ボンバザル(BOMBUZAL)
【ぼんばざる】
ジャンル
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アクションパズル
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対応機種
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スーパーファミコン
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メディア
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4MbitROMカートリッジ
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発売元
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ケムコ(コトブキシステム)
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開発元
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イメージワークス
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発売日
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1990年12月1日
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定価
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6,500円(税別)
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判定
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なし
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ポイント
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死んで覚える難解アクションパズル 裏技でクリア可能なクリア不可能面 パスワードの使用前提
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概要
SFC初のサードパーティソフトであり、初のパズルゲーム。SFC本体の抱き合わせ販売もされていた。
元々は1988年にイギリスのイメージワークスがAmigaやAtari ST、コモドール64、IBM-PC向けに発売した海外のパソコンソフトで、それをケムコがSFCに移植したものである。
ちなみに北米SNES版は『KaBlooey』のタイトルで発売されているが内容自体は同じ。ただしKaBlooeyは曲やステージスタート時の掛け声が全てリファインされておりあちらの方が全体的に豪華。
特徴
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主人公キャラを操作してフィールド上すべての爆弾と地雷を処理していき、最後に足場に生存できれば面クリアとなる。全130面。
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爆弾や仕掛けの上に立ってAボタンを押し続け、カウントダウンがゼロになると点火・起動が出来る。
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ポーズすると制限時間がストップし、周辺の配置が表示される。
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真上から見た2Dモードと、斜めから見たクォータービュー型の3Dモードがある。
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爆風に巻きこまれる・タイルを踏み外す・敵と接触、のいずれかで1ミス。
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残機の概念があるが、ゲームオーバーになっても面開始時に表示されるパスワードを用いればすぐその面から再開できる。ただし、スコアはリセットされる。ちなみに面クリアで残機は1増える。
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ちなみに、ポーズせずに立ち止まっているとカウントダウンが始まり、ゼロになると爆弾の上では勝手に爆発し、それ以外ではそのタイルにスピナーが出現してしまう。
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爆弾
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点火させた後、プレイヤーは隣のマスに避難することができる。ただし、爆発が終わるまで動けない。
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サイズは3種類有り、それぞれ決まった爆発範囲と、さらに1マス大きい誘爆範囲を持つ。
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通常の他に、一定のリズムでサイズが変化するスウェルボム、1つ起爆させるとステージ上の全てが連動して爆発するアンテナボムがある。
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地雷
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乗ると即座に爆発してしまうので、爆弾で誘爆させるか身代わりキャラでの処理が必要。サイズは2種類存在。
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誘爆範囲を持たない。
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タイル
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ノーマルタイル、1度乗っただけでも壊れるディゾルバータイル、1方向に滑ってしまうアイスタイル、爆風でも壊れないリベットタイル、Bボタンで爆弾を移動させることができるスロットタイルがある。
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仕掛け
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テレポート
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スイッチ
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切り替えると、爆弾やタイルなどステージ上のどこかに変化が起きる。切り替えるごとに状態が切り替わるが、中には一度限りしか変化しない物も一部存在。
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パワー・テンプル
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隣接する爆弾の爆発範囲を1マスにして自らも1マスで爆発する。
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スピナー
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上に乗ると1タイル分、縦横のランダムな場所に弾かれる。
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分身
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コントロール可能なオプションキャラ。爆弾に触れると勝手に起爆する赤い「バブル」と、爆弾の持ち運びや任意で起爆が出来る青い「スクウィーク」の2種類。使用中はミスになる条件を満たしても主人公キャラのミスにはならないが、1キャラにつき1回きりの起爆でも同じく消滅してしまう。
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敵
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小さな球が4つ集まった形のデクスターと、跳ねながら移動している大きな球状のシニスターがいる。落ちそうになると前者は右、後者は左に曲がる習性がある。
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爆風に巻きこむか、ディゾルバータイルやスイッチのタイル操作で落とすと倒せる。
問題点
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正攻法でクリアできない面の存在
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当時、1面~100面までの面でクリア不可能な面を見つけてそれをハガキに書いて応募するとプレゼントが貰える、というキャンペーンが行われていた。その答えが80面であった。
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いくらキャンペーンとはいえ、クリア不可能な面を「意図的に」設けるのはどうかと思われる。
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しかし、とある抜け穴的な方法でクリアできてしまうことが発覚。なので事実上キャンペーンは成立したとは言えなかった。
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ソフト付属品の別紙に100面までのパスワードが付属していたため、81面以降をプレイすることは一応可能であった。
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この紙を無くしてしまう、あるいは中古で買ってこの紙が無かった場合は、攻略本や教えてくれる知人無しではパスワードが分からなくなり、81面以降を遊ぶことがまず不可能となる。。クソゲー認定されがちだった最大の原因と思われる。
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あからさまな初見殺しが多い。
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テレポートは使用するまでどこに飛ばされるか分からず、中にはタイルの無い場所や地雷の上に飛ばされ即ミスになるものも有る。
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スイッチも同じく、起動するまで何が起こるかわからない。更には多段式のものもあるため、複雑にさせている。
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画面外で変化が起こることも多く、どこが変化したのか掴みづらい。
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さらに、広大なステージではフィールド全域を確認できないため、ディソルバータイルやアイスタイルが初見殺しと化すことも。
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多くの面でこれらを確認するために、何回も死んで覚えなければならない羽目になる。上記の仕掛けが多い面は面倒になってしまう。
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中にはその試行回数と暗記力だけが必要で、パズル要素が全く無いような面もある。
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単調なゲーム性、デザイン
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やることが繰り返し作業になってしまうため、人にもよるが途中で飽きやすい。
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前述の初見殺しが多い面、広くて時間がかかる面は特にだれやすい。特に101面以降。
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背景もタイルの色くらいしか変化が無く、キャラデザも相まってビジュアル的にもかなり単調というかシュールである。
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3Dモードの存在意義
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このゲームの売りにされてる点だが、かえって操作が分かりづらくなり使い勝手が悪い。
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一応3Dモードならばシニスターの回避が容易になり、ベテランプレイヤーはシニスターを回避するためだけに3Dモードを使用することがある。
賛否両論点
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難易度はかなり高い。
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パズルゲーにしては仕掛けが多く複雑で、序盤の面から躓きやすい難易度。
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前述の初見殺しを把握した前提でも、爆弾の処理順序や爆発・誘爆範囲、テレポートの使い方、スイッチの起動タイミング、タイル移動順序、スロットタイルでの配置の仕方、アンテナボムの使い方、身代わりキャラの使い方、敵の避け方などを考えなければならず、これらの仕掛けが多い面ほど難しくなる。
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中には使う必要が無いのに置かれている仕掛けもあったりする。
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その複雑性ゆえに、ほとんどの面では解答例は1つでは無い。パズルそのものはよく考えて作られていると感じられる場面も多い。
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ただし、単純明快な面や、前述のように覚えるだけの面、敵に当たらないようにするアクション重視の面という、パズル要素がかなり薄く難易度が低めな面も多少存在している。
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難しくてつまらない、それともやりごたえがあると感じるかは人による。
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100面までは付属のパスワードを用いれば解けない面を飛ばすことができるのがまだ救い。
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101面以降は更に高難易度にもかかわらず、101面以降のパスワードが載っている攻略本無しでは解けない面を飛ばすことができないため、根気強く何度も挑戦できるプレイヤーでなければ相当辛いと思われる。
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100面までは万人向け、101面以降は上級者向けとも捉えることができる。
評価点
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面数が多い。
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単調なゲーム性だが、飽きなければ割と長く遊べる。
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ただし、それはパスワードの使用が前提であるが。
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爆弾の爆発には「連鎖」の要素もあり、決まれば爽快感がある。
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BGMがそこそこかっこいい。
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サウンドスタッフはドラッケン(SFC版)と同じく増野宏之氏(ゲーム中のクレジットではHIRO表記)。
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概要欄の通り、海外版のKaBlooeyでは更にリズミカルかつ音源が強化されている。
総評
クリア不可能面の存在により、パスワードの使用が前提となるという前代未聞なソフト。
他にも覚えゲー要素の多さ、単調さや難易度の高さから散々な評価を見受けられることが多い。
パズルそのものの出来はそこまで悪いわけではなく、それを肯定する声も一部では聞かれるが…。
余談
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「別に欲しくもないのに抱き合わせ販売で買わされた」「当時ケムコがクソゲーメーカーとして認知されていた」という理由で、内容以外の所でクソゲー認定されていたというやや不憫な過去を持っている。
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新ハードであるスーパーファミコンソフトはハード自身スペックが高いこともあってローンチに近いソフトは軒並み高評価だったこともあって、少々浮いた存在になっている。
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週刊少年ジャンプで連載されていた漫画『花さか天使テンテンくん』で「見ざる・聞かざる・ボンバザル」という本作を元にした一発ギャグが使われたことは本作の知名度を僅かに上げている。
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また、そこから取ったのかどうかは定かではないが、TBSで放送されていた『リンカーン』のコーナー「ボケタイムショック」でもスピードワゴンの小沢一敬がこの回答をしたことがあった。
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現在はIBM-PC版がSteamにて配信されている。
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ただし、元のIBM-PC版はBGMはなくSEもBEEP音で鳴らしているというもので、Steam配信版もそれをMS-DOSエミュレーター上で動作させているものとなっている。
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なぜかSteamの販売ページではトレーラームービーにゲーム中のBGMが流れているため誤認しやすいが、流れているのはSNES版のBGMである。
最終更新:2023年04月14日 19:12