このページではニンテンドー3DSのジャケットソフト『アトリエ デコ ラ ドール コレクション』
及びダウンロード専売ソフト『きせかえ人形 アトリエ デコ ラ ドール コレクション』の紹介をしています。
前者はクソゲー判定、後者は判定なしとなります。
アトリエ デコ ラ ドール コレクション
【あとりえ でこ ら どーる これくしょん】
ジャンル
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ドレスアップ & デコレーション
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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メディア
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3DSカード
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発売元
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スターフィッシュ・エスディ
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開発元
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メビウス
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配信開始日
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2015年4月22日
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定価
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3,500円(税抜)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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10箇所・任意セーブ方式
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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2015年クソゲーオブザイヤー携帯機部門次点
DSiウェア版シリーズの着せ替えオムニバス集 着せ替えゲームとしてはごく平凡な出来 理解不能な値上げ販売
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クソゲーオブザイヤー関連作品一覧
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概要
スターフィッシュ・エスディがDSiウェアソフトとして配信していた女の子向けゲーム『アトリエ デコ ラ ドールシリーズ』を1本にまとめたニンテンドー3DSソフト。
ジャンルとしては女の子の姿をした「ドール」にファッションの着せ替えを行っていくゲームに該当するが、何かの目標を目指すゲーム性は含まれていない。
ゲームルール
DSiウェア版の収録テーマである「プリティ」「ゴシック」「ロリータ」「プリンセス」「アンティーク」の5種類を選んでプレイしていく。
原則としてタッチ関連のみの操作となるが、カメラ機能による撮影だけはボタン操作となる。
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ゲームの流れ
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ドールの着せ替えのデザインを自由に行える。それ以上のシステムは特にない。
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まずは上記の5種類のテーマを選び、その中から髪型や服装などの素材を組み合わせてデザイン完了。1体のドールに違うテーマの素材を組み合わせる事はできない。
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素材によっては組み合わせ不可能なものがある。また、服装との組み合わせによって選択できるアイテムに変化が生じる場合もある。
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ドールの着せ替えを行った後は、画面全体を飾るデコレーションのデザインを行う。
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背景やフレームの設定、さらにはペンやシールを用いた落書きが可能。3DS本体のカメラ機能で撮影した写真を背景にできる。
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セーブデータに保存した2体以上のドールを並べられる。別テーマのドール同士を並べさせる事も可能。さらにはドールの配置調整・3段階の拡大縮小・回転表示もできる。
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デコレーションで使用できる素材は最大で8回までという制限がある。背景とフレームは各1つしか選択できないので、素材の大多数は落書きとドールに充てる事となる。
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以下、選択できる素材を表記する。
+
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ドールの素材
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ドールの素材
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ヘアスタイル
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ドールの髪型の選択。全テーマに存在。
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ヘアアクセサリー
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ドールの髪に飾るアクセサリーの選択。全テーマに存在。
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メイク
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ドールの目の選択。ゴシック・ロリータ専用。
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ドレス
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全身に着るドレスの選択。全テーマに存在。
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ジャケット
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上半身に着るジャケットの選択。プリティ・ゴシック・ロリータ・アンティーク専用。
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トップス
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上半身に着るトップスの選択。ゴシック・ロリータ専用。
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ボトムス
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下半身に着るボトムスの選択。ゴシック・ロリータ専用
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靴
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靴の選択。プリティ・ゴシック・ロリータ・アンティーク専用。
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アクセサリー
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ドール全身に飾るアクセサリーの選択。プリティ・プリンセス専用。
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アイテム
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バッグなどのアイテムの選択。ゴシック・ロリータ・プリンセス・アンティーク専用。
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デコレーションの素材
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背景
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画面の大部分を占める背景の選択。もしくは3DSのカメラ機能で撮影した写真を背景にする。
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フレーム
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画面の端に表示するフレームの選択。
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落書き
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手書き入力ができるペン・及び画面内のどこかに貼れるシールの選択。
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ドール
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セーブデータに保存したドールを複数配置する。
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セーブデータについて
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本作におけるセーブデータは「ドール用」と「デコレーション用」が別で用意されている。
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ドールの着せ替えを単独で行いたい場合はドール用を、デコレーションで画面全体を使用したデザインを行う場合はデコレーション用のセーブデータを使用する。
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デコレーションのセーブデータはニンテンドー3DSカメラの画像データと共有している。保存できるデータはカメラ側の容量が許す限りとなる。
評価点
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着せ替えゲームとしてはごく平凡な出来
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ジャンル上で破綻している面やシステム上の不備は特になく、純粋なる着せ替えゲームとしては無難に遊べる。
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そもそもDSiウェア版をほぼ忠実に移植したゲームなので、遊び方自体に大きな差はない。素材を選んでドールをデザインしていくだけの分かりやすい内容である。
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元々安価販売のシリーズなので1テーマあたりの素材はこの手のゲームにしてはあまり多くないが、テーマが5つ収録されているのでかき集めればそれなりの素材数ではある。
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可愛らしい素材の数々
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ドールやデコレーションの素材は女の子が好みそうな可愛らしいものが揃っている。
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王道な少女漫画風の素材が中心で、同時期にリリースされた着せ替えゲームとはまた違った印象がある。そこに魅力を感じるならば触れておきたいゲームかもしれない。
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デコレーションの多彩性
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デザインの仕方によっては割と多彩なデコレーションが行える。
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違うテーマの着せ替えを行ったドール同士の複数配置やドールの拡大縮小回転を駆使する事で、「印象に違うドールの並び」や「遠近法や意外性のある表現」ができる。
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背景・フレーム・落書きの種類はそこそこ豊富で、先述のドールを組み合わせると多種多様な表現が可能。センス次第で色々なバリエーションのデザインが生み出せる。
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電子説明書にはデコレーションのデザインの一例が表示されているが、「ここまでできるのか」と思える程に華やかなデザインがなされている。
問題点
元々ドールを着せ替えて遊ぶ事に特化したゲームなので、「ゲーム性がない」という点には触れないものとする。
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値上げ同然の販売価格
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DSiウェア版から新テーマが追加されていないにもかかわらず、DSiウェア版を全買いするよりも価格が高い。
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DSiウェア版は1作あたり500円相当の価格なので、それを全買いすると2,500円相当の価格となる計算となる。
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しかし本作は発売当初の8%税込で3,780円であり、DSiウェア版の全買いよりも1,280円も高く付く。明らかに価格設定がおかしい。
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3DS版の新要素もあるにはあるが、「ドールの拡大縮小などの調整」「カメラ撮影による背景取り込み」「セーブデータの増加」など新要素としては弱いものばかり。
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ドールの着せ替えの制限が多すぎる
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1体のドールに違うテーマの素材を着せ替えられないので、必然的に素材の組み合わせが限られてくる。
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せっかく5種類のテーマが収録されているのに、それらの組み合わせができないのはかなり疑問。組み合わせると何か不具合でも起きるのだろうか?
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テーマによっては存在しない素材があり、より創作性を狭めている。
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メイク(目)がゴシックとロリータしか存在しない。そもそも目の選択は着せ替えですらない上に、すべてのテーマにあって当然な素材なはずなのだが…。
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プリンセスには靴の素材が存在しない。プリンセスはドレスがひと際目立つテーマではあるが、だからといって靴の素材を省く必要はないはずである。
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ドールのポーズや動きの指定ができない
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ドールのポーズを自由に変えられる機能がないので、いくら素材を組み合わせようが似たようなポーズになりがち。
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一応は着せ替えた服装によっては手足のポーズが気持ち程度に変わるが、ほとんど気休め程度の変化でしかなくバリエーションの増加には結びついていない。
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静止画専用でドールを動かしていくシステムが全くなく、終始動きのない絵を鑑賞するだけである。
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着せ替えゲーム特化なので致し方がない面もあるが、着せ替えしたキャラが動くのが当然な近年のファッションゲームに比べるとあまりにも退屈すぎる。
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セーブデータ数の少なさ
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10箇所しかドールの保存ができないので、すぐにセーブ領域が枯渇するのは目に見えている。
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3DSカメラの写真データの保存状況によっては、デコレーション側のセーブデータにも限りが出てくるのでさらに厄介な事になる。
総評
着せ替えゲームとしてはごく平凡な出来としかいい様がなく、ただひたすらにドールを着せ替えて遊ぶものと割り切れば決して酷いものではない。
しかし、DSiウェア版を全買いするよりも明らかに割高な販売価格や、目ぼしい新要素がほとんどない点など、発売の需要がいまいち見えてこない今更感は非常に大きい。
わずか10か月後に下記のダウンロード版が配信され、今となっては本作を購入する意味が全くない。ここまで分かりやすい誰得ゲーは極めて珍しいのではないだろうか。
余談
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クソゲーオブザイヤーの2015年度携帯機部門のノミネート作の1つである。
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「DSiウェア版からろくな新要素も加えず値上げ同然で発売」「価格不相当なボリュームの薄さ」「無駄に制約が多く自由度が低い」という点が指摘されている。
きせかえ人形 アトリエ デコ ラ ドール コレクション
【きせかえにんぎょう あとりえ でこ ら どーる これくしょん】
ジャンル
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ドレスアップ & デコレーション
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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メディア
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ダウンロード専売
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発売元
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スターフィッシュ・エスディ
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開発元
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メビウス
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配信開始日
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2016年2月10日
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定価
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500円 |
プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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30箇所・任意セーブ方式
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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ポイント
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大幅に値下げされたダウンロード版 ドールの一部素材に色選択可能に。
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概要(着せ替え人形)
『アトリエ デコ ラ ドール コレクション』(以下:ジャケット版)をダウンロード専売向けに発売したソフト。
単なるDLソフトではなく新要素が加えられており、事実上のジャケット版のアッパーバージョンである。
ジャケット版からの変更点
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販売価格が大幅に引き下げられた(ジャケット版の7分の1以下)。
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ドールを保存できるセーブデータが30箇所に増加(ジャケット版の3倍)。
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ドールの一部素材に色選択ができる。選択できる色はすべての素材共通で12色(濃い色と薄い色が6色ずつ)。
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対応素材は「ヘアスタイル」「ドレス」「ジャケット」「トップス」「ボトムス」「靴」が対象。
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デコレーションの背景の素材が増えた。
評価点(着せ替え人形)
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販売価格の大幅値下げ
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ジャケット版を購入するよりも7分の1以下の出費で済み、かなりお手軽に購入できる。
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しかしジャケット版購入者に対するフォローはされておらず、本作をプレイしたければ再度購入しなくてはならないという問題がある。
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創作の自由度の増強
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ジャケット版ではできなかったドールの一部素材の色選択が行えるようになったため、着せ替えのバリエーションが大きく増した。
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これにより創作次第ではカラフルかつグラデーションやアクセントが引き立つデザインが行いやすくなっている。
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背景の種類も増したので、デコレーションの仕上げの幅も広がっている。
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セーブ数の増加
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ドールのセーブデータ数がジャケット版の3倍増しになっており、セーブ領域にある程度の余裕ができた。
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しかし、この手のゲームでセーブデータ30箇所というのはあまり多くはないのが実情である。
問題点(着せ替え人形)
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評価点で表記した改善以外は、ジャケット版の問題点がそのまま本作にも当てはまる。依然として創作に関する制限が多いので、ジャケット版よりはマシになった程度。
総評(着せ替え人形)
販売価格の大幅値下げやジャケット版からの新要素の追加もあり、今購入するなら本作一択で問題はない。
着せ替えゲームとしては無難に遊べるので、そこまで大きなものを求めないのであれば購入する価値はあると思われる。
最終更新:2022年09月09日 08:26