プレイノベル サイレントヒル
【ぷれいのべる さいれんとひる】
| ジャンル | プレイノベル |  
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| 対応機種 | ゲームボーイアドバンス | 
| メディア | 64MbitROMカートリッジ | 
| 発売元 | コナミ | 
| 開発元 | コナミコンピュータエンタテインメント東京 ウィル
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| 発売日 | 2001年3月21日 | 
| 定価 | 6,090円(税5%込) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 3個 | 
| 周辺機器 | モバイルアダプタGB対応 | 
| 判定 | シリーズファンから不評 | 
| ポイント | シナリオ短すぎ、超展開が多すぎ | 
| SILENT HILLシリーズ | 
 
概要
コナミの人気ホラーアドベンチャー「サイレントヒルシリーズ」の第一作『SILENT HILL』(以下、原作)をサウンドノベル化した番外編。
原作とは一部ストーリーが異なり、独自展開のエンディングも用意されている。
特徴
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選択肢を選んで分岐するよくあるノベルゲー。
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バックログ、文章消去といった基本的なシステムは揃っている。
 
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シナリオは3編用意されている。
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原作を再現した「ハリー編」
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サブキャラクターのシビルが主人公となった「シビル編」
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モバイルアダプタGBを使うことでプレイ出来る、オリジナルの「少年編」
 
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セレクトを押すとフローチャートを閲覧出来る。
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このフローチャートで好きな場面に飛ぶことが出来、手軽に選択をやり直したりすでに見たルートを確認することが可能。
 
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セーブはオートセーブで、次の章に移るごとにセーブされる。
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おまけとして、ゲーム中のキャラや謎解きを絵図化したデジタルトレーディングカードが用意されている。
評価点
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美麗なグラフィック
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原作のプリレンダグラフィックを使用しているため、キャラクターのビジュアルなどは非常に美麗。
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OPやゲーム中の要所では原作のムービーも流れる。若干ノイズが入っているものの、それが作品の雰囲気を盛り上げてくれる。
 
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原作の謎解きをミニゲームとして再現している。
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原作にはなかったオリジナルの謎解きも用意されているので、原作プレイヤーでも新鮮な気持ちで遊べる。
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もっとも、原作のように謎解きの手がかりを求めて探索するといった要素はないが。
 
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原作にはなかったオリジナル展開が用意されている。
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EDもほとんどが新規となっており、原作のEDは"Good"と"Good+"くらいしか採用されていない。
 
問題点
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多少の差異はあれど、どの選択肢を選んでも同じ流れになる展開が多すぎる。
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例えば序盤、カフェ内で敵に襲われた際の選択で「隠れる」「戦う」「外に逃げる」と選べるのだが、どの選択をしても結局は敵を撃ち殺す展開になってしまい面白みがない。
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たしかにこのシーンは原作でも強制戦闘で、ラジオを回収する必要があるが…。
 
 
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シナリオが短い
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シナリオ展開がスピーディーかつ数ページ進めるだけで次に進むため、1プレイ30分程度でクリア出来てしまう。
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ED自体は豊富に用意されているので、そこそこのボリュームはあるが。
 
 
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各シナリオの問題点
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ハリー編は原作をなぞるだけなので、原作プレイ経験者なら簡単にグッドエンドに辿り着ける。追加EDで謎が補完されるといった事もない。
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シビル編は原作の補完的な部分もあるものの、そもそもの分量がハリー編に比べ半分程度と少なすぎる。
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少年編はプレイ環境の問題で遊びづらい。
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モバイルアダプタGB自体が殆ど流行らず、約2年でサービス終了してしまった。
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春夏秋冬の季節ごとに4つのシナリオを季刊配信する形態だったことも遊びにくさに拍車をかけていた。
 
 
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ADVへの落とし込みの失敗
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テキストは謎解きのために探索することを前提とした展開も特に工夫せず取り入れているため、特に原作未経験者には意味不明な行動、超展開が多い。
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一部の展開は「少年編」の伏線となっているのだが、「少年編」自体が遊びにくく知名度が低いこともあって、意味不明に思われたままとなりやすい。
 
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ハリーやシビルの独白形式もあってか、原作の恐怖感を出すことは出来ておらずホラーゲームとしても微妙な出来。
 
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フローチャートシステムが序章が終わるまで使えない。
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2周目以降のプレイでも必ず序章から始まるため、いきなり選択肢に飛ぶことは出来ず地味にストレス。
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また、1ページ分のテキストを全て表示するまで画面を開けなかったり、フローチャート自体長い割にスキップ機能がないため目的の選択肢を探すのが面倒だったりとイマイチ作りこみが悪い。
 
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デジタルトレーディングカードは交換などは出来ず、単に集めるだけ。
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カード自体にもおまけテキストなどはないため、面白みも何もない要素となっている。
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「少年編」でしか入手できないカードもあるため、現在カードコンプリートは不可能である。
 
総評
サウンドノベルで重要なテキストが面白くないため、原作の恐怖感は出せておらずノベルゲーとしての評価は低い。
原作経験者にとっては既存のストーリーをなぞるのが大半で、未経験者には超展開ばかりで意味不明と言われやすい微妙な作品となってしまった。
モバイルアダプタGBのサービス終了により、現在は一部シナリオが入手できなくなっているのも痛い。
本作は公式ポータルサイトにも情報が掲載されておらず、ファンからも黒歴史とされているのが現状である。
本作をプレイするくらいなら素直に原作を買って楽しむべきだろう。
その後の展開
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2006年に映画公開を記念し、本作同様のノベル形式の携帯電話アプリ版が配信されている。
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こちらは自由に移動したり、ターン制バトルで戦うなど原作を当時の携帯電話の性能でも遊べるようにしたアレンジ移植となっており、シビル編などの追加要素は存在しない。
 
最終更新:2024年10月09日 06:46