カセキホリダー ムゲンギア
【かせきほりだー むげんぎあ】
ジャンル
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RPG
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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発売元
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任天堂
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開発元
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レッド・エンタテインメント スパイク・チュンソフト
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発売日
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2014年2月27日
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定価
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5,300円(税込)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1個
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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なし
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カセキホリダーシリーズ ぼくらはカセキホリダー / スーパーカセキホリダー / カセキホリダー ムゲンギア
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概要
カセキホリダーシリーズの1作で「スーパーカセキホリダー」から4年ぶりの続編。前作のアートデインクとM2に代わり、スパイク・チュンソフトが新たに開発を担当した。
ハードを3DSに移し、システムもシンプルなものに変更された。
ストーリー
Rキーパーズ。
それは世界中にあるRカセキパークの平和と安全を守る正義の組織である。
Rカセキパークでは、「カセキモービル」という車に乗り、ドライブ、カセキの発掘、バトルを楽しむことができる。
カセキから復活した恐竜は「リバイバー」と呼ばれ、さまざまな力を秘めていた。
だが、その力ゆえに悪用する者が絶えず、トラブルも起こっていた。
そのトラブルを解決するのが、Rキーパーズの任務である。
そんなRキーパーズに憧れる若者は多く、毎年、厳しい適性審査をくぐり抜けた少年少女たちが、テストを受けるため、Rキーパーズ本部を訪れていた。
今日もまた、Rキーパーズになることを夢見る一人の少年が、Rキーパーズ本部を訪れた……。
(公式ガイドブックより引用)
変更点
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バトル
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アタックエリア(AA)とサポートエリア(SA)などのフォーメーションは廃止。
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また、ほぼ全てのリバイバーに何かしらのスキルが与えられている。
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体勢の追加
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新たに体勢システムが実装された。攻撃することで自身や相手の体勢を変えることができる。リバイバーごとに得意な体勢と苦手な体勢が決まっていて、得意な体勢ならダメージが減り、逆に苦手な体勢なら増える。
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例外として翼竜のリバイバーは上向きの体勢になるとダメージは減らないが回避率が大幅に上がりワザが当たりにくくなる。ただし、その状態でもワザ情報に「よくりゅう:〇」とついているワザは当たりやすくなっている。
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新たにサポートガンが追加。最大4種類まで装備でき、特定の回数ストックして味方リバイバーに撃つことでステータス強化や体力回復が可能。
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新たにホリトモが追加された。ホリトモごとに使用するリバイバーやサポートガンは決まっており、2人のホリトモと組んでチームを作り戦うことになる。また発掘してダブったカセキも彼らに渡すことで強化が可能。
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前作のデシロボのように一度発掘に成功したカセキの発掘を任せることも出来る。ホリトモごとにはっくつレベルが違い、レベルが高い方がカセキのポイントが多くなる。
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クリア後にサブクエストをこなすことでスーパーホリトモに強化することができ、新たなリバイバーが使えるようになるほか、使用するサポートガンの種類が増える。
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攻撃をするごとにブーストゲージが貯まり、最大まで貯めるとブーストワザを放つことが出来る。
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本作では発掘した部位に対応したワザを覚えるようになった。それに伴い頭以外のカセキだけでもリバイブが可能になった。
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さらに、レアカセキをチャージすることで新たなワザを覚えることができるようになった。ただし、同じ部位の通常のカセキで覚えるワザと入れ替えることになるので、戦闘で使えるワザは4種類までである。
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本作では発掘したカセキのポイントに応じてワザの消費KPが下がるようになった。100ptのカセキは50ptのカセキと比べて消費KPが30%少なくなる。
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前作から属性相性が変更されている。
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本作:水は火に強く、火は風に強く、風は土に強く、土は水に強い
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前作:水は火に強く、火は土に強く、土は風に強く、風は水に強い
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リバイバーのランクの上限が20から30に上がった。
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通信対戦も実装されていて、近くの人と2チームに分かれて対戦する「ローカルマッチ」と、インターネットを使って遠くのプレイヤーと対戦する「ネットバトル」がある。
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発掘
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本作での化石発掘パートは3Dで表現されたフィールド上で行い、レーダーに反応した化石を取得しに行く形となった。
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発掘はカセキモービルと言われる車を使って発掘を行う。モービルは、マップ上にあるエネボールを取ることで速度が上がる。バトルはシンボルエンカウントとなり、イベントではモービルを使ってタイムアタックレースをすることも。またエンジンなどのパーツをお金(ゴロリ)を使い強化することで、いけなかった場所に行けるようになる。
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新たな発掘アイテムとしてチゼルが登場。ハンマーを使いチゼルを打ち込むことで一気に岩を剥がすことができる。
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発掘場には野生化したリバイバー(通称ノライバー)がうろついており、接触するとカセキバトルになる。ホリダーがいないのでサポートガンは使ってこないが、仲間を呼ぶことがある。
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本作ではほとんどのレアカセキがチャレンジルートという特別な場所で発掘することになった。チャレンジルートにはレアカセキをかじってしまうカジリノライバーが存在しており、かじられる前に倒すか発掘する必要がある。
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中には前作の巨大なカセキ岩のように全身のカセキがまとめて入っているものもある。
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ローカル通信をすることで、近くのプレイヤーと最大3人でチームを組んで発掘場に行くこともできる。仲間の車に連結することで、一緒に発掘やバトルができる。
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その他
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リバイバーは1種類につき1体しか所持できなくなり、初代と同じシステムに戻った。
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ストーリー序盤で主人公の相棒リバイバー「ガジロー」が加入する。ストーリーを進めると姿が変化し、ワザも大幅に強化される。
評価点
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グラフィックが良い
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シンプルでわかりやすいバトル
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基本的には攻撃して相手の体力を0にすれば勝ちというシンプルな内容だが、相手が苦手な体勢になるワザで攻撃したり、倒されないようにサポートガンで調整したりといった駆け引きもある。
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リバイブの難易度の低下
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前作ではカセキにキズを付けるとポイントが大きく減っていたが、本作では減少量は控えめになっている。それにより、ハンマーで強引に岩を砕いてポイントを稼ぐことも可能となっている。最初からある程度むき出しになっているカセキも多いので、リバイブの難易度は確実に下がっている。カセキの位置はマップごとに決まっているのでリトライも容易。
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もちろん、満点を狙う場合は一筋縄ではいかなくなるが。
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育成効率の向上
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曜日ごとに異なる大会が開催されている。それぞれ5つのランク設定がされていて、優勝すると次のランクに挑めるようになっているため、優勝賞品や賞金を入手しつつ経験値を多く貯められるようになっている。また、1日1回限定だが、リバイバージムでは戦闘をせずに経験値を取得できるため、レベルの低いリバイバーの強化もできる。
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上述の通りホリトモにカセキを上げることで強化できるのも大きく、ダブったカセキも無駄になりにくい。
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シナリオ
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シナリオは相変わらず評価が高い、本作でも無印のような戦いなど熱いシーンや泣けるシーンなど名場面が多数。
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個性的なホリトモたち
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ホリトモはどいつもこいつもクセが強く、仲間としていっしょに戦うため、愛着を持ちやすくなっている。
賛否両論点
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リバイバーのデザイン変更
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ほとんどのリバイバーが前作からデザインが変更されており、前作プレイヤーは違和感を感じることも。とはいえ、本作のデザインがおかしいということはなく、前作プレイヤーでも本作のデザインの方が好みという者も一定数いる。
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マイクを使った機能の削除
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前作まではドリルで岩を削ったときにでてくる細かいクズをマイクに息を吹きかけて飛ばす必要があったのだが、本作ではそもそもクズが出ないようになっている。
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発掘が楽になったため改善点と言えるのだが、雰囲気作りに一役買っていたためなくなってしまって寂しいという声も多い。
問題点
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ラスボスが強すぎる
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ラスボスはサポートガンも使わず第二形態も無いが、ステータスも高い上、攻撃も強力なものが多くはっきり言ってガチ育成が必須レベルで強い。
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調整不足なバトルシステム
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本作ではホリトモと組んでバトルすることになったが、ホリトモの行動はこちらから指示することはできないため、あまり戦略を立てることができない。さらに、ホリトモのAIはお世辞にもいいとは言えず、弱いワザばかり使ったりサポートガンを使ってくれないことがよくある。
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本作から登場したサポートガンだが、同じサポートガンを重ねがけすることで効果が上がる仕様になっているので、基本的に攻撃アップを積みまくって一撃で倒すのが最適解になりやすい。かといって攻撃アップを使わない場合はLP回復の手段が少ないのもあってどれだけLP回復のサポートガンがあるかの勝負になりがち。
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クリア前に仲間にできるホリトモのリバイバーの属性が少し偏っている。具体的には水と風のリバイバーが多く、火と土と無のリバイバーが少ない。そのため、特定の属性で固めたいときにはパーティメンバーの自由度が低くなる。
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ただし、クリア後にはホリトモの数も増えるためパーティメンバーの自由度はかなり高くなる。
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発掘したカセキのポイントに応じてワザの消費KPが下がるようになったのだが、救済措置が存在せず、発掘をホリトモに任せてもせいぜい70pt程度なので、発掘の腕前が直接バトルに影響を与える仕様になってしまっている。
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一部のリバイバーの削除
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その数は100以下と前作の半分以下になってしまっている。特に水棲動物及び無脊椎動物や新生代及び哺乳網のリバイバーは全て削除されてしまった。古生代も「エダフォ」「ディメロン」だけ。増量版でも追加されない。
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「外見は他のリバイバーの色と大きさを変えただけのようなもの」のリバイバーもいるため、余計に少なく感じてしまう。
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後述の増量版では多少改善されているが、それでも少ないと言わざるをえない。
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面倒な発掘場
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カセキを発掘している間に近くのノライバーが襲ってくることがあり、そうなると強制的にバトルに突入し発掘中のカセキが壊れてしまう。一応前もってノライバーを倒しておくこともできるが、時間経過でまた登場する事があるのであまり落ち着いて発掘できない。発掘に失敗したカセキは一度街に帰るとまた掘れるようになるのだが、ノライバーも復活するのでまた倒す必要がある。さらに、ノライバーはバトル中に仲間を呼ぶことがあり、そうなると次のターンに敵が追加されることになるので速攻で倒さないと時間がかかる。
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一応、発掘中にノライバーが近づくと警告サインが出るようにはなっている。ただ、近くにいるだけで襲ってこないノライバーも存在し、襲ってくる場合は警告があっても間に合わないことが多い。
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発掘場ではセーブが出来ない。ポーズ画面のようなものもなく、メニューを開いてもノライバーが襲ってくるため面倒。発掘中もスタートボタンから発掘をやめることは出来るが、その画面になってもタイマーは止まらないので休憩したいときはそのままスリープする以外の方法がなく不便。
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前述のチャレンジルートでは、出現するレアカセキが2〜4種類からランダムに選ばれるようになっており、一度街に戻るまで同じものしか出ないため、目当てのリバイバーのカセキが出るまで時間がかかることが多い。また、カセキレーダーのレベルによって出現するレアカセキの部位が変わるようになっているのだが、装備の変更は街に戻らないと出来ないため、全ての部位のレアカセキを発掘するには目当てのリバイバーが出るまで街とチャレンジルートを何度も往復する必要があり手間と時間がかかる。
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チャレンジルートを出入りすれば同じレアカセキがまた出現するため、目当てのカセキが出た場合はありがたい仕様ではあるのだが。
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シリーズお馴染みの要素となっているウンコのカセキは、本作だととあるサブイベントでホリトモを仲間にするためのものとなったのだが、イベント終了後も発掘場に残り続けるため邪魔。
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発掘の制限時間は装備を整えることで増える仕様になっているのだが、序盤は60秒しかないため時間が足らずに失敗してしまうことが多発する。残り時間が少なくなってもアラームが鳴ったりするわけではないので、そもそも時間がないことに気づかないことが多い。
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UIが不便
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メニュー画面からリバイバー一覧が確認できなくなった。確認するにはピットにいって使用リバイバーの選択画面に行く必要がある。カセキをその場で掘るようになったこともあり、発掘したカセキのポイントの確認も面倒になっている。
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一部イベントの難易度
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ストーリー終盤にキーパーズカップという大会があるのだが、そこではホリトモが味方のときのステータスのままで敵として登場する。つまり、ホリトモを鍛えていればいる程そのまま強敵として現れることになり難易度が上がることになる。その上、こちらが選べるホリトモはサブクエストをこなしても6人しかいないので、彼らをあまり育てていないと苦戦を強いられることになる。
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また、クリア後にも似たようなイベントが存在しており、そちらは前述のスーパーホリトモになった際に使えるようになるリバイバーが相手になるため、せっかく新しく使えるようになったリバイバーを強化すると難易度が上がることになってしまう。
総評
カセキホリダーシリーズ4年ぶりの続編で、ハードの移行に伴いグラフィックも一新した作品。
過去作から正当進化した部分も多いが、ゲームバランス面で難のある部分が目立ち、惜しい出来になってしまっている。とはいえ、好評なシナリオを含め全体的には十分遊べる作品であり、カセキホリダーシリーズ最終作としては悪くない出来となっている。
余談
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本作発売に先駆けて月刊コロコロコミック2014年2月号で誌上限定体験版『カセキホリダームゲンギア〜はじまりの章〜』のダウンロード番号が付録として記載された。
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また、本作発売から3ヶ月後に発売された月刊コロコロコミック2014年6月号で、特別版となる『カセキホリダー 増量ムゲンギア』が誌上通信販売としてダウンロード販売された。こちらでは新規のリバイバーが10体追加されている。ダウンロード専用なのもあり、現在は入手が困難になっている。また、本作の海外版である「Fossil Fighters: Frontier」では増量版で追加されたリバイバーが最初から実装されている。
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公式サイトにて特別なリバイバーが手に入るARカードが公開されている。
最終更新:2024年01月26日 07:11