遊☆戯☆王5D's TAG FORCE 6
【ゆうぎおうふぁいぶでぃーず たっぐふぉーすしっくす】
ジャンル
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対戦型カードゲーム
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対応機種
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プレイステーション・ポータブル
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発売元
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コナミデジタルエンタテインメント
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開発元
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コナミデジタルエンタテインメント テンキー
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発売日
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パッケージ版:2011年9月22日 ダウンロード版:2013年6月25日(2017年3月31日配信終了)
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定価
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パッケージ版:5,250円 ダウンロード版:2,000円
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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良作
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ポイント
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5D'sの集大成 アニメ後半の人物はほぼ網羅、リストラキャラも復活 エクシーズ召喚も導入 笑って泣けるシナリオ
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遊☆戯☆王シリーズ
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概要
TVアニメ『遊☆戯☆王』シリーズを題材にPSPで展開してきた『タッグフォース』第6弾かつ5D'sシリーズの最終作。
既にアニメは次作『遊☆戯☆王ZEXAL』を放映していたこともあり、GXの完結作である『TF3』のように、5D'sのもう一つの完結作となった。
システム
大部分は『TF4』及び『TF5』と共通なのでそちらも参照。
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ルールが発売当時最新のマスタールール2に変更された、これに伴いエクシーズ召喚も実装。
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パートナーを選択し、そのキャラとのタッグデュエルを行う。ストーリーが一段落するとエンディングになり、再び好きなパートナーを選び他のストーリーを体験する(所謂「強くてニューゲーム」を繰り返す)というのは前作までと同じ。
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キャラクターの個別ストーリーは一部を除き前作『TF5』から地続きになっており、『5』をプレイしていると理解しやすい。もっとも本作から始めても特に支障はないのでご安心を。
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どちらかというとアニメの5D'sを観ておいた方が小ネタが分かりやすくなり楽しめる。
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登場デュエリストはD1(アニメキャラ・個別ストーリー有)が22人、D2(アニメキャラ・個別無)が20人、D3(オリキャラ&カリスマ)が72人で合計114人の大ボリューム。
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アキ・龍亞・龍可・ブルーノと元ダグナー勢力4人の合計8人の人物はちゃんとストーリーの違う衣装変更版がある。さらに鬼柳にはもう1タイプ存在するために実質的には123人ものデュエリストが登場することになる。
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敵限定キャラとしてイベント限定だが初期プラシドやディアブロも登場する。さすがにタッグは組めないもののフリーデュエルで闘うことは可能。
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特殊なコンセプト・ルール下で決闘する「夜の大会」が追加
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相手は各自の最強デッキを使用するため、かなり歯ごたえがある。また、世界大会優勝者のコピーデッキや歴代主人公をイメージしたデッキと闘うという特殊なルールも存在する。
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データインストール対応。『5』はスリープする度にONに設定し直す必要があったが、今作はOFFにならない。
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CPU同士がタッグを組む際キャラクターの組み合わせによっては専用セリフが生じるようになった。ささやかなものだが、雰囲気作りの一環として好評。
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ハンデデュエル時にはディスティニードローが発動しなくなった。これにより【大逆転クイズ】等での稼ぎなどが難しくなった。
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「前作からの引き継ぎ」要素が『5』よりも増えた。『5』のセーブデータがあるとゲーム開始時にボーナスが発生する。
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『5』にて9枚以上所持しているカードをゲーム開始時から一枚所持した状態でスタートできる。また、『5』のデュエリストレベル×2000DPが支給されるので前作をやりこんでいた人ほどお得。
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デッキレシピも全て引き継げる。もちろん新制限に合わせて改良する必要はあるがかなり便利。
評価点
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発売当時のカードはほぼ網羅している。当時の最新弾「PHOTON SHOCKWAVE」までのカードを収録しており、その枚数なんと5300種以上。
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ゲームオリジナルカードも94種存在する。三体の「機皇帝」は『5』発売後にOCG化されたが、ゲームオリジナル版とOCG版が両存している。
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特にアニメ版のラスボスであるZ-ONEの使用した時械神シリーズ及びサポートカードは未OCGのものが多いが、本作ではほぼ全てオリジナルカードとして再現・収録されている。当時のOCGではボスの使用したカードは別物となる変更をされる事が多かったが、今作での効果はアニメ版ほぼそのままなのでかなり凶悪な能力に仕上がっている。
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むしろ、原作より強化されている時械神メタイオンの特性を全ての時械神に適用してあり、虚無械アインなども軒並み強化されているというあまりに容赦ない仕様となっている。
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その他、アニメで印象的なカードであった《眠れる巨人ズシン》を強化して収録、OCGで弱体化を食らった《機皇神マシニクル∞》を専用サポート《機皇創世》でアニメ版効果を擬似的に再現できるように、とオリジナルカードにはなかなかスタッフの心意気を感じる部分が多い。
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初期デッキの時点でわりと強いカードが入っており、3つもデッキが存在する。
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多少組み変えるだけでしばらく戦える。《サイクロン》などの汎用性の高いカードが多数あるのが嬉しい。
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特に初期デッキ1は最初から10枚もエクシーズモンスターが投入されており、当時展開を始めたエクシーズの入門デッキになっている。
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登場キャラは『TF4』→『5』でリストラされたダークシグナー勢とラリーを全員復活。ついでに出るタイミングを逃していたボマーとゴドウィン長官(このうちゴドウィンは原作ラストデュエル時の通称超官状態)も新規参戦と大盤振る舞い。ラリーとゴドウィンにいたってはD1である。
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WRGP編のキャラはほぼ網羅。チームラグナロクにいたっては全員D1という好待遇。
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D2キャラは話自体は汎用だが、「WRGP一般参加者」「チーム・ニューワールド」「ダークシグナー」の3タイプの話が用意してあり、ちゃんと細部は異なる話になっている。
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アニメでの謎、未回収だった伏線の一部が回収されている
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アニメでは来歴が謎のままだったディマクや子供時代のシェリーについて補完がなされている。この影響でディマクのエンディングは大変悲惨な事になってしまったが…
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彼ら以外にも、伏線のようで実際は何もなかったスライの《スターダスト・ドラゴン》の窃盗フラグや牛尾のWRGP出場フラグなども個別ストーリーに生かされている。
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女性オリジナルキャラクターは相変わらずギャルゲーさながらの可愛さ。一部残っていたコンパチキャラも一新され、立ち絵差分もかなり追加された。
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長らく女性に比べて手抜きであった男性オリジナルキャラクターも立ち絵の描き直しや一部のキャラの見た目を変更するなど差別化は進んだ。
しかし、依然としてセキュリティ隊員(制服なのでどれも外見が全く同じ)と色違いだらけであり、冷遇されたままである。
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オリキャラも話の流れ自体は同じだが、内容は一人ひとり別物かつバラエティに富んだストーリーとなっている。
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パートナーイベントで敗北した際に、デッキを変更して再戦できるようになった。
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誤って番付クリア用のデッキのままイベントに突入してしまった際や、相性が悪い相手と当たった時に非常に便利。
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パートナーのデッキのお気に入り指定枚数が全体的に減少し、大幅なカスタマイズが可能になった。
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また、以前までは使いにくいカードやネタカードがお気に入り指定され難儀することが多かったが、今回は優良なカードが指定されているケースが多い。
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龍可の《クリボン》など相変わらずなのもあるが、数枚なのでなんとか無視できる範囲である。
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発売後しばらくして今回も制限カードなしの制限・禁止リストが配信された。
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これを利用する事で前述の【大逆転クイズ】等を利用した稼ぎもDドローなしでほぼ成功できるようになる。
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ワンターンキルし放題・デュエル番付の攻略も大幅に楽になるが、ゲームバランスを著しく崩壊させるものなのでご利用は計画的に。
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今回もDLでOCG・ゲームオリジナル含め様々なカードが配信されている。
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《氷結界の龍 トリシューラ》などの入手が大変な強力カードなどがかなり簡単に入手できるため、使用するかはともかくダウンロードしておく事がオススメされる。
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またこれを利用して、本来ならクリア特典カードだったが、設定ミスで違うカードに差し替わってしまった《ワンハンドレッド・アイ・ドラゴン》(ゲームオリジナル版)を配信するという措置を行っている。
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前作ではかなり長かったCPUの思考時間を大幅に短縮した。
賛否両論点
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一部キャラの性格や言動がキャラ名鑑の設定と食い違っている。
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オリジナルキャラはもちろん、アニメキャラのIFストーリーでも若干性的なネタがあるので、人を選ぶ。
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さすがに直接的な表現はなく、少年漫画レベルのものだが気になる人は気になるかもしれない。
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相変わらずスタッフの頭がかっとビングしているので、このノリを楽しめるかどうかで面白さは変わってくる。
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ネットスラング程度は
序の口
。GXやZEXALネタ、アニメ・ゲームパロ、テレビ番組・時事ネタ、果てには2chの遊戯王本スレネタまで出る弾けぶり。
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配信デッキレシピはその極地。それらしいカードを詰め込んだ【NEWマイワイフプラス】【歌姫計画拡張】【魔法使い 魔導か☆マジか】etc...ついには一個人が行っている動画ネタのデッキレシピ【人は特殊勝利だけで決闘できるか?】まで登場する始末である。
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また、ネタデッキのようでバーンカード満載なので使うと友達を失しかねないので【僕は相棒が少ない】などかなり捻ったネタも。
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主人公、通称コナミくんは過去最大級の活躍を見せ、最終的に世界を救ったり滅ぼしたり結婚したりお別れしたり
過去へ飛んだり(!?)
と様々な超展開が待ち受ける。
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エクシーズモンスターのレパートリーが非常に少ない。使えないとまでは言わないが、メインのデッキコンセプトにするのは厳しいものがある。
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こればかりは収録カードプール的に仕方がないことではあるし、ZEXAL主人公のエースカード《No.39 希望皇ホープ》等最低限のカードはしっかり収録されているので気にならないとの声もある。
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また世界観の関係でエクシーズ召喚時に「エクシーズ召喚」とは喋ってくれない。
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タッグデュエルの性質上、一部のデッキ(【フルバーン】など)が強すぎたりするのだが、禁止・制限リストで特に規制されていない。(TF6に限った話ではないが)
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リストはほぼ実際のOCGのものに準拠しているため、タッグデュエルの場合に凶悪化するカード・弱化するカードに対するバランス調整が行われていない。
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また、ゲームオリジナルカードの性能もOCGほどバランスが考慮されておらず、強すぎるカードが存在する。
問題点
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「ほぼ」完璧なキャラクター。『TF5』のキャラはほぼ全員続投だが「不動遊星(ポンチョ)」「偽ジャック」が削除されており、シェリー(通常版)とプラシド(爆殺前)はイベント限定で登場。
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前作でD1に区分されていたアニメ登場キャラが大幅にD2に降格。
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アニメキャラかつギャルゲー要員であり、その方面でガッカリしたファンもいる。
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もっとも、D1の数自体は『4』や『5』より多い。
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WRGP編のライバルチームは全員パートナー及び対戦相手に出来るのだが、チームカタストロフの面々は登場しない。劇中でまともな決闘を行っていなかったのが原因とされている。
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アニメではデュエルしたキャラでもストーリーに顔見せするだけでデュエルはできない者もいる。ミゾグチなどが該当。
局所的な人気キャラ「紅蓮の悪魔のしもべ」は前述した夜の大会の進行役なので決闘できない。
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映画版のキャラ(パラドックス、遊戯、十代)も登場せず。彼らをモデルとしたデッキが収録されているだけに余計に残念との声もある。
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アニメのゲストキャラを除くとディヴァイン、ロットン、鷹栖、ムクロは出ない。ロットンを除く3名はダークシグナー編以降出てきていない事、(鷹栖とムクロに至っては最序盤のキャラである)、またロットンとディヴァインは劇中で過激な言動や行動を度々行っていたためではないかと言われている。
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アニメ主人公の不動遊星シナリオの難易度がかなり高い。
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ハート1で闘うアポリアとの相性が尋常じゃない位悪い。続くアンチノミー、ゾーン戦も相手が強力なカードを使ってくるためこちらのカードが集まっていない状態だとなかなか勝てない。
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幸い、最終戦のゾーンは遊星のカードのいくつかと相性が悪いので、うまく出せれば幾分楽。
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主人公だからとりあえずタッグ組んで安泰だろうor遊星からクリアしたいと思い、このトラップに引っかかる人が続出した。
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余談だがこの主人公シナリオが高難度という点はTF3の十代と似通っていたりする。
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相変わらずCPUの動作や思考には難がある。
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「相手の《ハリケーン》に対し、チェーンで《サイクロン》を発動して自らの伏せカードを破壊する」など、明らかに前作より劣化した部分も。
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デッキ編集に入らないで「デッキ切替」できるようになったのだが、これを使うとバグが起こりやすい。
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スタッフはよかれと思って搭載した機能なのだろうが、おかげで気軽に使えないものに。
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この他にもバグがあるのでプレイする際には攻略サイトなどで確認しておこう。
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ちなみに後述のDL版でもバグはそのままなので注意。
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一部デッキでCPUキャラが制限を無視している。
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特にやり玉にあがりやすいのはVジャンプのカリスマデュエリスト。パートナーデッキ以外は制限を超過している。
基本的に決闘するのを避けていればいいのだが、今作では夜の大会でその制限無視デッキと戦う必要がある。
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一部のデッキはVジャンプ誌上のイベントで本人が使ったデッキであり、時期のズレが有るので禁止制限の違いが生まれるのはしかたがない。
しかしゲームで使わせる以上はスタッフが手直しするか、夜の大会では守っているデッキを使わせるなど、対処法はあったはずである。
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この件に関してスタッフではなくカリスマ本人に怒りをぶつけるプレイヤーもいるが、カリスマ本人たちにしてみればいい迷惑だろう。
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他に牛尾の《ゴヨウ・ガーディアン》、カーリーの《聖なるバリア―ミラーフォース―》×2などがあるが、それらはアニメの設定や単なるミスであり、かつ無視してもあまり強くないということもあり、それほど批判はされてない。
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ライフの少ない大会チャンピオン5戦目がもはやデュエルにあらず。
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ただでさえバーンが猛威を振るうライフ2000ルールの中で、最後の相手がゾーン・原麗華のバーンデッキコンビ。
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パートナーをバーン以外のデッキで挑ませた場合、先攻・後攻どちらを取ってもよほど相手の手札事故がない限り、九分九厘プレイヤーに出番が回る前にライフを削られデュエルが終わってしまう。
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結局勝つには「パートナーにバーンデッキを組む」しか無く、単調な作業と化してしまいもはやデュエルではなくなっている。
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フォトギャラリーが埋まらない
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《TG ブレード・ガンナー》のムービーは、見た後もフォトギャラリーに登録されない。よって、該当箇所は埋まらないままである。
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このカードとムービーは前作も登場したが、そちらでは登録された。このカードは前作ではOCGでの登場に先駆けてゲームオリジナルカードとして収録されており、今作ではOCG版の効果に変更されている。この変更の影響でフォトギャラリーへの登録が行われなくなった可能性がある。
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一部入手の難しくなったカード
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中でも『DUEL TERMINAL』出身であり、【ガスタ】の必須カードでもある《ガスタの巫女 ウィンダ》と《ガスタの静寂 カーム》は、入手方法が属性限定パックから女性モンスターを集めたパックに変更された上にレアリティも上昇し、結果的に【ガスタ】を組むのが難しくなっている。
総評
シリーズの集大成として5D'sファンならば満足間違いなしの出来。
細かい処理はコンピュータが全て行ってくれるので遊戯王に久しく触れていない人や、アニメから興味を持った人でも手軽かつ気持ちよく決闘を楽しめる。
現在のOCGカードプールに対して未収録のカードは多くなってしまったが、それでも今から買っても損はないだろう。
熱いフィールを持った決闘者、かつて決闘者だった人、決闘を始めたいと思うビギナーなどあらゆる人にオススメの一作。
余談とその後の展開
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カーリー渚(ダークシグナー版も)のCVはアニメ終盤と同じく大人の事情でチャン・リーメイ氏から金田アキ氏へ変更されている。
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事実上のタッグフォース最終作となってしまったためあまり値下がりしていなかった。更に特典カードの《クリムゾン・ブレーダー》がOCGでの環境で活躍し始めると、本作のプレミア化に拍車がかかる。
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後に動画サイトで紹介されると需要がさらに過熱。中古でも五~六千円はザラという事態に。
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需要があると判断されたためか、『6』はDL販売がなされることに。お値段は2,000円(UMDがあるとUMDパスポートで500円)とお買い得なうえPSP goやVitaでも遊べた。
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ただしUMD連動ができないので注意。もっとも連動なしでも全てのカードは入手できる。
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2017年3月31日をもって配信を終了した。本作までのタッグフォースシリーズのデータダウンロードサービスも同日をもって終了となった。
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2014年3月21日に遊戯王OCGはマスタールール3へと移行したため、現在ではこのゲームのルールでOCGを遊ぶことはできなくなった。
最終更新:2023年11月27日 21:20