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遊☆戯☆王 双六のスゴロク
【ゆうぎおう すごろくのすごろく】
ジャンル
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ボードゲーム
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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発売元
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コナミ
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開発元
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コナミコンピューターエンターテイメント
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発売日
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2004年3月18日
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定価
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5,370円
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判定
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クソゲー
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シリーズファンから不評
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ポイント
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カイバーマン強すぎ 単調かつ無駄にOCG準拠な戦闘 デッキ固定によるワンパターンなシステム 理不尽な運要素 スキルシステムの先駆け
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遊☆戯☆王 関連作品リンク
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概要
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遊戯王シリーズの一つで、タイトルにもあるように主人公・武藤遊戯の祖父「武藤双六」とボードゲームの「スゴロク」を掛けた、ボードゲームを舞台とした作品。
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基本ルールは陣取りボードゲームに近い。サイコロを振って駒を進めていき、出目のマスにモンスターがいれば、手札のモンスターを使って『遊戯王 OCG』(以下OCG)と同じ形式の戦闘を行う。モンスターを撃破できればそのマスを確保でき、また撃破したモンスターのレベル分自分のレベルが上がっていき、自分のレベルが目標値を超えるとクリアとなる。
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また、他プレイヤーが確保しているマスを踏むと、プレイヤー同士での戦闘になる。OCGと同じくライフポイントの概念もあり、0になると脱落となる。
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プレイヤーキャラクターは12人から選択でき、中にはアニメオリジナルキャラや、OCGではモンスターカードであるキャラも存在する。そのキャラクター毎に異なる特殊能力「スーパーパワー」を駆使して逆転されたりしたりと、多彩な駆け引き要素のあるボードゲームとして期待されていたのだが……。
問題点
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ルールがひたすら単調な上にOCGとも乖離している
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このゲーム最大の問題点。根本的なルールが違うといえども、モンスターの設定や戦闘形式がなまじOCG準拠であるために落差が激しい。
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上記の通りモンスター同士の戦闘はOCGとほぼ同じルールだが、要素として存在するのは攻撃力・守備力のみ。OCGで効果モンスターであったとしても本作では「モンスター効果」は存在せず、さらに融合・儀式モンスターだろうと普通に召喚できる仕様となっている。
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他にもペガサスが【骨ネズミ】を4枚入れてたりする
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この割には、レベル5以上のモンスター召喚には生贄(リリース)が必要と半端にOCG準拠な面もある。
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魔法・罠カードも存在せず、どのキャラクターもただモンスターで殴り合うだけのいわゆる【フルモンスター】デッキとなっている。
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ルールは違えど『封印されし記憶』ですら魔法・罠カードの概念は存在したためそれ以下である。さらに言えばゲームボーイで発売された『DM1』ですら、魔法カードは存在していたのだが…。
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手持ちのデッキ内容はキャラ毎に固定されている上、後述するキャラ格差もある。
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もっとも、このシステムでデッキ編集が可能だと、単に強いモンスターをひたすらぶち込むだけのワンパターンデッキ一強なので、一応は「デッキの使い分け」という要素を成り立たせるためにはこれしかなかったと思われる。……根本的にシステム自体がおかしいので、擁護するにも無理矢理だが。
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スゴロクゲームとして見てもマップが狭く、ステージギミックなどもあるとはいえ、ひたすら正方形のマップをぐるぐる回るだけになってしまっている。
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一応、戦闘においては本作独自の「デュエルダイス」のランダム判定で互いに有利・不利効果が起こるようになっているものの、無駄に運要素を増やしていて面倒な印象が強い。
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キャラ毎の強弱の格差
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隠しキャラの一人であるカイバーマンは強力なデッキを持つ上、スーパーパワーに「カイバーマン以外のプレイヤーを一回休み」という実質1ターンに二回行動できる効果を持つため、総合的に最強のキャラとなっている。
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対して闇遊戯はデッキが上級モンスターばかりでスーパーパワーも成功率が低く、不遇な立ち位置に晒されてしまっている。
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また、CPUのプレイヤーキャラはランダムで選択される仕様である。上記のカイバーマンをCPUに選択された場合、スーパーパワーによってほとんど移動できなくなってテンポが悪化し勝利も困難となるなど、ここでも無駄に運が絡む。
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進行役は双六が務めており、プレイヤーキャラクターは余り喋らない。個性的なキャラクター達が登場しているため勿体ないところ。
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ステージ登場もゲーム自体も「運」。
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スゴロクゲームなので当然「運」が必要。一応「Aボタンを連打すると、出やすくなる目」はあるにはあるが所詮「出やすくなるだけ」。つまり運である。
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例えば、「進んだ先に敵モンスターがいて戦闘に入る→レベル5のモンスターを他のモンスターを生贄にして召喚→デュエルダイスの効果により表示形式入れ替えで攻撃失敗→敵モンスターは破壊されず、攻撃を失敗したモンスターは手札に戻る→ただの生贄損に…」という展開も普通に起こりうる。
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1位になると、使用キャラクターに対応する隠しステージが出る可能性もあるが、それも「運」。もし「~が遊べるようになったぜ!」と言わなかった場合、「このキャラでは隠しステージは出ないのか?」と勘違いするかもしれないのに、何故このような仕様になってしまったのか。
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ちなみにあるキャラクターの隠しステージが出た場合「おっ、運がいいみたいだな!」と言われる。……どうやら制作陣も薄々感じていたらしい。
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一応「プレイヤーが必ず最初に行動できる」「勝利条件を設定できる」といった仕様もあるため、勝利条件をレベル1に設定して適当にモンスターを召喚すればすぐに勝てる…が、作業感が強すぎる。
評価点
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プレイヤーキャラクターが豊富かつ、チョイスも個性的。
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OCGではモンスターカードであり、原作でも高い人気を誇る《ブラック・マジシャン・ガール》をプレイヤーとして使用できる。上記のカイバーマンも、OCGでモンスターカード《正義の味方 カイバーマン》として登場している。
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この他、アニメオリジナルキャラであるレベッカや、王国編や記憶編でのラスボスであるペガサスや闇バクラもプレイヤーに選択可能。特にレベッカが登場するゲームは貴重である。
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問題点で挙げた通りキャラクターが喋らないので魅力を潰してしまっているが、デフォルメされているので見た目の可愛らしさはなかなか。
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未OCGカードが使用できる。
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中でもアニメオリジナルストーリー「ドーマ編」で登場したカードが収録されているという点は評価できる。「ドーマ編」のカードは独特の効果を持つものが多く、当時はOCG化されていないカードも多かったためである。
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もっとも、前述のように本作では肝心のモンスター効果と魔法・罠カードが存在しないため、素直に評価し難い点でもあるが…。
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スーパーパワーも非常に個性的。
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フィールド上のモンスター1体を一定の確率で自分のモンスターにできる《心変わり》を使う遊戯、ダイス振りなおしを行う城之内、無理矢理ルールを変更させてしまう双六、自分の代わりに師匠に戦わせるブラック・マジシャン・ガール等個性豊か。
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ネタ要素も満載。
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例えば双六がスカカードでおなじみの《偽物のわな》のポーズをそのまま取ったりと、OCGプレイヤーをニヤリとさせる面も用意されている。
賛否両論点
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キャラクターの人選
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前述のようにレベッカがプレイヤーキャラとして使用できる一方で、ヒロインの杏子やバトルシティ編で印象的であったマリクなどが登場していない。
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パッケージにも描かれている闇遊戯は隠しキャラ扱いで最初から使用できない。
総評
魅力的なキャラクターと「遊☆戯☆王」をスゴロクゲームにする、というアイデアあふれる一作だが、中途半端なボードマップや理不尽な運要素に単調なシステム、そしてデッキ内容は固定、魔法と罠とモンスター効果を撤廃するといったOCGからのシステム改悪がシリーズファンの不評を買ってしまった。
単純なスゴロクゲームとして見れば『人生ゲーム ハッピーファミリー』よりも明らかに完成度は低い。
その一方で個性的な要素はいくつか評価されており、「スーパーパワー」は後の『デュエルリンクス』や『遊☆戯☆王VRAINS』のスキルシステムの原型…と言えなくもない。
余談
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「モンスターのみでデュエルする」といういわゆる【フルモンスター】デッキは、近年のゲーム作品での制限デュエルの他、初代での初期の城之内やダイナソー竜崎、ARC-Vの権現坂昇が使用していた。
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ただし、城之内は初心者故、権現坂は使用する【超重武者】のモンスター効果を最大限に発揮するためというきちんとした理由づけがされている。
竜崎に関しては特に理由づけがなく、後のアニメ内では魔法・罠も使用しているため、原作でたまたま使用描写がなかっただけとも思われる。
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後に登場した『TFSP』での双六のデッキ名の一つに本作のタイトルが用いられているほか、『NT』には本作のBGMが収録されている。
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Nintendo Switch/Steamで2025年2月27日に『遊戯王 アーリーデイズコレクション』が発売。本作が収録されている。
最終更新:2025年03月01日 02:02