この記事は「Ver.2.3(2023年12月14日版)」を基準にしています。
現在も不定期でアップデートが行われているため、必ずしも記事内容が最新版に対応しているとは限りません。
頭文字D THE ARCADE
【いにしゃるでぃー じ あーけーど】
ジャンル
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レースゲーム
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対応機種
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アーケード
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使用基板
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ALLS MX2.1
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発売元
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セガ・インタラクティブ
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開発元
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ジーン
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開発協力
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Indie-us Games
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稼動開始日
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2021年2月25日
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プレー人数
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1~4人
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判定
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賛否両論
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ゲームバランスが不安定
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スルメゲー
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ポイント
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旧作と原作漫画への原点回帰 しげの秀一先生監修シナリオ 磨かれた原作愛と漫画的演出 シリーズ最少の初期収録車種 まわりくどくなった各種仕様 より破綻したゲームバランス 繰り返されたデータリセット
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頭文字Dシリーズ
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概要
公式略称は『DAC』。
しげの秀一原作のカーバトル漫画『頭文字D』を題材にしたレースゲームシリーズ『頭文字D ARCADE STAGEシリーズ』の精神的続編にあたる完全新作。引き続き、プロデューサーも「あらちゅう」こと新井健二が旧シリーズから続投している。
原作漫画『頭文字D』最終話のみならず、後継作漫画『MFゴースト』連載開始から年数が経過していながらの久々の新作だったため、稼働開始前から「原作終了後も継続して新作を出してもらえるだけでも感謝」と言った声が多数見受けられた。
アトラクトデモで主役を務める車はわかりにくいものの「日産・シルビアQ’s (S14)」。
今作で初参戦となった「Rocket Bunny」ブランドが展開するエアロセットでゲーム内でも装備可能な「Rocket Bunny BOSS V2 WIDE BODY KIT」を装備している点が特徴である。ゆえに特にフロント周りの見た目がまるで別物となっており非常にわかりにくいためか、特に初見では見分けがつきにくく多くのユーザーが誤解する傾向にある。
筐体は、前作の『Zero』や2021年4月30日にオンラインサービスが終了した『SWDC SEGA World Drivers Championship』からのコンバージョンだが、基板には当時最新基板系列である自社開発基板「ALLS」が採用されている。また、筐体にも明記されているが、ミドルゲームエンジンには「Unreal Engine」が使われており、グラフィックの表現力が向上している。この領域については大阪のIndie-us Games社が一部開発協力として関与している。
アップデートで追加されたコンテンツを含め、全体的には競合タイトルである『湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNEシリーズ』を意識した内容となっている。そのため、比較されることもしばしば。
開発元はジーン(Xeen)で、これはジーン社のTwitterや公式サイトの開発実績で明らかにされている。
稼働から1年以上経過した2022年3月17日の「Ver.1.4」アップデートより「SEASON 2」、さらに2年以上経過した2023年4月17日の「Ver.2.0」アップデートより「SEASON 3」、そして3年以上経過した2024年4月4日の「Ver.2.4」アップデートで「SEASON 4」が開幕した。
ゲームの流れ
ゲーム開始まで
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【1】アトラクト画面でスタートボタンを押す。この後ICカードをお持ちかどうか尋ねられるため、持っていない場合はそのままスタートボタンを押してゲームを開始。持っている場合は、カードリーダーにICカードをかざす。
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ICカードを持っている場合、アトラクト画面で直接カードリーダーにかざすことで、この手順をスキップすることができる。
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【2】ICカードの使用の有無に関係なく、確認画面が表示される。ここで「YES」を選択すると、コインを投入するよう促されるため、規定のクレジット分のコインを入れる。もし事前にコインを入れている場合は、ここでクレジットが消費される。
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確認画面の制限時間は10秒しかなく、ICカードを持っている場合はコインを入れる前にカードリーダーにタッチすることを激しく推奨。
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「NO」を選択したり時間切れになった場合は、そのままフェードアウトしたのちにタイトル画面に戻される。この場合はクレジット数は消費されないため、投入したコインは無駄にならないためやり直すことができる。
ゲーム開始後
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【3】新規登録の場合は、アバターの性別と名前を登録し、その後車種選択画面となり1台目として登録する車種を選択。
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ICカードにデータが紐付けされている場合は、この手順はスキップされ、スタートメニューに移行する。
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ICカードを使わずにプレイする場合は、直接車種選択画面に進む。
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【4】スタートメニュー画面に移動。ここから「ショップに行く」「コンフィグ設定」に移動するか「モード選択画面」に直行するかを選択できる。ただし、一度どれかを選んだ後に、別のメニューに移動することはできないため、注意すること。
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【5】モード選択画面に移動。この画面に限り視点切り替えを長押しすることで「簡易コンフィグ」を開くことができる。
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ICカードを使用していない場合は、ここでのみAT/MTの切り替えが可能である。
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【6】選択したモードに従ってゲームを進める。レースを完走するかリタイアするかによってリザルトまで進む。コンティニューするか否か選択される。
-
コンティニューは、「そのまま続行する」「コースや他シナリオだけを選択する」「モードセレクト画面まで戻る」「そのまま終了する」かを選択可能。
-
ドレスアップトークンを所持している場合に限り、視点切り替えボタンを長押しするとパーツショップに入ることができる。制限時間は1分で自身の操作で出るか時間切れになった場合はコンティニュー画面にまた戻るが、その場合同じゲーム中ではもう一度入ることができなくなる。
ICカード未使用時
以下はICカードを使用しない場合に選択できる内容である。今作では、ICカードを使用するか否かによってできることが大きく異なる部分があるため、当項で詳細を説明する。
プレーデータ
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一律カードネームが「GUEST(※一桁の筐体番号)」、走り屋ランクが「GUEST」、所属エリアと所属店舗は「未所属」となる。
車種
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今作では、ICカードを使用しない場合に選択できる車種が「8車種(2021/9/11現在)」に限定されている。以下は車種選択画面の表記に従い、収録車種一覧の一部を省略している。
メーカー
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車種
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得意コース
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得意ルート
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駆動方式
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搭乗キャラ
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使用可能開始日
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トヨタ
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SPRINTER TRUENO GT-APEX (AE86)
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テクニカル
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ダウンヒル
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5速FR
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藤原拓海
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※稼働開始日より
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86 GT (ZN6)
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高速
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ダウンヒル
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6速FR
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日産
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SKYLINE GT-R V・specII (BNR32)
|
高速
|
ヒルクライム
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5速4WD
|
中里毅
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NISSAN GT-R NISMO (R35)
|
高速
|
ヒルクライム
|
6速4WD
|
|
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マツダ
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efini RX-7 Type R (FD3S)
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高速
|
オールラウンダー
|
5速FR
|
高橋啓介
|
※稼働開始日より
|
スバル
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IMPREZA WRX type R STi Version V (GC8)
|
高速
|
オールラウンダー
|
5速4WD
|
|
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三菱
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LANCER GSR Evolution III (CE9A)
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テクニカル
|
ダウンヒル
|
5速4WD
|
須藤京一
|
※稼働開始日より
|
頭文字D
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SILEIGHTY
|
テクニカル
|
オールラウンダー
|
5速FR
|
佐藤真子&沙雪
|
選べるモード
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「ストーリーモード」「タイムアタック」「店内対戦」の3つのモードが選択可能。また、メニュー画面で視点切り替えボタンを押すと、簡易コンフィグが表示される。
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このうち「ストーリーモード」に限り、最初から全話が選択可能となっている。ただし、「文太に挑戦!!」は選択不可である。
モード説明
ストーリーモード
-
『Zero』の「公道列伝」および従来の「公道最速伝説」に相当するモードで、今作では名称がそのままストーリーモードとなった。今作では内容も大幅に変更され、プレーヤー自身が『頭文字D』の世界を追体験する内容となっている。主にプロジェクトDの華やかな活躍の裏で原作キャラと共闘する完全オリジナル展開の後日談となっている。
-
ストーリーは共通で「1つのチャプターで5話固定構成」となっており、稼働当初に実装されたチャプターは原作漫画におけるプロジェクトD編直前までの全6チャプターである。敗北した際のペナルティは「モード報酬が貰えない」程度と軽微である。
-
1つのチャプターをクリアするとそのチャプターに限り「難易度2」が解禁され、以後も全てクリアすれば1段階上の難易度が解禁される。「難易度5」をクリアすればそのチャプターは「COMPLETE」となるものの、以後もクリア済みの話をプレーすることは可能でチューニングポイントのみならず経験値も獲得可能。そのため、上位難易度クリアは実質称号獲得のためなどのやり込みの域となる。
+
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詳細
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追加日
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セクター
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チャプター
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※初期収録
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第一部
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Chapter 1 : 前夜
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Chapter 2 : 挑戦
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Chapter 3 : 衝撃
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Chapter 4 : 強襲
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Chapter 5 : 強者
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Chapter 6 : 決戦
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2021/7/15 (Ver.1.1)
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第二部
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Chapter 7 : 点火
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Chapter 8 : 猛者
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2022/1/27 (Ver.1.3+A)
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Chapter 9 : 連合
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2022/7/14 (Ver.1.5)
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Chapter 10 : 狂恋
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2022/12/15 (Ver.1.7)
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Chapter 11 : 峠神
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2023/12/14 (Ver.2.3)
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Chapter 12 : 聖地
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文太に挑戦!!
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2022年4月28日の「Ver.1.41」アップデートでついに『Ver.』当時の仕様として完全復活した上級者向けモード。ストーリーモードから選択可能だが、あらかじめ「走り屋グレード」を「C9」以上に上げておかなければ出現すらしない。
-
『Ver.3』までと同様に選択したコースの下りルートで伝説の走り屋「藤原文太」と勝負する。同様に文太の本気度を示す「文太レベル」が設定されている。『6AA』や『7AAX』の「公道最速伝説 Legend」同様、いろは坂におけるジャンプでのショートカットを使用してくるなど、格の違いを見せつけてくる。
-
『Ver.3』との違いは「挑戦する際にポイントを賭ける必要無し」「敗北時のペナルティ無し」「無条件でコンティニューできるようになった」「『Ver.2』と異なる形で文太レベルの上限が★15から★30に上げられた」である。
+
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詳細
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文太レベル
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使用車種
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文太レベルで変化する内容
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★1~★5
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TOYOTA SPRINTER TRUENO GT-APEX (AE86)
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★6~★10
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TOYOTA SPRINTER TRUENO GT-APEX (AE86) プロジェクトD前期仕様
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★11~★30
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SUBARU IMPREZA WRX type R STi Version V (GC8)
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コース
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追加日
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選べるコース
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秋名(下り)
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※モード追加時より
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赤城(下り)
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いろは坂(下り)
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2022/5/19
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秋名(雪)(下り)
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2022/6/23 (Ver.1.41+A)
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妙義(下り)
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2022/11/17 (ver.1.61)
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もみじライン(下り)
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2023/6/22 (Ver.2.0)
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八方ヶ原(往路)
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2023/11/9 (ver.2.21)
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タイムトライアル
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各コースや時間帯を自由に選んでタイムを競うモード。時間帯の違いでタイムやランキングには一切影響しない。「ver1.4」より新たな最上位ランク「MASTER+」が導入。併せて基準タイムも調整され、「PROFESSIONAL」「MASTER」の基準タイムが易化され、基準単位も従来の0.5秒単位から0.1秒単位に変更された。
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各コースには評価タイムが設定されており、それぞれ「ROOKIE」「REGULAR」「SPECIALIST」「EXPERT」「PROFESSIONAL」「MASTER」「MASTER+」の順に評価が上になっている。「ROOKIE」「REGULAR」は初中級者向けでDキャッシュの獲得量も少なく、目標タイムが全てのコースで固定されている。「SPECIALIST」以上はコースごとに決められたタイムで完走する必要があるため、一転して相応の実力が必要となる。
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コース習熟度が設定されており、完走するとゲージが増加し、ゲージが満タンになるとレベルが上がる。当然良成績であればあるほどゲージの増加量も増える。
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最低レベルはLv.0で、このレベルに限り1回の完走だけでLv.1になる。Lv.5までは低成績でも微量にゲージが増加するが、Lv.6以上では「SPECIALIST」以上の評価タイム、Lv.9以上では「PROFESSIONAL」以上の評価タイムでの完走した場合に限りゲージが増加する。
-
このモードに限り、ゴーストを表示することができ、前回までにプレーした中で最も速いタイムのゴーストをコンティニューする限りまで表示させることができる。ゴースト自体は保存されないため、コンティニューをしなかった場合はこのゴーストデータは破棄される。
名称
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備考
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ROOKIE
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指定タイムが6分(秋名湖のみ5分)と固定されている。
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REGULAR
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指定タイムが4分(秋名湖のみ2分50秒)と固定されている。
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SPECIALIST
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EXPERT
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PROFESSIONAL
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MASTER
|
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MASTER+
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従来のMASTER評価のタイムはこちらに移設された。
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公道最速理論
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「Ver.1.15」で追加された1人用モード。このモードでは全国の走り屋データと対戦でき、2人または4人で対戦することができる。走り屋データの詳細な仕様はまだ明らかとはなっていない。
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モードを開始する際にタッグを組むパートナーと呼ばれるキャラクターを選択する。このパートナーは後で変更することができ、5回のプレーごとにパートナーとの提携を解消するかどうかを尋ねられるが、そのまま継続して組むことも可能である。
-
パートナーごとに「親睦度」が設定されており、走り屋データに勝利するたびに経験値が貯まり、親睦度が満タンになるとレベルが上がる。
-
対戦相手には、「おまかせ」と「強豪」の2つが用意されている。
-
「おまかせ」は自身と近似の強さを持つ走り屋データと戦える。
-
「強豪」は全国の実力者との真剣勝負で、タイムアタックの近い評価タイムを持つデータと最大3人まで対戦可能。勝利数に応じて「強豪Lv.」を上げていき、最終的にはLv.10にする。レベルはルートごとに設定されており、同じコースでも他のルートとレベルを共有することはできない。
+
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タッグを組める登場人物
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登場人物
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チーム
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使用可能日
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使用可能条件
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埼玉・東京エリア
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秋山渉
|
-
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※モード追加時より
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栃木・茨城エリア
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須藤京一
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エンペラー
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2021/10/7 (Ver.1.2)
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駆動方式「4WD」の車種を最低1台納車済
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岩城清次
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群馬エリア
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藤原拓海
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-
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※モード追加時より
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池谷浩一郎
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秋名スピードスターズ
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高橋啓介
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赤城レッドサンズ
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|
沙雪
|
インパクトブルー
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|
中里毅
|
妙義ナイトキッズ
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2021/10/7 (Ver.1.2)
|
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高橋涼介
|
赤城レッドサンズ
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2022/3/17 (Ver.1.4)
|
公道最速理論モードのランク「クリアブルー★1」以上
|
佐藤真子
|
インパクトブルー
|
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庄司慎吾
|
妙義ナイトキッズ
|
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藤原文太
|
-
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2023/4/17 (Ver.2.0)
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文太に挑戦モードで秋名の文太レベル★5をクリア
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茂木なつき
|
-
|
公道最速理論モードのランク「クリアグリーン★2」以上
|
栃木・茨城エリア
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小柏カイ
|
-
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2022/10/6 (Ver.1.6)
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スマイリー酒井
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東堂塾
|
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二宮大輝
|
|
|
店内バトル
-
同じ店舗内の筐体同士の通信対戦。予め対戦したい人同士とのみでの対戦も可能。最大4人まで同時に対戦できるようになった。3人または4人での同時対戦が可能な峠を舞台としたレースゲームは、タイトー製の『バトルギア4 Tuned』以来15年ぶりとなる。
オンラインバトル
-
今作ではICカードのみならず、フルスペックにチューニングされた車種を最低1台は所持していないと選択すらできなくなっている。全国対戦を待っているプレーヤーを自動的に検索しマッチングして対戦する流れとなっている。
-
時間内にマッチングできなかった場合は150秒の猶予時間を与えられ、その間はタイムアタックモードかストーリーモードをプレーする形でマッチング待ちとなる。猶予時間以内にマッチングした場合は残り猶予時間が「Connecting…」表記に変わり、しばらくして自動的にマッチングされた後にオンラインバトルに復帰する。
収録車種とコース
-
稼働初期、収録車種は大幅に削減されており、原作でいう第一部(プロジェクトD発足前)までに登場したキャラクターの愛車を中心とした18車種のみとなっていた。
-
収録コースも同様に削減されており、『Ver.2』の収録コースの傾向に似せたラインナップの6+1コースのみとなっていた。
属性
-
新たにコースと車種に「属性」という概念が追加された。大きく分けて「コースの特性」と「得意な走行ルート」の2種類があり、これらが一致している場合は走りやすくなる。これにより、大まかではあるがようやく車種性能、ひいては旧作の「番長車」の概念が明確になった形となる。
-
コース属性はコースのレイアウトを大まかに表したもので、「高速」「テクニカル」の2つに分かれる。
-
得意ルートはどのような走行ルートが得意かを示す。下り道に強い「ダウンヒル[DH]」、上り道に強い「ヒルクライム[HC]」、上り下りを問わず、周回コースなどの高低差に統一性のないコースに強い「オールラウンダー[AR]」の3つがある。
コース属性
|
>>
|
高速
|
<>
|
テクニカル
|
ルート傾向
|
DH
|
ダウンヒル
|
HC
|
ヒルクライム
|
AR
|
オールラウンダー
|
主な仕様
-
今回は事前に保有している車種の中から3台までを「使用車種」として登録、レース開始時にその3台の中から選出するシステムとなっている。
-
店内・全国対戦においては全員が希望コースを1つ提出、その中から抽選する方式となった。
-
その為、相手の登録車種も考慮しつつコースを選ぶ戦略性も付加された。
チューニングスタイル
-
従来同様チューニングスタイルも存在するが、どれを選んだかによってルート属性が変化する。
-
同じ車であっても、チューニングスタイルが違う場合は別の車種として扱われる。そのためそれぞれで車種購入が必要になる他、チューニングの進捗状況やドレスアップパーツも全て個別になる。その代わり、同じ車種を複数使用車種として登録することも可能となっている。
収録車種
+
|
収録車種一覧
|
備考
-
搭乗キャラに「(※人名)」と記載されているものに関しては、今作では登場していないものの、原作で搭乗者の設定がなされているという意味である。人物名の後ろに「(※漫画名)」と記載されている人物は他漫画作品の略称である。
-
備考欄は「ドレスアップパーツ装着不可」などの『THE ARCADE』内での制約などが記載されている。詳細は以下の表の通り。
ゲーム内備考の詳細
エアロ系の装着可否
|
(※パーツ名)装着可能
|
記載されたドレスアップが更に装着できる車種。
|
エアロ系不可
|
ホイール、ホイールアライメント、ボディカラーのみ変更可能な車種。 条件を満たしてアンロックされるエアロが用意されている場合もこちらに含まれる。
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外見変更不可
|
ホイールアライメント、ボディカラーのみ変更可能な車種。
|
他漫画タイトルの略称
|
MFG
|
MFゴースト
|
湾岸
|
湾岸ミッドナイト
|
車種一覧
-
並び順は車種選択画面に準ずる。
-
実車で7速以上のギアが設定されている車種の場合は、6速までの使用となる。
追加日
|
車種
|
初出
|
得意コース
|
得意ルート
|
駆動方式
|
搭乗キャラ
|
ゲーム内備考
|
トヨタ(14車種)
|
※初期収録
|
SPRINTER TRUENO GT-APEX (AE86)
|
Ver.1
|
テクニカル
|
DH / HC
|
5速FR
|
藤原拓海
|
|
2021/7/15 (Ver1.1)
|
SPRINTER TRUENO 2door GT-APEX(AE86)
|
7AAX
|
テクニカル
|
DH
|
5速FR
|
(※乾信司)
|
|
※初期収録
|
COROLLA LEVIN GT-APEX (AE86)
|
Ver.1
|
テクニカル
|
HC
|
5速FR
|
秋山渉
|
|
COROLLA LEVIN SR (AE85)
|
Ver.2
|
テクニカル
|
HC
|
5速FR
|
武内樹
|
|
86 GT (ZN6)
|
7AAX
|
高速
|
DH / AR
|
6速FR
|
片桐夏向(MFG)
|
|
MR2 G-Limited (SW20)
|
Ver.1
|
テクニカル
|
DH
|
5速MR
|
小柏カイ
|
|
2022/3/17 (Ver.1.4)
|
MR-S S EDITION (ZZW30)
|
Ver.1
|
テクニカル
|
DH
|
5速MR
|
(※小柏カイ)
|
|
2022/1/27 (Ver.1.3+A)
|
ALTEZZA RS200 Z EDITION (SXE10)
|
Ver.2
|
テクニカル
|
DH
|
6速FR
|
秋山延彦
|
|
CELICA GT-FOUR (ST205)
|
Ver.3
|
テクニカル
|
AR
|
5速4WD
|
御木
|
|
2021/7/15 (Ver1.1)
|
Supra RZ(JZA80)
|
5
|
高速
|
HC
|
6速FR
|
(※皆川英雄)
|
|
GR YARIS 1st Edition RZ “High performance”(GXPA16)
|
※新録
|
高速
|
AR
|
6速4WD
|
-
|
|
2021/12/23 (Ver1.3)
|
GR SUPRA (DB42)
|
※新録
|
高速
|
AR
|
8速FR
|
諸星瀬名(MFG)
|
|
2023/4/17 (Ver.2.0)
|
CHASER 2.5 TourerV (JZX100)
|
※新録
|
テクニカル
|
HC
|
5速FR
|
-
|
|
2023/12/14 (Ver.2.3)
|
GR86 RZ (ZN8)
|
※新録
|
テクニカル
|
DH
|
6速FR
|
-
|
|
日産(11車種)
|
※初期収録
|
SKYLINE GT-R V・specII (BNR32)
|
Ver.1
|
高速
|
HC
|
5速4WD
|
中里毅
|
|
2021/7/15 (Ver1.1)
|
SKYLINE GT-R V-specII Nür(BNR34)
|
Ver.1
|
高速
|
AR
|
6速4WD
|
星野好造
|
|
※初期収録
|
SILVIA K's (S13)
|
Ver.1
|
テクニカル
|
AR
|
5速FR
|
池谷浩一郎
|
|
Silvia Q's (S14)
|
Ver.2
|
テクニカル
|
DH / HC
|
5速FR
|
中村賢太
|
|
2021/7/15 (Ver1.1)
|
Silvia Spec-R(S15)
|
Ver.1
|
高速
|
HC
|
6速FR
|
東京から来た二人 (※奥山広也)
|
|
※初期収録
|
180SX TYPE II (RPS13)
|
Ver.1
|
テクニカル
|
DH
|
5速FR
|
健二
|
|
2021/10/7 (Ver.1.2)
|
FAIRLADY Z Version S (Z33)
|
6AA
|
高速
|
HC
|
6速FR
|
(※池田竜次)
|
|
※初期収録
|
NISSAN GT-R NISMO (R35) (※今作で2014→2017年モデルに変更)
|
8∞
|
高速
|
HC
|
6速4WD
|
相葉瞬 (MFG)
|
外見変更不可
|
2021/7/15 (Ver1.1)
|
SKYLINE 25GT TURBO(ER34)
|
Ver.3
|
高速
|
HC
|
5速FR
|
川井淳郎
|
|
2021/4/22
|
Fairlady Z (S30)
|
※新録
|
高速
|
HC / DH
|
5速FR
|
朝倉アキオ(湾岸)
|
コラボ限定カラー(ミッドナイトブルー)が存在
|
2022/12/12 (ver.1.7)
|
FAIRLADY Z Version ST (RZ34)
|
※新録
|
高速
|
AR
|
6速FR
|
-
|
|
ホンダ(5車種)
|
※初期収録
|
CIVIC SiR・II (EG6)
|
Ver.1
|
テクニカル
|
DH / HC
|
5速FF
|
庄司慎吾
|
|
2021/7/15 (Ver1.1)
|
CIVIC TYPE R(EK9)
|
Ver.1
|
テクニカル
|
DH / AR
|
5速FF
|
二宮大輝 館智幸
|
|
INTEGRA TYPE R(DC2)
|
Ver.1
|
テクニカル
|
HC
|
5速FF
|
スマイリー酒井
|
|
S2000(AP1)
|
Ver.1
|
テクニカル
|
DH
|
6速FR
|
城島俊也
|
|
NSX(NA1)
|
6AA
|
高速
|
HC
|
5速MR
|
(※北条豪)
|
|
マツダ(6車種)
|
※初期収録
|
SAVANNA RX-7 ∞III (FC3S)
|
Ver.1
|
高速
|
DH / AR
|
5速FR
|
高橋涼介
|
|
efini RX-7 Type R (FD3S)
|
Ver.1
|
高速
|
AR
|
5速FR
|
高橋啓介 岩瀬恭子
|
|
2021/10/7 (Ver.1.2)
|
RX-8 Type S (SE3P)
|
Ver.3
|
テクニカル
|
DH
|
6速FR
|
-
|
|
2021/7/15 (Ver1.1)
|
EUNOS ROADSTER (NA6CE)
|
Ver.2
|
テクニカル
|
DH
|
5速FR
|
末次トオル
|
|
2022/1/27 (Ver.1.3+A)
|
ROADSTAR RS (NB8C)
|
Ver.1
|
テクニカル
|
DH
|
6速FR
|
(※大宮智史)
|
|
2021/7/15 (Ver1.1)
|
RX-7 TYPE RS (FD3S)
|
Ver.2
|
高速
|
HC
|
5速FR
|
-
|
|
スバル(5車種)
|
※初期収録
|
IMPREZA WRX type R STi Version V (GC8)
|
Ver.2
|
高速
|
AR
|
5速4WD
|
藤原文太
|
|
2022/10/6 (Ver.1.6)
|
IMPREZA WRX STI (GDBF)
|
4
|
高速
|
AR
|
6速4WD
|
-
|
|
2022/10/6 (Ver.1.61 Rev.1 +B)
|
IMPREZA WRX STi (GDBA)
|
Ver.1
|
高速
|
AR
|
6速4WD
|
-
|
|
2021/7/15 (Ver1.1)
|
BRZ S(ZC6)
|
8∞
|
高速
|
DH
|
6速FR
|
-
|
|
2022/3/17 (Ver.1.4)
|
STI S207 NBR CHALLENGE PACKAGE (VAB)
|
Zero
|
高速
|
HC
|
6速4WD
|
-
|
|
三菱(7車種)
|
※初期収録
|
LANCER GSR Evolution III (CE9A)
|
Ver.1
|
テクニカル
|
DH / AR
|
5速4WD
|
須藤京一
|
|
LANCER RS EVOLUTION IV (CN9A)
|
Ver.1
|
テクニカル
|
HC
|
5速4WD
|
岩城清次
|
|
2022/10/6 (Ver.1.61 Rev.1 +B)
|
LANCER Evolution IX GSR (CT9A)
|
4
|
高速
|
HC
|
6速4WD
|
-
|
|
2021/10/7 (Ver.1.2)
|
LANCER EVOLUTION VII GSR (CT9A)
|
Ver.1
|
テクニカル
|
HC
|
5速4WD
|
(※小早川)
|
|
2022/10/6 (Ver.1.6)
|
LANCER EVOLUTION X GSR (CZ4A)
|
6AA
|
高速
|
HC
|
6速4WD
|
-
|
|
2022/7/14 (Ver.1.5)
|
LANCER RS EVOLUTION V (CP9A)
|
Ver.3
|
テクニカル
|
AR
|
6速4WD
|
ランエボVの男
|
|
LANCER GSR EVOLUTION VI T.M.EDITION (CP9A)
|
Ver.3
|
テクニカル
|
AR
|
5速4WD
|
ランエボVIの男
|
|
スズキ(2車種)
|
2021/7/15 (Ver1.1)
|
Cappuccino (EA11R)
|
Ver.2
|
テクニカル
|
DH
|
5速FR
|
坂本
|
|
2022/7/14 (Ver.1.5)
|
SWIFT Sport (ZC33S)
|
※新録
|
テクニカル
|
AR
|
6速FF
|
-
|
|
頭文字D(1車種)
|
※初期収録
|
SILEIGHTY
|
Ver.1
|
テクニカル
|
AR
|
5速FR
|
佐藤真子&沙雪
|
|
ポルシェ(2車種)
|
2021/4/22
|
911Turbo3.6 (964)
|
※新録
|
高速
|
HC / AR
|
5速RR
|
島達也 (湾岸)
|
|
2021/12/23 (Ver1.3)
|
718Cayman (982)
|
※新録
|
高速
|
DH
|
6速MR
|
M.ベッケンバウアー (MFG)
|
|
未復活車種
メーカー
|
車種
|
初出
|
削除
|
駆動方式
|
備考
|
今作未収録車種(3+2+11車種) ※全て搭乗キャラ無し
|
トヨタ
|
PRIUS S "TOURING selection" (ZVW30)
|
6AA
|
DAC
|
CVT
|
|
FT-86 G Sports Concept
|
6AA
|
7AAX
|
6速FR
|
86 GT (ZN6)に差し替え
|
日産
|
シルビア K's AERO (S14)
|
Ver.1
|
4
|
5速FR
|
後期型
|
GT-R (R35)
|
6AA
|
8∞
|
6速4WD
|
GT-R NISMO (R35)に差し替え
|
スバル
|
IMPREZA WRX STi Version VI (GC8)
|
Ver.1
|
4
|
5速4WD
|
4ドア車
|
コンプリートカー
|
TOP SECRET SUPER G-FORCE SUPRA (JZA80改)
|
7AAX
|
DAC
|
6速FR
|
|
HONDA TWINCAM MONSTER CIVIC TYPE R (EK9)
|
5速FF
|
|
Honda NSX-R GT (NA2)
|
6速MR
|
特別仕様車
|
RE雨宮 幻気-7 (FD3S)
|
5速FR
|
|
power house amuse S2000 GT1 (AP1)
|
6速FR
|
|
MAZDASPEED ROADSTER C-SPEC (NA8C改)
|
5速FR
|
|
MCR SKYLINE GT-R 魔王号 (BNR34改)
|
Zero
|
6速4WD
|
|
藤田エンジニアリング RX-7 魔王号 (FD3S改)
|
5速FR
|
|
MFGHOST 86GT (改) 片桐夏向仕様 (ZN6改)
|
6速FR
|
|
J'S RACING S2000 魔王号 (AP1改)
|
6速FR
|
|
MFG GT-R NISMO (改)相葉瞬仕様 (R35改)
|
6速4WD
|
|
|
+
|
収録コース一覧
|
-
並び順は「コース選択画面」に準ずる。
-
初出はレイアウトが現行のものに変更されたバージョンを記載する。周回数やスタート・ゴール地点の変更については考慮しないものとする。
追加日
|
難易度
|
コース名
|
初出
|
全長
|
コース属性
|
ルート
|
※初期収録
|
初級
|
秋名湖
|
5
|
3,194m×2Laps
|
高速
|
左周り(AR) / 右周り(AR)
|
2022/7/14 (Ver.1.5)
|
中級
|
箱根
|
8∞
|
10,764m
|
高速
|
下り(DH) / 上り(HC)
|
※初期収録
|
碓氷
|
6AA
|
3,972m×2Laps
|
テクニカル
|
左周り(AR) / 右周り(AR)
|
妙義
|
5
|
7,068m
|
テクニカル
|
下り(DH) / 上り(HC)
|
赤城
|
Ver.2
|
5,912m
|
テクニカル
|
下り(DH) / 上り(HC)
|
秋名
|
Ver.1
|
7,308m
|
高速
|
下り(DH) / 上り(HC)
|
上級
|
いろは坂
|
Ver.2
|
5,090m
|
テクニカル
|
下り(DH) / 逆走(HC)
|
2022/3/17 (Ver.1.4)
|
超上級
|
筑波
|
4
|
6,808m
|
高速
|
往路(AR) / 復路(AR)
|
2021/7/15 (Ver.1.1)
|
上級
|
もみじライン
|
8∞
|
6,255m
|
高速
|
下り(DH) / 上り(HC)
|
超上級
|
八方ヶ原
|
5
|
5,580m
|
テクニカル
|
往路(AR) / 復路(AR)
|
2022/10/6 (ver.1.6)
|
長尾
|
6,558m
|
テクニカル
|
下り(DH) / 上り(HC)
|
2021/10/1 (Ver.1.2)
|
上級
|
定峰
|
6AA
|
6,812m
|
高速
|
下り(DH) / 上り(HC)
|
2022/1/27 (Ver.1.3+A)
|
土坂
|
7AAX
|
6,806m
|
高速
|
往路(AR) / 復路(AR)
|
2023/4/17 (Ver.2.0)
|
超上級
|
七曲り
|
5,870m
|
テクニカル
|
下り(DH) / 上り(HC)
|
2024/4/4 (Ver.2.4)
|
超上級
|
椿ライン
|
6AA
|
7,359m
|
高速
|
下り(DH) / 上り(HC)
|
※初期収録
|
秋名(雪)
|
7,308m
|
高速
|
下り(DH) / 上り(HC)
|
2023/7/27 (Ver.2.1)
|
上級
|
群サイ
|
Zero
|
6,002m
|
高速
|
往路(AR) / 復路(AR)
|
2021/12/23 (Ver.1.3)
|
中級
|
小田原
|
4,420m×2Laps
|
高速
|
順走(AR) / 逆走(AR)
|
2022/12/12 (Ver.1.7)
|
超上級
|
筑波(雪)
|
7AAX
|
6,808m
|
高速
|
往路(AR) / 復路(AR)
|
2023/10/5 (Ver.2.2)
|
土坂(雪)
|
6,806m
|
高速
|
往路(AR) / 復路(AR)
|
2023/12/14 (Ver.2.3)
|
上級
|
ヤビツ
|
※新録
|
6,086m
|
テクニカル
|
下り(DH) / 上り(HC)
|
スタート・ゴール地点
これまでのシリーズと比較して、一部コースのスタート/ゴール地点が変更されている。距離としては数百メートル分。
-
秋名…下りゴール地点/上りスタート地点 → 短縮
-
赤城…下りゴール地点/上りスタート地点 → 延長
-
もみじライン…下りスタート地点/上りゴール地点 → 延長
未復活峠
難易度
|
コース名
|
初出
|
削除
|
全長
|
ルート
|
超上級
|
正丸
|
Ver.3
|
4
|
5,812m
|
往路/復路
|
椿ライン
|
6AA
|
DAC
|
7,312m
|
下り/上り
|
|
新要素・変更点
バトルスコア
-
従来のタイヤ温存・ボディ損傷システムに変わる逆転要素で、店内・全国対戦にてブースト有りの場合に適用されるルール。
-
走行中はバトルスコアと呼ばれるゲージが溜まっていき、ゲージ量に応じてラスト数百メートルでブーストが掛かり有利になる。バトルスコアはライバル車より5メートル以上離して走行すると溜まるスピードが速くなるが、逆に壁に接触したり逆走をしてしまうと減少してしまう。
-
レース終盤になると「ラストスパート」と表示され、お互いのマイキャラがオーラを纏うようになる。最初は黄色のオーラだが、ゲージが1本貯まるごとに緑→青→紫の順で色が変化し、どちらが優勢かが一目でわかるようになっている。
キーホルダー
-
ドレスアップの一種として、レース中の画面上側(バックミラー左側)にキーホルダーを吊り下げられる機能が追加された。キーホルダーやストラップの飾付けと言えば、同社のレースゲーム『ラッドモビール』以来実に30年ぶりの実装である。
-
キーホルダーは各種条件を満たすことで入手できる他、イベントの報酬として様々なものが用意されている。
-
ただぶら下がるだけでなく、マシンの動きに応じて揺れるようにもなっている。
評価点
今作では特に原作愛と言う言葉に相応しいほどにストーリーモードが高く評価されており、次点として原作ネタを絡めた小ネタ要素、エアロパーツの種類、ある程度のユーザビリティの改善が挙げられる。
磨かれた原作愛
本作最大の評価点にして、原作ファンも唸らせる出来栄えとなっている。単体で見ても優れた出来栄えとなっており、プレーに支障が来ないばかりか、現在の状況が一目でわかるなど、むしろプラスな方向に働いてるのも特筆すべき点である。
ICカード未使用時のストーリーモードの選択範囲が大きく広がり、現在採用されているチャプターが最初から全て選べるようになっているため、どんなシナリオが展開されるかをちょっと確認したい原作ファンは、この機会に是非一度は触れてみてはいかがだろうか。
表現を尊重した漫画シェーダー
-
今作最大のセールスポイントであり、PVの段階で全面的にアピールされているほどに、稼働前の段階の中では最も注目されていたポイントである。ストーリーモードでの演出のひとつとして採用されてあり、映像を見ればわかることだが、早い話、原作漫画の陰影表現やタッチを再現する、いわゆるレンダリングである。
-
主にバトル前後の会話シーンやバトル中の名シーンを意識した展開がとられる自動運転区間で用いられる。ブラインドアタックを行っている状態で差し掛かると、それらが反映された状態でシェーダー処理が施されるため、興味があれば是非ともこの目で確かめてみてほしい。惜むならば『アウトモデリスタ』とは異なりゲームプレー中にまでレンダリングが施されていなかったり、切り替えられる機能がないところだろうか。
-
切り替えの際はコース奥より白い境界線が迫り、それをくぐることによって漫画(イベント)とカラー(ゲーム)の2つの世界を行き来している。アニメシリーズの熱心なファンなら、5thステージのOPを想像してもらうと非常にわかりやすいだろう(最初の部分がセピア調になっていると言えばより正確)。
しげの秀一先生監修のifシナリオ
-
全体的に原作の後日談にあたる時系列となっており、プレーヤーは「『秋名のハチロク』と呼ばれる青年が各地の峠を賑わせる少し前、その裏側で同じく頭角を現し始めていた走り屋」となって物語に介入してゆくこととなる。基本的に原作に沿った内容であるものの、今作では原作における主人公の藤原拓海らが関わっていない時は、秋山渉が積極的に関与する内容となっている。原作後半で間接的ながらもサポート役としてまわることもある彼らしい活躍と言えるだろう。「Ver.1.1」追加分のシナリオならば、須藤京一が代わって関与する形となる。原作をある程度知っていなければわからないであろう事実である、元々東堂塾の塾生だった過去を持つ彼なりの葛藤を描いたシナリオが展開される。「Ver.1.3+A」の追加分ならば埼玉北西エリア連合のメンツ達とのバトルが繰り広げられる。
幅を利かした表現
-
キャラごとに個性付けされた走行を行う点もポイント。定番の藤原拓海の溝落としはもちろんのこと、武内樹はコーナーを抜ける度にフラついた走行も。
-
『Zero』で廃止されてしまっていたローリングスタート形式のバトルも復活、さらに新要素である最大4人同時対戦も活かされている。
-
「バトルを繰り広げている中で他の走り屋と遭遇しそれをも巻き込んでしまう」といったシチュエーションも用意されている。
-
従来と大きく異なる仕様として、各エピソード毎にクリア条件が提示されるようになっている。これは必ずしも勝利だけが目的になるわけではないため、結果として表現にも幅を利かせられるようになった。
漫画的表現を落とし込んだ演出
-
ストーリーモードのバトル前後の台詞や自動走行区間で流れる、漫画のコマを巧みに交ぜた演出は、上記漫画シェーダーの掛かるなかでの効果的な演出として雰囲気を盛り上げる要素として機能している。
-
キャラクターボイスが存在しないのは『Zero』同様だが、バトル中は画面中央下に、キャラクターの表情と共に台詞が表示されるギミックを新たに搭載。状況を理解することこそ容易にはなった。
-
この表情は、別の素材を使用している茂木なつきを除いて『Ver.』時代の3Dモデルの切り抜きとなっている。
アニメも顔負けなナレーション
-
物語ごとの始まりと終わりのナレーション、更にはストーリーモード限定でのスタンディングスタート時のカウントに、ズバリ、アニメ版の次回予告のナレーションを務めた細井治が担当している。『ARCADE STAGEシリーズ』の『4』から『8』において、プロジェクトD広報役の史浩のボイスも担当しており、その迫力あるボイスはさながらアニメの世界へ引き込ませる演出として効果的に働いており、そうした意味でも原点回帰を意識していることが窺える。これだけでも『Zero』での批判点である「淡白過ぎる」と言った点もある程度は解消されたものと言えるだろう。
-
ただし声優絡みによる権利関係の都合か、シートスピーカーしか流れないように施されているため、ライブ配信などで外部へ出力されたキャプチャ映像からはセッティング次第では聴くことができない点は注意。言うまでもなくシートスピーカーが故障している場合もそれが堪能できないと言うことでもある。
擬音機能
-
新たに走行中の擬音機能が搭載されたが、これが原作漫画の字体そのままで入る本格仕様となっている。
-
一例としてスタートダッシュなどで加速する時やドリフト中は「ギャアアアア」と言う、読者なら完全にお馴染みの擬音が入り、ライバルカーや壁への接触は「ガシ」「ゴン」、碓氷や秋名でミゾ落としが決まると、黒抜きの「ドン」と言う擬音が画面中央下に入る、といった格好である。
-
ドリフトや接触の度合いによって語尾が伸びたり表示される内容や位置も変わるので、尚のこと効果的な演出として華を添えている。
-
ゲームセンターの騒がしい環境下、細かい効果音が聞こえにくい中にあっても、擬音によって視覚的に起きていることが理解できるというのも地味ながら有意義。
-
スッキリした画面にしたい場合はOFFにもできる。
ユーロビート
A-Oneによる『頭文字D』に馴染むサウンド
-
今作では従来の『SUPER EUROBEAT』は収録されていないが、それをオマージュした『東方Projectシリーズ』のユーロビートリミックスに関する同人アルバムシリーズ『TOHO EUROBEAT』でおなじみELEMENTAS主宰の同人サークル「A-One」が全面的に関与した完全新曲を提供している。しかし原作ありきで見ても雰囲気を壊すどころか世界観にすんなり溶け込んでおり、事前知識のない人にその事実を知って驚愕の反応を示したユーザーも。単体の出来で見ても流石プロとしても精力的に活動する制作集団なだけあってそのクオリティは秀逸の一言である。
『Zero』でのコラボ故に誤解しているユーザーが一定数居るものの、今作稼働10日前の2021年2月15日にて主宰者も苦言を呈してる通り、稼働当初で東方要素は全く無かったため、そちらの面で過度な期待をしたり難癖をつけることのないよう気をつけたし。
-
ボーカル担当もこれまた多彩であるのも見逃せない。『TOHO EUROBEAT』常連のボーカリストはもちろんのこと、セガ所属の「日本一歌の上手いサラリーマン」こと光吉猛修による「SUPER SONIC」だけでなく、「THE TOP」のボーカルで有名なKEN BLASTをはじめ本家『SEB』に関与しているアーティストも複数携わっており、そうした意味でも原点回帰を意識していることが見て取れる。
-
メインテーマ「SCRAMBLE EYES」はそれに加えて『アニメ版頭文字D』に積極的に関与していた実績を有する音楽グループ「m.o.v.e」の一員だったMOTSUが作詞及びラップを担当。アーティスト表記も「MOTSU vs A-One」となっており、制作者の本気が窺える。
SOUND HOLIC参戦
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「Ver.1.1」では新たに音楽制作集団「SOUND HOLIC」が参戦。こちらも完全新曲となっている。元秋葉工房メンバー・現Eurobeat Union所属のDJ Commandなども携わっている。
『東方project』コラボ
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東方コラボに合わせて、期間限定のプレイスタンプ獲得で解禁されるアイテムとして、『TOHO EUROBEAT』楽曲が5曲収録された。うち2曲は『Zero』にも収録されたものではあるが、単体の完成度で遜色ない。
『SUPER EUROBEAT』楽曲の先行収録
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更に第7回プレイスタンプの報酬として、ユーロビートの帝王ことDave Rodgersによる完全書き下ろし新曲も2曲収録。同曲は2022年1月21日発売した『THE BEST OF SUPER EUROBEAT 2021』に収録されることも同時期に発表、予定通りに収録されたため「『DAC』のために書き下ろされた新曲が『SEB』に逆輸入と言う形で収録される」と言う、ゲーム業界全体から見ても異例とも言える豪華仕様となっている。
-
特にTVシリーズのファンやARCADE STAGE初期からのファンから「SEB楽曲の収録」の根強い声があったが、『DACの楽曲(しかもDave Rodgers書き下ろし)をSEBに収録』という形で実現させるとは誰が予想しえただろうか。
ゲームシステム
挙動面の全体的な見直し
-
挙動はシリーズ中でも最も悪名高い『Zero(Ver.2)』をベースとしたものとなっているものの、それと比べて扱いやすさを向上させる形で調整されている。もちろん挙動変更で戸惑ったシリーズファンも少なからず存在しているが、全体から見れば一転して高評価を得ている。筐体流用故に、舵角の小ささから来る遊びのない過敏なステアリングは健在。姿勢制御や直進すら慣れを要する程だが、少なくとも切れ角に対して極端に曲がりすぎるといったことは殆どなくなった。
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全体的にリアル寄りにゲーム的な味付けを施した挙動になっており、素直な操作性が特徴である。駆動方式の違いを明確に感じ取れる挙動でもあり、よりマシンを操縦していると言う実感と、駆動方式を活かしたコントロールをする楽しさと駆け引きを実現。
-
従来作と同様のホバークラフトのような接地感のないふわふわとした操作性や接触判定を基軸とした挙動は据え置きではあるもの、従来ほど不安定な挙動ではなくなり、接触判定についても4人同時対戦の実装に合わせてか、派手に衝突した際に相手を押しのけられるようになるなど、ある程度改善にも着手され始められている。結果として本来の挙動の面白さを再認識できるものとなった。
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従来ではアクセル全開またはアクセルオフで行けたコーナーでもブレーキやアクセルオフを駆使する必要があるなど、より地力の求められるフットワークをこなしていく必要が出るため、結果として戦略性のある走行を求められる。最高速は秋名湖でも173km/hほどしか出なくなるほどに抑えられている。
-
ゲーム的にはアンダーキャンセル(アンキャン)を一層駆使した走りが求められ、かと言ってパタパタ走法を行う必要はないレベルの調整となっている。
店内バトルモード
-
シリーズで初めての最大4人で対戦できるモードであり、且つ現状唯一3,4人で同時対戦のできるモードである。安全対策として、事前に対戦相手が揃っている状態ならプライベートマッチングで所定の人数同士だけで対戦できる機能が設けられており、少なくとも「空いてる台でスタンバイされて有無を言う間もなくそのまま乱入」と言った無法地帯に陥らない措置がとられているも見逃せない。
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これはオンラインバトルもそうだが、バトル開始時の演出も格別の一言であり、グラフィックの質感がまるで向上したかのような画面処理が入り、さながら限りなく実車に近いグラフィックが勝負前のプレーヤーの眼中へ飛び込むこと間違い無し。
卓越したドレスアップ
-
細かな問題点こそ散見されるものの、シリーズ恒例のエアロパーツは今作でもボリューミーなものとなっており、交換可能箇所も細かくカテゴライズされており依然として多い。従来から協力している概ねのメーカーも引き続き参加しており、依然としてその評価は高い。アップデートで継続的に追加されている点からも力の入れ具合と本気ぶりが窺える。
-
更に新規メーカーに、京都府に本社を置くTRA京都が展開するエアロパーツブランド「PANDEM」「RocketBunny」が追加された。本流の「RocketBunny」はビス留オーバーフェンダーの先駆けとして高名であり、エアロパーツデザイナー三浦慶の手掛けたデザインはどれも独特な印象を与える。早速PVで走行する「86」「180SX」「S14Q’s」に装備されており、そのインパクトを思う存分に発揮していることが一眼で丸わかり。
-
一方でシリーズ皆勤だった「RS-Watanabe」が収録されなくなった。代わりにその枠を埋める形で似た形状のホイールを扱っている「Panasport Racing」に全て差し替えられている。『湾岸ミッドナイト』コラボで追加された『悪魔のZ』仕様のホイールもこれになっている
(参考までに『湾岸ミッドナイト マキシマムチューン5』の公式サイトによると『湾岸マキシシリーズ』ではRS-Watanabeの「EIGHT SPOKE」を採用しているとのこと)。
最新作である湾岸ミッドナイト マキシマムチューン6RRにて、PVや公式HPの『悪魔のZ』のホイールが、RAYS VOLK RACING TE37V(※ちなみにこのホイールは現時点では悪魔のZ限定ホイールとなっており、プレイヤーは使用不可能で同社のTE37 SAGAでの代用は可能)に差し替えられており、プレイヤー側のドレスアップパーツ一覧からもRS-Watanabeのホイールが完全に削除され、装着不可能となっている。(6Rまでに入手していたプレイヤーも例外なく装着出来ない)
原因は諸説あるが、一部のプレイヤーからは単なる契約切れ、またはエレクトロニック・アーツ社(EA)のゲームであるNeed For SpeedシリーズがRS-Watanabeのホイールを無断使用した結果、RS-Watanabeが激怒し、使用禁止にしてしまったという声も聞かれている。
やり込み要素
いずれも入手条件こそ全体的に面倒・難儀するものではあるものの、それを抜きに見た報酬の質は概ね良好である。原作を再現したネタを盛り込むなど、細かいところにも抜かりない特典は装飾として申し分ない完成度を誇る。
称号
-
種類も多彩で、飽きさせないバリエーションのみならず、原作ネタをふんだんに盛り込んだ称号は特に好評。獲得条件も比較的シンプルなものが多く、冗長な称号は限定的である。回りくどすぎる条件を達成しなければならない称号がないという意味では冗長と言える称号も少なめである。ストーリーモードで獲得できる称号に関しては、漫画の名台詞を引用したものとなっており、フレームも専用のものとなるなど、全体的に手の込んだ仕様となっている。
-
ストーリーモードで手に入る称号は、チャプターに沿った漫画の名台詞を抜粋したものとなっている。
チャットスタンプ
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前作のバトルスタンプがチャットスタンプとしてリニューアル。基本的にストーリーモードで入手するものであり、効果こそ「対戦前の意思疎通」と変わらないが、漫画の台詞をモチーフとしたものへと変貌を遂げており、それぞれの登場人物が放った名言などでやりあうものとなっている。場面の雰囲気に合った吹き出しの形状にもなっており、雰囲気ぶち壊しになることなく、自然とチャットとして溶け込むようになっている。
遂に完全復活した「文太に挑戦!!」
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2022年4月28日に、永きにわたり(『Ver.』仕様として)復活しなかった超上級者向けモード「文太に挑戦!!」が『Ver.3』仕様で完全復活。文太レベルのグラフィックも当時準拠となっており、更にこのモードに限りなんとシステムBGMからレース開始前のムービーにカーソルSE、そしてローディング中の画面やレース開始前の情報表示、果てはリザルトに至るまで『Ver.3』仕様になるという、『Ver.』時代のユーザーが感動するファンサービスが盛り込まれていると言う徹底ぶり。
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もちろん当時譲りの極悪難易度は健在であり、インチキの無い整然とした走りでプレイヤーにプレッシャーを掛けてくると同時にCPU戦で真剣勝負ができる唯一のモードと言えるため歯応えも抜群である。最初こそ「SPECIALIST」程度の易しさではあるものの、レベルが上がることに徐々に難しくなり、最終的には「MASTER+」並の速さになる点も再現されており、旧作は当時を懐かしみながらも、そしてシリーズ歴が浅いながらもタイムアタックの速さに自信のある超上級者は是非ともこの衝撃を五感全てをフル活用しながら感じ取っていただきたい。
改善点など
進化したグラフィック
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頭文字Dシリーズとしては初めてゲームエンジンとしてUnreal Engineを採用。ストーリーモードでの演出とは別に、純粋にグラフィックが精彩になった。
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コースのテクスチャも作り直されている。言葉では伝わりづらいが、画面を見ればイメージの違いは一目瞭然。特にアスファルトの石目や地割れは、光源処理の変化もあってかなりの違いを感じられる。
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「Ver.1.1」により更なるグラフィックの向上が施された。全体的に写実的で詳細な光源処理が施されることとなり、ヘッドライトのホワイトバランスがより白色蛍光灯に近くなったり、車種のテカリなどが鮮明になったことで、より現実に近づいたような見た目へと変貌を遂げた。
便利機能と改善点
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シリーズで初めて無制限のパーツストック機能が稼働当初から実装された。本来ならば存在して当たり前の機能であり評価するに値しないレベルの代物だが、従来作では「一度付け替えたパーツは自動的に破棄される」仕様であったため、今作で20年近く続いた重大な問題点の一角がようやく改善された形となる。そうした意味では大きな一歩を踏み出せた特筆点である。
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モード選択前のファクトリーモード内の「コンフィグ」では、設定・変更できる要素が『Zero』より更に増えた。特にBGMとSEの無音化が可能である為、店舗毎に異なる音量設定の筐体でもある程度は自分好みに設定可能となった。
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これは『Zero』もそうだがモード選択画面でも、視点切替を長押しすれば簡易コンフィグを開くことができる。ドレスアップなどでコンフィグが選択できなかったなどの不意な状況になってもこれである程度安心である。
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ガイドライン機能・その他視界的に邪魔になりにくいゴースト機能も搭載されており、更に表示切替も十字キー上を押せば可能である。
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三人称視点も従来と比べてカメラが引き気味になり、画面を広く見渡しやすくなった。また真後ろにピッタリくっつくのではなく、ドリフト時に車体側面を覗かせるようになるなどカメラワーク自体も向上している。
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ICカードを使っていない・オフライン時のストーリーモードの選択範囲が大きく広がり、現在採用されているチャプターが最初から全て選べるようになっているため、どんなシナリオが展開されるかをちょっと確認したい原作ファンには非常にありがたい措置がとられている。『6AA』以降における「公道最速伝説」「公道列伝」においては最初のステージしか選べないため、好きなシチュエーションでレースができなかった。そのため、カード無しでもできることが大幅に増えたともいえる。
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今作では期間限定イベント(アイテム)も、基本的に同社の『三国志大戦』のようにスタンプ制となっており、たまの休みにしかやり込めない人から、毎日少ししか時間の取れない人まで、どんな人でもポイントが稼ぎやすくなっている。『Zero』では「数回プレーでアイテム獲得→期間内にアイテムと交換」という形式であり、「急な予定で遊びに行けずアイテムが交換できなかったと」いったことも発生していた為便利になっているといえる。
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単純な便利さ以外にも、昨今の情勢や、急な用事等にもある程度対応していて便利である。
コーナー予告表示
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コーナー予告表示も更にリニューアルされ、2つ先のコーナーまで予告されるようになった。コーナー予告アイコンカラーも種類が増え、青→緑→黄→赤の順にコーナーがキツくなる。黄と赤コーナーは、音が小さくて聞き取りにくいものの点滅エフェクトと同時に警告音が鳴る。
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また、秋名と初採用の碓氷の「溝落とし」、いろは坂の「インベタの更にイン(ショートカット)」、もみじラインや筑波の「溝またぎ」、筑波の「変形溝落とし」のできるコーナーでは必ずその旨の表示がなされる点も初見ユーザーのみならず、久々にプレーしてタイミングを忘れたユーザーにもありがたい。従来でもこの仕様は存在していたものの、溝落とし以外は「!」マークが出るのみで、どんなことが発生するかは一切表示されなかった。
賛否両論点
システム面など
ATの事実上の形骸化
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『Zero』同様、MTでもシフトレバーをニュートラル状態にしている時はATになる「アドバンスドMT」は健在であり、ATを選ぶ意義が薄い。ただし今作では簡易コンフィグを含めいつでも変更ができるように改善されており、また性能差も設けられてはいない様子なので、従来ほど深刻な問題に陥ることはない。
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ただしゲームシステム的には依然として問題が見受けられる。それこそカーブを抜ける際に回転速度が低くなったことによる加速力低下を回避するために、シーケンシャルシフト時代の『8∞』までは「ATでもシフトダウンができる」機能が設けられていたはずなのだが、HゲートシフトデバイスゆえにAT時でのシフトダウンができないため、タイミングが遅れるなどして加速がもたつく局面に遭遇しやすいケースが解消されているとは言いがたい。一応、コーナリング時はある程度レブリミッターに当て続けてからシフトチェンジをするようにはなっているなど、仕様に手が付けられていないわけではない。
タイムトライアルランク
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『Zero』から引き続きタイムトライアルで叩き出したタイムによって評価されるランク機能が搭載されており、特に自己完結でタイムを極めたいプレーヤーから見ても、現在の実力及び出したタイムが客観的に見てどの程度の精度であるかを知ることができると言う意味では大変便利てある。目標タイムが自動的に設定される機能もあり、更には同じタイムで5段階の目標タイムで細分化されているため、それ自体は上達するための動機付けという観点でも秀逸。
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「ROOKIE」は頑張って完走した証として扱われており、制限時間内に完走すれば必ず手に入る。「REGULAR」に関しては、挙動に慣れた初級者の登竜門として扱われているためか、こちらも比較的易しめのタイムが設定されており、そうした意味でも一見さんにとってもやり甲斐を感じ取れるだろう。しかし「SPECIALIST」以降のタイムは決して甘くなく相応の難易度に上がるため、棲み分けも上手に図られている。
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ただし最高ランクの「MASTER+」を取得できる目標タイムが、ただ単に超上級者レベルの実力を有しているだけでは到達不能で、それこそ各コースにおける最速車種、いわゆる番車かそれに準ずる車種を使わなければならないレベルに厳しいほどに設定されている。更に少数ながらもコースと車種との相性の悪い場合は更に深刻で、一つ下の「MASTER」ですらも出せるか否かの境界線スレスレのタイムしか出せない事例が確認されている。それだけならまだしも、今作では車種別で目標タイムの達成状況が記録されるのにもかかわらず、全車種で目標タイムが一律同じであるため、その点に関しては調整不足であると言わざるを得ない。
復活を経てシリーズ最多とはなった収録車種・コース
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総じて稼働当初はシリーズでも1、2を争うほどに収録車種・コースが少なかったものの、アップデートを重ねていくうちに一転してシリーズ有数の収録車種とシリーズ最多の量を誇るコース数へと増大していった。
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車種追加は復活車種のみならず今作で初めて新録された車種も含まれており、『MFゴースト』コラボをきっかけとしたGRスープラ、ポルシェケイマンの追加の他、GRヤリス、スイフトスポーツ、チェイサーと言った新録車種も不定期ながら追加されている。
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車種復活に関してはペースは遅いながらも意欲的な姿勢を貫いた。稼働直後に発表されたその後も収録計画が公表されており、生放送では2021年7月のアップデートで追加される車種も公表されていたのもあった。さらに「リアルタイムアンケート第2段」で公表された収録予定車両については2022年11月24日の「ver.1.61.00 Rev.1 +B」にて追加された「IMPREZA WRX STI (GDBA)」「LANCER EVOLUTION IX GSR (CT9A)」をもって全ての収録が完了し、事実上ほとんどの車種が復活する形となった。なお、過去作におけるコンプリートカーの一部はベース車のエアロ、ペイントとして結合されており、「Ver2.0」現在にて前作までに追加された車種において未登場なのはプリウス1車種のみである。
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同様にコースも徐々にだが収録。さらに2023年12月14日の「Ver.2.3」にて、シリーズ史上初の収録となる「ヤビツ」が追加された。これにより原作漫画で登場済みの峠でありながらシリーズの歴史を通して収録されていない峠は「間瀬」を残すのみとなった。
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とはいえ上記の通り、車種やコースの追加ペースはかなり遅く、稼働から3年経過した現在においても一部収録漏れが見受けられる。なにより依然としてコースを中心にほとんどが「過去作からの復活」ばかりを占めており、「今作初登場の」話題の新車スポーツカーや往年の人気車種に未収録峠を題材としたコースはまだまだ多くなく偏りのあるラインナップのままであることに変わりない。よって、これから原作漫画などから興味を持った新規ユーザーに対しての説得性に乏しいと言う意味では(稼働当初よりは大幅に改善されたとはいえ)まだ改善の余地はあるだろう。
版権絡み
『頭文字D(旧作アニメ版)』『SUPER EUROBEAT』はavex社の版権物であり、2021年前後のセガゲーの例に漏れず予算が限られた状態であるためか、今作でもこれらに抵触するコンテンツや要素は一部の例外を除いて収録されなかった。
やむを得ない事情も多分に絡んでいるとは言え、コンテンツ全般としての『頭文字D』が世界的に与えた影響力ゆえに、未だ『SEB』「旧アニメ声優陣」と言った要素に強い思い入れを持つユーザーの母数が相当数であることは想像に難くなく、これらを残念がる声は根強い。
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現行のアニメ版『頭文字D』=新劇場版であり、旧アニメへの回帰が版権上困難だった可能性もある。
殆どのキャラクターボイス無し
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漫画的演出を重視した結果とも考えられるが、『Ver.』時代後期や『8∞』、家庭用の『Special Stage』でも同じような演出を部分的に取り入れつつきちんとボイスが付いてることを考えれば、シリーズ的には問題のある欠陥と言える。上記評価点の細井によるナレーションだけは実装されており、それを現状唯一のキャラクターボイスと解釈できるかもしれない。
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漫画的演出を抜きに見て、アニメ担当声優陣の全員がベテランで、藤原文太役の石塚運昇や庄司慎吾役の藤原啓治のように鬼籍に入っているケースもある事情ゆえに、そうした仕様になっているものと見ることもできる。それを加味しても上記の落差ゆえに、やはりレース中や前後のボイスが無くなったことが悔やまれるところではあるだろう。
旧作『SUPER EUROBEAT』曲は未収録
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今作での『SEB』関連曲は、前述の期間限定入手の新曲2曲だけであり、それ以外の旧曲が復活する、と言ったことは今のところ無く予定すらもされていない。
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今作のユーロビートの完成度も『SEB』に直接携わっているアーティストも複数参戦しているため、本家に負けないクオリティを誇っているものの、なまじ今作は今まで以上に(公式Twitterなどの広報も含めて)過去シリーズ作を意識した内容も多分に含まれているため「痒いところに手が届かなかった」「やはり旧作の人気曲は収録してほしかった」と言った声も見受けられる。
問題点
以下の問題点のほとんどはシリーズを通してのものであるため、シリーズファンからは(諦めを承知の上で受け入れながらも)当たり前のものと見做されるようになって久しいものの、当然ながら単体のゲームとして見れば立派な問題点であるのは言うまでもない。さらに今作ではその規模も大きく、特に収録車種の大幅減少は今までに類を見ないほどであり、従来から全く進歩していない『Zero』からの引き継ぎができない致命的なものも。
また、他に仕様が変化したことが裏目に出てしまい、複数の問題が絡み合って別の問題が生まれたことや、一見したら改善されているように見えて、ゲームテンポ的に改悪されている形で、差し引きなシステム面での問題も見受けられ、結果としてレースゲームとしては進歩に乏しい完成度となってしまっている。特に今作稼働前のインタビューにてゲームセンターを取り巻く現状を打破することに対して前向きに取り組んでいる趣旨など、新規開拓に関する発言がされていた分、従来よりも際立って目に付くものとなった。
根本的な点
ゲーム仕様の説明不足
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シリーズを通して一向に改善されない問題だが、下記ICカード未使用時の選択可能車種も全く公表されておらず、引っ掛かる一見さんが多発する事態に。更にはゲーム中で重要なドリフトランプだけでなく新要素のバトルスコアすらゲーム内や公式サイト上で説明がされていないため、経験者でも注意を要するものとなってしまっている。
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上記新要素の解説は稼働直前に配信された公式YouTubeチャンネルでの生放送で触れられたのみで、日頃から生放送を見るようなプレーヤーでもなければまず見落とすのは確かであり、到底プレーヤーへのフォローにはなっていない。各種YouTube動画については公式サイトから直接リンクが貼られているものの、新要素やゲームの仕様をゲームをプレーしながら学んだり、公式サイトの解説から瞬時に把握したいプレーヤーには大きな痛手である。
ICカード未使用時の制約
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まず目につくのは「使用車種が大幅に制限される」点と言える。と言うのもICカードを使用しない場合だと使用可能車種が8車種に制限されてしまうためである。新規プレーヤーに対して何を選べば良いかわからない事態に対しての配慮と思われるが、一見さんが好きな車種でプレーできなくなる弊害の方が圧倒的なのは火を見るよりも明らかで、完全に裏目に出てしまった格好である。
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トランスミッションが車種選択画面では選べず、メニュー画面での「簡易コンフィグ」でしかできない。デフォルトではATであるため、初心者が間違えてMTを選んでしまうトラブルを防ぐための措置と考えられる。
シリーズ最少の初期収録車種
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『Zero』稼働から数えて4年近くほど経過した後の稼働開始でありながら、今作でも初期収録車種が大幅に減少した。しかも今回のそれは従来よりも規模が尋常ではなく、現実における人気車種且つシリーズ皆勤で収録された日産の「R34GT-R」「S15シルビア」、ホンダの「DC2インテグラ」「EK9シビック」「S2000」も容赦なく削除されてしまっていた。結局今作稼働初期で残留した車種は、原作漫画の初期からプロジェクトD加入編直前までに登場した主要人物の車種16車種と、『MFゴースト』で初めて登場した2車種の計18車種に。これは内容削減仕様として批判された『Zero』の30車種はおろか、今までの歴代最少だった『4』の23車種や初代『Ver.1』の24車種よりも少なく、新たな歴代最少記録を樹立する格好となってしまっているため、稼働前の段階から立場問わず阿鼻叫喚の嵐に。
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メーカーごとの格差も目に余るものとなっている。初期収録車種の内訳として、トヨタは6車種、日産は5車種も収録されているのにもかかわらず、マツダ、三菱はそれぞれ2車種ずつ、ホンダとスバルに至ってはなんと1車種しか収録されていないなど、単体のゲームとして見てもラインナップの偏重ぶりが凄まじいことが一目でわかる代物。また、地味ながらスズキが削除された点もポイントである。
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稼働から約2ヶ月後の2021年4月23日には、後述する『湾岸ミッドナイト』とのコラボで初の追加車種「日産フェアレディZ(S30)」「ポルシェ911(964)」が収録され、更に「Ver.1.1」では前述の削除された車種を含めた14車種が追加されたが、その間は5ヶ月もあり遅過ぎる追加と言わざるを得ない。
収録コース
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グラフィックの向上以外は特に変更が見受けられず、ゲーム的にも不評である「秋名湖の2周設定」や原作ファンを中心に不評である「周回コースの碓氷」と言った点には全く手が付けられていない。ただし碓氷に関しては、上級者を中心に「タイムアタックの走りが楽しい」と言う声も根強く「オリジナルの周回コース」という観点で見れば完成度は高い。
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コースも大幅削減されており、稼働初期は『Ver.2』の収録コースの傾向に似せたラインナップの6+1コースのみとなっていた。
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時間帯は変更できても天候を変更することができない点も『Zero』譲りである。そのためストーリーモードにおいても、レインバトルの代表格というべき中村賢太や(原作再現ゆえの)坂本とのバトルが晴れのままと言うように、雨のシチュエーションが一切登場しない。一応、原作とはシチュエーションが少なからず異なっているため、違和感はそれほどではない。
中途半端なゴーストデータ
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今作でのゴーストデータは「コンティニュー以降から数えて前回までにプレーしたもののなかで最速のタイム分」が一時的に出現させるものしかなく、ゴーストデータを保存するといった機能は一切ない。不用意に小銭が切れたり車種登録などで、一旦ゲームを終了せざるを得ない場面にでも遭遇すればそれで終わりである。
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当然の如く、全国プレーヤーから指定する機能はおろか、店内での最速タイムを保持しているプレーヤーや、(カード使用の是非問わず)最後にタイムアタックをプレーしたプレーヤーと言ったゴーストを出現させる機能も当然の如く未実装。そういった意味での競争要素は、リアルタイムでのインターネットランキングに対応していない『バトルギア』などでも実現できていたことに鑑みれば、前世代タイトルにも劣ってしまった格好である。
ストーリーモード
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周回を重ねると選べる難易度の上限が解放されるが、下記CPU戦のバランスを考慮すればほとんど無意味な仕様と言える。そもそも最初から選べないという時点で、コンフィグで自由に変更できた『Ver.』時代と比べれば不便と言える。どんな周回数でも難易度1だけで進めてもそのままクリアーとしてカウントされるため、苦手な人でもそのままゲームを進めることが容易である。
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適性のない車やチューンの進んでいない車でも勝てるというメリットはあるが、なおさら難易度を周回要素として別個用意する意義が見出せるとは言い難いだろう。
ゲームバランス
極端な調整である対CPU戦
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『6』以降から全く解決していない問題として、ストーリーモードのCPUはプレーヤーが完全停止するなどの特殊な状況でもない限り、ミスをしても決められた一定の距離以上は離さない、接待的な走りに徹する仕様が挙げられる。
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演出やストーリー重視の弊害でもあるが、相手毎に抜かせるポイントや抜かされるポイントが設定されている仕様も健在。セリフこそ表示されるようになったため、タイミングだけは把握できるようになったものの、直後に物理的に抜かせない加速が発生したり、逆に手加減する速度まで落とすようになれば、勝負を投げたかのようにペースダウンしていくため、素人目で見ても難易度がおかしいと受け取られかねないレベルである。
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総じて歯応えがあるというより理不尽さが先行するバランス調整と言える。そのため、きちんと加速力とコーナーリング安定性の上昇するチューニングを優先して行っており、壁に接触しない走りを心掛けるという条件付きで、ある程度の腕前さえ身についてしまえば、負けることはまずなくなるため、1人プレーモードで白熱したバトルが体験できなくなってしまうと言うことである。逆も然りであり、チューニング不足などでコーナー脱出時に加速がもたつくような走行を続けてしまえば、ゴール1km~300m前ほどに差し掛かった瞬間、ライバルカーに補正が掛かってしまい徐々に抜かせない速度へ加速してしまう。特に八方ヶ原などの低速コーナー中心のシナリオで顕著にあらわれ、前に出ている時にブロックを積極的に駆使するなど、やや高度なテクニックを活用しない限り、まず挽回不可能に陥るため、こうなってしまえば負けが確定してしまう。
バトルスコアで崩壊した対人戦
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今作でも極端なブーストや補正を中心に、対人戦のゲームバランスが非常に悪いまま推移している。特に「バトルスコア」の存在により、専ら「前ゲー」と揶揄されるほどの先行逃げ切り有利な調整となっており、タイムアタックの速さが対戦の実力にほぼ直結することとなる。上記対CPU戦の不自然な補正はこちらでも健在であり、ゴール直前までの白熱な対戦が楽しめない状況が多発していると言う意味である。
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バトルスコアのブースト効果があまりにも大きく、誇張抜きに相手がよほどのミスをしない限り、ラストスパート地点でオーラの色が違った(=バトルスコアが負けている)時点でもう勝利を諦めてよいレベル。それこそスタートで先行を許してしまった瞬間、いきなりレースが終わってしまうような結果もままある。後追いのメリットが皆無なので、「『テクニカル』属性車種でコーナーで差を詰め、ブーストで追い抜く」よりも、「『高速』属性車種で直線で差をつける」ほうが速いという『頭文字D』自体の大本から根本的に外れているような調整になっている。ただしテクニカルコースで高速属性車種を使用すると挙動が乱れることから必ずしも有利というわけではない。
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今作では基本的に車種性能そのものではなく、バトルスコアの増減量を変更することでバランス調整を行っている。具体的には走行によるバトルスコアの増加量と、壁への接触時の減少量の2つを変更しているが、相変わらず告知内容が前回比を最大3つの三角印で表記しただけであるため、元々の性能や変更の結果がいまいち伝わらない。
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特に最初のバランス調整となったシーズン1・3rdラウンド(ver.1.05)は、ほぼ全ての車種が同じ表記で調整方針が全く見えてこなかった。一例を挙げると、猛威を振るっていたFC3Sとそれよりパワーの劣るAE86トレノやAE85レビンが、増加量「△△△」・減少量「▽▽」と全く同じ表記と、非常に抽象的なものと言ったところか。
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そればかりか、本来性能の低いAE85レビンが「バトルスコアの増加量がずば抜けている」という理由だけで、オンラインバトルはほぼこれ一色に染まってしまった。なんとバトルスコア変動量が調整されていない高速上り車種R32GT-R相手に後ろを走り続けていても、AE85側が余程壁に接触しない限りバトルスコアが上回ってしまっていた。2021年7月アップデートにおいてAE85はバトルスコア増加量が下方修正されたため、環境から姿を消した。
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せっかく車種やコース選択の仕様変更で戦略性をアピールできた所へ、いきなり環境がモノを言う現実を突き付けてしまった形である。おそらくは「性能の低い車種ほど、バトルスコアが溜まりやすく逆転性が高い反面、接触が許されない正確な走りを求められる」という調整にしたいものと思われる。また「車種選択の戦略性を評価する」と公式サイトの対戦バランス調整記事(v1.05)にて述べられているように、コースに対する車種設定に戦略性を持たせたメタゲームを展開したい意図が読み取れるが、それが実現できるまでにはまだ時間が掛かりそうと言ったところか。
車種間バランス
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今作でも車種間バランスが再び悪化してしまった。『Zero』の稼働初期における最強車種の一角だったスカイラインGT-R(R32)やサバンナRX-7(FC3S)、日産・GT-R NISMO(R35)が再び対人戦で猛威を振るうようになり、アップデートで対戦バランスが改善されつつあった『Zero』稼働末期から逆戻りするかのようにゲームバランスが悪化することとなった。特にR32は上り属性でありながら下りコースも得意とトータルバランスが高水準でまとまっており、R35に至っては全車種トップの発進加速性能とワイドボディを活かし、ひたすらブロックし続けて一方的に逃げ切る戦法が横行した。その他、2rdラウンド時点ではテクニカル車種であるS13シルビアが対戦における強車種として台頭。さすがに高速上りコースでは上記の車種に分があるが、扱いやすい挙動でありバトルスコアの溜まりも良好だった。
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更に『シーズン2』が開幕した2022年3月17日の「Ver.1.4」アップデート以降ではスカイラインGT-R(R34)も最強車種の一角に名乗りを上げており、R35にも引けを取らぬ発進加速性能に加えて過去作でネックだった回頭性も改善、バトルスコアの溜まりも良好であり、現在に至るまで高速コースではTA・対人戦共に最強の座をほしいままにしている。
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過去作では『Ver.3』以前は加速と最高速はトップクラスだったが回頭性が極端に低い直線番長だったり、『5』から『Zero』までは度重なる弱体化で加速・回頭性・各種ペナ耐性等の総合性能が非常に低くAE85レビンやプリウスと共にネタ車に転落したりと、作品にもよるがTA・対人戦共に良くて中堅下位程度に甘んじていた。
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2021年6月アップデートの対戦バランス調整において、「スタート直後のバトルスコアの加算ルール」が調整された。相手との距離が5m以上離れていると、先行車のバトルスコア増加量が後続車よりも多くなる仕様だが、この調整によってこの仕様が適用される場所が序盤のヘアピンコーナー以降となった(秋名の場合下りがAコーナー以降、上りがPコーナー以降)。そのため秋名湖等一部コースではスタート直後先行を相手にわざと譲り、後続車の強いブーストを使用してこの仕様が適用されるコーナーで相手を大きく引き離してバトルスコアを稼ぐ戦法(譲ると見せかける心理戦もないわけではないが)がまかり通っている。このため尚の事上記のようにスタートで先行を許してしまった瞬間、その時点で勝敗が決まるも同然なことが頻発してしまっている。
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無論、かつてのレースゲームのような最後にブーストを利用して追い抜くだけで勝てるゲームになるのも問題ではある。先行に対するアドバンテージは必要であることや、またブラインドアタックを駆使してでも前を取りに行くといった駆け引きに作用していないわけではない。ルール自体がタイヤ温存より単純になったことも含めて、かつての爽快感を取り戻した側面もある。問題なのは、対戦であることを考慮してもブーストという要素に本来求められる逆転性が機能していないこと、その結果「絶対に大敗はしないが勝てもしない」というある意味一番性質の悪い状態に陥ってしまっていることである。
対人戦の仕様
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オンラインバトルに関してはフルチューンした車種を1車種は所有していないとそもそもプレーできなくなっているなど、チューン状況による問題を軽減することこそ実現したものの、マッチングに考慮される要素はランクのみで、結局バランスの悪さは据え置きのままである。
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しかもマッチングを優先するために、1回りはまだしも2回り離れている相手との対戦も日常茶飯事。一応、コースの抽選にはある程度補正がかかるようだが、格上相手に得意コースまで取られることもザラにある。
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ランクごとにブーストの度合いも変動するようになってはいるが、中間レベルの効き目ですらすぐに追いついてしまうほどで何ら意味を成していない。
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バトルスコアの仕様に起因して、勝敗が前もって把握できる状況が大幅に増加。そのためにブレーキランプを点滅させる煽り行為(通称ブレーキフラッシュ、ブレフラ)も容易に。ブレフラは今作より利用規約において明確に禁止される行為となったが、知り合いとのマッチングでも許されないのかなど議論になっている。
スタートメニュー
根本的に不便な仕様
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そもそもそれ以前に外部連動サイトやアプリ自体存在しないため、コンフィグ設定やゲーム内のドレスアップ変更どころか、プレーデータの確認を行うだけですらもゲーム開始後に行える「スタートメニュー」から移動できる「コンフィグ&プレーデータ」「ショップ&カスタマイズ」でしか行えない。アーケードゲームとの相性問題や操作性やUIと言う観点から見れば相当問題のある仕様は依然として据え置きである。
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このため連動サイトや専用アプリからじっくりコンフィグなどを設定したり、ドレスアップパーツなどを選べないため、筐体での設定を強制されてしまっている。ただでさえ情報量が多くボタン類の操作性が良くないのにもかかわらず、である。
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地味に面倒な仕様として、コンティニュー時はモード選択までしか戻ることができず、コンフィグやカスタマイズ画面へ直接移行できない。使用車種登録もスタートメニューからカスタマイズへ移行することでしか行えないため、いちいちカード認証からやり直すハメになる。
コンフィグ&プレーデータ
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外部連動サイトなどのサービス自体が用意されていないゆえに、莫大な情報量を短時間で閲覧せざるを得ない構造となってしまっており、データを確認するだけでも一苦労に近いものとなってしまっている。特にオンラインバトルの情報量だけは群を抜いて多く、カメラなどで画面の撮影を行わなければじっくり確認することが難しいほどである。
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制限時間も1分しか用意されておらず、特に一度に全モードのデータを一通り確認することすらも厳しいと思って良いだろう。また、筐体占拠防止ゆえにこちらには時間延長措置が用意されていない。
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イベント情報なども、対象のモード・コースを見ることができるのはスタンバイ状態の筐体のみであったり、詳しい条件は筐体では見られなかったりと不便な点が多い。
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『Zero』では、ソシャゲの期間限定イベントが開催されている時のような「期間限定イベントのレースが別に選べたりした」りなどでもっとわかりやすかったのだが。
ショップ&カスタマイズ
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制限時間は3分程であり、時間切れになった場合は1クレジット追加でもう3分の制限時間を追加することができるものの、順番待ちをしている客が必然的に発生しうるアーケードゲームであることを考慮されていない、制約ゆえの苦肉の策的な仕様と言える。
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ソート機能が全く無いため、ある程度やり込めば量で溢れてしまう称号や各種アイテムを探すのに一苦労となってしまう。
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稼働当初からしばらくの間は、「カスタマイズ」自体も最初から選べる項目ではなく、最初の1台をフルチューンしなくてはならない(チケット使用分を含む)という仕様だった。「カーショップ」も同様だった。そのため「ちょっとボディキット見たいだけ」「好きな車はぶつけたくないから」などとそこまで好きではない車を選ぶと、当面その車でしか遊べなくなったり、引き継ぎ特典までもが無駄になりかねないものだった。
ある意味原作漫画で、ハチゴーをハチロクと間違えて納車してしまい、主人公を除く身内からすらも馬鹿にされた頃の武内樹のような気分が味わえてしまうだろうが、そんなところを原作再現する必要は無いだろう。
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ただでさえ不便な上、コラボなどで期間限定イベントでしか入手できないアイテムを獲得する際も同様で、救済措置すらなかった。例えば『湾岸ミッドナイト』コラボでは「S30Z」のカラーのみ期間限定販売となっている=カーショップがアンロックされていないと(最初にZを選ばないと)買えないと言ったトラブルも頻発した。現在は初回プレーに限り選択できず、次回プレーからは普通に選べるようになっている。カーショップも5,000Dかチケットさえ所持していれば初回プレー時を除いて購入可能となっている。
カスタマイズ絡み
ここではスタートメニューで行うカスタマイズ関連の問題点について記載する。
改悪された車種追加
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遡れば『4』筐体時代から据え置きな仕様であり、そう言った意味でも『Zero』でAime対応になったのにもかかわらず「勿体ぶる必要性が見出せない」「面倒過ぎる」などをはじめ、批判の声が相次いでいた新規車種の追加登録の仕様だが、改善されるどころか更に面倒な条件へと改悪されてしまっている。
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その条件はと言えば「5,000Dを消費して納車する」と言うものである。タイムトライアルで全てのコースを一通り完走してボーナスさえ確保すれば獲得できる程度ではあるため、ハマりのような事態に陥ることはないのが救い…というよりもそう言った手段を行使することを前提とした価格設定にも思えるため、実質大幅に値上がりしていることに変わりはない。更には今作ではなんと従来通りのクレジットで対応することが不可能となったため、実力をある程度求められる手段もさることながら、劣悪なテンポを強いる仕様となってしまっている。
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また、ICカード無しor初回プレーにおける、車種選択画面の選択時間が45秒と短いのも問題であり、探すだけで時間切れになる、と言うトラブルを招きやすい。事前に公式サイトや攻略wikiを見て車種を決めておく事を強く推奨する。
選択・変更できないナンバープレート
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相変わらずだが、選択できるナンバープレートが登録した筐体の県に依存する仕様であり、更にナンバーもランダム生成されたものからしか選べず、後から変更もできない。地名の種類は多彩なだけになぜ解消されなかったのだろうか?
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地味ながら「秋名」「妙義」「赤城」の地名も廃止に。新劇場版に由来する架空のものとは言え、この点ばかりは好評だったために惜しむ声が多い。その一方でナンバープレートの形式は新劇場版準拠のまま、という矛盾した対応も、根強い批判の声が生まれる要因となっている。
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後に放映されたTVアニメ版『MFゴースト』ではナンバー形式は新劇場版準拠かつ続投キャラのCVは旧アニメ版の声優という形だったため、シリーズとして5桁ナンバーを廃止したとも取れる。
チューニングスタイル
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ホームページでも予め用意されていた通り、稼働当初から概念自体は存在していたが、チューニングメニューが1種類しか存在せず事実上選択不可能だった。そのため原作で複数の搭乗者が居たり、原作漫画の途中で搭載する過給器等が換装される、と言った事例に全く対応できなかった。
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特に槍玉に挙げられるのは、秋山渉の搭乗車種AE86レビンのチューニングメニューが一律ボルトオンターボに固定されている点だろう。原作ではトータルバランスを考慮するために、途中でボルトオンターボからスーパーチャージャーに換装する上、本シリーズでもどちらかを任意で選択できる作品が珍しくないのだが。ゲーム的に見ても、同じくボルトオンターボを装備した武内樹のAE85レビンと被ってしまうため、車種性能以外での差別化が出来ていないのも鼻につく点である。
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2021年6月1日の「Ver.1.05」にてようやくメニューが追加されることとなったが、前述の通りチューニングスタイル毎に新規車種購入とチューニングが必要になるため、全体的に不便極まるものとなっている。
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また、車種同様に順次追加の方針を採っているため、使用率の高い車種のみの実装に留まるなど追加される車種にも偏りが見受けられる。これに関しては新要素であるルート属性への慣れに配慮した側面も考えられるが、単純に好きな車を使いにくい状況に陥りやすいため、車種間バランスの更なる格差を招いてしまっている。実際に初追加の時点で、よりによって原作で重要な意味を持つ、岩瀬恭子FDのビッグシングルタービン、上記の秋山渉のスーパーチャージャーが追加されなかった。この2つについては前者は2021/11/24、後者は2022/1/27のアップデートで追加された。稼働開始から1年近くと遅過ぎる追加と言わざるを得ないが、今後のアップデートに期待するかは手に取るユーザー次第である。
ドレスアップの不可解な制約
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車種ごとに装着できるホイールメーカーは固定されている。自動車メーカー純正のオプションホイールや車種専用カスタムホイールならばともかく、頭文字Dオリジナルや制約のないはずのその他社外製のホイールでそうした制約を設けているのは不可解もいいところであり、且つ色もカタログで複数色用意されているものですらホイールごとで完全に固定されているため、そう言った点での面倒な仕様や自由度の低さは依然として据え置きである。地味にトークンが2個必要と、量に対して高めな設定も。
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実体のないドレスアップすらトークンと交換して入手すると言う、不可解極まりない仕様すらある。
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初期状態でウィングの装着されている車種のウィングレスがなぜか「ウィングレス」という項目、逆にS13などの初期状態がウィングレスの車種は、純正ウィングをトークン2個と交換するというものだが、せめてトークン無しで最初からウィングレスやノーマルウィングに換装できる項目くらい用意できなかったものか。
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満を持して実装されたホイールアライメント調整も「ネガティブキャンバー角」という名のパーツをトークン1個と交換して装着する。その角度も3度と7度にしか調整できないなど、自由度の面でも問題がある。高性能サスペンション装着後と言う条件付きでも普通にカスタマイズから自由に調整できるようにすれば良い話だが。
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ボディカラーが全体的に水増し仕様で気軽に変更できるものとは言い難い。しかもプレーヤー自身が好きな色を指定する機能はないことをいいことに、全体的にやり込み要素のために無駄に枠を設けているようにしか思えない仕様すらもある。
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カタログカラーですらもトークンが1つ必要であり、最初から買える頭文字DオプションカラーのEXボディカラーはトークンが2つも必要で選べる色も固定である。更に店内バトルランク報酬で入手できるDXボディカラーも結局は購入する権利が与えられるだけで、こちらも選べる色も固定・トークン2個というおまけ付き。
アバターの仕様上の問題点
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ゲーム開始時に性別を選択することができるものの、これは後から変更できない。このせいで「性別を間違えた」などと言った状況に一切対応できず、後からサブカードを作らざるを得ない状況に陥ってしまう。
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パーツの色を変更する機能は一切なく、結果的に単なる色違いパーツがかなり多くを占めることとなってしまっている。ゲーム的に水増しであるのはもちろんのこと、保有量が多くなれば探すだけでも途方もない労力を費やすハメになってしまうこと間違いなし。
不便極まるドライバーネーム変更
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『SWDC』で導入された「名前の漢字登録」が本作にも逆輸入されたことで、8作目の『8∞』並みかそれ以上に自由度が増したドライバー名の登録機能であるが、一方で痒い所に手が届かない仕様や改悪点も見受けられる。『Zero』のデータを引き継いだ場合のみ、1度だけ無料名前変更権が付与される特典があるものの、後述の仕様ゆえに実質無意味な特典となっている点でも尚更である。
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『SWDC』とは異なり、初回プレーでは名前の漢字登録が行えない為、初見プレーヤーが引っかかり漢字項目を血眼で探し回っている間に時間切れに陥るという問題が多発した。
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ドライバー名の変更にも制限があり、追加クレジット(標準設定100円)が必要な上、名前を変更した場合次期シーズンまで名前変更権が更新されない為、一度でも名前を変更すれば次回変更可能になるまでに途方もない期間を要する仕様となっており、事実、稼働から1年以上経過した2022年3月17日のアップデートである「Ver.1.4」まで変更不可能な状況が続いた。
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更にはドライバーネームに登録できない「NGワード」に該当する単語の数も『Zero』以前や『SWDC』に比べて大幅に増加。近年厳しさを増すヘイトスピーチ規制やポリコレ問題への対応等によるものと思われるが、人によっては言葉狩りも甚だしいと感じるレベルにまで禁止ワードの数が増加した影響により、長年使用していたドライバーネームが突然引き継ぎ不能となって泣く泣く名前変更を余儀なくされたプレーヤーも少なくないことは想像に難くない。その一方で、一部の卑猥な単語に関しては何故かお咎めなしになっているなど、規制基準が曖昧で一貫性が無いのも問題となっている。
煩雑な報酬体系
ここではランク絡みを除いた、リザルト画面で入手できる報酬全般について扱う。
報酬体系全般
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今作ではゲーム内通貨の意味合いが大きく変わり、汎用的なゲーム内通貨はDキャッシュ、チューニングはチューンポイント、ドレスアップとアバターパーツは専用トークンを使うようになった。しかし役割にメリハリが付いてわかりやすくなり、全体的な出費額もシリーズトップクラスと言えるほどに緩和されたのは良いが、下記の管理が煩雑である仕様が災いし、結果として別の意味で難儀するものとなってしまった。
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モードごとで対応した報酬が1.5倍に増える補正が掛かるものの、絶対的に求められるアイテムの価格と量からすれば些細なものであるが、継続してプレーしていけばその差は歴然と広がっていくため、半ば無視できない概念として立ちはだかる。
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よりにもよって殆どのユーザーが目当てにしていることが見込まれる「ドレスアップトークン」は、逆にプレーヤーの母数が少なくなることが見込まれる「店内バトル」で補正が掛けられる。手伝えるユーザーを確保する手間もさることながら、不公正な仕様であると言わざるを得ない。
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シーズン2以降は公道最速理論(全国のプレイヤーを再現したCPUとバトルするモード)をプレイするごとに確実に1トークン手に入れられるように仕様が変更されたためこの点は解消されている。
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ストーリーモードの敗北時や全モードでリタイアした時の報酬は、トークンは60pts、Dキャッシュは10Dのみの獲得となる。一応何も貰えないよりはマシと見るかは人次第である。
モード専用と化したチューニング
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チューニングを従来のゲーム内通貨、ここではDキャッシュなどでは行えなくなった代わりに、ストーリーをクリアした際に手に入るチューンポイントだけで行うようになっている。その対価も1話クリアする毎に1回分のチューニングが行える程度とシンプルであり、フルチューンに要するクレジット数も最短で15クレと、歴代の中でもトップクラスの良心性であるため、そう言った意味では改善されたものとなっている。
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しかし、逆に言えばストーリーモードでしかチューニングを進められないことが問題となった。負けた場合は一切獲得できないうえ、更にその時使用した車種分のポイントしか貯まらない仕様であり、他の車種にポイントを回すことは勿論、将来アップデートで追加される車種のためにポイントを貯めると言ったこともできなくなってしまっているため、必然的にプレーの無駄が生じる欠陥として機能してしまっている。Dキャッシュをチューンポイントに引き換えることができないため完全に回避不能である。
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一応、フルチューン車チケットがあれば、フルチューンではない車をフルチューンにしたり、新車をDキャッシュの消費無しでフルチューン済みで購入することはできるが、言うまでもなくチケットの入手手段は限られたものとなっているため、非現実的な手段である。更にチューン途中の車種に使った際に、残った分が「フルチューン車チケットのかけら」として補填されることもないため、数クレのためだけに貴重なチケットを使うのは無駄遣いも甚だしい。
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よってゲーム的に見れば寧ろ改悪されてしまった格好である。15クレという数字も、チューニングスタイルの仕様やフルチューン必須のゲームバランスであることに鑑みれば決して少なくないものであるため、ゲーム全体のテンポという意味では面倒な作業ゲーであることに変わりはない。なお、一度クリアーしたチャプターをもう一度クリアーしてもチューンポイントはきちんと手に入るため、その点はご安心を。
相変わらずなDキャッシュ周り
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1プレーで手に入るDキャッシュは基本的に50D。タイムアタックで好成績を出せば、1度だけボーナス報酬を得られる。これとは別にタイムアタックで自己ベストを更新する毎に得られるボーナスもある。これらは車種別にカウントされるため、全てのコースを少なくとも「SPECIALIST」以上で完走させれば1,000D程度のDキャッシュができる。「PROFESSIONAL」以上ならば1ルートの完走で1,000D以上の獲得も不可能ではない。
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しかし上記の仕様を行使することを前提にしているとしか思えない獲得量の少なさのせいで、必然的にタイムアタックモードのプレーを強制されてしまっている。さらに現状納車以外、例えばトークンと交換するなどと言った機能自体も無く導入予定すら告知されていないため、単にゲームを複雑にさせているだけと見られても仕方がないと言える。
入手機会の乏しめなトークン
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ドレスアップとマイキャラパーツガチャは、専用トークンという形で役割が明確となり、そう言った意味ではわかりやすくはなった…のだが、貰えるタイミングが相当な曲者である。1,000pts貯まるたびに1つ入手できるというものだが、一回のプレーで得られるポイントは通常300ptsほどであるため、毎回手に入るものではないということである。他の手段ではプレイスタンプを一定個数貯めると入手できることだが、そうして手に入るトークンも1個が専らであり、割に合っているとは言い難い。しかも一度に30個ずつまでしか所持できず、上限を超えて入手した場合は30Dという僅かな額に変換されるため、定期的に消費していくことを激しく推奨。
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困ったことに、Dコンソールから直接わかる情報は「上限がある」ということだけで、「30個まで」ということではない。つまり、上限があるなら、所持数は「n(数字)」ではなく「n/30」と表記するべきである。画面構成的には十分なスペースが空いている上、この上限は上記「コンフィグ&プレーデータ」からでなければわからないため、益々面倒なものとなってしまっている。
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全体的な価格も決して安いものとは言えず、入手頻度の少なさを考慮すればむしろ割高な方である。今までのシリーズ過去作における各種アイテムの価格があまりにも暴利過ぎた、と言えばそれまでかもしれないが、テンポの悪さと言う意味では手放して良心的と言えるものではないだろう。
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ドレスアップトークンの場合だと、軽いパーツに2個、エアロに3個、エアロセットで10個と、トークンの入手頻度や交換可能箇所を考慮すれば、これでも依然として多い要求数である。パーツの付け替えても破棄されず、再度トークンを要求されない点はせめてもの救いではある。また、地味ながらボディカラーの価格も多くて2個に減るなど、全体的な出費額は大幅に減ったが、カタログカラーにまで1個要求される面倒な仕様に鑑みれば依然として微妙な数字である。
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鼻に付くのがマイキャラトークンである。3個も要求される上、種類も相当数あるため、着せ替え自体が相変わらず不便なものとなってしまっている。「銅→銀→金」の順にフレームの色合いという形でレア度の設定もある模様だが、ダブりが一切発生せず、マイキャラパーツ自体はストックされるようになったため、金と根気さえあればいつかは目当てのパーツが手に入るかもしれない。
一部称号獲得条件
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称号獲得数を競うランキングがある通り、一種のやり込み要素として定義されているため必然と言えるが、それを差し引いても一部獲得条件に大きな手間が掛かってしまう称号が存在している。
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主に「特定メーカー車を合計1000回使用する」などが挙げられる。単に回数をこなせば良い話ではあるものの、アーケードゲームとしては拘束されやすい要素であるため、ダレやすさは随一である。獲得した要素はカードごとの管理である点は最後の良心と言えるか。
収集困難なバトルギフト
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新たなイベントとして、他のプレーヤーと協力して称号やキーホルダーなどを集める「バトルギフト」と呼ばれるイベントが登場した。
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開始後複数あるアイテムの中からランダムで1つを獲得できる。以降は他のプレーヤーと店内バトルを行った際に持っているアイテムの中から1つをおすそ分けできる。おすそ分けと言っても、いわゆる「伝導」システムであり、自分の持っているアイテムがなくなってしまうのではない。
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この時点でおわかりだろうが、そもそも店内バトルが出来なければ実力以前に入手不可となってしまう上に、代替となる入手手段も存在しない。その癖、アイテムそれぞれに銅・銀・金のレアリティが設定されており、高レアリティほど最初のランダム獲得も難しくなるため、かなりの割合でコンプリート不可能になる。
ランクや指標面
仕様上の欠陥
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実力指標の話を抜きにしても、「特定のモードでランクを上げなければ入手できないアイテム」のためにもランクや走り屋グレードのためだけに特定のモードだけを集中的にやり込まなければならない点はアーケードゲームとの相性は最悪である。ランクの上げやすさと上げにくさがそれなりのクレジット数を要することにそのまま繋がっており、結果としてダレる貢ぎゲー要素として成立してしまっているのもいただけない。店内対戦モードもその対象となっているが、人手を用意する手間が掛かってしまうなど、プレー環境に大きく影響されてしまう点でも不便も甚だしい。
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この他にも「1ユーザーが複数のアカウントを使用する」いわゆるサブカードを濫用した「全国対戦で初心者狩りをするために故意にゴールを譲るなどしてランクを調節する」行為を筆頭とした、初心者狩り問題も脅威となってしまっている。『Zero』からのアミューズメントIC対応によりカード自体の複数保有がしやすくなった点に加えて、最短15ゲームでフルチューンして全国対戦がプレーできるようになった仕様も相まって、従来より目立つこととなった。
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各モードを盛り上げたいという意図はわかるものの、手に取るのはユーザーの意志であり強要されるものではない。よって「すべてのモードで入手可能だが、各モードでそれぞれ稼ぎやすい通貨(アイテム)を用意して、特定のモードならば入手が容易になる」などの仕様にすれば、どんな人でも入手できるのではないだろうか。
格差の激し過ぎるランク経験値
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経験値が満タンになると次のランクへ上がるようになっているが、モードごとの獲得できる経験値の格差が非常に激しいため、モードごとでランクのばらつきが著しく発生しやすい。
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最高ランクのサファイアに最も容易に到達しやすいのはストーリーモード。単純に各エピソードのクリア可否のみで査定を行っている上に、難易度問わず周回しても経験値が獲得できる。つまり難易度1だけで進めても経験値を獲得することができるということである。稼働当初からの初期収録分の全6チャプター分のみに限っても、上限の5周分をクリアーしただけで150プレー分もの経験値獲得の機会があり、現在では「Ver.1.1」「Ver.1.3」を経て計3チャプター分も追加されており、それと合わせればサファイアへの昇格分も確保できる。負けても減らない上、勝った時に入手できるものも一定であるため尚更である。
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チューニングやメーター獲得のためにプレーする動機は必然的に発生するものであるため、進め方さえ正しくやろうと思えば必ず達成できるほどに比較的容易に到達可能。一方で、チューニングやメーター獲得の必要がなければストーリーは遊んでも無駄という考え方に陥りやすい設計のため、どうしても中途半端な所でランクが停滞しがちになる。
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逆に達成の難しいモードは言うまでもなくオンラインバトルモードである。ただでさえバトルスコア面を筆頭に対戦バランスが悪く実力があっても勝てる保証がないとされるレベルなのにもかかわらず、マッチングに関わる以上は当然だが、クリアグリーン☆2以降は唯一降格の可能性も。しかも「Ver.1.1」前はどんなランクでも降格してしまうため、クリアグリーンに到達するどころかランクを維持するだけでも一苦労というレベルで、最高ランクに到達させることができたのはほんのひと握りだった。
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また、ソロプレーモードであってもタイムトライアルではこれまた上げるための条件が非常に面倒である。コース習熟度が1つ上がる度に微量に増加するが、習熟度を1つ上げるのに必要なゲージ量はタイムアタックを完走する度に基本的に1/10、実力さえあっても1/4ほどの増加量であるため、割りに合っているとは言いがたいレベルである。公道最速理論も同様で、親睦度Lv.が1上がる度に経験値が獲得できるが、機会の割には獲得量が少なめなのに変わりない。
実力指標として機能し難い走り屋グレード
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公式で「やり込み・強さ・速さを総合評価した指標」と謳われているが、実際の所は全てのランクを合計したものがそのまま走り屋グレードとして反映される仕様である。ランクが上がるたびに貰える経験値を貯めていき、それが満タンになればゲージが貯まるが、これまたゲージの貯まりやすいモードとそうでないモードでの格差がこれまた激しいため、結果として階級詐欺の温床と化すなど問題になってしまっている。
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ランクの昇格が最も容易なモードはやはりと言うべきかストーリーモードである。獲得経験値自体もほぼ昇格が保証される程に多いため、これだけでも走り屋グレードがB~Aクラスにまで上がってしまう。やろうと思えば誰でも出来るレベルに再現性が高いため、ランクの高いプレーヤーはストーリーモードをしっかりやり込んでいるものと思って見たほうが良い。
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逆にそれ以外のモードでは驚くほど昇格し辛い。経験値を獲得できる機会に乏しい割にはゲージの増加量も微々たるものと労力に見合っていないものであり、これだけを極めても走り屋グレードを上げることは至難の業。
その他
バトルスタンプの使い所
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ボタンを押した際のレスポンスがワンテンポ遅れて表示されるほど悪いのもさることながら、スローカーブーストのON/OFFを設定する時間から設定後のテロップ表示時間までの約7秒ほどしか使用できない。地味にテロップがスタンプの下部を覆ってしまうため、気にしだしたら鼻につくレイアウトも問題である。
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これでも稼働当初と比べれば改善された方ではある。なにせ7月15日のVer.1.1アップデート前までは、なんとスローカーブーストが適用されたか否かが決定した後は、その旨のテロップがスタンプの表示領域を覆ってしまうと言う、設計ミスとしか言いようがない様態となってしまっていたため、実質使える時間が3秒ほどしか用意されていなかったためである。
一部メーター
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自力で入手可能なメーターのうち、「エクストリーム」「ベーシック」は『Zero』と変わらず(コーナー脱出時の速度が表示される機能は搭載されているのにもかかわらず)ドリフトランプが付いていない。そのため現在どの程度ドリフトができたかを視認することが不可能と、ゲーム的に問題のある仕様となってしまっている。
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「エクストリーム」に関しては特に批判の声が強い。『Zero』では原典を尊重したサイズだったのだが、なぜか今作ではあからさまに大きくなっている。まるで加工もせずサイズだけ拡大したかのようなグラフィックと化しており、結果として違和感の強い視認性となっているため、上記問題と併せてそのような評判に落ち着いてしまった。
紙コップ関係
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稼働当初は紙コップが消滅していた。原作において重要な意味を持つ要素を削って台無しにしているうえ、ゲーム的にも累計でどれだけ壁に接触したかをある程度可視化することができたため、表示するよう設定したプレーヤーも相当数居ただけに憎い廃止であった。
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2021年8月アップデートで復活した。ショップ&カスタマイズから選択可能。ただし追加当初は後述の原作にもあった「水入り紙コップ」しか用意されず、「東方コラボ」が開催された際に追加されたものもドリンクホルダーに装備するフィギュアのみだった。「LIFEGUARDコラボ」イベントでようやく飲料が追加されたものの、それでも依然とし計2種類しかないため、『8∞』における飲料絡みの充実ぶりを期待した場合はある意味肩透かしを喰らうだろう。
『Zero』からのデータ引き継ぎは不可能
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読んで字の如くであり、『Zero』のプレーデータを引き継ぐこと自体が不可能である。つまり今まにで獲得したマイキャラパーツはもちろんのこと、ランク、車種ごとに装着されたドレスアップパーツ類、称号、メーターなどのアイテムも全てリセットされてしまうということである。今作の大幅な車種削減、チューニングスタイルに関する仕様変更、ゲーム開始時の1台のみチケット強制使用かつチューニングメニューの選択不可能といった様々な要素が全て裏目に出た形であり、実質更に特典が減少するという配慮不足にも程がある事態を起こす二次被害にまで発展する格好となってしまった。また、今作稼働直前の『Zero』にて、ズバリ稼働直前イベントが行われていたのもあり、そこで手に入る今作の特典目当てにプレーしたユーザーもそれなりに見受けられたのもあるため、今作での引き継ぎに関する仕様で面喰らったユーザーも多発したため、規模を考慮すれば従来の比ではない。
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一応『Zero』のプレーデータと紐付けされているICカードで初回プレーした場合に「先行キャンペーンの報酬」「フルスペック状態の車種の所有台数に応じたFULLTune車種購入チケット」「5,000Dキャッシュ」「カリスマレベル・名声に応じた称号」「走行マイレージに応じたトークン・アバターパーツ」が手に入り、『SWDC』のプレーデータが紐付けされている場合は「FULLTune車購入チケット(最大1枚)」「レベルに応じたアバターパーツ」が手に入る。2021年2月24日AM1:00時点のデータが参照されるため、以後のプレーデータは一切反映されない。
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しかし稼働期間と引き継がれないアイテム量に鑑みれば補填の体を成していないことに変わりなく、チューンされた車種の補填である「FULLTune車種購入チケット」ですらも、フルチューン車が1台もない場合は、たとえ『Zero』でチューンが途中である車種を何台持っていようともフルノーマル車1台追加購入分のゲーム内通貨があるのみで、プレースタイル次第では文字通り引継ぎなしに等しいこともひっくるめて20年近くも繰り返された全削除と言う事実からの呆れの声が大きくなってしまった。引継ぎがほぼリセットということを考慮すれば、本作で築かれた成果もいずれ次回作が出れば(ゲーム自体は存在しているのにもかかわらず)無駄になるとも解釈できてしまい、様々な要素の存在意義にすら疑問を持つユーザーが発生するのは必然と言える。
総評
旧来ファンからの『新劇場版 頭文字D』に対する風当たりを意識してか、新シリーズは主に漫画への原点回帰をモチーフとしたものへとシフトチェンジ。結果としてキャラゲーとしての完成度に更なる磨きが掛かり、原作者監修のオリジナルストーリー、実績のあるアーティスト集団が今作のために書き下ろしたユーロビート、更には原作再現を尊重した各種視覚的演出やシェーダーによる表現などもあり、漫画原作の世界観とプレーヤー自身とリンクした新要素は、ひいては原作漫画やゲームシリーズファンからの高評価を得るに至った。
もちろん、従来から高い評価を得たエアロパーツの自由度は増した上、パーツストックの標準採用、その他細かい便利機能の追加など、プレー環境も幾分は改善の意欲が見受けられる調整がなされており、ひとまず及第点に達することはできただろうか。
しかし恒例行事になってしまって久しいものの、それを差し置いても目に余る内容削減にや、新たに発生した不便な仕様、そして経験者以外お断りとも言わんばかりの過剰なやり込み要素などが祟ってしまい、結局評判の溝を大きくしてしまった。特にシリーズ最少の初期収録車種数、相変わらずのゲームバランス、それに加えてシリーズを継続してプレーしたユーザーのみならず、直前キャンペーン目当てのためだけにプレーしたユーザーからすれば『Zero』のデータを今作へ引継げないと言う致命的な仕様は大きく批判されてしまい、単体のレースゲームとして見れば目に余る不備も見受けられるため、まさに賛否両論に相応しい完成度と言える。
シリーズ自体『湾岸マキシシリーズ』と並び、今となっては数少ない走り屋題材のゲームであるが故にレースゲームとしての需要も存在するが、「ゲームとしては癖が強いが原作再現度の高いキャラゲー」として評価されている側面が強いため、評価されている点との落差も総括して、更に原作漫画やシリーズファン向けに先鋭化された内容になったと言える。一方で単純なレースゲーとしてプレーしたり、これからいちゲームを通じて『頭文字D』及びゲームタイトル自体に興味を持ちたい新規リピーターを獲得するには、今ひとつ欠けるものがあるのもまた事実であり、疫病の蔓延した短期的なものからこうしたゲームに対する風当たりの強さ、若年層の自動車自体への興味の薄弱化といった長期的なものまで、社会情勢も影響したとは言え稼働初日付近の落ち着きぶりからもそれが窺えた。そう言った意味でも開発サイドやシリーズファンが向き合わなければならない課題点は今も変わらないと言える。
ゲーム内イベント
漫画『湾岸ミッドナイト』とのコラボ
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稼働前より告知されていたものの、稼働から実に2ヶ月ほどの2021年4月22日よりついに『湾岸ミッドナイト』とのコラボイベントが開催された。あくまで漫画原作とのコラボであり、ゲームタイトルとしての『湾岸ミッドナイトシリーズ』とは無関係のイベントで『湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE』には一切干渉しない。
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今作で追加された車両のうち、「S30Z」のボディカラー「ミッドナイトブルー」はイベント期間内でしか入手できないため注意。
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当初は6月9日までを予定としていたが、新型コロナウイルス (COVID-19)の影響を考慮されたのか、6月30日までに延長された。
『東方Project』とのコラボ
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『Zero』に続き、2021年8月5日から10月20日まで『東方Projectシリーズ』とのコラボが開催される。『Zero』とは異なり、専用モードの類は用意されておらず、単純にプレイスタンプを貯めて報酬を獲得していくスタイルとなっている。
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当初は9月21日までを予定としていたが、9月7日の告知で「湾岸コラボ」と同様の理由で10月20日までに延長され、同時にタイムアタックイベントも開始された。
『LIFEGUARD』とのコラボ
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チェリオコーポレーションから販売されている、あの迷彩柄(?)の炭酸飲料、ライフガードとのコラボが開催される。10月21日から12月1日まで開催。
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コップや塗装、スタンプといった今までのコラボのバージョン違いといえるアイテムの他、
ド派手なライフガード仕様の86
も。目立つこと間違いなし。
『MFゴースト』とのコラボ
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漫画原作の続編『MFゴースト』とのコラボが開催。12月23日から2月16日まで開催。専用のモードで『MFゴースト』のライバルとバトルすることができる。
最終更新:2025年03月22日 03:57