零 ~紅い蝶~

【ぜろ あかいちょう】

ジャンル ホラーアクションアドベンチャー
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 テクモ
発売日 2003年11月27日
定価 7,140円
廉価版 PlayStation2 the Best
2004年8月5日/2,800円
2007年11月22日/1,890円
判定 良作
零シリーズリンク

ストーリー

「ここも、もうすぐなくなっちゃうんだよね…」
双子の姉妹・天倉澪と繭は幼い頃を過ごした村にやってきた。故郷であるその村がダムの底に沈んでしまうため、最後に訪れたのである。
澪は回想にふけっていた。この場所は二人の思い出の場所であるとともに、姉の足に怪我を負わせてしまった辛い記憶のある場所でもある。

回想から戻った澪がふと振り返ると、先ほどまで後ろにいた繭がいなくなっていた。
急いで辺りを見回すと、紅い蝶に導かれるように森の中へ行く繭の姿が見えた。
慌てて追いかける澪であるが、姉を見失ってしまい、気がつくと夜の森の中へいた。
かすかに聞こえてくる歌と、木々の間から見える篝火を頼りに奥に進むと、森が開けた場所に繭が一人佇んでいた。
「お姉ちゃん!」
繭が振り返ると同時に、紅い蝶の群れが飛び立つ。
「地図から…消えた村…」
二人の前には、霧に包まれた薄暗い村が広がっていた。

概要

  • テクモの和風ホラーゲーム『Project Zero』シリーズの第2作。
  • システムや世界観、雰囲気などは前作を継承しつつ、改善が行われている。
  • なお、ストーリーは前作の約二年後となっているが直接のつながりはなく、バックストーリー(霊として登場する人物が生存していた時代)は前作よりも前の時代である。

前作からの変更点・評価点など

システム関連

  • 今作では双子の妹・澪を操作してプレイするが、姉の繭と同行して進む場面がある。
    • 繭は足を怪我しており、霊に対する対抗手段を持たないために澪が庇いながら進めなくてはならない。繭が死んでしまってもゲームオーバーである。
    • 繭は霊力に敏感であるために、見えない何かに反応する。また、一緒でいる期間が長いだけあって独りで行動するときの心細さが生まれるなど、雰囲気作りにも貢献している。

グラフィック

  • 前作以上に美麗なグラフィック。
    • テクモらしく、やはり今回もヒロインは美少女。
      + なお、今作では男性ユーザ待望の…
      • パンチラもある。
  • オープニングやエンディング、デモなどのプリレンダリングのムービーは特に迫力満点である。

進化した射影機のシステム

  • 前作は敵をサークルにとらえている時間が長いほど威力が高くなったが、今作では捉えた時間とは関係なく敵との距離が近いほど威力が上がる。
    • これに伴い射影機のSEが、計器が振動するような音になった。敵との距離が近くなったり、シャッターチャンスを捉えると音が激しくなり、なかなかの迫力がある。
    • 簡単に最高威力の撮影が可能な代わりに、敵が射影機に反応しない時間を置くことでバランスを調整している
  • フィルムに「装填時間」の概念が登場した
    • 撮影後にフィルムに応じた装填時間が発生し、装填中は攻撃できなくなってしまう。
      • 前作では通常撮影を連打することで敵に反撃させることなく倒すというテクニックがあったが、今作では装填時間を考慮に入れた戦略が必要になる。
    • 装填時間は基本的に数が多く手に入る低性能のフィルムほど長く、希少なフィルムほど短い。強敵に対して強力なフィルムを使う有用性が前作以上に増した。
  • 「シャッターチャンス」より強い「フェイタルフレーム」が登場した。
    • フェイタルフレームは、威力はシャッターチャンスと変わらないが、撮影時のボーナスが多く、敵が大きくノックバックする。
      • また、フェイタルフレームでノックバックしている敵にはさらにフェイタルフレームが発生し、撮影出来る「コンボ」が発生する(最初の撮影を含め最大3コンボまで)。
        コンボは撮影の威力こそ低いものの、撮影時のポイントに大幅なボーナスが付加される。
  • 強化レンズの登場
    • 前作の補助機能に該当するが、霊石ではなく、戦闘を行っていると溜まっていく「霊子」を使用して効果を発揮する。
      • 有限の消費アイテムが必要だった前作と異なり、理論上は無限に使用できるため、使い勝手が良くなった。
    • また、種類も大幅に増えているため、戦闘の幅が広がった。

その他戦闘関連

  • 一度に複数の怨霊が出現するようになった。
    • 一対一が主体だった前作とは異なり、本作では同時に2~3体の霊を相手にする場面もある。
      また、容姿が似ているがどちらか片方のみが本物の怨霊など、複数戦闘ならではのギミックもある。

難易度

  • 本作ではEASY,NORMAL,HARD,NIGHTMAREの4種類の難易度が用意されており、初心者でもとっつきやすい。
  • また、全体的に回復アイテムや強力なフィルムが入手しやすく、特にアクションが苦手な人でも比較的簡単にプレイできる。

ストーリー

  • 本作のストーリーは、シリーズ中最高といわれるほど評価が高い。
    • 双子の兄弟愛を主軸においており、作中にも複数の双子が登場する。
    • 特に通常エンディングは大変衝撃的であり、テーマソング「蝶」やムービーの演出も相まって非常に評価が高い。
      + そのエンディングとは…※ネタバレ注意
    • 澪が繭を殺害する というもの。そこに至るまでにどのような経緯があったのかは是非プレイして確かめて欲しい。
  • なお、テーマソング「蝶」は、歌手の天野月子女史が本作の設定資料集を見て詞を書いた、本作のために作られた歌である。本作以降も零シリーズの主題歌は天野女史が手掛ける事になる。

不評点

  • 難易度が低く、戦闘が単調である
    • 全体的に敵が弱い。
      • 高難易度にすれば敵の攻撃力・耐久力ともに向上するが、敵の攻撃パターンやフェイタルフレームのタイミングは変わらないので、単純に戦闘が長引くだけになりがち。
    • 過剰なまでのシャッターチャンス&フェイタルフレームの優遇
      • 「シャッターチャンスやフェイタルフレーム撮影時は距離問わず最大威力になり、撮影後のフィルム装填も発生しない」という仕様であるため、通常撮影にほとんど意味がない。それどころか、むしろ不利である。
      • シャッターチャンスを撮影するのが困難なのであればバランスがとれているのだが、本作では非常に撮影が簡単であり、通常撮影の方が困難or通常撮影が出来ない敵すら存在する。
      • 一応通常撮影はある隠しアイテムを使えば一躍最強の攻撃手段になるが、そのアイテムの入手条件は大変困難である
    • 保護対象の繭が大変打たれ強く、保護する意味はほとんどない。
      • それどころか、繭が敵に捕まっている最中はフェイタルフレームが発生するために、わざと捕まらせられる始末である。
    • また、直接戦闘とは関係ないが、HARD以上の難易度はクリアデータをロードしなければ選択できず、周回プレイが必須である(=初周からは選択できない)点も、コアユーザーから不満が出ている。
  • 射影機やレンズの強化に消費アイテム「念珠」が必要である
    • ただし、念珠は入手できる数も多いので、特に寄り道が好きなプレイヤーならまず困ることは無い。
  • 怖さが前作よりも和らいでしまったという指摘もある。
    • 敵が頻繁かつ複数出現するために、怨霊の存在に慣れてしまう。
    • また、敵も不気味な男性の霊が多かった前作に比べると、女性や子供といった霊が増えている。
  • 賛否両論なエンディング
    • いかにも日本的な儚さを持つエンディングであるが、絶大な人気を誇る一方で、その過激かつ救いの無い内容から批判の声もある。
    • 高難易度モードでは別のエンディングとなる。しかしこちらも真のラスボスとの対決などいかにもトゥルーエンドらしい展開がありながら、報われるとはとても言い難い結末である。
      + こちらのエンディングは…※ネタバレ注意
    • 繭が死なず無事に生還するが、澪に「ある事」が起きてしまい、平穏無事な結末とは言えなくなってしまう。
    • 解釈次第では通常エンドに比べて救いがあるとも言えるが、ハッピーエンドには程遠い。
    • 開発者によると、「後を引くエンディング」がホラーゲームに相応しいと言う考えから生まれた「最悪のハッピーエンド」であるという。しかしそれだけでは救いが無いので、「最高のバッドエンド」である別エンドを用意したと言う。
    • しかしプレイする側としてはハッピーエンドが欲しかったという意見も多く、下記のXbox版ではどちらでもない「最高のハッピーエンド」が追加された。
      • 一方、Wii版『眞紅の蝶』では更に救いの無いエンディングが二つ追加されている。やはり「後を引くエンディング」には相当の拘りがあった模様である*1
  • エンディングが難易度に依存するため、HARD以上の難易度でなければ真のラスボスと戦えない。
  • 前作ほどではないが、やはり今作もセーブデータが他のゲームと比較すると大きめである。

総評

美麗なグラフィックと儚く美しいストーリーから絶大な人気を得た作品。システム関連も前作を踏襲しつつ改善が加えられており、本作をシリーズ最高傑作とする人も多い。
ジャパニーズ・ホラー好きには是非遊んでもらいたい逸品である。

一方で、ゲーム性はシリーズの他作品と比較すると劣り、ゲーム性を求める人からはあまり良い評価を受けないこともある。
しかし、本作で加わった要素の多くは改良を加えつつ後続の作品にも継承されており、また、そのハードルの低さからシリーズの入門作としても大変お勧めである。


FATAL FRAME II CRIMSON BUTTERFLY

【ふぇいたるふれーむつー くりむぞんばたふらい】

ジャンル ホラーアクションアドベンチャー
対応機種 Xbox
発売・開発元 テクモ
発売日 2004年11月11日
定価 7,140円(税込)
判定 良作
零シリーズリンク

概要(Xbox)

上記ゲーム『零 ~紅い蝶~』のマイナーチェンジ版。多くの追加要素や変更点がある。

主な変更点(Xbox)

  • 難易度「FATAL」の追加。
    • NIGHTMAREよりさらに敵が強く・固くなった超高難易度モード。
      • FATALではストーリー後半になると即死も珍しくない。また、繭も本気で守らないと死んでしまう。
    • なお、 今作ではEASYが無くなり、NORMAL,HARD,NIGHTMARE,FATALの四つとなっている。
  • 新エンディングの追加
    • 前作同様、完全なハッピーエンドが追加された。ムービーも新規に作られている。
      • なお、新エンディングが見られるのはNIGHTMAREモードであり、FATALはPS2版での別エンディングと同じである。
  • 新霊の追加。
    • 怨霊、浮遊霊、地縛霊全てが新規に追加されており、霊リストコンプがより手ごたえのあるものに。
  • クリア後に、ポイントを消費してフィルムや回復アイテム等の消費アイテムを購入できる。
    • これにより、カメラを最強まで鍛えた後にもポイントを集めることに意味があるようになった。
    • また、今作では追加衣装やギャラリーモードなど、特殊モードもポイントで購入する制度になっている。
  • サバイバルモードの追加。
    • 皆神村を敵を撃破しながら進むモード。
    • 敵は大変固く、数が多い上にこちらはどんな攻撃でも一撃で死んでしまう(鏡石は有効)という超高難易度である。
      また、ストーリーモードとマップやアイテムの配置も異なっている。
      • 最深層には隠しボス怨霊が待ち受けている。
  • 主観モードの追加
    • 主観モードを選択することで、主人公視点でゲームを遊ぶことが出来る。
      • コントローラーの操作方法が固定されてしまうのが難点だが、新鮮な気持ちでゲームを遊ぶことができる。
      • なお、このモードの間は射影機が魚眼レンズ仕様になる。
  • その他新衣装が追加されている等、よりやりこみ甲斐のある仕様になっている。
    + 男性ユーザ待望のコスチュームである…
    • 水着がある。

総評(Xbox)

PS2版を、様々な要素を加えながらパワーアップした作品。 ハッピーエンドを堪能したい人や、高難易度で紅い蝶を遊びたい人にお勧めな名作である。

余談(Xbox)

  • 前作以上にプレミア化が激しく、現在の中古相場は2~3万程度である。
    • しかし2012年6月28日にWiiで更に追加要素がされたリメイク版である『零 ~眞紅の蝶~』が発売。Xbox版をプレイできなかった人はこちらを。
  • 欧米ではホラーゲームでもグロテスク・残酷描写があるものを好む傾向にあるが、GameTrailers.comが選ぶホラーゲームランキングではサイレントヒルに次いで第2位を獲得した。
+ 当該動画