スーパーカセキホリダー

【すーぱーかせきほりだー】

ジャンル RPG
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 任天堂
開発元 任天堂
レッド・エンタテインメント
アートディンク
M2
発売日 2010年11月18日
定価 4,800円
プレイ人数 1〜4人
セーブデータ 2個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ポイント 発掘・クリーニング・バトルの面白さがよりパワーアップ
「スーパーカセキ」で進化するリバイバー
「とくべつ」の存在により図鑑コンプ難易度が上昇
カセキホリダーシリーズ
ぼくらはカセキホリダー / スーパーカセキホリダー / カセキホリダー ムゲンギア

概要

掘り出したカセキから個性豊かなリバイバー(恐竜)を蘇らせて戦うRPG『ぼくらはカセキホリダー』の続編。
発掘・クリーニング・バトルの3パートからなる中毒性の高いゲーム性はそのままに、様々な要素がグレードアップを果たしている。


ストーリー

アウトドア★ジョーによって作られた巨大カセキテーマパーク、それがカルコッツカセキパークだ。
そのオープンを記念し、大規模なカセキバトルの大会、カルコッツGPが今開かれる。
予選大会を勝ちぬき世界中から集まってくるホリダーたち。
その中には、かつてジョーに助けられ、彼との再会を心待ちにする2人、主人公(プレイヤー)とトッチの姿があった。
(取扱説明書より引用)


前作からの変更点

  • 基本システムは前作からほぼ変わっていないため、そちらの記事を参照されたし。

発掘・クリーニング

  • リバイバーを更に強化するカセキとして「スーパーカセキ」が登場。
    • 1体のリバイバーに1つだけ通常のカセキとは別にチャージできる特殊なカセキで、下位である「シルバーカセキ」と上位である「ゴールドカセキ」の2種類が存在する。
    • シルバーカセキは低確率で発掘できる「ふしぎなカセキ岩」に頭・体・手・足のいずれかが入っており、部位によって強化されるパラメータが異なる。
    • ゴールドカセキは更にレアな「きせきのカセキ岩」に入っている。こちらは頭しか存在しないが、シルバーカセキよりも大きくパラメータが上昇する。
    • また、一部のリバイバーにゴールドカセキを使用すると「スーパーエボルバー」となり、外見や性能が大きく変化する。発売前から大きくアピールされていた本作の目玉要素である。
      • カセキ岩に入っている都合上、スーパーカセキもクリーニングが必要。当然、得点が高いほどパラメータの上昇率も高い。
  • クリーニング難易度が高いが、リバイバー全身分のカセキが入っている「巨大カセキ岩」と「ヘンなカセキ岩」が新たに登場。
    • 巨大カセキ岩はその名の通り1画面に収まりきらない程の大きさを誇り、画面を上下左右にスクロールさせながらクリーニングに臨むことになる。ソロプレイの場合、後述の時間延長アイテムを使わずに高得点を出すのは不可能に近い。
    • ヘンなカセキ岩は大きさこそ通常のカセキ岩と同じだが、クリーニング中に岩をひっくり返して表と裏の両方をクリーニングする必要がある。
      • 当然これらにも黒カセキ岩*1版が存在する。難易度が高い分、高得点を出せた時の達成感もひとしお。
  • 恐竜メダル*2を預けられる「メダルバンク」が登場。
    • 前作ではリバイバーは1種類につき1体しか所持できなかったが、今作では既に所持している種類のリバイバーもバンクに預けておけばリバイブができる。
    • つまり、同じ種類のリバイバーを複数体所持できるようになった。3体全て同じリバイバーでチームを組む…なんてことも可能。

バトル

  • エスケープエリア(EA)が廃止され、アタックエリア(AA)とサポートエリア(SA)が3つずつ円形に並んだバトルフィールドになった。
  • 「交代」が「回転」に置き換わり、以下の2つのフォーメーションを切り替えながら戦う方式になった。
  • ジュラシックフォーメーション
    • AAに2体、SAに1体のリバイバーを配置したフォーメーション。
    • サポート効果は50%ずつに分散してしまうが、逆に言うと相手リバイバーのマイナスサポートも分散させることが可能。
  • カンブリアフォーメーション
    • AAに1体、SAに2体のリバイバーを配置したフォーメーション。
    • 1体のリバイバーを大きく強化でき、前作とほぼ同じ感覚で戦える。
      • フォーメーションは自分のターン中であれば微量のKPを消費して自由に変更が可能*3
  • リバイバーのタイプが「近きょりタイプ」「中きょりタイプ」「遠きょりタイプ」の3つに分けられた。それぞれの得意とする距離から攻撃することでより大きなダメージを与えられる。
  • 先攻・後攻は互いの素早さの合計が比べられ、数値の大きい方が先攻を取る方式になった(前作ではLPの合計で決められていた)。
  • 次ターンのダメージを大きく上げる「タメルゼ」、当たれば3ターン後に問答無用で即死させる「ウイルス*4」など、新たな効果の技やスーパースキルも登場した。

その他

  • 主人公の性別を男女から選択可能になった。どちらを選んでもストーリーに変化はない。
  • リバイバーのランク上限が12から20に上がった。
    • ランク上げの手間が増したように思えるかもしれないが、バトルで得られるポイントも相応にインフレしているので、実際はあまり変わらない。
  • リバイバーに自分で名前を付けられるようになった。
  • クリアデータから所持リバイバー等のデータを引き継いでストーリーを最初からプレイできる、所謂「強くてニューゲーム」機能が追加された。
    • ただし、ゴロリ(お金)や強化したツール等引き継がれないものもあるので要注意。
  • キャラクターデザインがカートゥーン的だった前作と異なり、日本人にも親しみやすいものとなった。
  • オプションから走りの操作を選択できるようになった。
    • 「ふつう」はBボタンを押している間のみ走り、離している間は歩くという普通の操作。「はやい」はその逆でBボタンを離している間だけ走る。
    • 一見地味な設定項目に見えるが、「はやい」モードの操作性は侮れないほどプレイを快適にしてくれる。

評価点

  • 前作のほぼ全てのリバイバー*5に加え、新たに40種以上のリバイバーが参戦。
    • オオツノジカがモデルの「オオツノ」、シーラカンスがモデルの「シーラン」、アノマロカリスがモデルの「アノマーロ」など、恐竜とは時代も生物学上の分類も全然違うリバイバーも大幅追加。見た目的にも性能的にも、よりバラエティに富んだリバイバー達を収集・育成する楽しみが増えた。
      • 恐竜の中でも知名度のわりに前作で登場しなかった「アルバートサウルス」「カスモサウルス」「チンタオサウルス」を元にしたリバイバーも追加された。
  • システムの変化やリバイバーのタイプ分けによって、バトルの戦略性が増した。
    • リバイバーの配置が前作と比べて重要になっており、状況に合わせてフォーメーションを変える、逆に一部技の効果で相手の陣形を崩すといった戦略がバトルのカギを握る。
  • やや過度シビアだったクリーニングにいくつかの救済措置が設けられた。
    • 店売りのアイテムを使用することで制限時間の延長が可能になった。
      • 1つにつき30秒で最大9個まで所持できるため、最長で270秒もの延長ができる。
    • カセキ岩の弱点である「バスターポイント」をハンマーで叩くと岩の大部分が綺麗に取り除かれ、クリーニングの手間が大幅に削減される「ストーンバスター」システム。
      • バスターポイントがどこかは叩いてみるまで判別できないが、これも店売りのアイテムで見破ることが可能。
      • ただしバスターポイントがないカセキ岩も存在する。筋形状の岩など通常のクリーニングが高難易度のカセキ岩には大体バスターポイントが存在せず、難関として存在し続けている。
    • 前作では終盤お金を持て余しがちになっていたが、今作ではこれらのアイテム購入のため、無駄に余るという事はなくなった。
  • スーパーカセキのクリーニング難易度は、意外なことにかなり低く設定されている。
    • カセキ岩が柔らかくドリルで簡単に削り出せるので、80〜90ptを容易に取ることが可能。
      • クリーニングで高得点が出せなくてもバトルポイントで代替が利く通常のカセキと違い、スーパーカセキはクリーニングの得点がそのまま強化値に直結するため、クリーニングが苦手なプレイヤーに配慮しているものと思われる。
      • そうでなくても、対戦をやり込む場合は数多のスーパーカセキをクリーニングすることになるので、手間がかからないのは非常に助かる。
      • ただし、カセキ岩だけではなくカセキ自体も柔らかいので簡単に傷が付いてしまうため、高得点は容易でも100ptとなるとなかなかの難易度。とはいっても理不尽なほどではない。
  • 発掘がより快適になった。
    • 発掘場のマップを確認できる機能が追加。前作に見られた「だだっ広く代わり映えしないような発掘場エリア」がほとんど無くなったのもあり、自分の位置を把握しやすくなった。
    • 特定の場所を掘ると井戸を掘り当てることができ、これを使って発掘場内で近道が可能。
    • 一部のマスク*6には、特定の部位や属性のカセキしか掘れなくなるという特殊効果がある。これにより狙ったリバイバーのカセキを掘り出しやすくなった。
    • ホウセキ石(換金用アイテムが出る岩)を掘り当てても、モブのカセキホリダーからそれを賭けてのバトルを挑まれなくなった。金策しやすくなっただけでなく掘り当てた際の煩わしさも解消。
      • また、バトルを求められるカセキ岩はレーダーで区別が付くようになった(チップ強化が条件)。
  • ストーリーは前作と同じくライトノベル作家の阿智太郎氏が担当。
    • 様々な悩みや弱さを抱えた少年少女達が大会を通じて成長し、友情を深めていく様は王道ながら熱いものがある。
    • メインキャラだけでなく、サブキャラや敵組織のメンバーもしっかりと個性付けがなされている。終盤にはこれまでの前提をひっくり返すような意外な展開が待ち受けており、最後までプレイヤーを飽きさせない。
      • なお、前作のストーリーとは直接的な繋がりは無いが、ごく一部のイベントで前作のキャラが登場することがあり、時系列的には前作からそう遠くない未来が舞台のようだ。
  • 随所で挿入される3DムービーはDSソフトとしてはクオリティが高く、ストーリーを更に盛り上げてくれる。
  • やりこみ要素が豊富。
    • 「じょうほう屋」ではNPCからの依頼、いわゆるサブクエストを確認することができ、ストーリーの進行に合わせ数が充実していく。戦闘やアイテム回収、クイズなど要求される内容も様々。
    • クリア後には新たな発掘場の解放に加え、各地で強化されたメインキャラとの再戦が可能。さらに再びカルコッツGPが開催され、これに挑戦することができる。
      • 相手が強くなっただけでなく新たにトーナメントによって出場リバイバーが制限されるようになり*7、より白熱した戦いが楽しめる。
    • とことんクリーニングのお題をこなし続ける施設も存在し、様々な楽しみ方ができる。
  • 通信プレイ機能が更に充実。
    • Wi-Fi対戦に対応しており、全国のプレイヤーと対戦が可能だった。
    • バトルの他には、クリーニングを最大4人で協力して行える。
      • こちらはワイヤレス通信のみの対応だが、参加したプレイヤー全員がクリーニングしたカセキを入手できる。また、本作を持っていないプレイヤーでもダウンロードプレイで参加が可能。
    • DS本体が2台あれば、前作『ぼくらはカセキホリダー』からカセキ岩を送ることもできる*8
      • 今作では入手が難しいリバイバーも、この方法を使えば楽に手に入る場合もある。

賛否両論点

  • 相変わらずの下ネタのノリ。メインの年齢層を意識したものなのだろうが、人によってはかなり不快に感じる。
    • 最たるものは「岩クジラ」関連のシナリオ。主人公ら3人組と敵幹部3人組が突如巨大なクジラに食われてしまい、クジラの体内を探索する羽目になるが…
      • 体内の様子が妙にリアルで、人によっては気持ち悪さを感じる。さらに食われた事に絶望したヒロイン枠のキャラクターがウンコ発言
      • 岩クジラの体内の長「ノドチー」。言うまでもないがその正体はクジラの口蓋垂でなぜか本体とは別に意識がある。見た目が気持ち悪く動きもブヨブヨしており、苦手な人にはとことんキツい。
    • ウンコのカセキネタは前作から相変わらず。今回もウンコとアイテムを交換してくれるキャラクターがいるが、そのアイテムの中にはウンコのプレイヤーマークウンコのマスクなど誰得なものもありなかなか悪趣味である。
      • 一応前作と違って、報酬が最高のものになっても個数制限なしで交換してくれる。ただし、その後は「キセキのカセキ岩」としか交換してくれないが。
  • ホネホネ団が使うリバイバー「ホネンバー」の扱い
    • おどろおどろしげな見た目のわりにHPが低く設定されていて、この点では拍子抜けする。変わりにサポート効果がそこそこ高いが…
      • 一応「骨だけなので撃たれ弱い」と解説がされてはいる。
    • 「ホネベーオ」「ホネヤラ」に限り風属性・火属性と属性が変更されている。通常版はそれぞれ火属性と無属性。
      • 他のホネンバーは通常版と属性が同じ。
    • 土属性のホネンバーがいない。
    • なぜか装盾亜目のホネンバーがいない。首長竜のホネンバーはおり、翼竜は2種もいるが。

問題点

  • より奥が深くなったバトルだが、詰めの甘い部分も存在する。
    • 一部戦法が強力すぎる。特に有名なのは「弱肉強食*9」を開始直後に使って「ラストパワー*10」を発動させ全体攻撃で速攻を狙う、通称「弱肉ラストパワー」。
      • 所謂ワンキルというやつであり、駆け引きの余地もなく一瞬で勝負が決まってしまうこの戦法を嫌う人は多い。逆に言うとランク上げの際には便利だったりするのだが。
    • そういった速攻戦略をとらないのであれば状態異常がどれもいやらしく、非常に強力。対人戦ではこれを上手く扱えるかどうかが勝利の鍵となるといっても過言ではない。特にダメージを割合で与える「毒」と技を勝手に使ってしまう「混乱」が強力。
      • 混乱の影響で「命のバトン*11」や弱肉ラストパワーを狙わない際の「弱肉強食」が持っているだけでデメリット扱いされる不遇技と化している点も変わらず。
    • 味方の攻撃の後にランダムで追加攻撃が発動するスーパースキル「れんけい」は、持っている技のうち一番弱いもので追撃するものの、KPを一切消費せず、さらには重複して発動する事もあり非常に強力。
    • 相手のKPを奪う効果の技は素早さや命中に関わらず必中するというバグが存在する。
      • このせいでKP奪取技を得意とするエボルバー「ヘルサタン」がかなりいやらしいリバイバーになってしまっている。
    • ただしこれらの戦法及びバグは戦闘環境そのものを破壊するほど凶悪なものではなく、バトルバランスはおおむね良好にまとまっている。少なくともストーリー攻略において簡単すぎ、難しすぎと感じることはほとんど無いだろう。
  • スーパーエボルバーは到底「強化」とはいえない。ゲーム内ではキセキのカセキ岩を「泣いて喜ぶ」と言及しているが、そこまで嬉しくは無い。後先考えずスーパーエボルバーにしてガッカリした人も多かろう。
    • 「技の消費KPが増える*12」、「パラメーターが極端に偏る」と全体的にクセのある性能のものが多く、「相対的な強さは変わらない」「スーパーエボルバーにすると相対的に弱体化に扱いづらくなる」事も珍しくない。
      • 特にチームワザはKPの上限の関係上、ホリダーランクを最高まで上げない*13とKPが必要分貯められないスーパーエボルバーも多い。
      • 全てスーパースキルがない。元々あってもスーパーエボルバーにするとなくなる。
      • そういったリバイバーをスーパーエボルバーにしないまま使いたい場合、強化値の見劣りするシルバーカセキをチャージせざるを得ず、リバイバー間でパラメータの格差が生じてしまう。前述の「バンク」を使えば、スーパーエボルバーとそうでないリバイバーを同時に所持することができるのが救い。
    • きせきのカセキやシルバーカセキは、他のカセキ岩と一緒にコンテナに保管される。チャージせずに温存しようとするとスペースを圧迫してしまうのがやや難点。
    • 知名度の割にスーパーエボルバーがないリバイバーもいる。「カルカーロ(カルカロドントサウルス)」「バリオン(バリオニクス)」「ペンタゴン(ペンタケラトプス)」「ケントロン(ケントロサウルス)」「パラサーン(パラサウロロフス)」「ディロン(ディロフォサウルス)」「プテラン(プテラノドン)」「クロノス(クロノサウルス)」などが相当。新生代・無脊椎動物、魚、鳥、獣は皆無。
      • もっとも、あってもイマイチ嬉しくないかもしれないが。
    • また、古生物である故に「進化」という言い方も好ましくはない。実際の「進化」との混同も招かきねない。
      • もっとも、突然変異ではあるが…世代交代や繁殖とは無関係である。
    • 外見のデザインに関してネガティブな感想も一部ある。ゴジラを太らせたような「ヘルロード」を始め、全体的にいまいち原型を留めていなくて現実離れした怪物の姿に変貌するものが多い。古代生物の化石が主な題材であるカセキホリダーを、このような大怪獣バトルに意味させる意味があったか疑う意見あり。
      • 「種」どころか「網」から違う動物のような姿のスーパーエボルバーもいる。
      • スーパーエボルバー間で外見の違いが色しかない種がかなり多く、全30種の中で固有の外見を持つものはたった2種しかいない。
      • より詳しくは折り畳み内を参照。
+ スーパーエボルバーについての詳細(ネタバレ率高め)
  • ヘルロード、ヘルサタン、ヘルキング
    • 平たく言ってゴジラ型。
      • そのゴジラも恐竜*14が突然変異を起こした怪物である為似寄ったのかもしれないが「リバイバー」として本シリーズ独自のデフォルメがなされた動物に比べてやはり現実離れしており、浮いたデザインに見えてしまう。
      • 同型が3種類となるので使い回し感も強い。
    • 「ティラノ(ティラノサウルス)」から進化する「ヘルロード」が代表。公式サイトやパッケージ裏でも姿が見られる。
    • 「ヘルキング」は「マプルス(マプサウルス)」のスーパーエボルバーなので大型肉食恐竜からと思いきや、小型雑食恐竜の「オビラプ(オビラプトル)」から進化する「ヘルサタン」もこの型。
  • ギガロン、ギガンティス、ギガラージャ
    • 「アロン(アロサウルス)」「アルティス(ベクレスピナクス)」「ラジャール(ラジャサウルス)」のスーパーエボルバー。「ヘルロード」らと同じく怪獣的なデザインだが、あちらよりも太ましく、鉱石質の棘や後方に向けて角が生えているのが特徴。近いイメージとしては『モンスターハンター』シリーズの「ラオシャンロン」や、『地球防衛軍』シリーズの「アーケルス」の首と腕を短くして丸っこくしたような体形。
    • こちらも「リバイバー」としてデフォルメされた恐竜達に比べると現実離れしており、浮いたデザインになっている印象が否めない。3種類いることによる使い回し感も同様。
  • キラークロー、デスクロー
    • 前傾姿勢の恐竜型。スーパーエボルバーの中では珍しく現実味を保ったまま、デザインも洗練されている。
    • 「ベロキー(ヴェロキラプトル)」から進化する前者は順当なデザインだが、後者は「スピノ(スピノサウルス)」から進化して特徴の背びれがなくなり、他のスピノサウルス科の恐竜のような体型になる為違和感もある。
  • ライデン、シェンリュー
    • 雷竜の「ブラキオン(ブラキオサウルス)」「アルルス(アルゼンチノサウルス)」のスーパーエボルバー。自然な体形となっており、良く言えば通常のリバイバーに混ざっていても違和感がない。悪く言えば変化が少なく導入する意味が乏しい。
  • オミアシ、イダテン
    • 雷竜の「アマルガー(アマルガサウルス)」「トバルン(タンバティタニス*15)」のスーパーエボルバーだが、こちらはどう見ても「馬」。角があるのでユニコーンか。
  • バルバロス、ダイダオン
    • それぞれ剣竜である「ステゴ(ステゴサウルス)」と「ファンヤン(ファヤンゴサウルス)」のスーパーエボルバーだが、何故かアンキロサウルス科のような姿。そしてその鎧竜はこれと別の型のスーパーエボルバーになる。
  • ガルガロン、ザスナーノ
    • それぞれ鎧竜である「アンキロ(アンキロサウルス)」と「サウロン(サウロペルタ)」のスーパーエボルバー。襟巻状の盾のような意匠が追加されており、尻尾もやや派手に。
    • 良くも悪くも装飾が追加された感じで、「ポケットモンスター」のメガシンカ程度の変化。
  • ヒビゴン、ブルゴン
    • 鳥脚亜目の「イグアン(イグアノドン)」と「チンタオ(チンタオサウルス)」のスーパーエボルバー。ぬいぐるみのような感じでSD化した直立歩行型恐竜。「スーパーマリオ」のミニヨッシーや「テレビアニメ版古代王者 恐竜キング」のティラノのデフォルメ形態のような体型。
    • 体格も小さくなっており、それ相応に体力が低い。その代わりサポート効果が大きい。
    • 何かのマスコットキャラのような雰囲気も醸しているが、そのような扱われ方はされなかった。
  • パピゴン、テフラー
    • 二足歩行の恐竜をベースに、アゲハ蝶の羽が首周りと腰から生えるという異色のデザイン。
    • 「アナトン(エドモントサウルス)」「エアロン(エアロステオン)」のスーパーエボルバーで一貫性が無い。この2種は別に近縁でないどころか、分類は「恐竜」までしか共通していない。
  • ヘラクレーター、トツゲキング
    • 角竜カスモサウルス亜科である「トリケラ(トリケラトプス)」「カスモス(カスモサウルス)」のスーパーエボルバー。外見は一言で言って「モグラ」。一応、角はあるが口を覆ってしまうほどの一本角となっていて角竜の原型はほとんど無く、角も鼻とほぼ一体化している。
  • ブルドルガー
    • 貴重な固有グラフィックを持つ1体。
    • 角竜である「パキン(パキリノサウルス)」のスーパーエボルバー。こちらは角や襟巻きといった意匠が残っており、順当な進化系となっている。
  • ディル・エース、ニクト・エース
    • 翼竜の「ディモル(ディモルフォドン)」と「ニクトン(ニクトサウルス)」のスーパーエボルバー。「コウモリ」や「ワイバーン」と言うべき姿となっている。ほっそりとした顔、どっしりとした下半身と尻尾を持っており、翼竜の面影は無い。
    • ポケモンUSUM』の「ウルトラネクロズマ」の翼が一対になったような体型と言うのが一番近いかもしれない。
  • モモピー、マロピー
    • ぬいぐるみのような感じでSD化した首長竜で「フタスズ(フタバサウルス)」「プレシオ(プレシオサウルス)」のスーパーエボルバー。ヒビゴンとブルゴンの首長竜バージョン。
  • ワダツミ
    • 貴重な固有グラフィックを持つ1体。
    • 首長竜である「エラース(エラスモサウルス)」のスーパーエボルバー。
    • デザインはいわゆる「龍神」、もしくは『FF』シリーズの「リヴァイアサン」。格好良いが作品的にはやはり浮いて見える。
  • ラグビム、ゼネシー
    • それぞれ「ディメロン(ディメトロドン)」、「エダフォン(エダフォサウルス)」のスーパーエボルバー。少しサンショウウオっぽくなるが、概ね元の雰囲気を保っており不自然な変化ではない。
      • 爬虫綱以外のスーパーエボルバーはこの2種だけ。古生代もこの2種だけ。
    • 進化元のモデルとなった両者の外見は似ているが、種としては遠く、収斂進化の結果と考えられている。本作内でも両者のデザインには差別化が図られているのだが、スーパーエボルバー化すると違いが色だけになる。
  • 「とくべつ」なリバイバーについて
    • 一部のリバイバーは、レーダーを最大まで強化していると発掘場内の特定エリアで、低確率で頭のカセキだけが発掘できるという仕様になっている。これらのリバイバーはずかんの発掘場所に「とくべつ」という表記がされている。
    • とにかくこれらのカセキ岩の発掘確率が低い。酷いと数時間やっても全く見つからない。該当するリバイバーの数も、後述の「海ていどうくつ」で発掘できるものを含め全部で18体とやたら多く、無駄に手間がかかる。
      • 無脊椎動物リバイバーはそもそも全身丸ごと見つかるため「頭以外の化石でのバトルポイント稼ぎ」が一切できないが、そこまで確率は低くない。全身丸ごと見つかる脊椎動物の「巨大なカセキ岩」も同様。
    • また、頭以外のカセキは通常プレイでは入手不可能。前作に登場するリバイバーであれば通信で送るという手もあるが、本作が初登場かつ「とくべつ」なリバイバーである「エオラプ」と「アルルス」の頭以外のカセキはどうあがいても入手不可能。
      • 前作と違い、バトルポイントだけでレベル上げをしても全ての技を習得できるようになっているので、バトルで使う上での問題はない。
    • シナリオ後半で訪れる「海ていどうくつ」は非常に短いマップで、対戦を終えるとそのデータでは二度と入れなくなるのだが、困ったことにここで発掘できるリバイバーは全て上記の「とくべつ」に該当する*16上、6種も存在する。
    • 頭のカセキだけは他のマップでも発掘できるので図鑑コンプ不可能という事態にはならないが、全身を揃えたい場合はストーリーの進行を止めて発掘をしなければならない。戦闘の前に確認メッセージが出るのが救いか。
  • Wi-Fi配信限定のサブイベントやリバイバーが存在する。
    • 当然、インターネット環境の無いプレイヤーはこれらをダウンロードできない。
      • 前作にも配信リバイバーは存在したが、そちらは通常プレイでも(条件こそ非常に厳しいものの)入手は可能であった。
    • 現在はDSのWi-Fiサービス自体が終了しており、正規の手段での完全コンプリートは不可能になっている。Wi-Fiサービス終了を想定していないのはやむを得なかったかもしれないが…
  • ストーリーの難点。
    • 今作の大筋は「大会を勝ち進みながら、裏で暗躍する悪者を退治」というだけの話である。
      前作では大会を勝ち進む裏で悪の組織との対峙、伝説のリバイバー、異星人の襲来、重要関係者のタイムスリップ、果ては地球存亡の危機といった壮絶な展開の応酬を最後までやり遂げていただけにどうしてもスケールダウンを感じてしまう。
      • ラスボスが行おうとしている事もそれ相応に恐ろしいが、カルコッツ諸島しか支配しようとしておらず地球存亡の危機に比べたらちっぽけと言わざるを得ない。
      • とはいえクオリティ自体が低いという事はない。前作のような派手さが今作には無く、比較した場合の見劣りが激しいというだけである。今作は今作なりに子供たちの成長や黒幕との戦いなどの一場面一場面が丁寧に描かれた良いストーリーに仕上がっている。
    • 黒幕たる存在が何者なのかに繋がる情報はゲーム序盤から描写されており、誰に扮しているかの推理材料も割と露骨に、それも複数示される。
      • 真相もそれら伏線からの捻りはなく、丁寧な伏線と言うより公式ネタバレのような状態となっている。
    • なお、ラスボスの封印はとある登場人物が解いてしまったのだが、封印されていた場所は一切の罠や防衛システムがない*17上に簡単に解けてしまう無防備極まりない部屋で、下手したらちょっとした地震などで解かれてしまいかねない部屋である。実際に解いた人物が「中を知らずに興味本位で開いた」と話す。
      • 一応、封印した側も「いずれ解かれてしまうかもしれない」と自覚していた事がうかがえる。「そのため、対ラスボス用の武器も封印する」と記載されている。しかし、この武器には防衛システムが用意されている。守る場所の優先順位が逆だし、ラスボスと同じ部屋に封印すればよかったのでは?
      • 一応、ラスボスの封印されていた場所は「中から開けるのが不可能な構造」になっている事がわかる。

総評

大幅に追加されたリバイバー、より戦略性の増したバトルなど、前作の良点を損なわずに正当進化させたお手本のような続編。
一部惜しい点は存在するものの、「恐竜」を題材にしたRPGとして、より完成度の高まった一本と言えるだろう。

最終更新:2024年01月04日 01:10

*1 岩の表面をドリルで削れず、さらにX線での透視もできない高難易度のカセキ岩

*2 リバイバーを収納しておくためのメダルで、言ってしまえばモンスターボールのようなもの

*3 ただし、状態異常「興奮」にかかっているリバイバーがいると変更不可

*4 他の状態異常と違ってアイコンが付かず、状態回復技でも治せない

*5 前作ラスボスが使う3体のみ未登場

*6 主人公の顔部分が変化するオシャレアイテム

*7 肉食限定、白亜紀限定、ジュラ紀限定の3つ。

*8 当然といえば当然だが、今作から前作にカセキ岩を送ることは不可能

*9 味方リバイバーのLPを1になるまで減らし、その分回復する技

*10 瀕死になると能力が大幅にアップするスーパースキル

*11 自分のLPを1になるまで減らし、味方リバイバーに分け与える技

*12 スーパーエボルバーにする前の技は一切ダメージの無い技しか使えなくなる。

*13 もちろんエンディング後のトーナメントもすべてクリアする必要がある。しかもそこまで上げた頃には通信対戦くらいしかやりこみ要素が残っていない。

*14 当時は実際の二足歩行恐竜もカンガルーのように尻尾を引きずって歩く復元がされていた。当時から骨格上とても歩けないと指摘はされていたが。

*15 発売当時は学名がなく、「とばりゅう」と表記されている。

*16 「海ていどうくつ」では普通に全身の発掘が可能だが、そこを逃すと他の発掘場で低確率で頭のカセキを掘り出すか、もしくは前作から送る以外の入手手段がなくなる

*17 解いた人物も封印されている場所に行くのに一切苦労しなかったようだ