポートアイテム・魔導器を発動するのに必要となる。
      • 魔導器の効果も様々で、発動中は攻撃・防御力を一時的に上昇させたりHPを徐々に回復してくれたり、移動速度をアップさせてくれるものも存在する。
  • ジャンプや走りなどの通常移動の他にもレオンが装備する籠手で敵の攻撃をガードすることができ、さらにその体勢から瞬時に前後左右へ回避行動に移るステップ移動も可能で敵の攻撃を即座に避けるのに便利。
    • ガードは基本的に大半の攻撃を防げるが中にはガードを弾いたりガード不能な攻撃も存在するので過信は禁物。
      • ただし、攻撃を直前でタイミングよくガードすることであらゆる攻撃を無効にすることも可能となっている。
    • また、スペシャルアタックと呼ばれる特殊な敵の攻撃*1を防ぐことでMPを一定量回復することができる。
  • 本作ではステータス画面を開くことはできるもののアイテムや装備等の確認はできてもその使用や変更はできない。代わりに『リアルタイムウィンドウ』というメニューをアクション中に開くことで各種変更が行えるようになっている。ワンボタンで手軽に呼び出すことができるのでテンポの良い選択と切り替えが可能。
    • また、魔導器やサブウェポンと組み合わせるオーブも同様の『サークルウィンドウ』を開くことで即座に現在所持している物の中から選択して装備を変更することもできる。
  • 基本的に音声は日本語であるが、オプションで英語に切り替えることもできる。

ゲームの流れ

  • 舞台となるヴァンパイアの城はチュートリアルも兼ねた各エリアへと繋がるエントランスを含めて全7ステージに分かれる。また、城の外にはレオンの協力者となる錬金術師リナルドの店があり、そこでアイテムの購入が可能。
    • 最終ステージに突入するには他5ステージの最深部にいるボスを倒す必要がある。各ステージへは最初から進入でき、プレイヤーの好みで自由な攻略が可能。
      • ステージによってはボス戦前や倒した後にイベントデモが発生することがあり、ストーリーの内容を読み解くことができる。
    • ゲーム進行のセーブは各エリア内のいくつかに点在する専用の小部屋で行うことが可能で、体力の回復も同時に行うことができる。
  • ボスの待つ最深部を目指してエリア内を探索していくが、本作は『黙示録』シリーズよりも敵との戦闘がメインになっており、ほぼ全ての場所で敵が出現する。
    • 中には出入口を封鎖され小部屋の中に閉じ込められて敵を全滅させるまで出られない強制戦闘が行われる場合もある。

クリア後のおまけ

  • クレイジーモード
    • 通常よりも難易度が大幅に増大したハードモードにあたるもので、レオンのステータスが低かったり敵の配置や攻撃力、攻撃パターンが強化されたりする。
      • エリア内にあるギミックも一部変化しており、通常時とは違う攻略が必要になるなどクリアは困難。
    • 逆に最初から全てのスキルを習得しているスキルマスターモードというイージーモードに近い要素も存在する。
  • ボスラッシュ
    • 本編で登場するボスと連続で戦うことができる腕試しのモード。タイマーが記録されているため、タイムアタックを競うやり込みが行える。
  • ヨアヒムモード・パンプキンモード
    • 本編に登場する中ボス・ヴァンパイアの青年ヨアヒムやファンシーな謎のキャラクター、パンプキンを操作することができる。
    • ヨアヒムは浮遊する剣を操り戦うというレオンとは違う感覚でのプレイが特徴。ただしスキルやアイテム、装備の概念がないためにプレイ感覚としては従来のおまけキャラモードに近い。
      • HPとMP、攻撃力と防御力のステータスのみ専用のアイテムを入手して強化することは可能。
    • パンプキンは初期ステータスがレオンより低かったりサブウェポンの使用に制限があるがそれ以外の能力は上でスキルも全て習得済みという驚異の戦闘力を誇る。

評価点

  • アクション面
    • レオンの多彩なアクションは非常に爽快感があり、鞭による連続コンボを叩き込んだり豊富なエフェクトオーブシステムによる必殺技で敵を殲滅できるのはとても楽しい。
      • 特にボス戦は非常に多彩な攻撃を行ってくる敵が多く、それらの攻撃を避け、時には防いでからのヒット&アウェイや反撃を見極める手応えのあるバトルが繰り広げられ、撃破した時の達成感も大きい。
    • なお、雰囲気やアクション、ゲーム構成は『デビルメイクライ』によく似ていると言われることもあり、コナミ版のデビルメイクライと揶揄されたりしていた。
  • 探索面
    • 戦闘に趣きを置いているためか各ステージ内に存在するギミックはそれほど難しいものは無く、『黙示録』シリーズのように一発で即死してしまうような要素はないので安心して進むことができる。
    • 2D探索型ドラキュラのようにエリア内に隠されたアイテムを手に入れていくことが結果的にレオンの成長や強化に繋がっていくため、それらを見つけ出しての集める楽しみが得られる。
    • レベルアップ要素は無いのでそれに関するやり込みこそないものの、そのおかげで基本的にどのエリアから初めても適度な難易度でゲームを進めることができ、スキルも普通に進めていけば自然と習得ができるためにサクサクプレイすることができる。
  • 音楽面
    • BGMはオーケストラ調の荘厳な楽曲が特徴で、中世ヨーロッパの世界観を壊さず各ステージの雰囲気にもマッチしている。
      • 始まりのエントランスからしてヴァンパイアの居城らしい恐怖感を煽るようなものだったり、ボス戦ごとに異なるBGMもボスの特徴をよく表したような曲ばかりでボスと戦う緊迫感をより一層味わえる。
      • 最終ステージの後半でかかる主人公レオンのテーマ「真実の嘆き」は勇ましくも悲劇を経験したレオンの哀しみが滲み出ており、クライマックスに相応しい盛り上がりを演出してくれる。
        同曲は後に『pop'n music 15 ADVENTURE』に収録された作曲の山根ミチル氏による楽曲「悪魔城ドラキュラ/悪魔城ドラキュラメドレー~ハイブリッドバージョン~」にもシリーズのテーマ曲群と共にメドレーに採用されていることから、作品を代表する一曲として人気の高さを伺わせている。

賛否両論点・難点

  • グラフィックは当時のPS2作品としては中々の出来であるものの登場人物のグラフィックや表情が薄く今一つと言われており、例としてヒロインの顔が美人で可愛らしいイラストとは全然違うのっぺりとしたようなもので美人とは言えない。
    • 逆に敵キャラのサキュバスの方が雰囲気も出来も良いという声が出てしまうほど。
  • カメラワークは各部屋ごとにアングルが第三者視点で固定されておりレオンの移動に合わせて自動で移動したりするのだが非常に見辛く、距離感が掴めなかったり敵が見えなくなったりして画面外から攻撃されたりするのでストレスが溜まりやすい。
    • 『黙示録』と違って一切の操作ができないのも拍車をかけており、せっかくの3Dになった広大な悪魔城の風景を自由に見ることもできないので見て楽しめる要素が薄い。
  • リアルタイムウィンドウは確かにテンポは良いのだが、ウィンドウを開いている最中でも時間はリアルタイムで経過しており『メタルギアソリッド』のようにアクション操作を一時中断することができないため、敵が周りにいない状況でなければ落ち着いてアイテムを使用したり装備を変更することができない。
    • 特に戦闘中、HPをアイテムで回復したいという時に迅速に操作を行わないと手間取っている間に敵の攻撃が容赦なく襲ってきて間に合わずやられてしまうこともしばしば。
    • サークルウィンドウもスティックの微妙な角度が合わず目的の魔導器やオーブへの変更がし難いため、リアルタイムウィンドウからの選択になるがやはり敵との戦闘中は危険が伴う。
  • 存在意義が薄いアイテムがいくつかあり、それらは入手が一苦労な割に効果が微妙すぎていて労力の割に合わない。
    • ピヨピヨシューズ・ピコピコハンマー
      • それぞれレオンの足音と鞭をヒットさせた時の効果音が変な物になるというアイテムだが効果はそれだけで、ステータスの上昇も無いので遊び心でも無い限り使う意味は無い。
    • ヒスイの仮面
      • 装備すると燭台にただ触れるだけで破壊でき、攻撃の手間が省けるという代物だが同様の効果がある魔導器が存在するため蛇足気味。
  • ゲームの進行から戦闘に至るまで全体的に単調すぎると言われており、基本的にやることは『新しい部屋に入る→敵を全滅させる→先に進む』というものばかりで飽きやすい。
    • 探索するエリアは基本的に通路と部屋で構成されているのだが、ほとんどが屋内でしかもどこも似たような構造や風景ばかりで使い回しが多い上に各エリア共に非常に広大であり同じ場所を行ったり来たりするためルートは一本道だった『黙示録』以上に無駄に移動する時間が多すぎる。
      • 移動をスムーズに進める手段も魔導器しかなく、2D探索型ドラキュラのようにワープによるショートカットといった要素も無いので目的地までの移動時間はダレやすい。
      • 幸いマップを表示でき、地図上に目印を置けるアイテムはあるのだがそれでも自分の現在地を掴み難く迷いやすいのも悩みどころ。
    • 本作の売りである『鞭ゲー』によって使用できるメインの攻撃が鞭しかないというのも単調さに拍車をかけてしまっている。
    • 登場する敵は全体的に色違いな使い回しが多く、種類が少ないので変化に乏しく新鮮感もあまりない。
      • またどの敵も基本的に耐久力の高い敵ばかりで戦闘が長引きやすいのもあってしんどくなり易い。強制戦闘ならなおさらである。
    • お金やサブウェポンを使用するのに必要なハートが貯め辛く*2、そのくせにサブウェポンとエフェクトオーブの消費が高いので万全の状態にするまではやはり燭台がある部屋を行き来しなければならず作業感が強くなっている。
      • ハートを回復できるアイテムや魔導器も存在するため、慣れた人にとってはMPを溜めておいて魔導器による回復になりがち。
  • 全体的にボリュームが不足しており単純にクリアするだけが目的であればそれほど時間はかからないので、もう少し探索できるエリアが欲しかったと言われている。
    • 各エリアをクリアした時に入手できるオーブは5つまでだが、さらに後2つのオーブはエリア内に隠されていたり隠しボスを撃破することで手に入るようになっているため、この2つも普通にゲームクリアに必要なエリアをクリアすることで入手ができていれば多少はボリューム増加に繋がっていたので惜しまれている。

総評

ハードをPS2に移行し、シリーズ最古のストーリーを描いたり様々な派手なアクションなどを取り入れたりと意欲的な工夫はあるものの全体的には無難な出来上がりな普通のアクションゲームというような印象である。 また、『ドラキュラシリーズはやはり2D』という先入観がファンには多いため、3Dとなった本作も『黙示録』シリーズのようにあまり話題になることはなかった。

しかし、本作のストーリーや設定は後の作品にも大きく影響を与えているのは事実であり、ドラキュラシリーズの世界観を広げるのに一役買ったと言える。


余談

  • 本作は2007年から2008年にかけて携帯電話によるデジタルコミックで『悪魔城ドラキュラ -ラメント オブ イノセンス-』というタイトルで漫画化されており、コナミのサイトで配信されていた。(現在はサイトが消滅で見られない)
    • ゲーム本編のストーリーを補完するような内容で、独自のオリジナルキャラクターや無名だったキャラクターに名前がついていたり、登場人物の背景も描かれている。
  • 本作の主人公のレオンは後に『ギャラリーオブラビリンス』のデュアルクラッシュ「グレイテスト5」でも登場。
    • なお、レオンは3D作品のキャラであったが、2D探索型の同作では新規のドット絵が書き下ろされている。
  • 悪魔城ドラキュラシリーズは本作からしばらくした後に発売された『ロードオブシャドウ』で再び「キャッスルヴァニア」名義を使用していたのだが、同作から3年後に発売された『ロードオブシャドウ2』で再び悪魔城ドラキュラ名義に戻っている。