グローランサーII The sense of justice

【ぐろーらんさーつー ざ せんすおぶじゃすてぃす】

ジャンル ノンストップドラマチックRPG
(シミュレーションRPG)

対応機種 プレイステーション2
メディア CD-ROM 1枚
発売元 アトラス
開発元 キャリアソフト
発売日 2001年7月26日
定価 7,140円(税込)
判定 なし
ポイント 喋る主人公と妖精不在
戦闘は進化
しかし他は退化
IIと言うファンディスク
グローランサーシリーズリンク


ストーリー

ヴェンツェルが時空制御塔を占領し人類の支配を行おうとした、あの事件(前作の物語)から1年…。世界には平和な時が流れていた。
あの激動を生きのび、騎士の称号を手にしたバーンシュタインの若者ウェイン・クルーズとマクシミリアン・シュナイダーは
互いの目標を成し遂げるため、それぞれの道を歩んでいた。

ある日、第二師団に籍を置き、インペリアル・ナイトを目指すウェインは
軍を退役して政治の道へと進んだ親友シュナイダーの呼び出しを受ける。
ランザックとの国境沿いに出没する武装集団による被害を調査するという何の変哲もない任務だ。
ウェインは二人の供と調査に向かう。これが自分たちの運命をかえるべき事件になるとは知らずに…。
(公式サイトより抜粋)

概要

ドラマチックが止まらないストーリー展開、リアルタイムストラテジーとRPGを融合させたようなシステムで好評を博した『グローランサー』の続編。
前作の1年後*1を舞台に新たなキャラクター達による物語が描かれる。

特徴

  • 前作からはあらゆる点が様変わりしており、別作品と言ってもいいほどの変容を遂げている。
  • 戦闘システムの変化
    • 前作から引き続き採用されたRMC(リアルタイムミッションクリア)システムは様々な新要素が盛り込まれている。
    • 前作にあった武器とアクセサリーは廃止され、武器は各々の得意武器へと姿を変える魔法のリング「リング=ウェポン」に統一され、更にリング=ウェポンに装着する「精霊石」が登場した。
    • リング=ウェポンは例えば「幸運な戦士のグラン」のように「◯◯な◯◯の◯◯」の単語の組み合わせで膨大な種類が存在し、それぞれ装備者のパラメーターを上げる効果がある。装備者に応じて形状が変わる為、メンバー間で付け替えが可能。
      • ショップで購入はできず、「リング=ウェポンで血を流す事によって新たなリングが生まれる」という設定により、敵を倒した際にランダムで手に入る。また、「流す血が強者のものであるほど生まれるリングも強力になる」為、強い敵ほど強いリングが手に入りやすい。
      • ちなみに魔法で倒しても手に入る。リング=ウェポンで血流してないじゃん。
    • 精霊石は属性の付加、魔法レベルを底上げ、レベルアップ時の成長ボーナスなど様々な効果を持つ装備品でアクセサリーに相当する。リング=ウェポンの三つの穴に装着する形になるので、一度に3個まで装備可能。
      • 但し、精霊石にはレベルが、リング=ウェポンには制御力があり、制御力の範囲内のレベルの精霊石しか装備ができない。例えば制御力が「4-3-1」のリングだった場合は装備可能な精霊石は装備欄の上から順にLV4まで、LV3まで、LV1のみ、となる。尚、制御力が0の部分には精霊石は装備できない。
      • パラメーターが高くとも制御力が低かったりその逆だったりとリングの性能は千差万別であり、装備のカスタマイズ性が格段に上昇した。
    • 今回からイベント戦闘は「ミッション」として扱われ、敵の撃破やマップの離脱と言った勝利条件以外にもミッション毎に達成項目が設定されている。
      • それらを完全に満たして勝利すると「Mission Complete」、完璧ではないが無難に満たした場合は「Mission Clear」、条件がろくに達成できず辛うじて勝利した場合は「Mission Failed」と判定が下され、良い結果ほど経験値や報酬が良くなる。「Mission Complete」だと僅かながら仲間の好感度も上昇する。
      • 例えば民間人や友軍に被害を出さなかったか、撤退する敵を逃さず全滅させたか、宝箱を全て回収して勝利したか、など様々な条件がある。これらは勝敗条件一覧には表示されない。
      • また、今回の独自要素として主人公の評価値があり、高ければより高位の騎士になったり別ルートにスカウトされるようになる。途中の行動の他、ミッションの結果でも変動するのでなるべく高評価を狙いたい。
  • シナリオ分岐
    • 本作では主人公の選択によって加担する勢力が変わり、それに応じてシナリオ展開も全く違うものになる。
    • バーンシュタインの軍人として戦うルートが本作の正規ルートだが、途中でバーンシュタインを裏切って敵対勢力に就く事も可能。前作で救った世界を荒らすような真似ができ、嘗ての仲間と敵対する事もある。但し、キャラ毎のエンディングを迎えられるのは正規ルートのみ。
      • 別ルートは本作の主要敵勢力に寝返る「傭兵王国ルート」と、ラスボスに加担する「言霊の面(洗脳)ルート」。前者はパーティメンバーが大きく変わり、ストーリー展開も全く違ったものになる。後者はラストバトル直前に分岐する。
  • マップ探索の廃止
    • 本作には主人公を直接操作するパートが無く、前作や一般的なRPGのような街やダンジョンのマップが存在しない。
    • ストーリーはイベントと戦闘のみで進行し、その間の移動は行き先を指定するだけで済む。RPGではなくシミュレーションと言った方が良いシステムとなっている。
      • 今作のみ、イベント戦闘一つ一つにタイトルが付けられている。この点もシミュレーションRPG風である。
    • 通常画面では各ポイントが線で繋がった全体マップが表示され、行き先を指示するとそのポイントへと移動する「イベントポイントシステム」を採用。
    • 街に止まるとNPCとの会話、ショップでの買い物、サブイベントなどが全て選択肢で表示される。
      • 遺跡や関所などと言ったスポットに立ち寄るとイベントが発生したり状況を説明するナレーションが入る。
    • 道中の何もないポイントでは周囲のスポットを示す立て札が立っていたり旅人と話したりする。イベントのあるポイントを通過するとそのままイベントに移る。
      • ポイント間を移動するとランダムエンカウントが発生する事がある。
    • この操作を繰り返し、イベントの起こるポイントに止まる事でストーリーを進めたりサブイベントを起こしてゲームを進めて行く。
  • 主人公が喋る
    • 前作はメガテンドラクエなどの喋らない主人公でデフォルト名も設定されていなかったが、本作では主人公は自分の意思を持って喋り、名前も「ウェイン」で固定されているので変更は出来ない。
    • その為、前作で主人公の代弁者を務めた妖精キャラも登場しない。これらは『VI』まで出たシリーズでも唯一である。
  • その他
    • 今回は大気中を漂うグローシュの演出が無くなり、普通の風景になった。
      • 前作では魔力エネルギーである「グローシュ」を「送魔線」という装置を使って集めて魔法を使っている設定があり、屋外はどこも蛍のようなグローシュの光が漂っているという幻想的な世界観だった。しかし今回は前作最終盤の事件の影響で大気中のグローシュが消えた事が語られている。その事件以来、全人類がグローシアン*2化している為、魔法は問題無く使用できる。

登場人物

+ クリックして展開
  • ウェイン・クルーズ(CV:今井由香)
    • 本作の主人公。バーンシュタイン軍に所属し、インペリアル・ナイトを目指す少年。正義感と責任感が強い。
    • シリーズでは唯一のキャラ付けがされた主人公であり、自発的に喋る。
  • マクシミリアン・シュナイダー(CV:藤原啓治)
    • ウェインの仕官学校時代の親友。愛称は「マックス」。争いを憎み、一兵士ではなく政治家の立場で戦争を無くすべくバーンシュタインの若き大臣に就任する。
    • 序盤のみ加入するスポット参戦キャラ。
  • ハンス・バート(CV:阪口大助)
    • 孤児院出身の少年。孤児院が襲われた際にウェインに助けられ、彼を師匠と慕うようになり仕官する。
    • ウェインがどの勢力に寝返っても離反する事なく付いてくる。
  • シャルローネ・クラウディオス(CV:川上とも子)
    • 領主の娘。ジュリアに憧れ、自身も女性インペリアル・ナイトになる事を夢とする。気が強く、隊長のウェインとは度々衝突するが…。
  • ゼノス・ラングレー(CV:遠近孝一)
    • かつての戦いの英雄の一人。現在は闘技大会の覇者で剣闘王と呼ばれる。前作に引き続き仲間になる。
    • 前作では苗字が無かったが、再パーティメンバー化に伴って設定された。
  • リビエラ・マリウス(CV:松井菜桜子)
    • ウェイン達が出会う女性。人当たりは良いが、ただの一般人とは思わせないどこか怪しい雰囲気を漂わせる。
  • カーマイン・フォルスマイヤー(CV:千葉進歩)
    • 前作の主人公であり、光の救世主「グローランサー」と呼ばれる。ローランディアの特使を務めており、ウェインの兄貴分となる。
    • 名無し顔無しキャラだった前作に対して今作では自発的に喋るようになっており、名前も新たに設定された。前作で自分が付けた名前に思い入れがある人のために、今作でも名前変更が可能になっている。
  • アーネスト・ライエル(CV:置鮎龍太郎)
    • 元インペリアル・ナイト。前大戦で敵側に与した為に地位を剥奪され、国外追放された。現在は隠遁生活を送っている。
    • 前作では主に敵として戦ったキャラだが、今作では仲間にする事が可能になった。
  • ウォーマー・ブルース(CV:岡野浩介)
    • 観光地となっていた時空制御塔の警備員。傭兵王国襲撃からずっと隠れていたが、食料が尽きて倒れていた所をウェイン達に助けられる。
    • ライエルを仲間にしなかった場合のみ登場する。
  • アリエータ・リュイス(CV:笠原弘子*3)
    • ウェインが幼少期に出会った少女。10年の時を経ても全く姿が変わっていない。普段は争いを好まない優しい性格のはずが、時には残忍な性格になり、怪物を率いて人間を襲う。
  • セレブ(CV:小杉十郎太)
    • アリエータに付き従う妖狐。元の世界の種族だが、彼はこの世界で生まれた唯一の妖狐と言われる。
    • アリエータを仲間にしなかった場合に仲間になる。シリーズでも珍しい動物キャラ。

評価点

  • 戦闘システムの改良
    • リング=ウェポンと精霊石によるカスタマイズ性に加え、ミッション成績が表示されるようになった事で更に頭を使った戦闘が楽しめるようになった。
    • 移動は三箇所まで中継地点の設定が可能であり、細かい移動指示ができる。『I』のように引っ掛かってしまって再度指示を送る必要がなくなった。
    • 戦闘コマンドに「特技」が追加された。
      • 貫通攻撃や範囲攻撃などの所謂「技」であり、前作では通常攻撃を繰り返すしか無かった戦士キャラも戦法の幅が出来た。
    • 魔法はレベル制になり、長く詠唱する事で高レベルで威力の高い魔法が発動できるようになった。レベルは最大で9。
      • 更にレベル内で範囲魔法は威力と効果範囲を調整・単体魔法は威力と効果対象を調整(一例としてLV2の「アイスバレット」を1体に全て使用するか・2体にLV1ずつ振り分けるかの調整)が可能であり、より多彩な戦術が取れるようになった。
      • 但し、高レベルになるほど消費MPも多くなる事も考慮する必要がある。
  • 脅威の8人パーティー
    • SRPGチックな作風という事もあってか、本作はパーティーメンバー全員が常に戦闘に参加する。最終的には主人公を含めた8人という大人数で戦うことができる。
    • 前作は5人、次回作以降は4人パーティーになった為、本作はシリーズでは戦闘参加人数が飛び抜けて多い作品になっている。
  • 分岐のあるシナリオ
    • 内容はともかく、主人公の選択によってシナリオが全く変わる分岐要素を盛り込んでいるのは革新的である。周回プレイがより楽しめるように。
      • 正規シナリオ以外ではかなりあくどい事をする場合もあるが、サブタイトルの通り、敵対勢力にも彼等なりの正義があり、単純に善悪では測れない部分があるのも特徴的である。
    • 正規シナリオでも条件を満たすと仲間になるキャラと、満たさなかった場合に仲間になるキャラが2組ずつ合計4人いるので、最低二周は違う展開を遊べる。
  • 前作の濃いキャラ達には及ばないまでも登場人物の個性は描けており、キャラ人気は高い。
    • 主人公のウェインを始め、そのウェインを「師匠」と慕う弟分のハンス、最初はつっけんどんな態度だが徐々に可愛い面を見せて行くシャルローネ、クールで完璧に見えて実は…なリビエラ、当初は事情があって敵として登場するも過去にウェインとの深いつながりがあるアリエータ*4など、パーティーキャラは前作とはまた違った魅力を持つ。
      • 後述の通り薄いストーリーではあるが、仲間達のやり取りや個別イベントは決して手を抜かれておらず、愛着が湧きやすい作りになっている。
    • 通常ルートなら敵対するウォルフガングも単なる悪役ではない信念が描かれており、彼の側に就く傭兵王国ルートではバックボーンが深く描かれる。
    • 前作主人公と仲間キャラのゼノスが再びパーティ加入するのもファンには嬉しいところ。
      • カーマインは主人公ではないので今回は普通に喋るキャラに。ウェインにとっては頼り甲斐のある良き先輩となり、また、仲間になった後は前作の冒険について聞かせてくれたり、前作で会った人々とのやり取りが描かれたりなど、前作ファンには感慨深い要素もある。
    • 更には前作で敵対したアーネスト・ライエルを条件次第だが仲間に加えられる。
      • 前作で友を助ける為に悪に加担したが結局友を救えず、フォローも無いままフェードアウトという救いの無い結末を迎えた彼だが、今作にて新たな希望が齎される事となる。しかし離反ルートではあっさり倒されてしまう事も。
      • 印象深いイベントも多く発生し、特に彼の親友であるオスカーとのやり取りは前作プレイヤーなら必見である。
    • 他にも前作に登場したキャラが多数登場する。仲間にはならないが、ルイセ、ウォレス、アリオスト、ミーシャと言った前作メンバーも勿論姿を見せる。
      • 前作キャラのサイドストーリーの小説や、前作の妖精キャラだったティピの日記を読める要素もある。また、カーマインの養母のサンドラの若かりし頃が描かれる番外編などと言ったファンサービスも充実している。
  • 声優陣は前作同様に豪華。新キャストも名の知れた声優ばかり。
    • 後発作にも出演している声優もいるが、本作とは全く違う役柄なので本作のイメージを持ってプレイすると驚くかも。
    • 前作の声優陣も勿論続投。但し、カレンだけは担当声優が変わっているので大分異なった印象に。
  • メッセージ枠がウインドウ形式から吹き出し形式に変更。立ち絵が大きく表示されるようになり、よりうるし原氏の美麗なキャラを拝めるようになった。
    • この表示形式は以降のシリーズでも標準となった。
  • 立ち絵問題の改善
    • 本筋に携わる登場人物の殆どに立ち絵が与えられ、前作のように重要キャラにも拘らず立ち絵が無いキャラばかりという事は無い。
    • ただ、前作ほどはキャラは多くはないので、キャラの立ち絵が大幅に増えた、とは少し違う。とは言え、立ち絵のないキャラがストーリーを動かしていくという事が無くなったのは確かである。
    • また、ブロンソン将軍やアイリーンなど、前作で立ち絵が無かったキャラは今回も新規に追加されてはいない。
  • エンディングを迎えると全セーブデータにクリア情報が記録されるという擬似的なシステムデータ搭載により、一回のプレイで複数のエンディングが回収可能になった。
    • また、誰とエンディングを迎えるかはラストバトル直前にプレイヤー自身が選択可能なので、同時攻略が容易になった。
    • 前作は大ボリュームにも拘わらずシステムデータが無く、エンディング調整も難しかったのでエンディング回収が非常に困難だった。それと比べると大きな改善点である。
    • 但し、二者択一のキャラも存在するので一周だけではエンディングコンプリートは出来ない。
  • 二周目引継ぎの改善
    • 前作では超強化アクセサリーが手に入るだけで他は何も引き継がれなかったが、今回はリング=ウェポン、精霊石、防具が引き継がれるようになった。前作ほど一気に強くはなれないが、今作は前周の努力が無駄にならない。
    • ちなみに前作の超強化アクセサリー「M2」は次回作から精霊石などとして再登場する。
  • 前作のような主題歌のボーカル分けは無いが、今回はオープニング、エンディングにそれぞれ主題歌が用意されている。
    • オープニング担当の「RADIODRIVE」のメインボーカルは熱い歌声に定評のある影山ヒロノブ氏*5。そのためシリーズでも特に熱い主題歌に仕上がっている。

問題点

  • 大幅なボリュームダウン
    • CD-ROM二枚組だった前作に対して本作はハードが移ったにも拘らずCD-ROM一枚へと減少。その為、ボリュームは大きく劣る。
    • ルート分岐がある事を考慮してもストーリーは非常に短い。前作の4分の1にすら達していないのではないかという意見すらあるほど。
    • ダンジョンや街の探索、休暇イベントなどが無い分、余計にそう感じやすい。
    • 行動範囲も前作より狭まっている。「前作には登場しなかった新たな町や地域にも行けるようになった」と紹介されていたが、実際は前作では行けたのに今回は行けなくなった地域の方が多い。
      • 前作に登場したランザック王国は今回は名前しか出てこない。三国大陸が舞台でありながら、殆どバーンシュタイン国内で完結してしまう。
      • 新たに行けるようになった地域にしても実際に歩き回る事は出来ないので然程利点では無い。
    • 別ルートも、傭兵王国ルートはそれなりのボリュームがあるのに対し、洗脳ルートはラストバトル直前で分岐するので非常に短い。
    • 冒頭のキャラメイクは健在だが、選択肢を幾らか選ぶ面接と実技試験の戦闘が一回あるだけ。
  • ストーリーの薄さ
    • 長さだけではなくストーリーの濃度も大幅に減少している。前作とは比較にならないほどスケールダウンし、しかも盛り上がりに欠ける淡々とした展開が続く。
    • 移動や探索の過程が省かれているので、いまいち冒険している感覚が薄い。飛び飛びのシーンを見ているようである。
      • RPGパートが無い為、「ウェイン達は◯◯で××をすることにした」など、細かい過程をナレーションで済ますことも多い。
      • キャラ絵やメッセージの表示が速くなった事でテンポが改善されたのは良いのだが、それ以外の進行のテンポも良過ぎて、ストーリーに浸る間もなくサクサク進んでしまう。
    • 前作の数百年の歴史や世界の起源に関わる濃厚な物語に比べ、今回は「戦争では命を懸けて戦うにもかかわらず、戦争が終わった途端に忌み嫌われる傭兵が安心して暮らせる傭兵王国の建国を目論む」敵との戦いがメインであり、ほぼ人間同士の小競り合いに終始するのでどうにも規模が小さくなってしまう。
      • 戦記モノとして見ても、確かに冒険メインだった前作よりも軍略の描写が濃くなっている部分もあるが、前作のような国家間の戦争ではなく、言ってしまえば武装テロの鎮圧のような流れなので話も広がらない。
      • グローシアン、ゲヴェル、時空融合と言った世界観に根差す問題は前作でほぼ全て解決しており、それに代わる壮大な設定が出てくる訳でもない*6ので前作の残り香のような展開になりがち。内容自体も前作が「世界の命運を賭けた大戦」とすると今作は「戦後に起きた事件」と言った感じで、つまるところ前作の後日談である。
    • また、前作で多く見られたコミカルなシーンや感情の演出は減っている。勿論、本作のメンバーもキャラが立っており、見応えのあるやり取りは少なくないのだが、前作の生き生きしたキャラ描写に比べるとやや物足りなさが否めない。
    • 前作との比較を抜きにしても、特別出来が悪いとまではいかないが平凡なシナリオであり、特に賞賛するようなものではない。
  • 傭兵王国との戦いが終わった後は更に話が広がるような事もなく、ある人物がかなり唐突に暴走してラスボス化する超展開で最終決戦に行ってしまう。
    • その野望も「これ以上戦争を見るぐらいなら全人類を洗脳して人形の世界を作った方がマシ」という何ともちっぽけなもので、そこに至るまでの過程も一応伏線があるとは言えあっさりとしか描かれないので強引さが漂う*7
      • ここでラスボスの思想に賛同して仲間を裏切る事もできる(洗脳ルート)が、通常の流れ*8では結局ウェインはその世界に疑問を感じて仲間の元へ戻り、ラスボスを倒しに行く事になる。所詮、その程度の思想という事である。
    • 正規ルートではそのまま前作同様に時空制御塔に乗り込むのだが、あっさりした告白イベントを経るだけでいきなりラスボス戦に入り、特に衝撃の展開もなく倒して終わり。ラスボスは普通の人間なので、戦闘自体も至って普通で第二形態も無く、前作のような盛り上がりは欠片ほども無い。
    • ただ、戦闘後はラスボスの改心と主人公との和解が描かれる隠しイベントが用意されており、救いが齎されているのは評価できる。
  • 正規ルートではいつの間にかフェードアウトして傭兵王国ルートでなければ再登場しないキャラが何人も居たりと、単純に詰めの甘い部分も見受けられる。
    • シャルローネの父はウェインを平民出身と罵り、インペリアルナイトにでもならない限り認めないと語るが、いざウェインがインペリアルナイトになると雲隠れし、結局見返してやる事は出来ない。その後はエンディングでシャルローネの実家に寄る流れになるのだが、そこで終わってしまうので結局プレイヤーはそれを見ることは無い。
  • ファンサービスばかりではなく一部前作ぶち壊しになっている面も。
    • 前作で極悪非道の暴虐の限りを尽くしては圧倒的な力を見せつけ、最期は巨大な異形と化してまで死闘を演じた前作ラスボスが邪悪な存在の干渉を受けていただけで本当は人格者だったという、前作の熱く濃い展開は何だったのかと思えるような後付け設定が加えられている。
      • それでいて元凶である怪物は大仰な設定の割に、正規ルート、傭兵王国ルートのどちらでもウェイン達にあっさり倒され、あっという間に退場してしまう。しかも別の場所に向かう途中の寄り道で
      • また、この怪物は前作ラストダンジョンの時空制御塔に封印されていたのだが、そもそも時空制御塔は前作の戦いの後は観光地になっていた。当然内部は調査されたはずなのだが、こんなデカブツを見落としたのだろうか。
    • 前作では全編を通して主人公達の力になり、エンディングでも善き王としての姿を見せていたローランディア国王は本作までの間に死去していた事が語られる。
      • しかも新王は過激派で、穏和政策を執っていたローランディアは他国を脅す軍事国家へと変貌した、と言う前作拠点とは思えないような改悪を受けている。だがその割にストーリーにはあまり絡んでこない。
      • その新王もろくに登場せず、改心したり死亡するなど言った事も無いので、ローランディアの未来は暗澹たるまま終わってしまう。
  • エンディングも非常に淡泊
    • ラスボス後に王都に戻って軽く報告した後、これまたあっさりなキャラEDに入る。
      • どのエンディングも基本は同じ流れで、新たな任務を受けたウェインが出発前にキャラと話す、或いは一緒に行くというもの。それだけならともかく、中にはシャルローネとリビエラなど台詞が違うだけのマイナーチェンジになっているものも。
      • また、エンディングを迎えた相手以外の仲間のその後に関しては語られない。これもまたシリーズでは本作だけである*9
    • エンディングでウェインもカーマインと同じく「これからはグローランサー(光の救世主)と呼ばれるようになるかもしれない」と語られるが、正直前作のカーマインとでは功績に差があり過ぎるので説得力が薄い。
      • カーマインを「世界を救った勇者」とするなら、ウェインは「事件収束の功労者」で、良く言っても一国の英雄止まり。とても同列には思えない。
      • カーマインも「君はバーンシュタインを、俺はローランディアを護ろう」とは言いつつも同格とは認めていないのか、最後までウェインにタメ口を許す事は無い。
  • ルート分岐の展開が無理矢理
    • どれも「敵の指導者の誘いに乗る」というものであり、それまでバーンシュタインに尽くしてきたのに掌を返して急に寝返ったようにしか見えない。
    • 顔無しキャラの主人公ならともかく、特に今回は自分の意思を持つ主人公である為、尚の事違和感が強い。
  • 休暇イベントが無く、寄り道で見られるサブイベントしか仲間と親睦を深める機会が無い。サブイベントや各エピソードでキャラの個性や内面はしっかり描けているので質は十分なのだが、やはり量では前作に遠く及ばない。
    • 一度だけ休暇が貰えるのだが、それはエンディング選択のイベントに過ぎない。ここで一緒に休暇を過ごせたキャラとエンディングを迎えるのだが…。
    • 女性キャラにはそれぞれエンディングを迎える為の条件となるイベントが存在するが、男性キャラは好感度を上げるだけという冷遇ぶり。それを誤魔化す為なのか男性キャラのエンディングは女性キャラ三人を全て攻略しないと迎えられない*10
      • その為、女性キャラの誰の条件も満たさなかった場合、ウェインのフられる姿を必ず見なければならない。
      • また、アリエータが仲間にならなかった場合に加入する妖狐のセレブは親睦を深めるイベント自体無いので、特殊な事をしなければエンディングは迎えられない。
    • 本作のサブイベントの大半は特定のタイミングでしか見られないので、エンディング条件を逃してしまうと取り返しがつかない。
      • 特に女性キャラの中で最も付き合いの長いシャルローネはエンディング条件が実は最も厳しい。彼女をユニコーン騎士団の試験に合格させ、且つウェインもインペリアルナイトにならなければならないので初見ではかなり難しい。
      • 残るリビエラとアリエータも条件が存在し、アリエータに至っては条件を満たさないと死亡するので仲間にすらならない。一周目では誰も誘えず、傷心の所をハンスに慰めて貰う羽目に陥りやすい*11
  • シミュレーションに近付けた為か、経験値はキャラ毎に個別で獲得するようになった。
    • 攻撃や回復でも入るが、基本は敵にとどめを刺した際の経験値がメインとなる。その為、バランスよくレベルを上げるには誰がどの敵を倒すか考える必要が生じ、レベル上げが手間に。
    • 戦闘終了時にも全員に経験値は入るが、これはボーナスのようなものなので雑魚戦では僅かしか入らない。ミッションでは相応に貰えるが、やはり強くなるには敵を直接狩らなければならない。しかも今回は最大8人も戦闘に参加する為、一層面倒になってしまった。
      • しかも戦闘中にもレベルアップする為、その都度戦闘を中断してスキルポイントの配分をしなければならない。
      • 次回作では戦闘後に全員に分配される形式に戻ったが、一応、『IV』では活躍ポイントという形で部分的に活かされている。
    • また、これもシミュレーションを意識してか戦闘中にセーブ&ロードが出来てしまう。
      • 当然ながら乱用すればヌルゲーになったり、逆にハマりに陥る可能性も。
  • その他の戦闘システムにも難がある。
    • リング=ウェポンの付け替えは各町にある「リング装着屋」でしか出来ず、しかも有料。良いリングを手に入れてもその場では装着できない。
      • また、「100人に1人の資質が必要」とされるが、パーティーメンバーは全員問題無く使用しており、作中でも「世界中に広まりつつあるので各地にリング装着屋を開く」などいまいち設定が噛み合っていない。
      • 次回作『III』も同様で、その為か『IV』ではリング=ウェポンこそ続投しているが、この設定は無くなっている。
    • グッズ(消費アイテム)が存在しない
      • 前作にはあった回復薬などのグッズが無い為、回復は魔法頼り。魔法の利便性は上がっており、グッズが無くてもクリアできるバランスとは言え、前作で頼っていた人にはきつい。
    • オートコマンドが廃止され、常にユニットに指示を出さなければならない。
      • 複雑なミッションはともかく、エンカウントの雑魚戦でも任せる事ができず、しかも今回はメンバー数が多いので更に面倒に。
  • 演出の劣化
    • ハードがPS2に移ったにも拘らず演出面では前作から大きく劣化している。
    • まずオープニングムービーからして、前作は男女それぞれのアニメムービー&ボーカルの違う主題歌、それに加えてキャラ紹介のOPもあるという豪華仕様だったが、今回はキャラ紹介のOPに主題歌を付けただけ。せっかくの熱い主題歌が空回り気味である。本編中もアニメなど無い。
    • 前作には豊富にあったイベントスチル(一枚絵)も一切無い。
    • ムービーはあるのだが、ストーリー中に流れるのではなく特定の魔法を使った時だけ。
    • ボイスも前作ではサブイベントを含めて殆どフルボイスでショップの店員すら声付きだった程だが、今回は短いストーリーにも拘わらずサブイベントはおろかメインストーリーでもボイスの無いイベントが散見される。
      • そしてサブイベントは殆どが声無しである。その為、サブイベントにのみ登場する前作ヒロインのルイセやメインキャラだったミーシャは今回は声無しの出演になってしまっている。
      • そればかりか前作で終始パーティー入りして活躍したウォレスはこの2人と違って本編に出演するにも拘わらず、登場イベントは悉く声無し。声優を呼べなかったのだろうか。
    • 走るモーションも削除。キャラはどんなに急いでも歩きのモーションで移動するようになってしまった。
      • これは結局2Dシリーズでは戻る事は無く、3Dに移行した『V』でやっと復活した。
  • BGMも決して悪い訳ではなく、戦記モノの雰囲気は出ているのだが、岩垂徳行氏が手掛けていた前作に比べるとどうにも地味さが否めない。
    • 氏が本シリーズに関わっていたのは『I』だけであり、以降も再び起用される事は無かった。
  • ライエルが仲間にならなかった場合に加入するウォーマーは外見がモブ兵士の使い回し。
    • キャラクター的にはしっかり個性を発揮しており、他の仲間同様にエンディングも迎えられるのだが、見た目がモブと変わらないので「所詮ライエルの代わり」とでも言いたげな扱いの悪さを感じる。ライエルを仲間にした場合は登場すらしない。
    • その為かOPでも1人だけハブられている*12

賛否両論点

  • RPGだった前作に対し、シミュレーション寄りになった事への批判意見は多い。
    • 一方、テンポ良く進めたり戦記モノとして楽しみやすい利点もあるので、好意的な意見もある。
    • しかし街やダンジョンの探索と言った冒険の醍醐味が失われたのも確かで、多くのファンを落胆させてしまった。また、好意的意見も前作との比較を抜きにしたらの話である。
  • 意思を持って喋る主人公・ウェイン
    • 勿論、それ自体が悪い訳ではなく、顔無し主人公ではやりにくい人間ドラマや主人公の心情が描けたりと、前作とはまた違ったシナリオ運びを楽しめるのだが、主人公が喋るという時点で前作ファンには違和感を植え付けた。妖精もいなくなった事で、前作での独自性が失われてしまった。
    • また、ウェインは正義感は強く、仲間の為に体を張るような見せ場もあるのだが、どこか青臭さの抜けない性格で人によってはやきもきさせられるイベントも少なくない。
      • その割に選択肢がフリーダムだったり別ルートだと平然と仲間を裏切ったりするので、キャラがやや定まっていない側面もある。
    • 設定的にも敵のボスと血縁関係にあるという程度で、複雑な背景と重い宿命を背負っている前作や次回作以降のグローランサー達と比べてしまうとキャラの弱さが否めない。
  • 前作主人公のカーマインはかなりクール寄りのキャラになっており、感情を表に出す事もあまりない。
    • 元々、同社のペルソナ系列のような選択肢以外では喋らないいわゆる無口系の主人公であり、それを考慮してこういうキャラ付けにしたものと思われる。
    • しかし前作ではストーリー上で熱い行動を取ったり、選択肢によって熱血よりからギャグキャラ*13までとかなり濃いキャラに変貌する場合もあった。本作ではやけに自信家だったり、ルイセのイベントで年相応の面を見せたり、ラスボス戦で熱い台詞を放ったりはするものの、前作のイメージが強いファンには違和感を覚える人が少なくなかった。また、本作では無口どころか饒舌である。
      • ライエルとのやり取りでは普段は見せないような弱気な態度になったりと、ただクールなだけでは無いことが窺える一幕はあるが、このやり取りにしろルイセのイベントにしろ、こういう所に限ってボイスが無いので印象が薄れがち。
      • 前作で主人公の代わりに感情面で目立っていた妖精のティピが不在なのも印象が変わった原因の一つだろうが、ティピは寿命*14や前作のエンディングが明言されない関係*15で本作に登場するのは難しいと思われる為、こちらはやむを得なかったのだろう。

総評

改良の余地のあった前作の戦闘システムを刷新し、本シリーズの特徴的な戦闘をより楽しめるようにブラッシュアップした作品。
だがそれ以外は作風もジャンルすらも変わり、密度もボリュームも前作に遠く及ばず、続編というよりはファンディスク的な内容である。
また、当時はまだ方向性が固まっていなかったとは言え、喋らない主人公と妖精キャラ、世界観のユニークさと言った前作で打ち出した独自性の多くがスポイルされ、
ノンストップドラマチックRPGが凡庸なシミュレーションRPGになってしまっているのも否めない。
ボリューム面でも前作が圧倒的に長すぎた点*16を反省・考慮したが、今度はそれが裏目に出てしまい、短すぎるストーリーになってしまったと言わざるを得ない。

「ファンディスク、或いは『III』への繋ぎとして見れば…」と好意的に捉えるプレイヤーもいるが、
やはり『II』を名乗る以上、名作である『I』の正統進化を期待したファンも多く、そのファン達を落胆させたのは事実である。
キャラに魅力はあれどストーリーは薄く超展開込みで、更に前作要素もがっつり絡んでくるので未経験者にもなかなか勧め難く、
総じて「グローランサーの世界にもう少し浸りたい前作ファン」の中でも「ファンディスクと割り切れる人」向けの作品と言える。

しかし本作で築いた新システムは次回作以降にも更なる改良を施されつつ受け継がれており、
シリーズの礎の一つとなったという意味では意義のあった作品と言えるだろう。


余談

  • 次回作『グローランサーIII The dual darkness』は本作と同時に開発されており、本作発売の僅か数ヶ月後に発売された。
    • その為、内容は大きく異なるが、グラフィックやサウンドの多くは本作と共通している。
      • 本作のセーブデータは『III』で読み込むことが可能となっており、本作をやり込むことは次回作をプレイする助けにもなる。
  • 後の『グローランサーIV Wayfarer of the time』では過去作の妖精キャラをモチーフにした「使い魔」が登場するのだが、本作は妖精キャラがいないのでその枠には『ラングリッサーIII』のキャラをモチーフとした使い魔が選ばれている。
    • しかしその使い魔のコスチュームとして本作のアリエータの衣装が用意されており、一応本作もモチーフになっている。
  • 冒頭でオスカーが「君がこの(インペリアルナイトの)制服を着られるように応援しているよ」と言うが、実際にウェインがインペリアルナイトになっても制服姿になる事は最後まで無い。
    • 後の『グローランサーIV Return』付属OVAのエンディングアニメでは僅かながらインペリアルナイトの格好になったウェインを見る事ができる。
  • 本シリーズではパッケ裏に「ドラマチックが止まらない!」「ドラマチックを駆け抜けろ!」「進化するドラマチック」など「ドラマチック」と絡めたキャッチコピーが書かれているが、本作はまだ方向性が定まっていなかった為か、「物語は加速する。ノンストップドラマチックRPG」と、微妙に当てはまっていないものになっていた。
  • 本作ではストーリー中に戦う人間タイプの敵の殆どは死亡時専用のセリフがある。
    • 敗北を信じられず倒れる、ただ叫ぶだけなどはともかく、「まだ生きたかった」と嘆きながら死ぬなど生々しいものも多く、名無しの雑魚キャラとは言え命を奪っている事を実感させられ、やるせない気分にさせる演出である。同時製作の次回作『III』にも採用されている。
    • ただ、本作も次回作も戦争の悲惨さや戦いの虚しさと言った描写は薄いので、ストーリー上で上手く機能しているかは微妙な所。逆にそういったテーマが色濃い『IV』では廃止された(個別のテキストではなく、汎用ボイスのみになった)。
  • 今作でカーマインがクールキャラになった通り、次回作以降も主人公が別作品に出演した際には「普段はクールだが熱いものを秘めた性格」として描かれる事が多かった。
    • 一方で『III』のスレインはドラマCDでは熱血漢になっていたり、『IV』のクレヴァニールは『Return』では気さくでコミカルな部分もあったりなど、別の側面が描かれる事もある。
    • 『V』のゼオンシルト(『VI』出演時)はカーマイン程ではないがクール寄り、『VI』のメークリッヒ(本編開始前)は最年長主人公という事もあってかかなりクールな性格になっている。…が、『VI』のドラマCDはギャグに走った所為で2人とも色々とヒドい事に。
最終更新:2023年06月14日 22:36

*1 ストーリー自体は前作より何年か前から始まり、前作ラストバトル頃の時期を描く序章を経て本筋の時間軸に移る。

*2 人類の故郷(『III』の舞台)とのチャンネルを体内に宿し、そちらの世界から本能的にグローシュを引き出せる人間。前作では日食や月食の日に生まれた僅かな人間だけが該当した。

*3 エンディングテーマ「新しい風」を歌唱。この曲はシングルCD化もされている。

*4 仲間にする条件は前作のジュリアンほど難しくはないが、情報なしで仲間にするのは厳しいといった難易度。

*5 RADIODRIVEは「BSC 301」ラジオたんぱで放送していた「影山ヒロノブ制作中」より生まれたバンドである。

*6 強いて言えば「前作ラスボスを豹変させた存在」だが、その内容は後述する通り。

*7 しかもここでウェインの教官が急に敵側に就いて討たれるという無理矢理な展開がある。多少伏線はあるがやはり強引さは拭えない。

*8 仲間を一人でも逃がした場合。全滅させるとその時点でエンディング。

*9 他作品ではナレーションや妖精のモノローグのみながら一人ずつその後の様子が語られる。『IV』ではナレーションは無くなったがエピローグの会話の中でそれぞれ語られている。

*10 その理由は「どうせなら相手は女の子がいい」というもの。女子三人を攻略するとこの台詞を言わなくなる。

*11 この場合はソロエンドでハンスエンド扱いにはならない。

*12 セレブも紹介こそ無いもののアリエータの横にチラっと登場している。

*13 行動次第では妖精キャラのティピには平然と蹴り飛ばされており、ストーリーの流れ的にも蹴られるのが標準という事を窺わせる台詞も散見された。

*14 ホムンクルスの寿命は体の大きさに比例し、妖精サイズのティピでは1~2年程度しか生きられないと語られているので、前作から1年が経った本作では既に寿命を迎えている可能性がある。

*15 ティピEDではティピは人間体になって人並みに生きられるようになるが、もし人間ティピが登場したら他のEDが否定される事になる。逆に妖精ティピの生死が明言されたらティピEDが否定される事になり、どちらにせよEDがある程度決まってしまう。

*16 発売当時の電撃プレイステーションでのインタビューにおいて、前作のクリア想定時間は約80時間と膨大になってしまったが、本作は約20時間もあれば終わる、と公言されていた