Call of Duty
【こーるおぶでゅーてぃー】
| ジャンル | FPS |  | 
| 対応機種 | Windows 98~Vista Xbox360
 プレイステーション3
 Mac OS
 N-gage
 | 
| 発売元 | Activision メディアクエスト
 | 
| 開発元 | Infinity Ward | 
| 発売日 | 2003年12月18日 | 
| 定価 | オープンプライス | 
| レーティング | ESRB:T(13歳以上対象) | 
| 判定 | 良作 | 
| 備考 | Win版以外日本未発売 | 
| Call of Dutyシリーズ | 
 
概要
『Medal of Honor』シリーズのデベロッパーである2015.incの元スタッフが独立して立ち上げたInfinity Wardが初リリースした、第二次世界大戦を舞台にしたFPS『Call of Duty』(CoD)シリーズの第1作である。
「戦場におけるリアルな1兵士の視点」という題材のもと、史実における戦闘を基にアメリカ編、イギリス編、ソビエト編とオムニバス形式で交互にエピソードが展開され、プレイヤーは登場人物の視点で様々な戦いを体験していく。
各エピソード概要
- 
アメリカ編
101空挺師団所属のマーティン二等兵となり、新兵訓練を受けた後にノルマンディ上陸作戦に参加する。
以降はフランス内陸部でドイツ領での連合軍の反抗作戦に従事し、待ち受けるドイツ兵との戦いを経験していくこととなる。
- 
イギリス編
空挺部隊所属のエヴァンス軍曹となり、トンガ作戦におけるペガサス橋の奪取防衛作戦での激闘を経験する。
その後第二SAS連隊に転属しドイツ領内での破壊工作や戦艦ティルピッツへの潜入などの秘密作戦に少数で場合によっては単独で挑むことにもなる。
後のシリーズにも登場するプライス大尉が登場。
- 
ソビエト編
徴集兵のアレクセイ二等兵となり、ろくな訓練も装備も無いままスターリングラードの戦いが初陣となる。
ウラヌス作戦におけるスターリングラード奪回の為の戦闘に参加、戦闘で荒れ果て廃墟になった工場やパブロフの家等を奪い合う等の過酷な戦い等に身を投じる。
廃墟に潜む狙撃兵との闘い、戦車兵としても戦えたり、ベルリンの陥落等の見どころも多い。
評価点
- 
史実の激戦を再現した戦いの数々
- 
アメリカ・ソビエト編での序盤にプレイするノルマンディー上陸作戦やスターリングラードの戦いにおいては映画『プライベートライアン』『スターリングラード』ばりの激戦を体験する。
- 
数多くのNPCが無謀ですらある突撃を繰り返しながら倒れてゆくの横目に自らもが、砲撃とMG42の射撃音をBGMに敵の陣地へと決死の突撃を行うのである。
 
- 
イギリス編もペガサス橋の奪取作戦では、橋を占拠後に奪回に迫りくるドイツの機甲部隊を『史上最大の作戦』のワンシーンのように僅かな味方達で切り抜けるという戦争映画張りのシチュエーションが待っている。
- 
序盤以降は潜入作戦が多く、敵中で薄氷を踏むような任務をこなしいくスリルを味わう。
 
- 
ゲームバランス
- 
難易度が「新兵」「正規兵」「熟練兵」「古参兵」の4段階となっている。
- 
特に古参兵は体力回復なしという厳しいバランスで1撃の被弾すら受けるのも避けたいほど厳しい。だが決してクリア不可能という事ではなく、遮蔽物を利用して覗き込みを行ったり慎重に戦うことで生き延びることができる。
- 
敵の出現パターンや一部の行動がスクリプトで組まれているため、敵の位置を覚えれば攻略はわかりやすい。
 
- 
以後のシリーズも、今作とほぼ変わらない基準でシングルの難易度選択制が継承される。
- 
操作性
- 
匍匐姿勢の追加
- 
FPSといえば大体、直立としゃがみ姿勢のみの姿勢だけしか取れない事が殆どだが、実際の兵士が防御姿勢としてとる匍匐姿勢がとれる様になっている。当たり前と言えば当たり前だが、当時のゲームでもこの点は珍しい。
- 
遮蔽が少ない場所などで身を隠したりと、使いどころがそこそこある。
 
- 
射撃モードの切り替えの実装
- 
連射できる武器は当時のFPSにおいては任意で単射するには指切りが必須だった。『CoD』では実在の武器に準拠したシングルショット・バーストショットなどの射撃モードに切り替えができるようになっている。当時としては画期的だった。
- 
反動が強い機関銃でも単射で狙撃に活用することが出来るなど、状況に応じた運用が可能となっている。
 
- 
スクリプトとAIを駆使したNPCとの共闘
- 
当時のFPSにしては珍しく、NPCの登場数と共闘が多く、ランボースタイルではなく部隊として作戦のほぼすべてを協力して遂行していく事になる。
- 
ドイツ兵は陣地を築いたりしてこちらを待ち構えており、プレイヤーだけで突撃したところで機関銃でハチの巣にされる。味方との連携で打破してゆくデザインになっている。
 
- 
NPCのAIはよくできており、プレイヤーが状況を打破しなければゲームは進行しないが、状況が動けば彼らもそれに適した行動をとろうする。
- 
敵の銃火の中に闇雲に突っ込んだりはせず遮蔽物に身を隠して攻撃を避けたり、敵の防衛にほころびが出れば透かさず前進する等、賢く動いてくれる。
- 
また、NPC達がプレイヤーの邪魔になったりすることは無く、プレイヤーが移動したい場合は退いたりしてくれる。それを利用してMG42の砲火に囮として突っ込ませてしまうやり方も…。
- 
もちろん敵に当てはまり、棒立ちで戦おうとする敵もいないので、地形や味方の制圧射撃をなど利用して撃破をしていく必要がある。
 
 
- 
彼らの喋るセリフにも個性が出ており、会話・命令・怒号・悪態等が臨場感を盛り上げ、自分が戦場にいるという感覚を錯覚させるほど。
- 
質の高い翻訳
- 
マルチプレイ
- 
現行の『CoD』シリーズの様にPerkやウォールランといったようなシステムはないが、シンプルながらも奥が深い出来。
- 
自身を倒した相手プレイヤーの直前の行動・視点が表示されるキルカム機能が実装された初のFPS作品。プレイヤー間の競争心を煽りゲームの盛り上がりに一役買っている。
- 
後のマルチプレイ対応FPS作品では機能に大小の差異があるが、「自分を倒した相手プレイヤーを表示する仕様」として大体実装されている事は言うまでもない。
 
問題点
- 
難易度
- 
今作は有限の体力制であり、油断していると簡単な難易度でもそこそこの頻度で死ねる。
- 
近年のFPSのトレンドの自動体力回復では無いので、新規プレイヤーは戸惑いやすい。
 
- 
ダッシュが使えない
- 
ダッシュに当たるモーションがないので咄嗟の回避がし辛い
- 
デフォルトだとshiftキーを押しての移動は歩行なので、間違うユーザーもいた。
 
- 
グラフィック
- 
テクスチャの品質は良いとは言えず武器などの細かい作りなどがやや粗め。質感が若干玩具のように見えるところがある。
- 
モブNPC等は使いまわし少々多い。大量のNPCを描写する事は当時の環境を考えると仕方ない面もあるが。
- 
拡張パックの『CoD:UO』ではだいぶ改善されている。
 
- 
イギリス編のミッション
- 
単独での戦闘もそこそこ有るので、少々ランボー気味な所もある。
総評
演出過剰でもなく、単にランボースタイルに終始している訳でもなく、実際に戦場で1人の兵士として戦っているような感覚にさせる計算されたデザインは、古い作品ながらもお見事の一言に尽きる。
マルチプレイについても、「Perkがないシンプルな今作が最高」と主張するプレイヤーがいるほど完成されているとも言えるだろう。
FPSの門戸を叩こうとしているプレイヤーも熟練者にもお勧めできる作品。
余談
- 
Infinity Wardの設立自体は2002年だが、本作の開発中にActivisionの出資を受けた後、2003年にActivisionの傘下会社となって現在に至っている。
最終更新:2023年01月05日 20:47