本記事では、Wii専用ソフト『エピソード1 波に揺れる秘宝』『エピソード2 目覚める勇者』と、3DS専用ソフト『アンリミテッドクルーズSP』について記載する。
ONE PIECE アンリミテッドクルーズ エピソード1 波に揺れる秘宝
【わんぴーす あんりみてっどくるーず えぴそーどわん なみにゆれるひほう】
ジャンル
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アクションアドベンチャー
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対応機種
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Wii
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メディア
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Wii専用12cm光ディスク 1枚
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発売元
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バンダイナムコゲームス (バンダイレーベル)
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開発元
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ガンバリオン
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発売日
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2008年9月11日
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定価
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6,090円(税込)
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プレイ人数
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1~2人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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周辺機器
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Wiiリモコン、ヌンチャク対応
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廉価版
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みんなのおすすめセレクション 2010年3月25日/2,800円(税込)
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判定
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なし
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ポイント
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ブルック参戦 前作よりボスキャラは大幅追加 原作者描きおろしのオリキャラが主軸 改善点もあるが、基本的問題点はそのまま ストーリー展開はほぼ前作のコピペ 前編後編に分けた結果の割高感
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ONE PIECEゲームリンク
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ONE PIECE アンリミテッドクルーズ エピソード2 目覚める勇者
【わんぴーす あんりみてっどくるーず えぴそーどつー めざめるゆうしゃ】
ジャンル
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アクションアドベンチャー
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対応機種
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Wii
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メディア
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Wii専用12cm光ディスク 1枚
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発売元
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バンダイナムコゲームス (バンダイレーベル)
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開発元
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ガンバリオン
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発売日
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2009年2月26日
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定価
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6,090円(税込)
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プレイ人数
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1人 (対戦は1~2人)
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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周辺機器
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Wiiリモコン、ヌンチャク対応
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廉価版
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みんなのおすすめセレクション 2010年4月20日/2,800円(税込)
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判定
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なし
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ポイント
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エピソード1のデータを引き継ぎ可能 技カスタマイズが可能に
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概要
『ONE PIECE アンリミテッドアドベンチャー』の続編。ただし前作のことは本作でほとんど触れられない。
虫取り、釣りなどのミニゲーム的な要素はそのまま。その他、前作で好評だったシステムを元にしつつ、ある程度システムを改善している。
本作では新プレイアブルキャラとしてブルックが参戦、その他ボスキャラクターも、スリラーバーク編のキャラを中心に増加している。
前作のボスキャラクターはほぼ全員参戦しており、これらとは対戦モードで対戦が可能である。
オリジナルキャラクターであるガブリは、原作者の尾田栄一郎氏の描きおろし。声優は釘宮理恵氏が担当。また、ガブリは前作のゲストと違い途中から人語を話すようになる。
前編後編という体系のため、本作は前編から後編へのデータ引き継ぎを可能としているのも特徴である。
評価点
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ブルックの参戦。
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原作の進行状況的に当然と言えば当然だが、アニメなどでは丁度出始めの頃だったためファンからは喜ばれた。
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ブルックは船内で出来る特殊な役割にこそ乏しいが、ダッシュで一部の水上を走れたり、ダッシュのSP消費が少ないなど特殊な能力を持つ。
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全2作に渡る作品だけあって、当時のONE PIECEゲームでは最大級のキャラ数となった。
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前作にもいた初期の敵キャラはもちろん、当時最新に近いキャラであったスリラーバークのキャラやユースタス・キッド、黄猿などが参戦している。
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また、本作ではボスの同時登場が増加しており、それらに特別な掛け合いがあるものがある。
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原作で因縁のあるシャンクスとミホークというある意味絶望的な組み合わせや、初期の敵という理由からか組まされたクロやクリークにも、少しだけだが何故か掛け合いがある。
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釣り、虫取りの難易度減少。
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前作では退屈とは言わないまでもやや難度が高く、一度目当ての獲物を逃すとかなり痛手となっていた二つの要素は、ほんの少しだがやりやすくなった。
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特に昆虫採集は虫がやや逃げづらくなり、ストレスが軽減された。ぬるくなったとも言えるがこの点はゲームの本質的な部分ではないので好意的に受け入れられている。
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やり込み要素の増加や前後編に分けたことによるボリュームの増大。
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後述のような問題点もあるが、前作以上に広大な世界観であるが故に、ファンとして膨大なボリュームは嬉しいところ。
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また2作とも一度ゲームをクリアすると難易度が上がったハードモードが解禁されるほか、ステータスを引き継いで再び最初からやり直す事も可能に。
ハードモードでクリアするとより難易度が上がったベリーハードモード(エピソード2はアンリミテッドモード)が解禁される為、単純にやり込み要素も増えている。
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移動時間の短縮。
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ダッシュでのスタミナ消費が自動回復されるようになった。キャラによっては更に早い移動手段を得た。
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ただしリロードは遅くもなく早くもないといったところなので、一般的に言うダッシュのように手軽に使える類のものではない。
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セーブは拠点でしかできないが、島の奥地と拠点との間が一瞬で往復出来るようになった。
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ただし、決まった場所に行けて決まった場所から戻れるだけであり、キャンプでしかセーブや倉庫整理が出来ないというところはそのまま。
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エピソード2から技のカスタマイズが実装。
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各ボタンに技をセットすることで、簡単なコンボを自由に構築することが出来るようになった。
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オリジナルコスチュームの秀逸さ。
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本作の麦わらの一味のオリジナルコスチュームは、それぞれ動物をモチーフ(例えばルフィならライオン)にしており、上手いこと各キャラクターに馴染ませている。
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続編の『アンリミテッドワールド R』が原作コスチュームのみとなってしまい、ゲームオリジナル特有のお祭り感が薄れたことを考えると、前作と今作は実に良く考えられたものになっていると言えよう。
問題点
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前作の目立った問題点を改善しきれていない。
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相変わらず倉庫の窮屈さがそのまま。
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特に本作は前後編という体系になっているため、倉庫に関してはデータ引き継ぎを行うとその窮屈さが顕著に感じられてしまう。
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前作よりはやりやすくなったが、技のレベル上げは相変わらず面倒で、当てやすい技との格差は目立ちがち。
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エピソード2で実装された技カスタマイズにより、この点は少ないながらも改善は見られる。
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ロードは前作よりはマシになっているものの、やはり気軽にキャラ交代を行えるほどテンポの良いものではない。
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処理落ちも相変わらず目立つうえ、本作はボス戦において大量の雑魚が取り巻きとして出ることが増えたので余計に重くなってしまった部分も。
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前作でボスとは思えない弱さを見せたビビは、護衛を付けて強化を図っている。調整としては雑に見えてしまう。
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ナイトメア・ルフィの演技がおかしい。
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アニメ版では落ち着いた声なのだが、本作では異常に甲高い声になっており、かなりコミカル。
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本作のアフレコはアニメでナイトメア・ルフィが登場する前に行われており、演じている田中真弓氏が、当時はオーズ(同じく田中氏が演じている)と演じ分けするためにナイトメア・ルフィを甲高いものにした。しかし喉への負担があまりにも大きいため、アニメ版では落ち着いた声音に変えたとのこと。
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だとしても、あまりにも外見にそぐわないその演技は不評だった。ただ、本作での声作りにおける無茶があったからこそ、アニメ版でクールな声になったとも言える。
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前後編に分けたことによる割高感。
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どちらもフルプライスであり、普通に見ればこの2つのソフトを購入するだけで10,000円を軽く越えてしまう。
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各ソフトは前作より1,000円程度安価なのだが、その分1つ1つのゲームボリュームは抑えられており、割高感がさらに増す結果に。
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後に廉価版が発売されたことにより、この点は結果として改善されたと言えなくもない。
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ストーリーの既視感。
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不思議な島に辿り着き、その島にいる本作のゲストキャラと関係性を持ち、その島で起こっている問題を解決するという流れは、前作と皮を取り替えただけでほぼ同様。
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ルフィ達の記憶を頼りに生まれるボスも、オーブから生み出されるか巨大な花の実から生み出されるかの違いでしかない。
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しかも本作は花の実を破って誕生するため、前作よりも締まらない。ただし登場演出をそれぞれ凝ることによって、そのダサさを軽減しようとしている努力は見られる。
総評
前作よりマシになった部分もあるが、多くの問題点はある程度放置された感の強い作品。
ボスはファンには嬉しい最新キャラがかなり多く登場しているが、ストーリーには目新しさがなく、今一な部分も見られる。
前後編によるソフトの割高感は強いが、評価は高く、廉価版が発売された時はWiiユーザーのオススメ作品として登場している。
その後の展開
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2011年5月26日に本作の前後編をまとめた3DS版が登場した。詳しくは下部のページで。
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2013年11月21日に続編の『ONE PIECE アンリミテッドワールド レッド』が発売された。そちらはオリジナル色が本作より薄められている。
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当初は3DS版だけだったが、2014年6月12日にPS3版・PSVita版・WiiU版が発売された。
2017年8月24日にはSwitchとPS4にてフレームレートの向上や全DLCを同梱したデラックスエディション版が発売された。
ONE PIECE アンリミテッドクルーズ スペシャル
【わんぴーす あんりみてっどくるーず すぺしゃる】
ジャンル
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アクションアドベンチャー
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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メディア
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1Gbyte3DSカード
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発売元
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バンダイナムコゲームス (バンダイレーベル)
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開発元
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ガンバリオン
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発売日
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2011年5月26日
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定価
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6,090円(税込)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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前後編をひとまとめに マリンフォード頂上戦争編を再現したモードを追加 スペックの都合上処理落ち悪化 対戦モードは削減
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概要(SP)
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上記の2作品をひとまとめにしたうえで、3D立体視対応処理、マリンフォード頂上戦争編を追体験するモード「マリンフォードエピソード」が追加された作品。しかもお値段は前作の1本分と同額。
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本来の発売日は2011年4月7日だったが、東日本大震災の影響で延期されている。
追加点・変更点
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新モード「マリンフォードエピソード」の追加
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前述したとおり、原作のマリンフォード頂上戦争編を追体験する内容となっている。
本編のアンリミテッドクルーズとは独立したモードとなっており、ステータスなどは反映されない。
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マリンフォードエピソードはステージ選択制となっており、ステージ毎に決められたキャラクターを使用して勝利条件を満たす事でクリアとなる。
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新キャラクターの追加
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ジンベエ・イワンコフ・ハンコック・マルコ・ジョズ・赤犬が新たに登場。
追加されたキャラクターは全員マリンフォードエピソードにのみ登場しており、本編では登場しない。
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一部キャラクターの衣装変更
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バギーやクロコダイルなど、マリンフォードエピソードに登場する一部のキャラクターは衣装が変更されている。
本編でもマリンフォードエピソードでの衣装で登場するようになった。
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UIの変化
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据置機から携帯機への移植に伴い2画面構成を活かした構造に変わっている。
上画面はゲーム画面、下画面はマップやアイテムの使用画面となっている。
また、ゲーム画面でのHPやSPの表示やボス敵のHP表示などもWii版と比べるとコンパクトな表示になった。
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対戦モードの削除
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Wii版であった、麦わらの一味やこれまで倒して来たキャラクターを使って対戦できるチームバトルモードは削除された。
評価点・改善点(SP)
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ボリュームの多さ
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前後編合わせれば大ボリュームだったアンリミテッドクルーズをまとめたうえで、マリンフォードエピソードもあることから、かなりのボリュームを誇る。
本編であるアンリミテッドクルーズも特に削除された要素は無いため、Wii版そのままのボリュームで楽しめる。
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操作性の改善
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Wiiリモコンを振る事で繰り出せた技はXボタンを押す事で繰り出せるようになったほか、
Wii版では一々スロットを切り替える必要があったアイテム使用も下画面をワンタッチで使用できるようになり、Wii版と比べると快適にプレイしやすくなった。
問題点・改悪点(SP)
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処理落ちの悪化
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Wii版の時点で目立っていた処理落ちは更に悪化しており、雑魚敵が多く出現する場所ではかなり目立つようになってしまった。
携帯機への移植なので、仕方ない部分はあるのだが…
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チームバトルモードの削除
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やや大味ながらもちょっとした3D対戦ゲームとして楽しめたチームバトルモードの削除は人によっては楽しみが薄れたとも感じる。
特に本作ではキャラクターが追加されているため、なおのこと惜しまれる。
総評(SP)
好評だったアンリミテッドクルーズの前後編を携帯機移植ながらも上手くまとめた上でマリンフォード頂上戦争編を追体験するモードが追加された大ボリュームの移植作。
操作性もある程度改善されており、今からアンリミテッドクルーズを遊びたいならこちらがオススメと言える。
しかしながら携帯機移植による処理落ちの悪化など問題点もあるので、そこを気にするのであればWii版を買うのも良いだろう。
最終更新:2024年04月28日 14:06