beatmania打打打(だだだ)!!

【びーとまにあだだだ】

ジャンル タイピング音楽ゲーム
対応機種 プレイステーション2
発売元 ハンズオン・エンタテインメント
開発元 イニス
発売日 2001年3月29日
定価 6,800円(税別)
廉価版 THE BEST 打:2002年5月16日/3,800円(税別)
備考 コナミUSBキーボード専用
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント まさかの別キーボード使用不可
初心者向け譜面を削除
超難度の一部タイピングパート
オリジナル曲は優秀
beatmaniaシリーズリンク


概要、特徴

  • 20世紀末から21世紀初頭のタイピングソフトブームに乗って発売されたPCゲーム、『beatmania打!!』シリーズ。
    音ゲーファンの間でも知名度がイマイチだったシリーズであるが、そんな中でのまさかのPS2登場となった。
    • 元祖「beatmania」シリーズを題材としたゲームでは唯一のPS2専用ソフト*1。ただしそのゲーム性は大きく異なる。
  • ゲームモードはホームポジションといったタイピングの基本を学ぶイントロダクション、簡単なキー打ちとリズムゲームを練習するレッスンモード、そしてメインとなる音ゲーモードの3つ。
    • 音ゲーモードはキーボードを使った27鍵の音ゲーであるほか、曲の途中で突入するタイピングパートでは流れてくる文章を時間内に入力する必要がある。基本的なシステムはシリーズ一作目の記事を参照のこと。
    • インターフェース等はシリーズ二作目の『beatmania BEST打!! 』から流用されており、ほぼ同一のものになっている。
  • コナミUSBキーボード対応ソフトの第一弾として発売され、通常版および廉価版のいずれにもキーボードが同梱されている。
    • しかしこのキーボードおよび本作の仕様は難点が多々あるものであった。詳細は後述。

評価点

  • 『beatmania打!!』と『beatmania BEST打!!』から1曲を除いてほぼ全曲が収録された上で独自の追加曲もあり、シリーズの決定版といえるラインナップになっている。
  • 本作のオリジナル曲はbeatmaniaシリーズの作曲陣によるものではないが、その質は高い。
    • 収録曲はbeatmaniaシリーズの人気曲のスペシャルバージョン*2が中心だが、その中に混じっても問題ない完成度である。
    • 「TSUNAMI」や「恋愛レボリューション21」など、版権曲のインストアレンジも収録。ただしこちらの完成度はばらつきがある。
  • 初心者向けの楽曲も一応は用意されており、レッスンモードを終えたあと何もクリアできないという状況にはなりづらい。
    • もっとも胸を張って「初心者向け」といえる楽曲は1曲しかないのだが……*3
    • また一部の楽曲はタイピングパートの難易度がPC版から調整されている*4
  • グルーヴゲージの上昇量は大きめに設定されており、終了時に赤ゲージに持っていくだけなら理不尽な難易度ではない。
    • しかしそれでクリア扱いになるとは限らないのが本作の一味違うところである。それに関しては問題点で後述。
    • またミスした時のゲージ減少量も相応にかなり大きい。
  • PS2では貴重なタイピング練習ソフトであったこと。
    • 当時は現在ほど一般家庭にパソコンが普及しておらず、タイピングを練習できる環境は限られていた。そのため家庭用ゲーム機でタイピング練習ができる本作はありがたい存在であった。

問題点

  • 『打!!』や『BEST打!!』に存在した問題点の多くが放置されている。
    • 概要で述べたとおりシステム部分はベタ移植に近い内容であり、ノートやタイピングの問題文が見づらい等の難点は本作でも改善されていない。
  • 音ゲーなのに判定がおかしい。
    • 判定ラインの位置がややズレていたPC版に対し、本作では判定がリズムからややズレている仕様になっている。
    • 曲のリズム通りに叩こうとしたらかなり厳しい判定になるが、意識して遅めに叩けば簡単にGREAT判定を出すことが可能。爽快感はない。
  • データをロードするタイミングがおかしく、テンポが悪い。
    • 1回1回のロードはCD-ROMという規格を考慮すればそれほど長くないのだが、随所でロードが挟まるためゲーム全体の快適性を損なっている。
    • 代表的なのが曲セレクト画面で、楽曲プレビュー等がないにもかかわらずリストを1曲スクロールするのに1秒近くかかるため選曲に非常に時間がかかってしまう。
      • 細かくロードするのはPC版でも同様なのだが、特に違和感を覚えるレベルではなかった。その仕様を家庭用ゲーム機にそのまま持ってきたために起きた問題。
  • キーボードに関連する問題
    • 本作は上述のとおりキーボードが同梱されているのだが、なんとこの専用キーボード以外ではゲームが起動しないという仕様になっている。恐らく本作最大の問題点。
    • そのキーボードも質が高いとはとてもいえず、かなりキーを叩きづらいうえ壊れやすい。そのためゲーム部分が余計に難しくなってしまっており、キーボードが壊れてしまったら本作ごと買い直すしかない。
      • 当時はこのキーボードを単品で発売する予定もあったのだが、結局発売されることはなかった。
      • 現在の中古市場ではキーボード欠品の本作が二束三文で投げ売りされている。もし今から本作を遊ぶのであれば、必ずキーボードありのものを購入しなくてはならない。
    • キーボードの品質に関しては製造コストなどの都合で仕方なかった面もあるだろうが、せめて普通のUSBキーボードでも起動できるようにしておけばまだ許容できただろう。
  • 『BEST打!!』に存在した初心者向け譜面を削除
    • 難易度の高さに対してレッスンモードの内容が不十分な本シリーズであるが、『BEST打!!』では楽曲にNORMAL・EXPERTの二種類の譜面を用意することで様々な層のプレイヤーへの歩み寄りを試みていた。
      しかし『打!!』には譜面が一種類しか存在しなかったため、これらの楽曲が一堂に会する本作では『BEST打!!』の楽曲から一律NORMAL譜面が削除された。
      • 『BEST打!!』のEXPERT譜面はNORMAL譜面よりもかなり難しく作られているため、必然的に本作の難易度も跳ね上がることに……。
        レッスンモードを何とか終えたばかりの初心者では、恐らくすぐに躓いてしまうだろう。
  • 恐ろしく難易度の高い一部楽曲のタイピングパート
    • このゲームではグルーヴゲージが一定量に達していてもタイピングパートの成績が良くない*5クリア扱いにならないという仕様になっている。
      その場合「CLEAR」と表示されはするのだが実際は失敗扱い*6で、スコアも記録されない。そのため「タイピングが苦手なのを音ゲーで補う」というような遊び方はできない。
      • これは『BEST打!!』でも同じ仕様だったのだが、こちらは上述の難易度選択や程よい長さの問題文、何より使い慣れたキーボードを使えるという点から大きな問題にはならなかった。
    • しかし本作ではBPM*7に対して問題の文章量がかなり長めになっており、一部の楽曲ではコンピュータによるデモプレイでもCOOL判定*8ギリギリ、場合によっては取り逃すという恐ろしい難易度になってしまっている。
      • OK判定の猶予はCOOL判定の倍しかない。つまり、文章が見える前から超高速でタイプするデモプレイの1/2程度のスピードで入力できなければMISSになるということ。
        これを扱いづらい専用キーボードでやるとなると見た目以上の難易度。
      • 本作では『打!!』『BEST打!!』から一部楽曲のBPMが変更されている*9のだが、それに対する文章量の調整不足が原因。
    • 全曲クリアすることで常駐する隠し曲もあるのだが、音ゲーとタイピングの両方を高いレベルでこなさなくてはいけないため、その達成は困難を極める。
      • 救済措置として隠しコマンドでも隠し曲を遊べるのだが、そのコマンドが非常に長いうえ、一度タイトル画面に戻ると再び入力し直さなくてはならない。
  • 問題文のテキスト編集機能とインターネットランキングが『BEST打!!』から削除された。
    • これらは対応ハードの違いから致し方ないだろう。
  • 『打!!』に収録されていた唯一のオリジナル曲「Beauty and The KUMA-SAN (Synth Junkie Mix)」のみ未収録。
    • また、派生作である『pop'n music打!!』の曲も無いが、こちらは仕方ないと思われる。

総評

  • ただでさえ難易度の高いPC版をさらに難しくし、音ゲーやタイピングの初心者の救済要素も削ってしまった一作。
    難しい楽曲が存在するだけなら他の音ゲーと同様なのだが、本作はゲーム全体のバランス調整を誤ったと言わざるをえないだろう。
    キーボードの仕様も足を引っ張り、本作はBEMANIシリーズの歴史の影に葬られていった。
  • しかし初代beatmaniaシリーズの名曲たちは魅力的であるし、現在も本作でしか遊べない楽曲も存在する。高難易度の譜面やタイピングに慣れている現代の音ゲーマーなら挑戦してみてもいいかもしれない。

参考動画

+ プレイ動画。本作の難易度を垣間見ることができる。
デモプレイ動画。難易度の低い順にプレイしているのだが、2曲目の時点で容赦のないラス殺しが。
こちらは難易度が高い楽曲群のデモプレイ。AUTOさんの敗北は音ゲーでは貴重。