ASTRO BOT:RESCUE MISSION
【あすとろぼっと れすきゅーみっしょん】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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PlayStation 4
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発売元
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ソニー・インタラクティブエンタテインメント
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開発元
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SIEジャパンスタジオ
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発売日
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2018年10月4日
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定価
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4,900円(税別)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:A (全年齢対象)
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廉価版
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Value Selection:2020年2月14日/2,900円(税別)
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判定
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良作
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備考
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PlayStation VR専用ソフト
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PlayStation Studios作品
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概要
SIEから発売されたPSVR専用ソフト。
本作はPSVRの無料ソフト『THE PLAYROOM VR』に収録されていた3Dアクションゲーム「ROBOT RESCUE」が元となっている。
特徴
プレイヤーは3人称視点で主人公である「アストロ」を操作してステージを攻略していき、仲間である「ボット」を助け出していく。
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アストロの操作方法
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アナログスティックで移動。
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×ボタンでジャンプ。空中で×ボタン長押しでレーザーで一定時間浮遊可能。レーザーにも攻撃判定がある。
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□ボタンでパンチ(攻撃)。□ボタン長押しから離すと溜め攻撃が可能。
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アストロにライフや体力はなくダメージを受けると即ミスとなる。
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ただしボス戦ではアストロにハートが2つ付き、2回までダメージを受けても平気になるようになる。
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ステージ構成は手前から奥へと進んでいく形となっている。
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同じソニー発売のゲームで例えるなら『クラッシュ・バンディクー』みたいな感じと言えばわかりやすいか。
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ステージ中には各所にボットが隠れている。
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ボスステージに挑むには一定数以上のボットが必要なので、基本的にはステージを探索して助け出していくことになる。
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他にもステージには「スペースカメレオン」が隠れており、見つけ出すとチャレンジステージに挑戦できるようになる。
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そのほかにもコントローラーを利用したアクションもある。
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デュアルショック4のタッチパネルを使ってフック付きのロープを伸ばしたり、水鉄砲を発射したり、手裏剣を投げたりすることもある。
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ステージ中に集めたコインはアストロ号で消費してクレーンゲームを遊ぶことができる。
評価点
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VRの特性とコントローラーを駆使したギミックの数々
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本作は単に3DアクションをVR視点で遊べるだけのゲームではなく、敵が視界を遮る攻撃をしてきたり、頭をぶつけて破壊するなどVRであることを生かしたギミックが多数用意されている。
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『スーパーマリオ64』で例えると、アストロがマリオだとすれば、プレイヤーはジュゲムとなる。その為、アストロが前に進めばカメラもそれを追って前進していくが、周囲はプレイヤーが首を振って実際に確認していくようになっている。
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例えば奥を覗き込んだら道があったり、下を見たら縦穴の下に道が続いていたり、といった感じ。ステージ中に隠れているカメレオンはカメラをそっちの方向に向けなければ発見したことにならない等、プレイヤーが自然にVR空間を隅々まで見渡すような設計が為されているのが特徴。
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デュアルショック4のコントローラーがゲーム中にも出てきて、タッチパネルを使用したアクションもあるなどPS4・PSVRの特性を存分に活用した作りとなっている。
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3Dアクション初心者にもやさしい仕様
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浮遊中はレーザーで着地地点にガイドが出るので、3Dアクションゲーム初心者にありがちな「ジャンプ中に敵や地形との距離感がつかみづらい」といったことを軽減している。
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他にも一部の細い足場ではスティックを倒しただけでは落ちないなど初心者への配慮がある。
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残機とゲームオーバーの概念もなく、ミスしても中間地点から何度でもやり直せる。
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一度助け出したボットや見つけたスペースカメレオンはミスしても助けたことや見つけたことが残るのでミスに対するプレッシャーも少ない。
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これらの記述だけを見ると難易度は低いと思われるかもしれないが、ボス戦以外ではダメージを受けると即ミスなのでゲームバランスはちゃんと取れている。
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またタイムアタック要素があるチャレンジステージも用意されているので、3Dアクションが得意な人にも満足できる内容となっている。
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非常にキュートなアストロとボット達
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プレイヤーが操作するアストロは、ステージの開始前にコントローラーに入り込んでから手を振ってくるのをはじめ、こちらに顔を向けている時、水中でカメラになっているプレイヤーの顔にへばりついた時、ステージクリア時等、事あるごとにプレイヤーに対して笑顔で手を振ってくれてとても可愛い。
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また各エリアのボスは非常に大型で迫力があり、「巨大な敵に対して挑む小さなアストロとプレイヤー」という構図が盛り上げとアストロへの感情移入に一役買っている。ゲームを進めれば進める程、アストロへの愛着はどんどん湧いていくことだろう。
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救出対象であるボット達はステージの様々な場所に隠れているが、その待ち方が非常に多彩。釣られていたり高い所から降りられなくなったり、バカンスに興じていたりコスプレしていたりと、とにかく個性的で単なる救出対象に留まらない存在感を放っている。その為、この手のゲームによくある作業感は薄く、「次に助けるボットはどんな風に待っているのだろう」という楽しみに繋がっている。それだけに、一度救出してしまうとそのセーブデータの中ではシルバーコインに置き換えられ二度と見られなくなってしまうのが惜しい。
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更に助けたボット達は母艦の中に待機している。最初は少ないが、ステージが進めば進むほどその数は当然増えていく。100人を超えるボット達に出迎えられるのは圧巻の一言。
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多彩なステージの数々
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基本となるエリアは全部で5つあるが、各エリアには統一性はあまりなく、1ステージごとに全く異なるシチュエーションでの冒険が待っている。
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嵐の中、海中探検、暗い洞窟、雲より高い空の上、和風な屋敷等々、とにかくシチュエーションは多種多彩で先へ進むのを飽きさせない。
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それでいてVR酔いへの配慮も怠っておらず、極一部の箇所を除いてVR酔いが発生することは殆どない。
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1ステージの長さもそこまで長いものではなく、数十分あればボットを探しながらの初プレイでもクリア出来る程度。VRゲームという通常よりプレイヤーへの負担が大きい部分も考慮されている。
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やり込み要素もある。
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特徴に書いたクレーンゲーム、スペースカメレオン、チャレンジステージといったやり込み要素もあり、PSVRのゲームにありがちなボリューム不足感を解消している。
賛否両論点
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一部見づらい地形やギミック
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本作ではVRという特性上「カメラ=プレイヤーの視点」となっているのだが、時には体を前方向へと倒して横から覗き込んだり、真後ろを向かないといけない状況を強いられることもある。
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助ける必要があるボットたちは意外なところに隠れていることもあり、しっかりとステージを見回さないと見落としてしまいやすい。
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VRならではの特性を生かしているとも言えるのだが、アクションゲームとしては少々面倒に感じることもある。
問題点
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一旦前へ進むと後ろに引き返せない。
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本作では一度前方に進むと引き返しても視点が後ろに下がらないという仕様になっている。
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またステージも一度前へと進むと出口が閉じていたり、足場が無くなっていたりして一方通行になっていることも多々ある。
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そのためボットを見つけて助け出す、スペースカメレオンを見つけ出すといったやり込み要素を攻略する際には慎重に前へと進まなくてはならない。
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細かい劣化点ではあるが『THE PLAYROOM VR』の「ROBOT RESCUE」では2人プレイができたのだが、本作では1人プレイ専用ゲームとなっている。
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『THE PLAYROOM VR』は多人数プレイに趣を置いたパーティーゲームなので、比較するのも間違いかもしれないが。
総評
PSVRとPS4の特徴を存分に活用した傑作3Dアクションゲーム。
タッチパネルやVRヘッドセットを利用したアクションは他の3Dアクションゲームには無い新鮮な感覚を与えてくれる。
VR=一人称視点という固定観念を持たれやすいが、このゲームはVRと三人称視点の相性も抜群であることを証明しており、PSVRにおける最高峰のゲームの一本であることは間違いない。
PSVRを持っているのであれば是非とも遊んでほしいが、3Dアクションが苦手な方はまず無料でダウンロードできる体験版か『THE PLAYROOM VR』の「ROBOT RESCUE」を遊んでみて楽しめるかどうか判断してほしい。
余談
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国内だけに留まらず海外でも軒並み評価は高く、「The Game Awards 2018」では「BEST VR/AR Game」を受賞している。
最終更新:2024年11月18日 06:01