Urban Fighter Ultimate
【あーばんふぁいたーあるてぃめっと】
Urban Street Fighter
【あーばんすとりーとふぁいたー】
Urban Street Fighting
【あーばんすとりーとふぁいと】
ジャンル
|
対戦格闘
|
Steamより ニンテンドーeShopより
|
対応機種
|
App Store
|
Mac OS 10.9~
|
Steam
|
Windows Macintosh
|
CS機
|
Xbox One Nintendo Switch
|
メディア
|
ダウンロード専売
|
発売・開発元
|
Pix Arts
|
発売日
|
【Mac】2020年5月29日 【Win/One】2020年12月24日 【Switch】2021年3月18日
|
定価
|
【Mac】370円 【Win/One】700円 【Switch】749円
|
プレイ人数
|
1〜2人
|
セーブデータ
|
【Mac/Win/One】1個 【Switch】作成不可
|
レーティング
|
【One/Switch】IARC:12+
|
備考
|
日本語非対応
|
判定
|
下記以外
|
クソゲー
|
Switch
|
クソゲー
|
劣化ゲー
|
ポイント
|
共通
|
キャラが少ないうえ半分のモーションが使い回し ゲームモードも少ないせいか操作説明も一切無し 挙動不審なモーションと内容全般に渡るパクリ臭 アセットフリップゲームの代表格と言える作品
|
Switch
|
2021年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点 何故かタイトルを微変更したうえに一部機能削除
|
クソゲーオブザイヤー関連作品一覧
|
Hardcore beat'em up game
「ゲームをビートアップハードコア」
概要
2018年に設立された、ウェブ系コンテンツとダウンロード専売ゲームを手掛けるアメリカカリフォルニア州に本社を構えるインディーズメーカー「Pix Arts」から発売されたゲームタイトル。
ゲームエンジンとしてUnityを活用しており、8体のキャラを選んで対戦できる格闘ゲーム。
遅れて2021年3月18日に『Urban Street Fighting』としてSwitch版も登場した。基本仕様こそ変わらないものの、Steam版と比べて「タイトル名の微変更」「一部モード削除」「プレイアブルが6体に減少」「音量調整機能削除」と微妙に内容が削減されてしまっている。
また、Pix Arts製のゲームタイトル全般に言えることだが、Switch版のみ日本語非対応ながらもなぜか日本語も併記されており、名称も「アーバンストリートファイティング」とするところを「アーバンストリートファイト」と誤表記してしまっている。それだけに留まらず、キャッチコピーも翻訳されているが、まるで機械翻訳に丸投げしても早々お目に掛かれない支離滅裂なものとなってしまっている。
Android版はフリーウェアとして配信されているが、本項では取り扱わない。
問題点
-
2021年に発売された格闘ゲームなのにアーケードモードやトレーニングモードなどといったモードはない。
-
このゲームで基本的にできるのはCPU戦かPVPの二つのモードだけで、あまりにも少なすぎる。一応「CPU vs CPU」もあるがCPU同士の対戦が鑑賞に耐えうるものかと言えば…。
ちなみにSwitch版では「CPU vs CPU」が削除されている。
-
その為、トレーニングをしたいのなら黎明期の格ゲーのようにPVPをソロでプレイする事になるのだが、コントローラーを1台しか接続していない状態でPVPを行うと、2Pも1Pの操作に連動してしまうというバグが発生してしまう。
-
操作説明が無い
-
その上、前述のバグも存在するため、プレイヤーはPVPでコントローラーを2台接続して手探りで操作を調べる必要が出てくる。
-
一応、Steam版にはMIKEのみ操作説明がある。
-
前述していたようにキャラクターが少なすぎる。加えて技のモーションに見覚えのあるものが多い。
+
|
使用可能キャラ
|
-
MIKE
-
作品紹介のサムネにも写っている
有田哲平
本作の主人公枠。
-
技のモーションがどう見ても波動拳だったり昇龍拳だったりでほぼストリートファイターのリュウのパクリである。
-
また、彼が唯一戦闘開始時に特有のモーションがあったり、超必殺技が二種類もあるなど明らかに優遇されている。
-
MECANIM BOT
-
とてもプレイアブルには見えないロボット。
-
ボタンを連打するとストリートファイターの春麗の百裂脚を彷彿とさせる技を繰り出す。超必殺技に至ってはモーションがどう見ても鳳翼扇。
-
CPUのMECANIM BOT(と後述の流用キャラ二名)ではごく稀にプレイヤー側のHPが無くなるまで延々と百裂脚を続けるバグが発生する。
-
SOCCER BOY
-
サッカー服を着た
おっさん
青年。
-
サッカーをモチーフにしたキャラのくせにサッカーの技が一切使えない。
-
それどころかモーションがMECANIM BOTの完全流用である。
-
リュウとケンのようなコンパチという関係ではなく、モーションや技の性能も完全に同じなのでただの手抜きである。
-
SUZAN
-
パンク衣装に髪型がモヒカンの紅一点。
-
モーションはやはりMECANIM BOTからの完全流用である。
-
なお、ボイスは女性らしい高い声なのだが、MECANIM BOTとSOCCER BOYもそれと同じボイス
-
ETHAN
-
どこか近未来的な衣装をしている青年。
-
このキャラの特徴としてはMECANIM BOTを呼び出して攻撃するという飛び道具を持っている。
-
また、彼の超必殺技はMECANIM BOTに加えMIKEも呼び出して超必殺技を二つ繰り出すというもの。
-
見た目があまりにもシュールなのだが、そもそも超必殺技がMIKEとMECANIM BOTの流用(というか合体)なので結局のところ手抜きである。
-
BOXER
-
その名の通りボクシング技を繰り出すキャラ
-
…と思いきや、このキャラもMECANIM BOTを呼び出せる技を持っているETHANの流用キャラである。
-
ただ、完全に流用という訳ではないのだが何故かこのキャラだけ超必殺技がなかったり、しゃがむ事ができなかったりと致命的な欠陥を持っているキャラである。
-
要するにETHANの完全劣化版。その見た目と肩書でロボット使いと言うのもおかしいのだが……。
-
DRIVER
-
その名の通りカーレースに出場していそうな服装とヘルメットを被ったキャラ。
-
ストリートファイターのバルログが使うスカーレットテラーを思わせるバク転攻撃で敵を浮かせ、空中コンボに繋げることが出来る。
-
その他、手榴弾を投げるような軌道でファイアボールを投げることが出来る。MIKEのコンパチでもある。
-
ROBOT KYLE
-
人型のアンドロイドのようなキャラ。
やはりと言うべきか、このキャラもDRIVERの流用キャラである。能力的にはDRIVERの方が流用というべきか。
-
以上が使用可能キャラなのだが、ただでさえ8体は少ないのに流用キャラが4体もいるので実質4体しか使えない。
-
何故かSwitch版にはDRIVERとROBOT KYLEが登場していないので、使用キャラは実質3体になる。
|
-
グラフィックや技のモーションのクオリティはお察し。
-
MECANIM BOT(と他二名)が相手を見ずに顔を明後日の方向に向けながら、百裂脚を繰り出すという中々シュールな光景を見る事ができる。
-
DRIVERは頭身の異なるROBOT KYLEと同じモーションが無理矢理当てはめられたため、3Dモデルの至る所が欠けてしまっている。
-
ステージは複数種類あるが、どれも背景が廃墟なので実質一種類しかないようなもの。
-
ステージによってはプレイヤーの前にオブジェクトが置かれている事もある。
-
これのせいでプレイヤーがオブジェクトに隠れてしまい、視認性が悪い。
-
また、キャラクターと背景の建築物の遠近感がおかしく、キャラクターが巨大に見えてしまう。
-
ゲームバランスに関しては完璧に崩壊している。
-
MIKEの超必殺技の一つに強化版の昇龍拳があるのだが、なんとこの技は場合によっては相手の体力の10割を余裕で削る即死技と化す。
-
また、ガードされても相手がいずれ削り殺されるので関係ない。
-
恐らくヒットボックスに関係するバグかと思われるが…。
-
ETHANは攻撃を食らった後の硬直が長く、三段繋がるタックル攻撃は反撃のスキを殆ど与えない為、先に攻撃された側が高確率でハメられてしまうという大味な対戦に。
-
タイミング良くMECANIM BOTを呼び出せばそれだけでハメる事ができる。相手に間合いを詰められても超必殺技で再度吹っ飛ばす事が可能。
-
また、BOXERは前述した欠陥のせいでまともな対戦が期待できない。
まあ、そもそも本作でまともな対戦を期待している人がいるのか自体怪しいが。
-
Switch版のオプションで設定できるのが、難易度設定、および音楽と効果音の有無のみ。
-
本作は音楽の音量が大きいため、音量調整をするにはテレビ側か携帯モード時の本体側で調整するしかない。
-
先に発売された『Urban Street Fighter』では細かく調整できたため、完全な劣化点である。
-
同タイプの2Pカラーの配色がおかしい。
-
SOCCER BOYとBOXERは全身が真っ赤になるし、SUZANは何かのウイルスにかかったかのように全身青ざめている。
-
MIKEとROBOT KYLEは2Pカラーが設定されていないため、ミラー対戦時に見分けにくい。
評価点
-
本作で褒められるところはほとんどないが、強いて言うなら背景の素材はそこそこ。
キャラクターとの縮尺はおかしいが。
-
一応、難易度調整があるのでプレイヤーの腕に合わせて遊ぶ事もできるのも救いか。
総評
どこからどう見ても未完成品で、格闘ゲーム制作初心者が作ったテスト作品がそのまま売り出されてしまったかのような代物である。
キャラが実質3、4体しか使えない、モーションも不自然でモードが少ないなど明らかにボリュームがなさすぎるので値段に見合っていないばかりか、対戦自体も致命的な欠陥もあるのでひとつのゲームとして完全に成立していない。とても2021年に発売されたゲームとは思えない低クオリティであり、挙句タイトルからキャラ挙動に至るまで『ストリートファイターシリーズ』のパクリと邪推されても仕方ない内容をはじめ、倫理的問題まで抱えている事実からも、至る所まで隙の無いテンプレのような内容と言える。
インディーの格ゲーに限っても『Fight of Animals』などが既に世に送り出されているため、怖いもの見たさの物好きやクソゲーハンターでもない限りそちらを選んだ方が断然良いだろう。
余談
アセットフリップ
-
実はこのゲーム「Universal Fighting Engine(外部リンク)」というUnityの格闘ゲーム製作用エンジンをUIやシステム、モーション、フォント等全てそのまま流用して作られたゲームであり、Pix Arts側が手を加えている点は精々「プリセットモーションをキャラに設定」「ステージ作成」程度。そのため海外でも「アセットフリップ」として猛烈な批判を浴びてしまっている。
-
ちなみにETHAN、MECANIM BOT、ROBOT KYLEはUnityでゲームを製作したことのある人なら察しが付くと思うが、モーションテスト用に初めから導入されているUnityの標準アセットである。購入したアセットですらない。
-
随所にあるストリートファイターシリーズのパクリっぽい要素も、元を辿れば「Universal Fighting Engine」に用意されているテスト用のモーションをそのまま使っている為である。
-
本作と同じエンジンを使用して開発された格ゲーの例として『Fight of Animals』を開発したDigital Crafterの前作『Fight of Gods』が挙げられる。UFEの販売ページと合わせて見比べると、本作が如何に手抜きかが分かるだろう。
Pix Artsについて
-
本作を作ったメーカーのPix Artsは本作以外にも多数のゲームをリリースしており、多いときには月に11タイトルの新作を発売(北米eShop2021年1月当時)している。
-
しかし物理的に考えても、まともな品質のゲームを月に11タイトルもリリースできるわけもなく、殆どの作品の評価は著しく低く、本作のようにアセットフリップ疑惑が指摘されている作品が殆ど。本作もそうだが、他作(一例・外部リンク)ですら『パックマンシリーズ』などをはじめとしたタイトルから盗用したものと疑われても仕方ない内容で占められており、Pix Artsならではのオリジナル要素は皆無に等しい。
-
参考なまでに、従業員20人前後の企業である『返校 -Detention-』の赤燭遊戯は、創立年の2015年から9年経過した2024年現在でも同作を含めて3タイトルしか発売されていない。
その他
-
KOTY2021据置部門の次点に当たる。
-
ボリュームの薄さに加えて、前述のアセットフリップである点などが指摘されている。
-
ちなみに、KOTYでは2021年7月以降に「CEROのレーティングを通したゲームのみを受賞対象とし、IARCを通したゲームは暫定的に対象外とする」と方針を変更した。
-
これは、無料で審査を受けられるIARCの性質から、『SHOOT THE BALL』等のごく一部しか無かった2021年以前に比べ本作のような粗製濫造のインディーゲームが急増したためである。
-
本作はIARC審査しか通していないが、選評が7月以前に受理されたため話題作入りとなった。
-
しかしその結果、皮肉にも現在のクソゲーの主流となっていたダウンロード専売ソフトのほとんどを排除してしまい、結果的に2022年は選評が1本しか来ない事態となり、ついには据置機部門が廃止されることになってしまった。
最終更新:2024年07月02日 07:33