ナムコミュージアム
【なむこみゅーじあむ】
| ジャンル | バラエティ |  | 
| 対応機種 | Nintendo Switch | 
| メディア | ダウンロード専売ソフト | 
| 発売元 | バンダイナムコエンターテインメント | 
| 開発元 | バンダイナムコスタジオ ゴッチテクノロジー
 アイ・ティー・エル
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| 発売日 | 2017年7月28日 | 
| 定価 | 2,778円 | 
| プレイ人数 | 1~2人 1~4人(パックマンvs.のみ)
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| レーティング | CERO:B(12歳以上対象) | 
| 備考 | パックマンvs.のみ4人対戦は本作か「持ってる人と対戦版」をダウンロードしたもう3台のSwitchが必要 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | 8年ぶりの新作 携帯機デビューを果たした一部の収録作品
 本当の意味で充実したオプション
 完全復活したパックマンvs.
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概要
ナムコのアーケード作品を収録したナムコミュージアム。Nintendo Switch向けのバンダイナムコエンターテインメントの参入『ナムコミュージアム バーチャルアーケード』(Xbox360)から8年の歳月がたち、まさかのNintendo Switchでの復活となった。
同作が移植の連発や2人対戦が出来ない等の要因で炎上した経緯もあって不安視する向きも強かったが、いざ蓋を開けると予想を上回る移植度の高さや便利機能、幻の『パックマンvs.』の復活などの充実した内容で高評価を得た。
収録ラインナップ
※判定は原作のもの。
各タイトル共通の主な特徴
その大半が『アーケードゲームシリーズ』から引き継がれている。
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ランキング
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インターネットに接続した状態で基本標準でプレイからゲームオーバーになるまでハイスコアを超えると記録される。ただし、デフォルト設定から残機追加やエクステンドの変更、ステージ選択等を変更した場合、ランキングに反映されないので注意。
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ノーマルとチャレンジと総合の3つに分かれている。
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プレイヤーの周囲とトップ50のランキングに分かれており、選んだランクユーザーの詳細を見てフレンド申請が出来る。
 
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セーブ/ロード
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レトロゲームの移植作でお馴染みのバックアップ機能。保存内容は設定改変を含む内容に反映される。
 
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画面設定
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「縦位置」、「横位置」、「縦横比」、「拡大縮小」に加えSwitchのディスプレイやテレビに本来の解像度を調整する「ドット固定表示」、ブラウン管の映りを再現した「スキャンライン」、画面を横と逆さまに変更する「画面の90度回転」、2種類のイラストと灰色の壁紙を変更する「背景変更」、ゲーム中に表示される「操作表示」の9種類。そして初期状態に戻す「画面設定リセット」。
 
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ゲーム設定
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共通設定は「HD振動」、「ラウンドセレクト」、「プレイヤーキャラ数」、「難易度」、「セルフテスト画面」。
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一部の設定は『パックマン』は「256面バグ」、『ギャラガ』は「バージョン」等これ以上挙げても切りが無いくらい豊富な内容。
 
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サウンド設定
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音を加工する「音質設定」、残響の時間を調整する「リバーブの長さ」、残響の深さを調整する「リバーブの深さ」、スイッチ本体とは異なる「ゲーム音量」、BGMとSEを聞く事が出来る「サウンドテスト」、メニューのBGMやSEを調整する「メニューBGM音量」と「メニューSE音量」、初期状態に戻す「サウンド設定リセット」。
 
チャレンジモード
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『パックマン』は3分以内にゴーストを連続で食べる。2匹以上連続食いするとボーナスが入る。
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『ギャラガ』は3分以内にキャプチャーされたファイターを救出する。連続で救出するとボーナスが入る。
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『ディグダグ』は3分以内に1つの岩で敵をまとめて潰す。
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『ドルアーガの塔』は厳選された11フロアを最速でクリアする。ヒントもあるが評価が下がる為、ヒントを頼らない様に。
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『スカイキッド』は最終ステージでハイスコアを達成する。きりもみを控えめにすると評価が上がる。
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『ローリングサンダー』は『スカイキッド』と同じく最終ステージでハイスコアを達成する。ダメージを受けないように気を付ける。
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『ギャラガ'88』はトリプルファイターで開始し、ボーナスステージをすべてクリアする。ステージが進むにつれて、デュアル、シングルに退化する。
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『スプラッターハウス』は5分以内にステージ5でハイスコアを達成する。『ローリングサンダー』と同じくダメージを受けないように気を付ける。
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『タンクフォース』は3分以内にステージ29で無限に出現する敵をハイスコアを達成する。
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『ローリングサンダー2』は3分以内に最終ステージでハイスコアを達成する。前作同様ダメージを受けないように気を付ける。
パックマンvs.の変更点
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Switch1台だけで遊べる様にゴースト役は1人から3人まで遊べる様に変更。ただし、プレイヤーはパックマンにならない。
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オリジナル版は本作か「持ってる人と対戦版」をダウンロードしたもう1台のSwitchが必要。
評価点
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これ以上に無い程の移植度。
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アーケードアーカイブス等の移植の提供でお馴染みの「ゴッチテクノロジー」が『アーケードゲームシリーズ』のノウハウを生かした為、これまで通りどころかこれ以上に無い程の完成度を誇っている。
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これまでの携帯機では解像度が低くかったためグラフィック周りの再現度が不十分な出来であり、本当の意味での完全移植とは言い難い物となっていたが、Switchの携帯モードの解像度が720pまで上がったこともあり、アーケードの画面をそのまま映し出せるようになった。
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テーブルモードのお陰で2人の協力と交互プレイをSwitch1台だけで手軽に再現できる様になった。
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これまで携帯機では操作性の問題で賛否両論だった縦画面モードは、画面を分離できるSwitch本体の相性が良い。Switchを縦画面環境にしてプレイするプレイヤー向けに他社から縦画面対応スタンド等も発売されている。
 
 
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収録タイトル
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タイトル数自体は10作と多いとは言い難いが、初収録や久しぶりの収録がある。
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『パックマン』はWiiのバーチャルコンソールアーケードに移植されていないため、任天堂据え置き機向けのアーケード準拠の移植は初移植となった。
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『スカイキッド』はPSP版ミュージアムに収録されなかったため、3DSのバーチャルコンソールのファミコン版以来の携帯機の復帰となり、アーケード準拠の移植は初となった(一応Switchは据え置き機カテゴリではあるが)。
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PSPのゲームアーカイブスのPCエンジン版のみが配信された『スプラッターハウス』と『ギャラガ'88』がようやく6年越しの携帯機の復帰となり、アーケード準拠の移植は初となった。
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Wiiのバーチャルコンソールアーケードのみ配信だった『タンクフォース』と『ローリングサンダー2』が再移植され、初のHDハードと携帯機デビューを飾った。
 
 
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豪華なボリューム
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先述通りの完全移植を初め、難易度設定やHD振動、セーブ、中断セーブ、画面設定、サウンド、オンラインランキング、おすそわけプレイ、チャレンジモード等、痒いところに手が届く仕様となっている。
 Switchというハードの仕様を理解し、そして過去の名作たちに愛を持って接した制作陣の本気が窺える。
 
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パックマンvs.関係
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DS版は完全なアレンジだった為評価は良くなかったが、本作収録版はGC版をベースとしている。
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GC版はGBA本体とGBAケーブル、DS版はもう一台のDS本体が無ければ1人では遊べなかった。しかし本作ではSwitch2台で4人分賄え、ソフトは1本のみでよいため、非常に遊びやすくなっている。
 
問題点
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ランキングに不具合があった。
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一部タイトルのランキングスコアにカンスト値が設定されるバグが存在した。
 
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収録タイトル
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久しぶりの移植が多いが、Wiiバーチャルコンソールアーケード配信済みのタイトルがほとんどであり、既視感が強い。
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特に『パックマン』と『ギャラガ』と『ディグダグ』は移植作の皆勤賞である為、呆れたユーザーが多かった。特にPSP版以降のミュージアムシリーズを所持しているプレイヤーはほぼおなじみの面々である。
 
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据え置き機のナムコミュージアムシリーズとしては10作は比較的少ない部類である。シリーズでお馴染みの『ゼビウス』や『マッピー』、『ドラゴンスピリット』、Wii版以来収録されていない『トイポップ』、『アサルト』、『ロンパーズ』、『ナックルヘッズ』と『ホッピングマッピー』等、収録漏れが惜しまれるタイトルもちらほら。
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本作の内容自体は非常に高水準なので、改めて高水準な移植で携帯機で遊べるようになった点である程度はフォローされている。
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また、今の時点ではWiiのバーチャルコンソール自体が終了しているので、改めて配信されたことにも意義はある。
 
 
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収録タイトルのバージョンが噛み合っていない。
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『パックマン』のみ北米版がベースでそれ以外は日本版がベースとなっている。
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『タンクフォース』は幻の4人協力版は未収録。移植元の基板が残っていないと思われる。
 
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設定資料の未収録。
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『アーケードHITS!』以降の据え置き機シリーズから言われているが、相変わらず未収録。
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近年のこの手の復刻タイトルで資料関係が収録されるものが増えているため、本作でも期待があったが残念ながら未実装に終わっている。
 
 
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チャレンジモード
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他のゲームの様に様々なバリエーションがあったのに本作は1作に1種類しかないのが味気ない。
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例えば『パックマン』はゴーストを連続で食べるのみ。「ノーミスでクッキーを食べつくす」や「ボーナスフルーツを1面に2回食べればクリア」等、他に考えられるシチュエーションはあったと思われる。
 
総評
『ナムコミュージアム バーチャルアーケード』の失敗から8年間の間、『アーケードゲームシリーズ』等のノウハウを蓄積してSwitchと言う新天地に歩んだ結果、ナムコミュージアムの頂点に相応しい物となった。特に『パックマンVS.』を日の目を見たことは特筆に値する。
ミュージアム収録の機会に恵まれないタイトルも多いため既にネット配信済みのタイトルが多いことは残念ではあるが、新たな機種で手軽にナムコの往年の名作の数々を高い完成度で遊べる点は高く評価されている。
最終更新:2025年01月19日 12:06