迦楼羅王
【かるらおう】
| ジャンル | アクション |  
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| 対応機種 | スーパーファミコン | 
| 発売元 | ソニー・ミュージックエンタテインメント | 
| 開発元 | 浮世亭 | 
| 発売日 | 1994年2月18日 | 
| 定価 | 8,900円 | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| 記録方式 | パスワード制 | 
| 判定 | 良作 | 
| ポイント | 丁寧な作りの王道アクション 現在はプレミアソフトに
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概要
本作は主人公の迦楼羅が魔神アシュラからビシュヌを救い出すアクションゲームである。
パッケージでは、「8種類の必殺技を使いこなせ!」「アクションゲームのすべてがここにある!」と記述されており、ゲーム性に力が入っている。
特徴
登場人物
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迦楼羅
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本作の主人公。熱血漢であり多様な必殺技を習得する素質がある。序盤で魔神アシュラに敗れてしまうが老子ブラフマに助け出されてビシュヌを救うために修行の旅を決意する。
 
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ビシュヌ
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本作のヒロイン。オープニングで魔神アシュラにさらわれてしまう。
 
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老子ブラフマ
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アシュラに敗れ瀕死に陥っていた迦楼羅を助けてから共に修行の旅を指南してくれる。
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各地の祠ではパスワードも示してくれる。
 
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魔神アシュラ
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オープニングで迦楼羅を倒しビシュヌをさらって行ってしまった。
 
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ラバーナ
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以上。
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分かり易く例えるならマリオとピーチとクッパのような位置づけみたいなものである。老子は、その、カエル仙人あたりのポジだろうか。
 
舞台
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世界観
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本作の作風は東洋味といったところである。
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舞台は、大きく3つに分かれた大陸で構成。全てのステージをクリアすると次の大陸へ行けるようになる。
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大陸の各地には色々なアクションステージが用意されておりクリアしていくのが本作の柱である。
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勿論、ボスのいるステージもあり倒せば新しい必殺技を会得出来るようになり、本作の修行となる。
 
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尚、大陸には祠が用意されておりそこを拠点とする。そこでは老師がパスワードを示してくれたり、残機が尽きた際は戻されたりするようになっている。
 
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パスワード
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祠では老子ブラフマからこれまでのクリア状況と残機をパスワードという形で教えてもらえる。16マスに「X」「〇」「△」「_」のマークで記載。
 
ゲーム内容
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迦楼羅王の操作方法は以下の通り
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十字キーで移動、下でしゃがむ、Yで色々な体術を繰り出す。STARTでポーズ。
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Bはジャンプ。
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壁にも張り付く事も可能であり彰晃は勿論、体術や必殺技に壁からのジャンプも可能。
 
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Xで必殺技を使う。
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MPを消費して飛び道具を放ったりする。各地のボスを倒せば新しい技を会得していく。
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最初はソニックブームを飛ばすような技だが、飛虎砲、菩薩印、爆霊覇、霧幻陣、雷神拳、金剛呪、天翔舞を覚えていけるようになる。
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LRボタンで必殺技の切り替えが可能であり、PAUSE中でも受け付けている。
 
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ステージの再訪
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1度クリアしたステージに挑む事も出来る。クリア済ならセレクトボタンでフィールドへ戻る事も可能。
 
 
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ライフ+残機制。
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残機は99まで稼ぐ事が可能であり、負けたら老子の所へ戻されるようになっている。
 
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アイテム
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ビンはHPやMPを回復する、色やサイズで回復内容も異なる。
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宝石は100個集めるごとに1UPする。
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マリオのコインのようなものであるが、大型だと沢山手に入る仕様。更に1UP自体が配置されている事もある。
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ただ、本作には通貨の概念はないので宝石で買い物という仕様は無い。
 
 
豊富なステージ
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アクション
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基本的に横スクロールであるが全方向仕様も多数であり広大さを表現している。
 
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飛行ステージ
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ここでは強制スクロールで進んでいく。BGMも専用の曲が用意されている。飛行形態で通常とは違った操作が求められる。
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必殺技は一切行えないが、気弾を標準装備しており、無制限かつ雑魚敵は一撃かつ貫通性能も有する。なお、ボスはここでは出てこない。
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挟まれたら即死ではあるが判定は甘く、ちょっとした引っかかり程度なら無害である。また、落下死も無いようになっている。
 
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ボーナスステージ
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次の大陸へ向かう際は、上空を3Dステージで進行する。
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道中には宝石が多数配置されており取得していくと良い。トゲも出てきてこれに当たったらその場で墜落するが次の島へは到達している。
 
評価点
多彩なアクションステージ
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舞台は森や建物内部や飛行ステージなど実に多彩。
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塔の外周に至っては『キョロちゃんランド』のように立体感があり、更に遠景を併用して立体感と奥行きを表現している。
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ギミックも、プレス地形や氷の床、水中、強風地帯など色々なものが用意されている。
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それぞれのステージはタイトル名が設定されており、ステージ開始前にそれが表示されている。
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1度クリアしたステージを再訪する事も出来て、セレクトボタンでEXITする事も出来るようになっている。
 
 
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ボス戦は普通の場所は勿論、上記のような特殊な場所でも行われるので楽しい。
演出・グラフィック
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MODE7の活用
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拡縮補間はボス戦で多用されており、回転しながら巨大化するボス、氷のカベをダイナミックに振り回してくるボスなど見た目だけではなくゲーム性の評価点にも当てはまる。
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ボーナスステージでは3D空間を飛んでいくので奥行きが感じ取れるなど、色々と駆使しているのが分かる。
 
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ドット絵の作り込み
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迦楼羅は色々な動作が用意されている。体術一つとっても掌打から蹴りまで行う。
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必殺技についても、アイコンは勿論、使用する技ごとに迦楼羅は違うポーズをとるなど実に細かい。
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ステージも細部まで作り込まれており、更に雨や水流や雲の多重スクロールなどが併用され質感が向上。
 
その他の仕様
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リトライ性が良い
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アウトになって残機が減ってもBGMは途切れないのが良い。また、1upは多めに配置されていたりするのですぐに力尽きる事はないようになっている。
 
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パスワード方式
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セーブ機能はないが、単純で解りやすいパスワード方式を採用している(4×4のマスに3種類のアイコンを配置する)。
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パスワードを入れる際も操作性が良く、ボタン1つでマークを入れたり消したり快適である。
 
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自由度
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結局のところ全ステージクリアは必須であるが中盤では好きなところから攻略出来るので、そういう自由度はある。
 
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必殺技の消費MP
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MPメーターには消費MPに応じて「×印」が表記されている。
 
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しゃがみと判定
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上からもプレスが来るステージもあるが、しゃがんでセーフの際は十字ボタンを離してもしゃがみ解除→即死という事がないようになっている。
 
賛否両論点
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ストーリーは薄い
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悪者をやっつけて姫を救うのが骨子で、ノリは、スーパーマリオと変わらない。
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あとは一般人すら出てこない
 
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初見殺しが多い
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デストラップや高い攻撃力を持った敵が突然やってきたりする場所はあったりする。
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上から落ちる際は下を見渡せないので一か八か落ちてみるしかない。
 
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竜の塔の内部では上から落下する際に、横に針の通路があるのだが、これは予め金剛呪を使って左を押しながら進むというもので最初は気づかないだろう。
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なお、飛虎砲の方が速いという考えもあるが、そちらの方はタイミングがシビアでリスクも結構あるので熟練者向けの方法になる。
 
 
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謎解きの類は殆ど無い
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あくまでアクションゲームとしてのスキルが重視される仕様。
 
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ゴリ押しは出来ない
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本作に通貨の概念はなく、アイテムを購入して有利に進めるという事は出来ない。最大HPとMPは8までであり上限が上がる事もない。
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そのため、ある程度のスキルは必要である。
 
    
    
        | + | 一応伏せる | 
迦楼羅は終盤で老子ブラフマに「この礼はいつか必ずするぜ!」と言っており、ラバーナを倒しビシュヌが救い出されたのは良いのだが、その直後に何故かいなくなってしまう。
老子ブラフマが「(迦楼羅は)あれしきの事でやられる奴ではない。(中略)じゃが、必ず戻ってくる!修行させてやった礼をしてもらって無いからじゃ!」と言った後に、迦楼羅の飛行シーンになりながらスタッフロールになるあたりが意味不明である。
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問題点
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導入部の要素が薄い
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OPも簡素なもので、ラバーナがアシュラに呼びかける文章のみで寂しい。
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デモプレイも、オープニングステージで基本動作をするのみで有難味は薄い。
 
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必殺技名の表示
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技名は、ボスを倒して習得した際に出るのみで以降は技名が出ない。また、最初から覚えている必殺技の名称は出ない。
 
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リトライ
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ミスして再開した際はHPもMPも4と中途半端な状態から始まる。万全な状態で挑めないのは不満なところである。
 
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段差地形を降りるのが難儀
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一般に、登ったところから下+ジャンプで降りる仕様もあるが、本作では実装されていないので不便なところである。
 
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ボーナスゲームの有難味が薄い
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次の大陸に行く際に、海の上でジェムを回収する3Dのミニゲームが始まるのだが、各地には稼げるステージもあるので有難味は薄い。あくまで箸休め。
 
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前の大陸へは戻ってこれない
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序盤では残機稼ぎポイントもあったので残念である。とはいえ中盤にも色々と用意されており、例えば流砂の滝ならスタート直後の真下に1up、龍の塔では開始直後に必殺技で真上に1upがあるので稼ぎポイントはある。ただし、1度クリアを済ませておく必要はある。
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強くなった状態でステージを再訪する楽しみが中盤のみなのが勿体ないところである。
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終盤では厄介な事になる……
 
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終盤の構成が殺しに来ている
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残機が少ない状態で3番目の最終の大陸に来てしまったプレーヤーは大変な思いをする事になるだろう。何故なら、ここは難易度も高く残機を稼げるところも無いからである。
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まず強制スクロールから始まる。
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状況もBGMも飛行ステージであるが、そういう時に限って飛行形態はなく通常で不安定な足場を登っていくので難しい。更にその先もボスラッシュが待っているなど、稼ぐどころかゲームオーバーに陥る事もありうる。
 
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ゲームオーバーで老師のとこへ戻っても残機が3からでは心細いと言える。前の大陸へ戻って稼いでくる事も出来ない。
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詰んだと思うが、セーブ仕様ではなくパスワード仕様なのが幸いしてか、メモを取っているプレーヤーは前の大陸からやり直して来れるようにはなっている。
 
総評
色々な技術を駆使して細部まで丁寧に作り込まれており、見事なド王道アクションに仕上がっている。
是非ともプレイを勧めたいところではあるが、現在はプレミア高騰でそれも難しい。
余談
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プレミア価格
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現在は、定価の数倍の相場で取引されているまでになっている。そのため本作を無理して入手するよりも新型ゲームでも買った方が良いのかも知れないのは残念なところである。
 
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本作のディレクターは、後に超人気シリーズ「グランツーリスモ」を手掛けることになる山内一典氏である。
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隠し3Dステージ
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フィールドパートで「幻覇の壁」のところで上に行こうとすると3Dボーナスステージが登場する。しかも最大HPを上げてもらえたり、何度も来れるのだがその直後の舟のステージが難しいので注意。
 
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海外では「SKYBLAZER」というタイトルで発売されている
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基本仕様は大差ないが、一部のステージは若干の変更がされている。
 
最終更新:2022年05月29日 11:35