ポケットボンバーマン
【ぽけっとぼんばーまん】
| ジャンル | 横スクロールアクション |  
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| 対応機種 | ゲームボーイ | 
| 発売元 | ハドソン | 
| 開発元 | メトロ | 
| 発売日 | 1997年12月12日 | 
| 定価 | 3,980円(税抜) | 
| 判定 | 良作 | 
| ボンバーマンシリーズリンク | 
 
概要
携帯機オリジナルのボンバーマンで、従来のボンバーマンと同じく2Dではあるが、横スクロールアクションと、そのジャンルは従来のものとは大きく異なる。
所謂シリーズの中の「異色作」である。
ストーリー
世界が闇に閉ざされた時代。
人々は、世界を闇から救い出す「勇者」の存在を求めていた。
そんな中、勇者を目指す戦士ボンバーマンは「太陽の剣」を求めていた。
太陽の剣は勇者の証で、伝説によれば、五つのパワーストーンを集めたとき、太陽の剣の封印を解くことができるという。
だが、そのパワーストーンは「悪魔の山」に封印されており、山を支配する五体の支配者を倒さねば、手に入れることはできない。
ボンバーマンは、勇者の証を手に入れるべく、悪魔の山へと向かったのだった…。
内容
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このゲームには、横スクロールアクションのルールに従って進行するモードと、おまけである、常にジャンプし続けるボンバーマンを操ってゴールを目指す縦スクロールアクション「ジャンプゲーム」が収録されている。
    
    
        | + | 各モード操作方法、移動とポーズは省略 | 
ノーマルモード
| 爆弾設置 | Aボタン |  
| ジャンプ | Bボタン |  
| リモコン爆破 | セレクト | 
ジャンプゲーム
| 爆弾設置 | Aボタン |  
| リモコン爆破 | Bボタン |  
| ジャンプ軌道制御 | 左右キー |  | 
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ノーマルモードではボンバーマンを操り、箱状のステージの中に散在する敵を爆弾で撃破することが目的。すべての敵を撃破すると、ステージの中にある扉が開き、扉にたどり着くとステージクリア。
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各階層は5ステージで区切られており、最終ステージにはボスが待ち構える。爆弾の攻撃範囲はいつもどおりの十字型。
 
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ジャンプゲームでは、常にジャンプし続けるボンバーマンを制御しつつ、タワー状のステージを登り、ゴールを目指す。ステージごとに難易度があり、3ステージ収録されている。
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3ステージというステージ数からわかると思うが、本当におまけレベルのもの。本記事では主にノーマルについて解説する。
 
特徴
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本作は、ボンバーマンにジャンプを導入した数少ない作品である。
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さらに本作の爆弾は空中に設置することで足場にすることができ、このゲームではこの動作はかなり重要。
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ステージはなかなか広く、爆弾を使ったアクションを使いこなすことで、フィールドを軽快に移動することができる。
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ボンバーマンおなじみのアイテムも登場。ステージに点在するブロックを破壊することで取得できる。
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ボム強化、火力強化、フルファイア、ローラーブレード、鉄下駄:ボンバーマンお馴染みの強化・弱体化アイテム。
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リモコン、貫通:こちらもおなじみのボム強化アイテム。
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ハート:一度だけダメージを肩代わりしてくれる。
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時計:ザ・ワールド…もとい、時間停止。僅かな時間、敵の動きが完全停止する。
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ウイング:空中でジャンプできるようになり、ジャンプ回数に制限がなくなる。また、空中での挙動がフワフワしたものになる。次ステージへの持ち越しはできない。
 
 
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各階層(ワールド)はそれぞれ特徴を持っており、プレイヤーの前に立ちはだかる。
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第1階層:モリモリワールド
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森林の世界。特にギミックはなく、チュートリアルといった雰囲気のステージ。
 
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第2階層:アワアワワールド
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水の世界。水流を吹き出すポンプが特徴で、他にも回転床が初登場する。
 
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第3階層:ヒューヒューワールド
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暴風の世界。ボンバーマンを強制的に移動させる送風機が登場。
 
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第4階層:フワフワワールド
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雲の上の世界。ジャンプの勢いを加速させるロケットや、こちらの動きを阻む雲が登場。
 
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最終階層:デビルワールド
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暗黒の世界。スロットマシンや燭台、耐久力2を持つ敵など、最終階層だけあってなかなか手強い構成。
 
 
評価点
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軽快なレスポンス。
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このゲームのボンバーマンは軽快に動き、ステージを縦横無尽に駆け巡ることができる。そのため、慣れれば爆弾で敵を次々と爆殺していくことも可能。
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フル装備になった際のボンバーマンならば、圧倒的火力とリモコンを使い、速やかに敵を制圧することができる。
 
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ほどよい難易度。
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上記の評価点に書いたとおり、最初こそ操作に慣れればヌルゲーと感じるかもしれないが、後半になると難易度も上がり、一筋縄ではいかなくなってくる。
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後半のボス敵はなかなか強力で、最終階層ともなると道中もなかなか手強い敵が増える。
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そこで、次に挙げる「攻撃手段以外にボムを使いこなす」ことが重要になってくる。
 
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ボムを絡めたアクション。
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ボムを足場に利用しての移動が重要な本ゲーム。ボムを使いこなすことで、軽快なアクションにさらなる楽しさが加わる。
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ボムを複数個重ねて足場にする「ボムタワー」、ボムをジグザグに階段状に設置して上る「スネークジャンプ」などのテクニックがある。
 
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他にも、個性豊かな各階層や、様々な攻撃を繰り出してくるボスなど、プレイヤーを楽しませてくれる要素は多い。
 
問題点
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ボリュームが少ない。
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内蔵ソフト「GB-KISS」に容量を使っている為、仕方ない部分もあるが、本ソフトにはクリア後の隠し要素などは一切存在しない。
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そのため、クリア後は「縛りプレイ」やタイムアタックなど、自発的に楽しみを見出すしかない。
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ステージ内に黒ボンを出現させる隠しコマンド(この黒ボンはアイテム扱いであり、触れるとフル装備になる)や、最初からフル装備になるパスワードなどの要素はある。
 
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エンディングにスタッフロールがない。
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エンディングのデモムービーはあるがそれだけで終わり、スタッフロールは流れない。そのため本作のエンディングはかなりあっさり目、人によって物足りない事も。
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前述の「GB-KISS」に容量を使った結果スタッフロールを入れる余裕がなくなったのだろうか…?
 
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ミスの際の立て直しが面倒。
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ボンバーマン共通の特徴ではあるが、このゲームもその例に漏れず、ミスの際は火力・ボム設置数以外のパワーアップは全て没収される。
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だが、本作ではこれが特に足枷となる場合が多い。後半になるとよく動き回る敵が増えるために、特に辛い。
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後半の雑魚には、画面の中を素早く飛び回り、かつ耐久力2の敵がいる。リモコンでないボムで彼らを撃墜するのは至難の業。
 
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操作方法がおかしい。
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ゲームボーイやファミコンソフトの多くは、Aボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃するのが普通だが、この作品ではそれが逆になっている為、他のアクションゲームをプレイした人はやりづらさを感じる。Bボタンを指先、Aボタンを指の腹で押すことでスムーズにジャンプ→ボム設置ができるため、操作性が悪いというわけではない。
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実際、過去にハドソンが発売したファミコンソフト、『チャレンジャー』はその理由だけでクソゲー扱いされた事もあった。
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なお、スーパーゲームボーイを使用すれば、一般的なSFCのアクションゲームのコマンドと同等になるのであえて逆にした可能性もある。
 
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普段はBボタンで使用するリモコンが今作ではセレクトボタンになっている。そのため本作のリモコンは少し扱いづらい。慣れればなんとかなるレベルではあるが。
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この辺はボタン数の少ないゲームボーイ故の問題点と言える。
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一方でジャンプゲームでは従来通りBボタンでリモコンが使える。リモコンは使いやすいが、ストーリーモードとの統一感がなく一長一短。
 
総評
ボンバーマンと横スクロールを見事に融合させた、ゲームボーイ中期の名作。
ド派手なシステムなどはないが、手堅く作られ、地味ながら完成度は高い。
余談
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本作には、ハドソンが当時推進していた「GB-KISS」が搭載されている。
 この機能はソフトに内蔵された無線通信機能と連動したアプリケーションで、ポケベルとの通信など、PDAなどの先駆けとも言える機能を持っていた。
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しかしこの「GB-KISS」、データ維持の電力消費がRTC機能などの常時稼動と同じくらいらしく、今となってはバックアップ機能の搭載されたタイトルのほとんどが電池切れを起こしている。
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本作にはパスワードでしか使用しない為、電池が切れていても問題なかった。
 
 
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海外ではゲームボーイカラー対応版も発売されているが、「GB-KISS」機能は除かれている。
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攻略本も発売しており、当時コロコロコミックで「スーパーボンバーマン4コマ」を描いていた むさしのあつし氏による4コママンガが随所に挿入されている。
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ジャンプゲームに登場するボスキャラ「ボンバーウルフ」「ボンバーマミー」「ボンパイア」はバーチャルボーイで発売された「とびだせ!ぱにボン」に登場したキャラクター。かなりマニアックな人選と言える。
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本作には登場しないが、フランケンシュタインの怪物をモチーフとした「モンスターボンバー」も存在する。
 
最終更新:2025年08月28日 11:41