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鬼忍降魔録ONI
【きにんこうまろくおに】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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ゲームボーイ
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メディア
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1MbitROMカートリッジ
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発売元
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バンプレスト
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開発元
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パンドラボックス ウィンキーソフト
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発売日
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1990年12月8日
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定価
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3,800円
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判定
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なし
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ポイント
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変身ヒーローの悲哀と日本の妖怪物のおどろおどろしさを取り入れた作品
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ONIシリーズリンク
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概要
GBにおいて5作、SFCにおいて2作、PSにおいて1作、アーケードで1作と展開することになる和風RPG『ONIシリーズ』の第1作。
ストーリーは簡単にいえば、故郷を滅ぼされた忍者の主人公が、日本によく似た島国を旅しながら妖怪と戦うという時代劇RPGである。
ストーリー
これ、隠れ忍の者の村に伝わりし説なり。
古より鬼神の血を受け継ぐ者あらば、その者、魔性の敵と戦う運命にあり、これを倒す旅に出づる。伝えられしその姿は異様にして恐ろしく、まさに鬼なり。されどその者こそ不可思議なる力を奮いて一切の邪悪を浄化せし鬼神・魔封童子なり。
正義の童子なるが、醜悪なる姿故に人の目を逃れ、日光の下にあれば影に潜み、月光の下にあれば暗闇に潜む。伝説はこの者を「隠れ忍ぶ者~隠忍~」と呼ぶものなり。
『鬼忍降魔録・第一章』より一部抜粋
(取扱い説明書より)
特徴
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この作品の最大の特徴は転身システムである。
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転身とはいわゆる変身のことであり、転身中は防御力がアップし特殊能力が使えるようになるが、反面攻撃力が低下し、忍術(魔法)も使えなくなる。2つの姿の使い分けが重要となる。
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舞台は日本をイメージした架空の国であり現実とは微妙に地名が異なる(例・くまもと→くめもと等)。
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またこのゲームの文字は基本ひらがなであり、カタカナが存在しない。
評価点
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戦闘時、主人公と敵が攻撃の度に様々なアニメーションをする。
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敵の多くはダメージを受けると目が点になったり大口を開けたりとアホな顔をするため、ほんのりと笑える。
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グラフィックのレベルも高い。
問題点
GB草創期のソフトなので、良くも悪くも荒削りで発展途上。
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敵の不意打ちはあるが、こちらは不意打ちできない。
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この為、移動中は常に防御力の高い変身状態でいた方が良い。
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レベルを最高まで上げても「次のレベルまでの必要経験値」が表示される。もちろん実際にはレベルアップせず、必要経験値の数値が初期化されるだけ。
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敵が落としたり人から貰ったりしてアイテムを入手した時、持ち物がいっぱいだと強制的に何か1つ捨てさせられる。
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預かり所は存在しないのに、捨てられないアイテムばかり増えていく。
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因みに本作に「宝箱」というものは存在しない。
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最初の町(主人公の故郷)はゲーム開始早々敵に襲われて全滅する…のだが、なぜか店は普通に営業している。
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セーブは1箇所にしかできないのだが、ニューゲームで主人公の名前を付けた途端古いデータは失われる(ゲーム中にも説明書にもそんな説明は一切無い)。
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セーブは宿屋でしか行えず、しかも有料。ただ、どこでも一律5両と安いのが救い。
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BGMは6曲しかない。戦闘の曲は雑魚もラスボスも同じ。
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ラスボスのグラフィックはザコ敵の使い回し。変身するわけでもない。
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バグが存在する。
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「いちもくれん」というザコ敵との戦闘中、なぜかHPが0にされてもゲームが続行する事がある(但しその次の敵に出会った瞬間死ぬ)。
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コマンドをキャンセルしてウインドウを消すと、たまにマップ画面上に文字だけ消えずに残っている事がある。
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道具屋に背後から話しかけるとメッセージウインドウが画面に消えずに残る。
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ボス敵との会話では、キー入力を待たずに戦闘が始まってしまう為、台詞を読み切れない事がある。
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主人公のデフォルト名は「天地丸(てんちまる)」というのだが、本作の主人公名は4文字までしか入力できないためデフォルト名を入力できない。
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その為か、「天地丸」という名前は広告にしか載っておらず、説明書にはただ「主人公」としか書かれていない。
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一応、名前入力画面で何も入力せずに始めると、「てんち」という名前になる。
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ラストダンジョンに登場するザコ敵の風神と雷神を倒すと、「風神の剣」「雷神の剣」という武器をそれぞれドロップするが、ラストダンジョンはそもそも最強武器の強制獲得後に乗り込むことになるので、装備品としては使い道が無い。
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両方とも、道具として使えば攻撃魔法の効果がある。特に風神の剣は最強魔法の効果がある。しかも落とし主の風神は雷神より弱い。…雷神の剣の存在意義は?
総評
お世辞にも出来のいいゲームとは言えないが、ありそうでない和風テイストのRPGであり、当時としては画期的な転身システムなど見るべき点もある。
この転身システムは次回作にて外されるが、そのことが批判されその後のシリーズ作品には必ず登場するというシリーズ全体を特徴づけるものである。
その後の展開
問題点も多いゲームではあったのだが、当時GBではまだまだRPGソフトが少なかった事もあり、人気を得てシリーズ化もされた。
その後ONIシリーズはGB初期の3大RPGと呼ばれるようになり、他の『サガシリーズ』、『アレサシリーズ』がSFCへとプラットフォームを移していく中、それらを凌ぎGBで5作品が制作された。
本作発売の半年ほど後、突然TVで本作のCMが流された。そしてそのラスト、次のようなテロップが表示されていた。
「第2弾企画中」…
その他
本作は仮面ライダーをイメージして作られたと語られている。
なお本シリーズのプロデュースは、後に『四八(仮)』を送り出す飯島健男(現・飯島多紀哉)氏が担当していた。
最終更新:2024年05月22日 10:33