【ぐろーらんさーつー ざ せんすおぶじゃすてぃす】
ジャンル |
ノンストップドラマチックRPG (シミュレーションRPG) |
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対応機種 | プレイステーション2 | |
メディア | CD-ROM 1枚 | |
発売元 | アトラス | |
開発元 | キャリアソフト | |
発売日 | 2001年7月26日 | |
定価 | 7,140円(税込) | |
判定 | なし | |
ポイント |
喋る主人公と妖精不在 戦闘は進化 しかし他は退化 IIと言うファンディスク |
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グローランサーシリーズリンク |
ヴェンツェルが時空制御塔を占領し人類の支配を行おうとした、あの事件(前作の物語)から1年…。世界には平和な時が流れていた。
あの激動を生きのび、騎士の称号を手にしたバーンシュタインの若者ウェイン・クルーズとマクシミリアン・シュナイダーは
互いの目標を成し遂げるため、それぞれの道を歩んでいた。
ある日、第二師団に籍を置き、インペリアル・ナイトを目指すウェインは
軍を退役して政治の道へと進んだ親友シュナイダーの呼び出しを受ける。
ランザックとの国境沿いに出没する武装集団による被害を調査するという何の変哲もない任務だ。
ウェインは二人の供と調査に向かう。これが自分たちの運命をかえるべき事件になるとは知らずに…。
(公式サイトより抜粋)
ドラマチックが止まらないストーリー展開、リアルタイムストラテジーとRPGを融合させたようなシステムで好評を博した『グローランサー』の続編。
前作の1年後(*1)を舞台に新たなキャラクター達による物語が描かれる。
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改良の余地のあった前作の戦闘システムを刷新し、本シリーズの特徴的な戦闘をより楽しめるようにブラッシュアップした作品。
だがそれ以外は作風もジャンルすらも変わり、密度もボリュームも前作に遠く及ばず、続編というよりはファンディスク的な内容である。
また、当時はまだ方向性が固まっていなかったとは言え、喋らない主人公と妖精キャラ、世界観のユニークさと言った前作で打ち出した独自性の多くがスポイルされ、
ノンストップドラマチックRPGが凡庸なシミュレーションRPGになってしまっているのも否めない。
ボリューム面でも前作が圧倒的に長すぎた点(*16)を反省・考慮したが、今度はそれが裏目に出てしまい、短すぎるストーリーになってしまったと言わざるを得ない。
「ファンディスク、或いは『III』への繋ぎとして見れば…」と好意的に捉えるプレイヤーもいるが、
やはり『II』を名乗る以上、名作である『I』の正統進化を期待したファンも多く、そのファン達を落胆させたのは事実である。
キャラに魅力はあれどストーリーは薄く超展開込みで、更に前作要素もがっつり絡んでくるので未経験者にもなかなか勧め難く、
総じて「グローランサーの世界にもう少し浸りたい前作ファン」の中でも「ファンディスクと割り切れる人」向けの作品と言える。
しかし本作で築いた新システムは次回作以降にも更なる改良を施されつつ受け継がれており、
シリーズの礎の一つとなったという意味では意義のあった作品と言えるだろう。
*1 ストーリー自体は前作より何年か前から始まり、前作ラストバトル頃の時期を描く序章を経て本筋の時間軸に移る。
*2 人類の故郷(『III』の舞台)とのチャンネルを体内に宿し、そちらの世界から本能的にグローシュを引き出せる人間。前作では日食や月食の日に生まれた僅かな人間だけが該当した。
*3 エンディングテーマ「新しい風」を歌唱。この曲はシングルCD化もされている。
*4 仲間にする条件は前作のジュリアンほど難しくはないが、情報なしで仲間にするのは厳しいといった難易度。
*5 RADIODRIVEは「BSC 301」ラジオたんぱで放送していた「影山ヒロノブ制作中」より生まれたバンドである。
*6 強いて言えば「前作ラスボスを豹変させた存在」だが、その内容は後述する通り。
*7 しかもここでウェインの教官が急に敵側に就いて討たれるという無理矢理な展開がある。多少伏線はあるがやはり強引さは拭えない。
*8 仲間を一人でも逃がした場合。全滅させるとその時点でエンディング。
*9 他作品ではナレーションや妖精のモノローグのみながら一人ずつその後の様子が語られる。『IV』ではナレーションは無くなったがエピローグの会話の中でそれぞれ語られている。
*10 その理由は「どうせなら相手は女の子がいい」というもの。女子三人を攻略するとこの台詞を言わなくなる。
*11 この場合はソロエンドでハンスエンド扱いにはならない。
*12 セレブも紹介こそ無いもののアリエータの横にチラっと登場している。
*13 行動次第では妖精キャラのティピには平然と蹴り飛ばされており、ストーリーの流れ的にも蹴られるのが標準という事を窺わせる台詞も散見された。
*14 ホムンクルスの寿命は体の大きさに比例し、妖精サイズのティピでは1~2年程度しか生きられないと語られているので、前作から1年が経った本作では既に寿命を迎えている可能性がある。
*15 ティピEDではティピは人間体になって人並みに生きられるようになるが、もし人間ティピが登場したら他のEDが否定される事になる。逆に妖精ティピの生死が明言されたらティピEDが否定される事になり、どちらにせよEDがある程度決まってしまう。
*16 発売当時の電撃プレイステーションでのインタビューにおいて、前作のクリア想定時間は約80時間と膨大になってしまったが、本作は約20時間もあれば終わる、と公言されていた