「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「賛否両論ととれる表記に関する是正」「ギャルゲー要素に関する記述の調整」「評価点内の簡潔な文章の補強」です。
モンスターファーム4
【もんすたーふぁーむふぉー】
ジャンル
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育成シミュレーション
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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テクモ
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発売日
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2003年8月14日
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価格
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7,140円(税込)
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レーティング
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CERO:全年齢対象
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廉価版
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PlayStation 2 the Best 2004年2月26日/3,150円(税込)
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判定
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なし
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ポイント
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キモいリアルデザイン 何故かギャルゲー風味 冒険が中心
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モンスターファームシリーズ
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概要
テクモの人気育成シミュレーション『モンスターファーム』シリーズの据え置き4作目。
ナンバリングとしては3作目なのだが、前作『モンスターファーム (PS2)』が『3』にあたるため、こちらは『4』となる。
今までにはなかった5体同時育成や、その他様々な新要素により期待された。
評価点
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OPが歌付き。主題歌は「モーニング娘。」OGである市井紗耶香氏の「4U~ひたすら~」。
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今までは一体ずつしか育成できなかったが本作では五体同時育成が可能。
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これにより自分の好きなモンスターをいっぺんに育てることができた。
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但し、この点はスケジュール管理の難しさなどから賛否両論にもなる点である。
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ガジェットの配置によるカスタマイズはそれなりに面白い。
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戦闘のテンポが『3』に比べて速く、良くなった。また技を出している間は残り時間は止まるがガッツの回復はするので、より多くの打ち合いが出来る。
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属性が追加されたことで戦略の幅が広がった。
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火、水、雷、風等の属性を技に付与することができ(一部付与できないもの、はじめから付与されているものもある)属性によって技の威力、命中率、ガッツダウン率、クリティカル率のいずれかが変動する。
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例えば風属性の場合は命中率と威力が上がり、ガッツダウン率、クリティカル率が下がるといった具合。
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「斬」属性や「叩」属性等も存在し、モンスターごとに耐性もあり、例えば斬耐性が大きいモンスターに斬属性技を打ってもダメージは伸びない。
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「冒険」が劇的に進化。
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従来の作品では、モンスターを動かしてモンスターに探索させるだけだった「冒険」ないし「たんさく」だが、本作では3D空間でプレイヤーキャラクターと共にモンスターが歩き回り、時にモンスターに騎乗して駆け回り、ノラモンは共に冒険へと出撃してきたモンスター達で協力して撃退する事ができる。
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アニメ版を見て憧れていた人も多いであろう、モッチーやスエゾー等の人気モンスターとの冒険、ライガーやドラゴンへの騎乗が本作では実行できるのである。
問題点
モンスター関連
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『3』ではモンスターのグラフィックが子供向けの可愛らしいものだったものが旧来ファンから賛否両論だった為か、本作ではグラフィックがリアル路線に戻った。しかし前作のグラフィックをそのままリアル化したため、「キモくなった」と言う意見が強い。
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また『3』で削除されたモンスター合体も本作で復活したのだが、『2』で可能だった合体のパターンが大幅に削除されている。
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特に酷いのがジョーカー種とヘンガー種で、『2』ではパターンが豊富にあったにもかかわらず、本作では純血種と特殊派生の2パターンしかない。またナーガ種やゲル種なども、『1』からあった合体パターンの殆どが削除された。
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一方でコロペンドラ種は派生パターンがかなり増えている等、不平感が大きい。
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新たに追加された合体パターンも「いくらなんでも無理があるだろ…」としか言えない組み合わせも多い。特にコロペンドラ種がサブのものなど。
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特殊派生に使用できないものや入手困難なものがいくつも存在する。
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ノラモンとして登場する特殊派生は、モンスター甲子園の上位入賞者に図鑑データが配信された。その時の入賞者以外は育成不可能。
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少年ジャンプ・Vジャンプの懸賞で手に入るCDからしか再生できない特殊派生も登場した。
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これらのごく一部のプレイヤーだけが育成できると言う手法が取られたのは本作が初めて。
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また、ライバル専用の特殊派生はプレイヤーは完全に育成不可能。ただしプレイヤーが育成できない敵専用の特殊派生自体は「2」にも10体以上存在したため、本作に限ったことではない。
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隠しモンスター関連
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隠しモンスターの数が四種類と激減した。しかもドラゴンやヘンガーなど初代からの隠しモンスターの代表格は最初から再生、育成可能にもかかわらず、何故かモッチーを隠しモンスターにする意味不明さ。
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モッチーはテレビアニメ版ではメインのモンスターで、本作のOPアニメでもメインで描写されているため、この待遇は不自然である。
戦闘・大会関連
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新システム「カウンター」のおかげで命中、回避のステータスが若干空気に。(カウンターが成功すれば絶対必中、回避不可の攻撃で反撃できる)
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その為、回避特化型のモンスターが不利になってしまった。
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また、攻撃を行うと「反撃されるリスク」を抱えるようになってしまった。
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従来は数種族に自爆技がある程度で、また忠誠度が低いときに確率でスキを見せることはあったが、基本的には攻撃時に大きなリスクと呼べるものは無かった。
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同じボタンで技を選び続けることで「チェインボーナス」が加算されるが、ぶっちゃけ空気。せいぜいカウンターされないようにバラバラのボタンで技を選ぶ程度。
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主人公キャラの追加
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以前のシリーズは主人公=完全なプレイヤーという形だったが、本作では主人公キャラのファンを追加した。
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主人公ファンはストーリー中こそセリフは多いものの、ストーリーをクリアするとイベントがないためセリフがなくなり、従来の主人公と同じようにまったく喋らなくなる。
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大会で戦うライバルモンスターは全作中最多。しかし対戦するのは一回限りに加え、能力値が平均的であまり個性が無く印象に残りにくい。
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優勝してもらえるアイテムが全て餌アイテムのみと個性が無い。前作までは非常にバラエティに富んでいた。
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インビテーションマッチや二大陸対抗戦などの特別試合も無い。
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ただしクチビリーヌ系統だけ能力がやたら個性的。
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大会の空気化。
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本作はシナリオと冒険をメインに据えた作品になっていて、大会の重要性が薄い。従来の段位制は廃止され、「四大大会」も存在しない。
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最高ランクのSランク公式戦を優勝しても特にイベントなどもない。
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モンスターのランクを上げないとパラメータが伸びなくなる。また、序盤のイベントは公式戦に勝利しないと進行しない。
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取って付けたようなこの仕様が大会への参加を強いる事で、育成の自由度を狭めている。四大大会のような目標が無いせいでやらされている感が否めない。
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また、前作までは無条件で公式戦に参加できたのに、本作では公式戦以外の大会で三回以上優勝してからでないと公式戦に参加できない。これをランク上げのたびにやらないといけないので余計に育成が不自由なものに。
その他
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冬眠の大幅劣化。
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『3』までの冬眠はいわゆる「モンスター預け所」のような物で、冬眠と復活が自由にできた。
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しかし本作では一度冬眠させたら二度と復活させることができない。これでは冬眠ではなく永眠である。
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このため本作にはモンスターを預ける場所が無い。つまりファームに最大数育成モンスターがいる状態で円盤石の再生を行いたい場合、必ず一体冬眠させて空きを作らなければならないのである。
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それなのに冬眠できるモンスターの最大数は5体と少ない。冬眠場所が満杯になったら合体で減らすか、削除するしかない。
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ちなみに冬眠のコマンドを選択すると「引退させるモンスターを…」と表記されるためややこしい。そして冷凍させて引退させたモンスターを削除させる際にも「引退させますか」と聞かれるため、「引退させたモンスターをさらに引退させる」ということになり、さらにややこしい。
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週末パートの仕様。
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本作では各週毎に週末パートがあり、その時に大会に出るかアイテム屋などのある街に行くか冒険に行くか決めるため、同じ週に大会とアイテム屋両方に行くことはできない。
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週初めにリオの立ち絵が表示されない。他作品であれば毎週助手がモンスターの体調を教えてくれるなど何らかの形で出てくるが、本作は何らかのイベントが起きないと助手の顔が見れない。
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技習得の仕様。
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技は従来と違い冒険中の戦闘で手に入れた経験値でレベルを上げることで習得する。習得順が決まっているため、「不必要な技は切り捨てて必要な技だけを習得する」ということが出来ない。その為、覚えたい技が高レベル帯にある場合は相当のレベル上げ作業を行わなくてはならない。
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その割にモンスターによっては低レベルの内に強力な技を覚えたり、逆に高レベル帯になるまでパッとしない技しか覚えないモンスターもいる。
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冒険の仕様。
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1回の冒険に掛かる時間は一時間以上となることがザラ。それだけの長丁場にもかかわらず中断セーブはできない。
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スケジュール管理の面倒臭さ。
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従来のように毎週その都度選ぶのではなく、スケジュールを設定し、週を進めることで育成が行われる仕様になっている。事前に数週間分組む事も今週の行動前に組み替える事も可能だが、慣れるまでは設定し忘れ、設定し間違えが起きやすい。トレーニングガジェットを使わせたいモンスターが被るなど管理の困難さもある。
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冬眠が前述の仕様なので、1体ずつ育てて必要な時に起こすと言う事はできない。そのため、3体同時に出撃するためには最低3体を同時に育てなければならない。
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冒険に同時に連れていけるのは3体までのため、4体以上の同時育成の必要性はあまりない。
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クリア後は隠しダンジョンが解禁され強力な裏ボスがいるが、戦闘前後にすら会話シーンなど特にイベントも存在しないため、いまいちやりがいにかける。
謎のギャルゲー要素
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本作のアイテム屋の店員は殆どが女の子で、何回か通うと接客態度が変化し、頬を赤らめ主人公に惚れているような素振りを見せる。
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一応、品物の数が増えるなどの変化があるので、意味がないというわけではない。
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結構な回数通わないといけない上、上記の同じ週に大会とアイテム屋両方に行くことができない仕様もあり、通っている間は中々大会に出られない。
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このようなことから本作は「ギャルゲー」、「女の子の頬を染めるゲーム」と呼ばれることも。
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ちなみに4つある街全てにアイテム屋があるが、そのうち一つだけおばさんが店員の所がある。そこはいくら通ってもおばさんは頬を染めないし品物も増えない。
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頬なんて染めなくていいからせめて常連さんということでサービスぐらいしてくださいおばさん。
バグ
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ED後に入手できる「虹色の円盤石」は???派生の何かが出てくるはずのアイテムなのだが、バグによりゴーレム種の「ガジェッターG」しか出ない。
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使用しているPS2のモデルによっては、EDのスタッフロールを最後まで見るとフリーズが発生する。これが起きてしまう場合、ED後のセーブを行うにはスタッフロールをスキップする必要あり。
総評
『3』をも上回る新要素・変更点の多さで、作品自体が冒険へ旅立っている内容になっていた。
しかしゲーム内容の大幅な変更は、当然のように旧作ファンからは賛否両論という結果に。
冒険に比重を置きすぎてしまってゲームの目標であった名人位獲得を廃止してしまった点も大きい。
しかし、不満点・変な要素は多いが、五体同時育成やタッグ戦・チーム戦、冒険などの新要素を評価する声があるのも事実。
しっかりと煮詰めてさえいれば良い作品になりえたと言え、全体的に勿体無いと感じられる作品である。
批判的な意見が多い本作とはいえ、本作をやり込み楽しんだと言うファンも存在しており、『3』以上にファンの意見が極端に分かれる結果に終わった。
最終更新:2024年05月25日 15:45